第一話 ビックニュース!婚約者の到来
練矢side
使い魔と契約して数日が経過した。
俺が部室へ向かうと、そこにはすでにオカルト研究部のメンバーが集まっていた。
それを見て、俺は少し遅れたことを謝る。
「すまん、遅れた」
するとリアスが俺を見る。
「蒼那から聞いてるわ。貴方、一体どれだけの仕事をしているの?」
「ん?」
俺は少し考えてから答える。
「この高校の部活は、大体ヘルプとしてやっているぞ」
その答えを聞いたリアスは頭を抱える。
他のオカ研メンバーも驚いた表情を浮かべていた。
「まさか、それほどのことをやっていたなんて知らなかったわ」
リアスは呆れたように言う。
だが、俺は肩をすくめる。
「そう言われてもな。一年の頃からずっとやっていたからなぁ」
俺はその話を終わらせようとした。
するとリアスが別の話題を出す。
「まぁ、その話はいいわ」
「練矢君、チェスの相手を頼めるかしら?」
「いいですよ」
俺は了承する。
ただし、一言付け加えた。
「ただ、吠え面かかないでくださいね」
それからしばらくして。
「参ったわ」
リアスがそう言って駒を置く。
「お疲れ様」
結果は五戦。
リアス二勝。
練矢三勝。
俺の勝ちだった。
その結果を見たオカ研のメンバーは驚く。
「練矢君、まさか部長に勝つなんて」
「……凄いです」
「まさか、こうなるとは」
「凄いです、練矢先輩」
「スッゲー! 部長に勝ったのか!」
リアスは悔しそうに呟く。
「悔しいけど、最初しか勝てなかったわ」
俺はその言葉を聞いて説明する。
「チェスは昔から眷属とやっていてな」
「モードレッドの方が強いからな。それに、他の奴らもリアスより強いしな」
それを聞いたリアスは少し苦笑する。
「それじゃあ、今日はここまでにしましょう」
俺は時間を確認する。
ちょうど良い時間だった。
その後、俺達は何事もなく帰宅した。
そして、その日の夜。
俺が寝ようとしていると。
突然、目の前に赤い魔法陣が現れた。
そこから現れたのは──。
裸のリアスだった。
俺は驚く。
するとリアスは焦ったような表情で、俺へ飛び付いてきた。
「練矢君……いえ、練矢」
そして。
「今から私を抱いて!」
と言ってきた。
俺は呆然とする。
「いきなり現れて何言ってんだ、お前は」
その騒ぎを聞きつけ、モードレッドが部屋へやって来る。
「マスターッ!」
「大きな音が聞こえたが、無事かっ!?」
そして部屋の中を見た瞬間。
そこには、裸の赤髪の美女と、その下にいる俺の姿があった。
それを見たモードレッドの表情が変わる。
「マスターに何してんだぁーっ!」
モードレッドはリアスへ向かって剣を抜く。
俺は慌てて受け止める。
「落ち着け、モードレッド!」
「コイツは俺の部活の部長だっ!」
そう言うと、モードレッドは剣を納める。
「何だ、そうだったのか」
そして疑問を口にする。
「なら、何でここにいるんだ?」
俺はリアスを見る。
「コイツは悪魔でな。この町の管理もしているんだと」
説明すると、モードレッドは首を傾げた。
「管理ぃ?」
「そんなのマスターが二百年も前からやっているだろう?」
その言葉にリアスは驚く。
「練矢は、そんな昔から管理をしていると言うの?」
俺は頷く。
「そうだぞ」
「だから俺はお前らに言ったよな?」
「誰がこの町の管理者かって」
リアスは頭を抱える。
「う~~~~っ」
すると、その時。
モードレッドの後ろに白い魔法陣が現れた。
そこから姿を現したのは、銀髪のメイドだった。
その姿を見た俺は、思わず呟く。
「咲夜か?」
しかし、すぐに否定される。
「違います」
「私はグレイフィア・ルキフグスと申します」
そう言って、彼女は俺達へ挨拶をする。
俺も改めて名乗る。
「俺は白鉄練矢」
「最後の魔人にして、この駒王町を二百年管理している者だ」
するとグレイフィアは俺を見る。
「魔人、ですか」
そして次の瞬間。
「では、死んでください」
突然、グレイフィアは魔法を放ってきた。
だが。
「おっと!」
「マスターには指一本触れさせないぜ」
モードレッドが俺の前に出て、その魔法を剣で切り裂く。
その光景を見たリアスとグレイフィアは驚いた表情を浮かべた。
俺は立ち上がりながら、グレイフィアを見る。
「それで、お前は敵でいいんだな?」
するとリアスがすぐに否定する。
「いいえ、敵ではないわ」
「だから争わないで」
その言葉を聞いたグレイフィアは、リアスを見る。
「お嬢様」
「そのような格好をしていては、はしたないですよ」
リアスは視線を逸らす。
「貴方が来たってことは……」
「彼ももうすぐ来るんでしょ」
「なら、私はこうするしか……」
そう言うと、リアスは涙を流し始めた。
それを見た俺は、何か事情があることを察する。
「何か理由があるんだろうけど」
「ここでは聞かないでおくよ」
俺はリアスに布団を掛ける。
そしてグレイフィアを見る。
「と言うわけで、今日のところはお引き取り願おうか?」
しかし、グレイフィアは首を横に振る。
「いいえ、そのようにはなりません」
「なぜなら、ここで貴方は死ぬからです」
そう言って、グレイフィアは再び魔法を放つ。
俺はそれを見て、冷静に言う。
「キバット、やれ」
次の瞬間。
グレイフィアの魔法は、瞬く間に消滅した。
その光景を見たリアスとグレイフィアは、再び驚く。
「貴方、何をしたの?」
リアスが尋ねてくる。
俺は少し上を見る。
「俺は何もしてないよ」
「やったのは、お前の後ろにいる奴だ」
俺が指を差すと、そこにはキバットがいた。
そして、キバットの蒼い翼幕には白い魔法陣が浮かび上がっている。
それを見たグレイフィアは、俺を見る。
「ま、まさか……」
「貴方が今代のキバ……」
俺は淡々と答える。
「それがどうした」
「今回は見逃してやる」
「さっさと帰れ」
グレイフィアは少し悔しそうな表情を浮かべる。
「分かりました」
「今回は引かせてもらいます」
そう言うと、グレイフィアは魔法陣の中へ消えていった。
その様子を見て、リアスは呟く。
「まさか……グレイフィアが下がるなんて」
俺はため息を吐く。
「とりあえず、今日は泊めてやる」
「だから明日、理由を話せ」
そう言って俺はリビングへ向かい、その日は眠りについた。
翌朝。
俺はリアスを起こすため、部屋へ向かった。
そして扉を開けると。
そこには、裸のまま眠っているリアスがいた。
俺は特に気にせず声を掛ける。
「おーい、起きろ」
「早くしないと遅刻するぞ」
するとリアスは飛び起き、俺を見る。
「おはよう、練矢」
「おはよう、リアス」
俺は返事をしてから続ける。
「それより早く服を着ろ」
「朝食はウチのメイドが作ってくれたから」
そう言って、俺はリビングへ戻る。
その後、リアスと朝食を食べ終える。
「リアス」
「お前はまず部室か家に帰って着替えてこい」
「その格好のままじゃ変態だぞ」
その言葉にリアスは顔を赤くする。
「そんなこと分かっているわよ」
「それじゃあ、一旦帰るわね」
そう言ってリアスは赤い魔法陣と共に姿を消した。
その後、俺は高校へ向かった。
そして放課後。
オカ研へ向かっている途中。
部室から怒号が響いた。
練矢side out
イッセーside
使い魔を捕まえに行ってから数日後。
放課後になり、俺は部室へ向かっていた。
しかし、部室へ入ると、いつもの雰囲気とは違っていた。
部長が暗い表情をしており、その隣には銀髪のメイドさんが立っていた。
俺は気になり、声を掛ける。
「おはようございます、部長」
「どうかしたんですか?」
すると部長は、少し困ったような表情を浮かべる。
「おはよう、イッセー」
「いえ、ちょっと家のことについてね」
その様子を見た俺は、詳しいことは分からなかったが、何か力になれることがあるならと思い口を開く。
「部長、家のことについては正直あまり分からないですけど」
「俺に出来ることがあれば、何でも言ってください」
その言葉を聞いた部長は、少しだけ表情を和らげる。
「ありがとう、イッセー」
「みんなに話さなければいけないことがあるの」
そう言って、部長が話そうとした時だった。
銀髪のメイドさんが口を開く。
「お嬢様」
「私がお話ししましょうか?」
しかし、部長は首を横に振った。
「いいえ」
「私から話すわ」
そして。
「実はね──」
部長が話し始めようとした瞬間。
突然、部室内に魔法陣が現れた。
そこから現れたのは、金髪の男。
そして複数人の女性だった。
その姿を見た木場先輩が呟く。
「フェニックス……」
すると金髪の男は周囲を見渡しながら言う。
「ふぅ……」
「久々の人間界だな」
そして、その視線を部長へ向ける。
「やぁ、僕の愛しのリアス」
「会いに来たぜ」
その言葉を聞いた俺は、思わず疑問を口にする。
「誰だ?」
すると男は俺を見る。
「俺を知らないとは……」
「リアス、部下の躾がなっていないんじゃないのか?」
その言葉に銀髪のメイドさんが説明してくれる。
「兵藤一誠様」
「この方は純潔の上級悪魔」
「そして、古い家柄を持つフェニックス家の三男」
「ライザー・フェニックス様にあらせられます」
俺はいまいち理解できずにいた。
すると、さらに説明が続く。
「そしてこの方は、グレモリー家次期領主」
「リアスお嬢様の婚約者でもあります」
「はぁ──────っ!?」
俺は思わず叫んでしまう。
その後、ライザーは何事もなかったかのように、朱乃さんが淹れたお茶を飲み始めた。
「いやぁ」
「リアスの女王が淹れてくれたお茶は美味しいなぁ」
朱乃さんは笑顔で答える。
「痛み入りますわ」
しかし、その表情からはどこか苦手意識を感じた。
するとライザーは、部長の手を取り、そこへ口付けをする。
だが。
部長はすぐにその手を払い除けた。
「いい加減にして頂戴」
「前にも言ったはずよ」
「私は貴方と結婚するつもりはないと」
その時。
部室の入り口から、オカ研のメンバーが知る人物が現れた。
イッセーside out
練矢side
俺が部室へ入ると、そこには昨日俺の前に現れた銀髪のメイドと、見覚えのない集団がいた。
状況を確認するため、俺は近くにいた塔城へ声を掛ける。
「どういう状況だ?」
すると塔城が説明してくれた。
俺は話を聞き、状況を理解する。
「なるほどな」
「つまり、家族間のお家騒動ってことか」
俺は腕を組む。
「それなら、今の時代には合わないわな」
「悪魔の世界では、まだそういう風習が続いているみたいだけど」
そしてライザーを見る。
「そんなに純潔が必要なんだったら、眷属なんて必要ないだろうしな」
その言葉を聞いたライザーは、俺を睨みつける。
「おい、そこの平民」
「お前、自分が何を言っているのか分かっているのか?」
俺は眉をひそめる。
「誰が平民だ」
「ていうか、お前誰だよ」
すると兵藤が慌てて説明する。
「コイツは部長の婚約者で、フェニックス家三男のライザー・フェニックスだ」
その説明を聞き、俺はライザーを見る。
するとライザーは不満そうな顔をする。
「おい、平民」
「この俺に対して不敬だぞ」
俺は淡々と返す。
「貴族と言っても三男か」
「貴族としては家を継がない立場だな」
その言葉にライザーの表情が険しくなる。
そして。
ライザーは俺へ向かって炎を放とうとした。
俺は手を前へ出す。
「やめておけ」
「それをやったら、お前を殺すことになるぞ」
その言葉に、ライザーの怒りはさらに増す。
「生意気な……」
「今すぐ殺してやる!」
ライザーが炎を放とうとした瞬間。
突然、その手に宿っていた炎が消えた。
その場にいたリアスとグレイフィア以外は、何が起きたのか理解できていない様子だった。
俺が少し笑うと、ライザーは睨みつけてくる。
「俺の炎をどうしたのかは知らないが」
「その程度で俺に敵うとでも思っているのか?」
そう言い掛けた時。
グレイフィアが口を開く。
「おやめ下さい、ライザー様」
「その方には敵わないかもしれませんので」
その言葉に、兵藤以外の全員が驚いた表情になる。
ライザーも信じられないという顔をする。
「それは、どういうことだ?」
「最強のクイーンである貴女が、そのようなことを言うとは」
するとグレイフィアは、俺を見る。
「この方は……」
「キバの鎧の継承者です」
その言葉に、ライザーとその取り巻き達は驚く。
リアスもグレイフィアへ尋ねる。
「それが、どうして止める理由になるの?」
グレイフィアは静かに説明する。
「キバの鎧とは」
「装着しているだけで、魔力と生命力を吸い取る鎧なのです」
「それを身に付けることが出来るということは」
「この方が尋常ではないほどの魔力と生命力を持っているということ」
「そして、それが可能な種族は……魔人だけです」
その説明を聞いたオカ研のメンバーは、驚いた表情を浮かべる。
「すごい……」
そんな雰囲気の中。
ライザーだけは、青筋を浮かべていた。
今にも怒りが爆発しそうな表情で、俺を睨みつけている。
練矢side out
しばらくこの話の投稿を休みます。新しい話が終わったら続きを書きます。