Monster Hunter Duel Storm   作:アサシン・零

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第9話「禁足地の試練と新たな道」

禁足地の空は灰色の雲に覆われ、荒涼とした岩場に冷たい風が吹き抜ける。調査団は岩陰に身を潜め、遠くで咆哮を上げる飛竜を見つめていた。白と青の身体、神秘的な輝きを放つ鱗、鋭い爪と尾が揺れるその姿は、まるで神話の生物のようだった。

 

「まずい!」学者エルの声が震えた。「あれが…本物のゼルレウスです!」

 

ミゲルはアクセルアックスを握り、息を呑んだ。アサシン・零は双剣を構え、冷静に指示を出した。「セリア、ファビウス、陣形を組め! ミゲル、リナ、ベイルは後方で援護! エル、記録を頼む!」

 

ゼルレウスが翼を広げ、咆哮を上げた。空気が震え、地面に雷のような衝撃が走る。調査団のハンター10名が一斉に動き、セリアの太刀、ファビウスのランス、零の双剣が火花を散らす。ミゲルはアクセルアックスを剣モードで構え、アリスが「ニャ、気合い入れるニャ!」とブーメランを構えた。

 

ゼルレウスの動きは素早く、尾から放たれる青白い光弾が岩を砕く。零は鬼人化で飛び込み、翼を斬りつけた。ファビウスはランスで突進を防ぎ、セリアが火球を回避しながら反撃。ミゲルは爆発突撃を放ち、ゼルレウスの脚を狙った。ボンッ! 斧の一撃が鱗を削るが、飛竜は咆哮を上げ、ミゲルを吹き飛ばした。

 

「ミゲル、焦るな!」零の声が響く。「動きを読め!」

 

リナが叫んだ。「ゼルレウスの光弾、規則的な間隔で撃つよ! 5秒ごとに注意!」エルはノートにスケッチを走らせ、ゼルレウスの行動を記録する。

 

戦いは熾烈だったが、調査団の連携が功を奏した。零の双剣が首筋を斬り、ファビウスのランスが心臓を貫く。ゼルレウスは最後の咆哮を上げ、地面に倒れた。ミゲルは汗だくで立ち上がり、アリスが「ニャ、勝ったニャ!」と跳ね回った。

 

セリアが太刀を鞘に収め、息を整えた。「…さすが、零。ギルドナイトの戦い方だ」

 

ファビウスがランスを肩に担ぎ、笑った。「先輩、やっぱり頼りになるよ」

 

だが、エルがゼルレウスの死体を調べ、眉を寄せた。「この鱗…ミゲルさんが森丘で見た羽毛とは一致しません。ゼルレウスは羽毛を持たない。新種の飛竜は別物です」

 

ミゲルは驚き、零を見た。「じゃあ、俺が遭遇したのは…」

 

「別の飛竜だ」零は冷静に答えた。「調査はまだ終わらん」

 

禁足地での調査は進展がなく、ゼルレウスの討伐以外に新たな痕跡は見つからなかった。調査団は2日後、ドンドルマへ帰還した。

 

ドンドルマのギルドホールに戻った調査団は、報告書を提出した。ファビウスは新たな任務のため別れを告げ、ランスを担いで馬車に乗り込んだ。「零さん、ミゲル、また会おう。禁足地の続きは頼んだよ」

 

零は頷き、ギルドマスター・アレンの部屋に呼ばれた。アレンは銀色の鱗を輝かせ、零に告げた。「零、調査団リーダーより上の立場として、調査の総司令に任命する。新種の飛竜を追え。ギルドの未来がかかっている」

 

「…了解した。謹んで拝命する。」零は渋々頷き、双剣を握り直した。ベイルが「ニャ、忙しくなるニャ」と呟く。

 

一方、ミゲルとリナはアリスと共にドンドルマ大学へ向かった。寄宿制の大学には広大な寮があり、ミゲルはアリスと小さな部屋に落ち着いた。アクセルアックスを壁にかけ、アリスがベッドで丸くなるのを見ながら、ミゲルは新たな生活に胸を躍らせた。

 

ドンドルマ大学研究科の初日、ミゲルはアラン教授の授業に出席した。アランは50代の人間族で、白髪と鋭い目が印象的な学者だ。ミゲルは植物学、狩人学、猟竜研究学を専攻することに決め、最初の授業は猟竜研究学だった。

 

アラン教授は黒板にモンスターの図を書き、説明を始めた。「モンスターの生態は季節によって異なる。繁殖期、温暖期、寒冷期の3つがあり、それぞれで採れる素材や出現するモンスターが違う。繁殖期には小型モンスターが増え、温暖期には飛竜種が活発。寒冷期は獣竜種が優勢だ。例えば、イャンクックの火袋は温暖期に質が高い」

 

ミゲルはノートに書き込み、森丘でのイャンクック戦を思い出した。アリスが机の下で「ニャ、勉強も大事ニャ」と呟く。

 

次の授業は植物学で、ゼノン教授が担当した。ゼノンは40代の女性で、緑のローブにハーブの香りを漂わせる。「怪力の種は攻撃力を一時的に高め、忍耐の種は防御力を上げる。これらはモンスターの素材と組み合わせ、薬や罠に応用される。ハンターにとって、植物学は生き残る術だ」

 

ミゲルは怪力の種を手に取り、アクセルアックスの爆発突撃と組み合わせるイメージを膨らませた。ハンターへの道は、戦闘だけでなく知識も必要だと実感する。

 

リナは編纂者試験を受けたが、結果はまだ出ていない。とりあえず、ドンドルマの集会所で編纂者見習いとして働き始めた。彼女はミゲルのイャンクック戦やゼルレウスの記録をまとめ、ギルドに提出する。「ミゲル、私も頑張るから! 新種の飛竜、絶対解明するよ!」

 

ミゲルはリナの情熱に笑顔で頷き、アリスを肩に乗せた。「リナ、俺も負けない。ハンターズギルドに認められるハンターになる!」

 

一方、零はギルドホールの自室で、ベイルと調査資料を眺めていた。新種の飛竜の羽毛、森丘の環境変化、ゼルレウスの討伐――全てが繋がっている気がするが、核心には届かない。「ベイル、ギルドの隠蔽…昔と同じ匂いがする」

 

「ニャ、零、怪しいニャ。ナヴィアなら何か知ってるかもニャ」とベイルが唸る。

 

零は双剣を手に、窓の外を見た。ドンドルマの喧騒と、遠く禁足地の闇。新種の飛竜を追う戦いは、まだ始まったばかりだった。

 

 

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