Monster Hunter Duel Storm 作:アサシン・零
ココット村の鍛冶屋から、鉄槌の音が響いていた。ミゲルはカウンター越しに、ドスランポスの鱗と牙、竜骨【小】を差し出した。鍛冶屋の親父――ゴツい腕に無数の火傷跡を持つ男――が素材を手に取り、目を細めた。「お前、ドスランポスを倒した見習いか。いい素材だな。これでアクセルアックスを強化できるぜ」
ミゲルはアクセルアックスを渡し、期待に胸を膨らませた。「どんな風に強くなるんですか?」
「ドスランポスの鱗で刃を鋭くし、牙で火薬機構の出力を上げる。爆発突撃の威力が一段階上がるぞ。ただし、重くなるから扱いには慣れが必要だ」親父は炉に素材を放り込み、槌を振り始めた。
数時間後、強化されたアクセルアックスがミゲルの手に戻った。刃は青く輝き、変形機構のレバーがより滑らかに動く。ミゲルは剣モードと斧モードを試し、カチリと音を立てて笑顔を浮かべた。「これなら、次の戦いもいける!」
「ドスランポスの鱗で刃を鋭くし、牙で火薬機構の出力を上げる。爆発突撃の威力が一段階上がるぞ。ただし、重くなるから扱いには慣れが必要だ」親父は炉に素材を放り込み、槌を振り始めた。
数時間後、強化されたアクセルアックスがミゲルの手に戻った。刃は青く輝き、変形機構のレバーがより滑らかに動く。ミゲルは剣モードと斧モードを試し、カチリと音を立てて笑顔を浮かべた。「これなら、次の戦いもいける!」
その夜、森丘の闇に雷鳴のような咆哮が響いた。ライゼクス――森丘の主として名高い電撃を操る飛竜種が、翼を広げて夜空を舞う。アサシン・零はオトモアイルーのベイルと共に、岩場に身を潜めていた。零の手には二振りの剣である双剣。、鋭い二本の刃が月光に輝く。ベイルは傷だらけの毛皮を震わせ、「ニャ! ライゼクス、気合い入ってるニャ!」と唸った。
「今回はライゼクスだけじゃない。リオレイアも縄張りに入ってる。両方狩る」零の声は冷静だったが、目は鋭く光っていた。
ライゼクスが咆哮を上げ、尾から電撃が迸る。零は双剣を構え、鬼人化のポーズを取った。体が一瞬霞むような速さで動き、ライゼクスの翼に斬りつける。ベイルが援護し、ブーメランでライゼクスの目を狙う。だが、空からリオレイアの火球が飛来し、岩場を焦がした。
「チッ、厄介な組み合わせだ」零は回避しつつ、20年前の記憶を呼び起こした。ドンドルマのハンター時代、霊峰の奥地でジンオウガ希少種――別名「不狼竜」を討伐した日。バルドの大剣、ラーナの盾斧、アーロンのランス、そして零の双剣。四人で挑んだ戦いは、死線を越えるものだった。不狼竜の雷は空を裂き、咆哮は山を揺らした。あの日の絆と勝利が、零をギルドナイトに押し上げた。
「ベイル、援護しろ!」零は双剣を振り、ライゼクスの尾を狙った。電撃を帯びた尾が振り回されるが、ベイルが爆弾を投げ、動きを封じる。リオレイアが火球を吐く隙に、零は鬼人突進で急接近し、翼を斬り裂いた。二頭の飛竜は互いに牽制し合い、零はその混乱を巧みに利用した。
戦いは熾烈だったが、零の双剣は的確に急所を突き、ベイルの援護が隙を埋めた。ライゼクスが倒れ、リオレイアが逃げ出した時、零は息を整え、双剣を鞘に収めた。「…昔を思い出した」
「ニャ、零、相変わらず強いニャ!」ベイルが誇らしげに胸を張った。
翌朝、ミゲルはココット村のオトモ雇用所を訪れた。そこには色とりどりのアイルーたちが、ハンターの依頼を待っていた。ミゲルは一匹の白いアイルーに目を奪われた。青い目と小さな鈴付きの首輪が愛らしい。「お前、名前は?」
「ニャ! アリスだニャ! ミゲルのオトモになるニャ!」アリスは元気に跳ね、ミゲルの足元に擦り寄った。
「よし、アリス、よろしくな!」ミゲルは笑顔で契約を結んだ。その後、バルドからマイハウスを譲られた。小さな木造の家は、簡素だが暖炉とベッドが揃い、ミゲルにとって安息の地となった。アクセルアックスを壁にかけ、アリスが床で丸くなるのを見ながら、ミゲルはハンターへの決意を新たにした。「ドンドルマのハンターズギルド…絶対にたどり着く」
その日、ミゲルは新たなクエストを受注した。森丘でのイャンクック狩猟。リナが同行し、アリスが初陣を飾る。森丘のエリア7、密林の開けた場所で、イャンクックが火を吐きながら現れた。ドスランポスとは異なり、空を飛び、火球を放つその動きは一筋縄ではいかない。
「アリス、援護頼む!」ミゲルはアクセルアックスを剣モードで構え、イャンクックの突進を回避。強化された刃で尾を斬りつけ、火球を避けながら爆発突撃を放った。ボンッ! 斧の一撃がイャンクックの頭に命中し、モンスターがよろめく。アリスがブーメランを投げ、気を引く。
リナが叫んだ。「ミゲル、頭が弱点! 火袋を狙って!」
ミゲルは訓練クエストの経験を活かし、動きを読みながら連撃を重ねた。イャンクックが火を吐く瞬間、斧モードで爆発突撃を叩き込み、火袋を破壊。モンスターは倒れ、ミゲルは勝利の笑みを浮かべた。「アリス、ナイスだ!」
「ニャ、ミゲル、最高ニャ!」アリスが跳ね回った
一方、零は調査団のエルやセリアと森丘で痕跡調査を進めていた。深青色の羽毛、鱗の欠片、爪痕――新種の飛竜の存在が濃厚になる。エルがノートを見ながら言った。「この羽毛の構造、飛竜種の中でも特異です。ゼルレウスではない別の種…生態系に何が起きてるんでしょう?」
零はベイルと視線を交わし、答えた。「20年で環境が変わった。モンスターの分布、気候…何か大きな力が動いてる。温暖化か、別の要因か、断言はできん。だが、この飛竜はただの新種じゃない」
セリアが太刀を握り、呟いた。「零、あなたがギルドナイトだった頃、こんな異変は…」
「あった」零は静かに答えた。「ジンオウガ希少種の出現も、環境の異変だった。ギルドは隠したがな」
「はい!」ミゲルはアクセルアックスを握り、アリスを肩に乗せた。「どんなモンスターも倒して、ギルドに認められます!」
零は小さく笑い、森丘の空を見上げた。新種の飛竜、ゼルレウス、環境の変化――ハンターとしての戦いは、新たな局面を迎えようとしていた。