???「そう思うなら、さっさと続きを書きやがれっ!」
作者「え?」
???『デスシウムバーストッ!」
作者「ギィヤァーーーーーーーーーーーッ!」
〈バコォーーーンッ!〉
作者「な、なんで、お前がここに居るんだよ〈ベリアル〉」
ベリアル「貴様がいつまで経っても俺様たち話を書かないからだっ! それに一度削除されたデータを復旧して追加で書きやがってっ! 設定だけの自己満足小説、いくつぐらい書きやがった?」
作者「え、えぇ〜っと、大体今の時点で94本ぐらいなのと、まだ上げてないのが2本ぐらいかな? それがどう…し……た………あ、」
ベリアル「なるほどなぁ〜、俺様たちのことを放っておきながら貴様は上げもできない設定小説をそれほどまで書いていたのか」
作者「ち、ちょっと待て、それに俺はリアルで働き始めたから、それにも時間がかかって、それで」
ベリアル「それ自体も三ヶ月前の話だろっ! それより前はどうしたっ! 俺様の記憶が正しければ、貴様が仕事を半月前に出してからやらなくなったよな? それもかなり雑な作りで」
作者「ちょっ! それは言わないでくれないかなっ! 俺だって納得してない奴だけど、頑張っているんだから!」
ベリアル「なら、仕事が始まるまで必死にやれば良かっただろうが、コノバカヤロォーーーーーーーガァーーーーーーッ!」
作者「す、すみませんでしたぁーーーーーーっ!」
ベリアル「たく、これからは気をつけろよ、それと俺様達の話を書いてきた時にはこれの続きだからな」
作者「か、勘弁してくれ。ま、まぁ気を取り直して本編の方をどうぞ」
練矢side
俺はポケットから黒いドランフエッスルを取り出し、肩に止まっていたキバットへ差し出した。
「キバット、頼む」
キバットは静かに頷き、ドランフエッスルを咥える。
次の瞬間。
ピィィィィィィィッ──。
澄み切った音色が山々へ響き渡った。
音色が消えると、辺りは静寂に包まれる。
「……何も起きませんね」
木場が辺りを見回す。
兵藤も不思議そうに首を傾げた。
「先輩、本当に来るんですか?」
俺は空を見上げたまま笑う。
「もう来てる」
「え?」
兵藤達も一斉に空を見上げた。
雲の向こうから、巨大な影がゆっくりと姿を現す。
最初は巨大な城が空を飛んでいるようにしか見えなかった。
しかし近付くにつれ、その正体が明らかになる。
城の正面から長い竜の首が伸び、その先には威厳ある頭部。
城の四隅には巨大な四肢が備わり、後方には長い尾が揺れる。
さらに屋根の上には小さな翼が羽ばたいていた。
それは、竜が城を背負っているのではない。
城そのものが、一頭の竜として命を宿している存在。
外壁は深い紫色に染まり、長い年月を生き抜いてきた風格を漂わせている。
「なっ……」
兵藤は目を見開いた。
「城が……飛んでる?」
「いや……違う」
「城が、生きてる……」
アーシアは思わず両手を口元へ添える。
「こんなドラゴン……見たことありません」
木場も感嘆の息を漏らした。
「まさに伝説級ですね」
リアスも静かに見上げる。
「これが……キャッスルドラン」
やがてキャッスルドランは別荘近くの広場へゆっくりと降り立った。
ズゥン……。
大地がわずかに震える。
しかし、その巨体からは威圧よりも、どこか穏やかな空気が感じられた。
キャッスルドランはゆっくりと首を下ろし、俺の前まで顔を寄せる。
「クルルル……」
低く優しい鳴き声が響いた。
俺は自然な笑みを浮かべ、その鼻先を軽く撫でる。
「悪いな」
「ちょっと場所を借りるぞ」
キャッスルドランは気持ち良さそうに目を細めると、小さく喉を鳴らした。
「クゥ……」
その直後。
正面にある巨大な門が、重厚な音を響かせながらゆっくりと開いていく。
ギギギギギ……。
兵藤は開いていく門と俺を交互に見た。
「せ、先輩……」
「今のって……」
「ああ」
俺は門へ向かって歩きながら答える。
「『入れ』ってことだ」
「こいつは俺達を家族みたいに思ってる」
「だから身内が帰ってくれば、こうして迎えてくれるんだ」
兵藤は思わずキャッスルドランを見上げた。
「……すげぇ」
「ドラゴンなのに、なんか温かい感じがします」
俺は肩越しに小さく笑う。
「見た目は迫力満点だけどな」
「案外、面倒見はいい奴なんだ」
リアス達もその後に続く。
巨大な門をくぐり、一行はキャッスルドランの内部へと足を踏み入れた。
キャッスルドランの巨大な門をくぐると、兵藤達は思わず足を止めた。
「……広っ」
兵藤が思わず声を漏らす。
外観は巨大な城そのものだったが、中はそれ以上だった。
高い天井を支える幾本もの柱。
奥へと真っ直ぐ伸びる赤い絨毯。
壁には鎧や剣が飾られ、長い歴史を感じさせる。
ドラゴンの体内とは思えない、まさしく一つの王城だった。
「本当に……凄いですね」
アーシアは感嘆の息を漏らす。
「こんな場所、初めて見ました」
木場も辺りを見渡す。
「訓練施設としても申し分ありませんね」
俺は前を歩きながら口を開く。
「ここはキャッスルドランの訓練場だ」
「昔から眷属達もここで鍛えている」
「昔から……ですか」
兵藤が苦笑する。
「先輩がそう言うと、何百年単位の話に聞こえるんですけど」
「実際そうだからな」
あっさり返すと、兵藤は「ですよね……」と肩を落とした。
やがて、大きな両開きの扉の前へ到着する。
俺が立ち止まると、重厚な扉は音を立てながらゆっくりと開いていった。
その先には広大な訓練場が広がっている。
そして中央には五人の人影。
俺の姿を見た瞬間、一人の少女が勢いよく駆け出した。
「マスター!」
赤い鎧を身に纏った少女は俺の前で立ち止まり、満面の笑みを浮かべる。
「待ってたぜ!」
「ああ」
俺も自然と笑みを浮かべた。
「急に呼び出して悪かったな」
「そんなこと気にすんな!」
「マスターに頼まれたんだから当然だ!」
豪快に笑うその姿に、兵藤達は圧倒される。
「す、すげぇ……」
「この人、滅茶苦茶強そうだ……」
するとリアスが少女を見て、小さく目を見開いた。
「あら……」
少女もリアスを見る。
「ん?」
二人は数秒見つめ合う。
そして、
「あ」
「この前の悪魔か」
「練矢の家で会った騎士の方ね」
少女は「ああ!」と笑った。
「そうだったな!」
「あの時は自己紹介してる場合じゃなかったし!」
俺は二人へ視線を向ける。
「改めて紹介する」
オカルト研究部へ向き直る。
「まずは俺の眷属で、
モードレッドは胸を軽く叩き、力強く笑う。
「モードレッドだ!」
「剣も体術も担当する!」
「鍛える以上は中途半端にはしねぇから、そのつもりで来い!」
木場はその立ち姿を見つめ、小さく呟いた。
「立ち姿だけで分かります……」
「相当な実力者ですね」
モードレッドはニッと笑う。
「見る目あるじゃねぇか」
続いて二人の少女が一歩前へ出る。
「
深々と頭を下げる。
「皆様、本日からよろしくお願いいたします」
その隣では桃色の髪の少女が静かに口を開く。
「
「練矢様から話は聞いているわ」
「せいぜい期待を裏切らないでちょうだい」
兵藤は苦笑するしかなかった。
さらに銀髪のメイドが一礼する。
「
「皆様のお世話も兼ねて、修行のお手伝いをさせていただきます」
最後に、小柄な少女がゆっくりと前へ出る。
「猫猫です」
それだけ名乗ると、それ以上は何も言わない。
少し沈黙が流れ、兵藤が困ったように俺を見る。
俺は構わず続けた。
「猫猫には医療班を任せる」
「怪我人の治療と、アーシアの指導だ」
猫猫は小さく息を吐いた。
「指導って言っても、大したことはしません」
そう言ってアーシアを見る。
「あなた、治癒の神器を持っているそうですね」
「は、はい!」
「なら、薬くらい覚えておいた方がいいです」
「治せることと、診られることは別ですから」
アーシアは真剣な表情で頷く。
「はい!」
猫猫も小さく頷く。
「物覚えが悪くないと助かります」
そう言うと、それ以上話すことはなく、一歩下がった。
俺は全員を見渡す。
「以上だ」
「今日からライザーとのレーティングゲームまで、こいつらがお前達を鍛える」
その一言で、訓練場の空気が引き締まる。
モードレッドは拳を鳴らし、不敵な笑みを浮かべた。
「さて」
「誰から相手をしてやろうかな」
兵藤達は思わず顔を見合わせる。
これから始まる修行が、生半可なものではないことを全員が悟っていた。
訓練場に静寂が訪く。
オカルト研究部の面々は、練矢の眷属達を改めて見つめていた。
誰一人として隙がない。
ただ立っているだけなのに、それぞれが纏う空気は明らかに普通ではなかった。
兵藤が小さく息を吐く。
「先輩……」
「この人達、本当に全員が先輩の眷属なんですか?」
「ああ」
練矢はあっさりと頷いた。
「長い付き合いだからな」
「戦い方も癖も全部知ってる」
モードレッドは腕を組みながら笑う。
「ま、あたし達もマスターの戦い方は全部知ってるけどな!」
「だから手加減なんて期待するなよ?」
その言葉に兵藤は乾いた笑みを浮かべた。
「いや、最初から期待してません……」
リアスは一歩前へ出る。
「練矢」
「修行の内容はどうするつもりなの?」
その問いに、練矢は少しだけ考える素振りを見せる。
「単純だ」
「お前達はライザーとのレーティングゲームに勝つ必要がある」
「なら必要なのは、小手先の技術じゃない」
「基礎を徹底的に叩き込む」
木場が静かに尋ねる。
「基礎、ですか?」
「ああ」
練矢は木場へ視線を向ける。
「どんな剣士でも基礎が崩れれば終わる」
「どれだけ魔力があっても、身体が動かなければ意味がない」
「どれだけ強い技を持っていても、当たらなければ意味がない」
「だから基礎だ」
その言葉には、不思議な重みがあった。
百年以上どころではない。
千年以上戦い続けてきた者だからこそ口にできる言葉だった。
朱乃が優しく微笑む。
「確かに、その通りですわね」
「私達は力に頼る戦い方をすることが多いですもの」
練矢は頷く。
「だから今回は徹底的に鍛え直す」
「逃げるな」
「手を抜くな」
「倒れても立て」
「それだけ覚えておけばいい」
モードレッドが楽しそうに笑う。
「ははっ!」
「マスターらしいな!」
「細かいこと考えるより身体で覚えろってことだ!」
「そういうことだ」
兵藤は頭を掻く。
「つまり……」
「地獄ってことですね」
「そうなるな」
練矢が即答すると、その場にいた全員が苦笑した。
するとラムが呆れたようにため息を吐く。
「練矢様」
「説明が雑すぎます」
「これでは安心する前に怯えてしまいますよ」
「怯えるくらいでちょうどいい」
練矢は平然と言う。
「実戦はもっと理不尽だからな」
レムも静かに頷いた。
「ですが、皆さんが強くなれるよう、レム達も全力を尽くします」
咲夜が一礼する。
「修行中の食事や休憩はこちらで管理いたします」
「体調管理も修行の内ですので、ご安心ください」
兵藤は思わず安堵する。
「咲夜さんがいてくれて助かった……」
その隣では猫猫が興味なさそうに薬箱の中身を確認していた。
「……」
ガチャ、と小瓶を取り出して中身を眺める。
アーシアが恐る恐る近付く。
「あ、あの……」
猫猫は視線だけ向けた。
「何ですか」
「よろしくお願いします」
そう頭を下げるアーシアに、猫猫は少しだけ首を傾げる。
「ええ」
「こちらこそ」
「あなたの神器には興味があります」
「治癒そのものより、どういう理屈で傷を塞いでいるのか」
アーシアは困ったように笑う。
「り、理屈と言われても……」
「分からないなら、それも調べればいいだけです」
猫猫はそれだけ言うと、再び薬箱へ目を戻した。
その様子を見た兵藤は小声で木場へ話しかける。
「何というか……」
「変わった人ですね」
木場は苦笑する。
「ですが、医療のことになると凄い方なんでしょうね」
その会話を聞いていたモードレッドが豪快に笑った。
「猫猫は薬のことになると止まらねぇぞ!」
「怪我したら色々聞かれるから覚悟しとけ!」
「必要だから聞くだけです」
猫猫は顔も上げずに返す。
「余計なことは聞きません」
「……たぶん」
「最後が気になる!」
兵藤が思わず突っ込むと、訓練場に小さな笑いが広がった。
その空気を見ていた練矢も、僅かに口元を緩める。
「少し肩の力は抜けたか」
そう呟くと、全員へ視線を向ける。
「次から本格的に始める」
「今日はまず、それぞれの実力を見る」
「教える側も、お前達を知らなきゃ話にならないからな」
モードレッドは肩を鳴らしながら一歩前へ出た。
「よし!」
「じゃあ、まずは腕試しだ!」
訓練場の空気が再び引き締まり、オカルト研究部の面々も自然と表情を引き締める。
いよいよ、本格的な修行の幕が上がろうとしていた。
練矢はオカルト研究部の面々を見渡し、小さく息を吐いた。
「さて」
「教官の紹介も終わったことだし、早速始めるか」
兵藤は思わず背筋を伸ばす。
「い、いよいよですね……」
練矢は首を横に振った。
「いや」
「今日は本格的な修行じゃない」
「まずは、お前達一人一人の実力を見る」
「力量も癖も分からないまま鍛えたところで効率が悪いからな」
木場が納得したように頷く。
「まずは実力を把握するということですね」
「そういうことだ」
リアスも一歩前へ出る。
「担当は決まっているのかしら?」
「決めてある」
練矢は眷属達へ視線を向けた。
「まず近接戦闘」
「兵藤と木場」
「この二人はモードレッドが担当」
「任せろ!」
モードレッドは楽しそうに笑いながら二人を見る。
「剣士も拳で戦う奴も、まとめて面倒見てやる!」
「逃げんなよ!」
兵藤は苦笑しながら頷いた。
「最初から逃げられる気がしませんよ……」
木場も静かに礼をする。
「よろしくお願いします」
「おう!」
続いて練矢はリアス達へ目を向けた。
「リアス」
「朱乃」
「小猫」
「この三人はラムとレム」
ラムは腕を組んだまま言う。
「足腰から鍛え直すわ」
「基礎がなっていないなら話にならないもの」
レムも微笑みながら続ける。
「レムもお手伝いします」
「皆さん、一緒に頑張りましょう」
リアスは笑みを浮かべた。
「よろしくお願いするわ」
朱乃も優雅に一礼する。
「ご指導よろしくお願いいたします」
小猫も静かに頭を下げた。
「よろしくお願いします」
続いて練矢は咲夜を見る。
「咲夜」
「全体の補助と生活管理を頼む」
「承知しました、練矢様」
咲夜は一礼した。
「食事、休憩、訓練の進行につきましては私が管理いたします」
「皆様も無理はなさらないようお願いいたします」
最後に猫猫へ視線を向ける。
「猫猫」
「アーシアを頼む」
「ええ」
猫猫は短く返事をするとアーシアを見る。
「来てください」
「まずは話を聞きます」
「はい!」
アーシアは嬉しそうについて行く。
歩きながら猫猫はぽつりと言った。
「治癒の神器は便利でしょうけど、それだけじゃ対応できない場面もあります」
「薬草くらいは見分けられるようになった方がいいですよ」
「はい、頑張ります!」
「そうですか」
猫猫はそれだけ言うと、それ以上は何も話さなかった。
一方、兵藤はモードレッドを見ながら苦笑する。
「俺達……生きて帰れますかね?」
モードレッドは豪快に笑う。
「何言ってんだ!」
「マスターが任せたんだ!」
「死なねぇ程度にはちゃんと加減してやるよ!」
「死なない程度って十分怖いんですけど!」
兵藤が思わず叫ぶと、モードレッドは腹を抱えて笑った。
「はははっ!」
「いい反応だ!」
その様子を見ていた練矢は、少しだけ口元を緩める。
「心配するな」
「こいつらは見た目以上に面倒見がいい」
「ただし」
「甘やかすことはしない」
その一言に、モードレッド達も静かに頷いた。
リアスは練矢を見る。
「本当にありがとう」
「ここまで協力してくれるとは思っていなかったわ」
練矢は肩を竦める。
「礼は勝ってから言え」
「俺は負け戦に付き合う趣味はない」
「ここまで引き受けた以上、お前達には勝ってもらう」
「そのためなら遠慮なく鍛える」
その言葉に、リアスは力強く頷いた。
「ええ」
「必ず勝ってみせるわ」
兵藤達も続けて頷く。
「俺も!」
「僕もです」
「頑張ります」
「……はい」
その様子を見届けた練矢は静かに踵を返した。
「今日は各自準備だけ済ませろ」
「修行は明日の朝から始める」
その一言に、全員が気持ちを新たにする。
ライザー・フェニックスとのレーティングゲームまで残された時間は多くない。
だからこそ、一日たりとも無駄にはできない。
それぞれが教官と共に訓練場を後にする中、モードレッドだけは兵藤と木場を見て、不敵な笑みを浮かべていた。
「明日から覚悟しろよ」
「あたしの修行は、ちっとばかし厳しいからな!」
兵藤は乾いた笑みを浮かべるしかなかった。
「……ほどほどでお願いします」
その願いが聞き入れられることは、おそらくない。
こうして、オカルト研究部の新たな修行の日々が幕を開けるのだった。