夜
府中のどこかにある大きな屋敷の廃墟、そこにある薄暗いラボに一人のウマ娘がいた
彼女の名はサイレンススズカ、大逃げを得意とするウマ娘でありチームスピカのメンバーの一人、これまでに大逃げで春秋マイル、春秋グランプリ、秋シニア二冠(天皇賞(秋)と有馬記念)を制している、その実力の高さから、海外の凱旋門賞への挑戦に期待が持たれた
そんな彼女は2年前に姿をくらまし、今はこの廃墟にいた、今の彼女からはかつての物静かな雰囲気は消えていた、彼女の目の色は赤色で冷徹な表情になっていた
スズカ?「…」
彼女の前には謎の機械があった、彼女は謎の液体の入ったボトルを3つ取り出して、ボトルに入った液体を一つずつその機械へと入れて何かを生成し始めた
カラカラン…
機械の出口に三つのメダルが出てくる、そのメダルには怪獣の横顔が描かれていた、彼女はそのメダルを取ったあと、また別の謎の液体二つを謎の機械に入れて何かを生成し始める、すると出口から先程手にしたものとは別の怪獣メダルが出てきた、彼女はそのメダルを手に取った
スズカ?「キエテカレカレータ…(いい気分だ…)」
と言いながら彼女は不気味な笑みを浮かべた
今のスズカはスズカであってスズカ本人ではないのである、彼女は2年前にセレブロと呼ばれる小型の寄生生物に寄生され意識を乗っ取られた、今の彼女の体を動かしているのはセレブロなのである
スズカ?「…?」
そんなセレブロ(に寄生されたスズカ)は制服のポケットの中に違和感を感じた、ポケットの中に何か薄いものが入っているのだ、取り出してみるとそれは一枚の写真だった、その写真にはサイレンススズカの誕生日を祝うチームスピカの面々が映っていた、右上にはマジックペンで『5月1日!スズカ!お誕生日おめでとう! トレーナーより』と書かれていた
スズカ?「…」
セレブロはその写真を見て何か反応を示すわけでもなかった、恐らく興味がなかったのだろう、ここでセレブロは今の日付を携帯で確認した
スズカ?「5月1日…」
5月1日はスズカの誕生日、この日はその5月1日だった
スズカ?「誕生日…」
セレブロはラボの冷蔵庫から、これまでに集めた怪獣の肉片が入った袋を取り出すと、テーブルに何故かあった大きな皿に死骸の肉片を一つずつ乗せていった、その結果完成したのは怪獣の肉片ケーキ、普通に見ると見た目は凄く気持ちの悪いものである、さらにそのケーキに先程生成した5つのメダルを乗せていき、真ん中にデビルスプリンターと呼ばれる物体を置いた、これは蝋燭の代わりなのだろうか
スズカ?「ハッピーバースデートゥーユー……ハッピーバースデートゥーユー……」
生気のこもっていない声で誕生日の歌を歌うセレブロ
スズカ?「ハッピーバースデーディア………俺……スズカ…」
その時セレブロはまた不気味な笑みを浮かべた(そもそもセレブロに誕生日があるのかどうか不明なのだが)
スズカ?「ハッピーバースデートゥーユー……」
誕生日の歌を歌ったあと、蝋燭代わりのデビルスプリンターを怪獣の肉片ケーキから取った
スズカ?「おめでとう……俺…!」
セレブロはそう言いながら怪獣の肉片ケーキからメダルを取ったあと、怪獣の肉片ケーキにむしゃぶりつき、狂ったように食べ始めた
グチュ…グチュ…
怪獣の肉片ケーキを食べる度に気持ちの悪い音がラボに響く、途中で怪獣の肉片ケーキから怪獣の血が顔に飛び散っても気にせず食べ続ける
食べ終わった頃、顔や制服は怪獣の血で汚れていた、だがセレブロはそんなことは気にしなかった
スズカ?「おめでとう……俺…!」
ラボ内にセレブロの不気味な笑い声が響く…こうしてスズカの誕生日は怪しい雰囲気のまま終わった、生成された5つのメダルは薄暗いラボの中で怪しく輝いた
終わり…