アニポケ世界で全国図鑑完成の旅(全1025)(ただしパッチールのフォルム違いは除く)   作:ビビリダマ

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3.成果と小休止 3/1025

 

 ホウオウを見た後の事は、言うに及ばない。

 

 ただ、ボロボロになった身体を引きずってなんとかトキワシティに到達しただけである。ポケモンセンターに行ってサトシ君と合流したいところだったが、街に入った瞬間、まず人間用の病院に搬送されてしまった。まぁ、これから先も伝説のポケモンにぶっ殺されかけまくる予定なので病院慣れはしておいて損は無いだろう。

 

 マーシャドーは命をかけた死闘の末に捕まった為か、一定以上は私の事を認めているが、……まぁどちらかというと世界の異物である私が悪しき行いをしないかどうか監視する為にこの状況に甘んじている可能性が高い。そもそもゴーストタイプの時点である程度気難しいのは織り込み済みだ。手持ちとしては、暫くほぼ死蔵する可能性が高いか。

 

 前にも話したが、この世界には人間にもタイプ適性的なものがあり、普通の人はノーマルと他の1、2タイプが関の山、その単タイプもだいたい草か虫か水か、と言った具合である。ゴースト・かくとうの複合タイプなんて気難しいなんてレベルじゃない。

 

 まぁ、余談はさておき、とっととポケセンに向かいイベントを進めようか。

 

 トキワシティは何とも言えない日本の地方都市といった風貌で、ゴウ君の故郷であるクチバシティに比べると街としての完成度は少し見劣りする印象を受ける。……まぁ、街としてのクオリティでいったら海外都市モチーフの水の都以降の映画舞台の街があまりにも強すぎるためどんぐりの背比べなのだが。

 

 私のポケモンも搬送時に別途、ポケセンに輸送されたらしいので受け取りにいくという名目で訪問する。

 

 中に入ると、見覚えのある後ろ姿が一つ。視線は3鳥+ウインディの石碑、……とくにフリーザーの部分に向いているだろうか。まぁ、形状的には一番ホウオウに近いしな。

 

「そのポケモン達に興味があるのか?」

 

「……君は?」

 

「やっ、サトシ。昨日ぶり。ゴウだぜ」

 

「ああっ、昨日オレより遅刻して研究所で何もポケモンを貰えなかったゴウ!」

 

「ううん、酷い覚えられ方をしてるな。まぁ、その件については心配ご無用。無事、ポケモンは調達出来たよ」

 

「えっ、スゲーじゃん。みせ……いや、今はいいや」

 

「うん?」

 

 表面上はすっとぼけておくが十中八九、傷ついたピカチュウに気を遣っての事だろう。初期のサトシ君は割と繊細で、不安になって母に電話をかけたものの、彼女からの期待にピカチュウの惨状を言うことが出来なかったりしていているのだ。

 

「まぁ、ここにいるという事は、ポケモンを休ませて……む、電話か。でもジョーイさんが」

 

 そう考えていると、なんとサトシ君が勝手に出てしまった。繋がった先はオーキド博士。どうやらサトシ君の母から聞いて電話をかけてきたらしい。うーん、前世からスマホに馴染みがある私としては、25年以上前の電子機器周りの機微がよくわからない。

 

 そもそもそれを言うのならば、ポケモンやコナンのようなサザエさん時空における技術進歩の諸々が最も判らない事であるが。

 

 オーキド博士はしばらくサトシ君とやりとりすると、話題をこちらに向けてきた。

 

「おーっ、ゴウ君もいるのかね。どうかね、君の方はポケモンゲット出来たかね?」

 

「3匹ほど。その内の1匹に非常に興味深い事例がありましたので、後日レポートを郵送します。それともう一点、質問もありますので後日、ご教授頂けたら幸いです」

 

 質問は無論、ホウオウの翼についてだ。オーキド博士はポケモン研究の第一人者。ポケモン図鑑システムを提唱し、各種を系統化。またポケモンの保有属性を19のタイプに分類し今のポケモン世界の常識を築いた紛れもない偉人である。

 

 この手の科学者は、表向きは同じ人間に思えて、そもそも視座が違うため私なんかが一生考えてもおよびつかないような意見をくれるだろう。そんな人が親しくしてくれているのだから巻き込まない手はない。

 

「おーっ、ぼちぼちじゃの。といっても、聡明な君の事じゃ。捕まえられなかったのではなく、育成の関係で捕まえなかった、と言ったところじゃろうが」

 

 そしてこの手の人は、話すこともまた抜群に上手い。子供達が相手なら楽しい話を、研究者相手にはしっかりとした見解を、マスコミ・大衆相手ならわかり易くかつ程良く専門的な話を噛み砕いて。

 

 話す相手によって、会話のレベルを合わせられるのは真に賢い人の特徴である。

 

「まぁ、そんな所です。全てのポケモンを集める、といっても蒐集目的の捕獲のみは些かどうかと思いまして。未進化から育成する事にしたんです。段階別で捕獲して変わらずの石で進化段階を留めるよりは良いかと考えたのです」

 

「うむ、それが良い。集めるという事に囚われすぎていない事が天晴れじゃ。君のレポート、期待しているからの」

 

「はい、博士。アドバイスありがとうございます。ではまた、質問とレポートは後日」

 

 そう言い、サトシ君に話を戻す。

 

 彼は暫く話し込むと通話を切った。

 

 ……まぁ、少し私が来る間が悪かったか。サトシ君はほんのりと、私と自身をオーキド博士を通して比較して凹んでいるのだ。初期のオーキド博士は割と厳しく、結果を出せないと他者と比較して小言を言ってくる。トレーナーの世界も現実と同じで甘くは無いという事だ。後半のシリーズになると、優しくなるのはトレーナーとしての一定の実績があり、篩にかける必要がなくなったからなのかもしれない。

 

 サトシ君への追い討ちは続く、焦げた自転車を持ったカスミがズカズカと入ってきてサトシに弁償を求めたのだ。

 

 カスミ、ハナダシティのジムリーダーであり、最初の旅の同行者。

 性格は、割と苛烈で感情の起伏が激しい。が、きちんとした芯を持っており最終的な判断基準だけはしっかりしている。ある時代の魅力的な少女像をそのまま具現化したかのようなキャラである。

 こればかりは、現実世界の二十うん年の魅力的な女性像の変化について少し話さねばなるまい。彼女は謂わゆるツン比率高めのかなり分かりにくいツンデレというキャラであるのだが、私が転生する直前の2025年では、世情が厳しいためか、男性の草食化の為かあまり当たりがキツいキャラはウケが悪くなっている。……正直、最近のツンデレは分かりやすすぎてほぼツンデレじゃなかったり、好感度を少し上げるとツンが取れたりと少々形骸化している節があるのだ。

 少々話が逸れたが、それ故に私にとって彼女の言動はある種の郷愁を感じさせるものなのだ。

 

 そんなこんなで、やりとりを聞いていると。

 

 なんだかんだと音がした。

 

 ああ、彼らの初出もここだったな。

 

 アーボとドガースが現れ、毒やスモッグを振りまく。

 

 私は応戦を試みるが、ポケモンの最序盤はレベルゲー、いいとこLv.2の私のポッポとコラッタは瞬く間に戦意喪失からの指示を飛ばすまでもなく粉砕。

 マーシャドーを使用するという手もあるが、再び殺しにかかられた場合やロケット団を完全に処断した際のリスクとリターンが釣り合っていないため、ここは断念。

 

 かくして私の初の対人ポケモンバトルはいいとこ無しの大敗戦。

 

 遂に現れたムサシとコジロウは、雑魚の私には目もくれず、ジョーイさんと交渉を開始した。

 

 ……確か、このままだとこの建物はピカチュウのかみなりで吹っ飛ぶのだったな。

 

 まぁ、引くべきであろう。基本的にこの世界は、私が何もしなければ上手くいく。成功するストーリーライン上にある以上、ポケモンゲット以外で大きく歪ませる必要も無いだろう。それよりも今晩はこの騒動でポケモンセンターが無い以上、先決はポッポとコラッタの回復手段の確保だ。

 

 私はそう結論を下し、ショップにてきずぐすりを購入。コラッタとポッポの手当てをしながら一晩を過ごすことにした。

 

 マーシャドー的には、合理的ではあるが利己的では無いといった具合で及第点であったのか、まだハイパーボールの中にいてくれている。

 

 さて、明日はトキワの森の踏破か、虫タイプは数が多い。そこそこの捕獲・レベリング作業になるため、早い所休むとしようか。

 

 

 

 

 

 

 

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