白銀の鎧とハイスクールd×d   作:Ks5118

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第五話 ゲームスタート! 戦いの始まり

 兵藤side

 

 修行が始まってから、数日が経った。

 

 最初の頃は、訓練場に立っているだけでも身体が悲鳴を上げていた。

 

 けれど今は──。

 

「はぁ……はぁ……!」

 

 俺は荒い息を吐きながら、木剣を握り締めていた。

 

 目の前にいるのはモードレッドさん。

 

 彼女は木剣を肩に担いだまま、ニヤリと笑っている。

 

「どうした?」

 

「もう終わりか?」

 

「ま、まだです!」

 

 震える足に力を込めて、なんとか立ち上がる。

 

「まだやれます!」

 

「その意気だ!」

 

 モードレッドさんが豪快に笑った。

 

 最初は何度も地面に叩きつけられた。

 

 何をやっても通じない。

 

 踏み込みが浅い。

 

 攻撃が大振り。

 

 相手の動きを見てから反応している。

 

 散々言われてきた。

 

 でも、その度にモードレッドさんは俺を立たせた。

 

 そして、また叩きのめした。

 

「兵藤君」

 

 少し離れたところから木場が声を掛けてくる。

 

「もう少しだよ」

 

「木場……お前、よくそんな涼しい顔してられるな……」

 

「僕もかなり疲れてるよ」

 

 そう言って木場は苦笑した。

 

 けれど、その構えには以前とは違うものがある。

 

 剣を握る姿勢。

 

 足の置き方。

 

 相手との距離。

 

 どれも以前より洗練されていた。

 

「木場!」

 

「はい!」

 

「行くぞ!」

 

 モードレッドさんが踏み込む。

 

 木場も同時に動いた。

 

 木剣がぶつかる。

 

 甲高い音が訓練場に響いた。

 

 以前なら、一撃で押し切られていた。

 

 だけど今の木場は違う。

 

 モードレッドさんの斬撃を受け流し、その勢いを利用して後ろへ跳ぶ。

 

「……そこだ!」

 

 モードレッドさんが笑った。

 

「最初よりずっと良くなったじゃねぇか!」

 

「ありがとうございます」

 

 木場は息を整えながら微笑む。

 

「でも、まだまだですね」

 

「当たり前だ!」

 

「この程度で満足されちゃ困るぜ!」

 

 モードレッドさんが笑う。

 

 その様子を少し離れた場所から見ていた練矢先輩が、静かに口を開いた。

 

「木場」

 

「はい?」

 

「剣先を見過ぎだ」

 

「……!」

 

「相手の肩と腰を見ろ」

 

 木場は一瞬だけ目を見開いた。

 

 そして、自分の構えを確認する。

 

「なるほど……」

 

「ありがとうございます」

 

 モードレッドさんも感心したように頷いた。

 

「さすがマスターだな」

 

「気付くのが早ぇ」

 

 俺は二人の会話を聞きながら首を傾げる。

 

「肩と腰……?」

 

 すると、練矢先輩が俺を見る。

 

「兵藤」

 

「は、はい!」

 

「踏み込みが浅い」

 

「だから拳が死ぬ」

 

「もっと踏み込め」

 

「……はい!」

 

 言われた通り、一歩深く踏み込む。

 

 そして拳を突き出した。

 

「そうだ」

 

 練矢先輩は、それだけ言って再び黙った。

 

 たった一言。

 

 なのに、今までより身体が自然に動いた。

 

「すげぇ……」

 

 俺が呟くと、モードレッドさんが笑う。

 

「だからマスターなんだよ」

 

「経験が違うんだ」

 

 俺は改めて拳を握った。

 

 まだまだだ。

 

 でも、少しずつ強くなっている。

 

 その実感だけはあった。

 

 兵藤side out

 

 リアスside

 

 私もまた、修行を続けていた。

 

 右手を前へ伸ばす。

 

 掌に紅い魔力が集まる。

 

 以前とは違う。

 

 魔力をただ放出するのではなく、一点へ集める。

 

 圧縮する。

 

 それだけのことが、これほど難しいとは思わなかった。

 

「……もう一度」

 

 咲夜の声が響く。

 

 私は集中する。

 

 魔力が掌へ集まり、球状になっていく。

 

 だが──。

 

 パシュッ。

 

 またしても霧散した。

 

「……また失敗ね」

 

「焦らないでください、リアス様」

 

 咲夜は穏やかに言った。

 

「魔力を押さえ付けようとしてはいけません」

 

「分かっているわ」

 

「いいえ」

 

 咲夜は首を横に振る。

 

「まだ、頭では理解していても身体が理解しておりません」

 

「……」

 

 その言葉に、私は苦笑した。

 

「厳しいわね」

 

「修行ですから」

 

 咲夜は微笑む。

 

 少し離れた場所では朱乃も雷の制御を続けている。

 

「ふふっ」

 

 朱乃の指先から、小さな紫電が走る。

 

 以前よりも細く、鋭い。

 

「朱乃様」

 

「はい」

 

「今の制御は良くなっています」

 

「ありがとうございます」

 

「ですが、最後の瞬間だけ少し力んでおります」

 

「あら」

 

 朱乃は楽しそうに笑った。

 

「よく見ていらっしゃいますのね」

 

「見逃すわけにはいきませんので」

 

 そんな二人のやり取りを見ていると、私も負けていられないと思う。

 

 再び魔力を集める。

 

 押さえ付けない。

 

 無理に形を作らない。

 

 ただ、自分の中にある魔力を一つにまとめる。

 

 すると──。

 

「……!」

 

 今度は散らなかった。

 

 小さな紅い球体が、掌の上で安定している。

 

「できた……」

 

 思わず声が漏れた。

 

 咲夜が微笑む。

 

「はい」

 

「それで結構です」

 

 ほんの数秒。

 

 それでも、確かな進歩だった。

 

 そこへ練矢が歩いてくる。

 

「リアス」

 

「何かしら?」

 

「十分だ」

 

「後は実戦で身につけろ」

 

 私は頷いた。

 

「ええ」

 

 視線を上げる。

 

 修行は終わった。

 

 次に待っているのは──。

 

「レーティングゲームね」

 

「ああ」

 

 練矢は短く答えた。

 

 リアスside out

 

 練矢side

 

 その日の夜。

 

 リアスの別荘に全員が集まっていた。

 

 修行を終えた今、やるべきことは一つ。

 

 レーティングゲームに向けた最終確認だ。

 

 リアスが全員を見渡す。

 

「みんな」

 

「ここまで付き合ってくれて、本当にありがとう」

 

 兵藤達が顔を上げる。

 

「でも、ここからが本番よ」

 

 全員の表情が引き締まった。

 

 俺は壁際に立ったまま、その様子を見ていた。

 

 今回のゲームでは、俺達も参加する。

 

 その話については、すでにサーゼクスとグレイフィアにも伝えてある。

 

 了承も得ている。

 

 だから、ルール上の問題はない。

 

 リアスが俺を見る。

 

「練矢」

 

「ああ」

 

「改めて確認しておきたいわ」

 

「今回のゲームでは──」

 

 俺は頷く。

 

「俺がルーク」

 

「モードレッドがナイト」

 

「咲夜、ラム、レムがポーンだ」

 

 モードレッドが腕を組む。

 

「ナイトか」

 

「悪くねぇな」

 

 ラムは淡々と呟く。

 

「……ポーン」

 

「承知しました」

 

 レムが続く。

 

 咲夜も一礼した。

 

「お任せください」

 

 リアスは満足そうに頷く。

 

「これなら、戦力の不足もかなり補えるわね」

 

「だが、勘違いするな」

 

 俺はリアスを見る。

 

「俺達がいるからといって、お前達が戦わなくていいわけじゃない」

 

「分かっているわ」

 

 リアスは即答した。

 

「これは私達のゲームよ」

 

「練矢達には、足りないところを補ってもらう」

 

「それでいい」

 

 俺は頷いた。

 

 その時、扉が開く。

 

「皆さん、準備はよろしいでしょうか?」

 

 グレイフィアが入ってきた。

 

「グレイフィア」

 

 リアスが声を掛ける。

 

「はい」

 

 グレイフィアは一礼し、それから俺を見る。

 

「練矢様」

 

「ああ」

 

「今回の編成については、すでにサーゼクス様もご存じです」

 

「ルール上も問題ございません」

 

「分かった」

 

 それだけで十分だった。

 

 グレイフィアはリアス達へ視線を向ける。

 

「皆様」

 

「修行の成果を存分に発揮してください」

 

「はい!」

 

 兵藤が拳を握る。

 

 木場も頷いた。

 

「もちろんです」

 

 小猫も短く答える。

 

「……はい」

 

 アーシアは胸の前で両手を握った。

 

「頑張ります」

 

 朱乃はいつもの笑みを浮かべる。

 

「楽しみですわね」

 

 リアスは全員を見渡した。

 

「行きましょう」

 

「私達の勝利を掴むために」

 

 その言葉に、全員が頷く。

 

 修行の日々は終わった。

 

 そして次に待つのは──。

 

 ライザー・フェニックスとのレーティングゲーム。

 

 今回は、原作には存在しない戦力がリアスの陣営に加わっている。

 

 ルーク、練矢。

 

 ナイト、モードレッド。

 

 ポーン、咲夜、ラム、レム。

 

 だが、それでも勝敗を決めるのは、リアス達自身だ。

 

 俺達は、そのための力になる。

 

 そして──修行が終わってから、数日が経った。

 

 その間、俺たちはレーティングゲームに向けた準備を進めていた。

 

 兵藤たちも、それぞれの課題をこなしながら実戦に備えている。

 

 特に兵藤は、修行を始めた頃と比べて明らかに動きが良くなっていた。

 

 まだ荒削りではある。

 

 だが、持ち前の身体能力と魔力、そして神器を組み合わせた戦い方にも少しずつ慣れてきている。

 

 木場も剣士としての技量をさらに磨き、他のメンバーとの連携も以前より円滑になっていた。

 

 そして──。

 

「それじゃあ、そろそろ始めるわね」

 

 リアスが全員を見渡す。

 

 俺もその場にいる全員へ視線を向ける。

 

 今日行うのは修行ではない。

 

 これから俺たちが挑む戦い──レーティングゲームについての最終的な確認だ。

 

 対戦相手については、すでに全員が把握している。

 

 今回の相手は、ライザー・フェニックス率いるフェニックス眷属。

 

 ライザー本人の能力はもちろん、彼の眷属たちについても事前に情報を共有している。

 

 だからこそ、今回必要なのは相手の説明ではない。

 

「まず、レーティングゲームの基本的なルールを確認するわ」

 

 リアスが説明を始める。

 

「レーティングゲームというのは、悪魔同士が戦う公式のゲームよ」

 

「基本的には、キングを中心としたチーム同士が戦うことになる」

 

 その言葉に、兵藤が頷く。

 

「つまり、俺たちとライザーのチームが戦って、どっちかのキングを倒せば勝ちってことですよね?」

 

「基本的にはそうね」

 

 リアスが頷く。

 

「相手のキングを戦闘不能にする。あるいは相手側が降参すれば、その時点で勝敗が決まるわ」

 

「なるほど……」

 

 兵藤が真剣に聞いている。

 

「そして、悪魔にはそれぞれ駒が与えられる」

 

 リアスは説明を続けた。

 

「キング、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、そしてポーン。それぞれの駒には異なる特性が設定されているわ」

 

「駒ごとに役割があるんですね」

 

 木場が確認する。

 

「ええ。例えばルークは力と防御力に優れ、ナイトは速度に優れる。ビショップは魔力に優れ、クイーンは複数の能力に秀でている」

 

 俺は黙って聞いていた。

 

 俺自身も、このルールについてはすでに理解している。

 

 俺に与えられたのは──ルーク。

 

 そして俺の眷属として、モードレッド、咲夜、ラム、レムもゲームに参加する。

 

「ただし、駒の能力だけで勝敗が決まるわけじゃない」

 

 リアスが言う。

 

「重要なのは、いかに自分たちの駒を使い、チームとして戦うかよ」

 

「つまり、連携が重要ってことですね」

 

「その通りよ、木場」

 

 リアスが頷く。

 

「相手の戦力を把握して、誰をどこへ配置するのか。誰が敵を引きつけ、誰がキングを守るのか。それを戦いながら判断する必要があるわ」

 

「……普通の戦争みたいだな」

 

 兵藤が呟く。

 

「実際、それに近いわね」

 

 リアスは少しだけ表情を引き締める。

 

「レーティングゲームでは、戦闘能力だけでなく、戦術や判断力も重要になるの」

 

「分かりました」

 

 兵藤が頷く。

 

 そして、リアスは次の説明へ移った。

 

「もう一つ重要なのが──戦闘不能になった場合についてよ」

 

 全員の視線がリアスへ集まる。

 

「ゲーム中に戦闘不能になった者は、その時点で戦闘から離脱することになるわ」

 

「じゃあ、殺し合いってわけじゃないんですね?」

 

 兵藤が確認する。

 

「ええ。レーティングゲームは基本的に殺し合いを目的としたものではないわ」

 

 リアスはそう答えた。

 

「ただし、だからといって油断していいわけじゃない」

 

 その声には、明確な警告が含まれていた。

 

「相手も勝つために戦う。実戦である以上、何が起こるか分からないわ」

 

「……はい」

 

 兵藤の表情が引き締まる。

 

 俺はそんな兵藤を横目に見る。

 

 今回の戦いは、兵藤にとって初めての本格的なレーティングゲームになる。

 

 修行で強くなったとはいえ、実戦では何が起こるか分からない。

 

 それに、相手はライザー・フェニックス。

 

 俺たちもすでに知っている通り、フェニックス家の次期当主であり、強大な力を持つ上級悪魔だ。

 

 そして、その眷属たちも一筋縄ではいかない。

 

 だからこそ、事前に得られた情報は徹底的に頭へ叩き込んでいる。

 

「相手については、もう一度確認する必要はないわね」

 

 リアスも同じ考えなのか、そう言った。

 

「全員、ライザーたちの能力と編成については把握しているわね?」

 

「はい」

 

 木場が答える。

 

「問題ありません」

 

 朱乃、小猫、アーシアも頷く。

 

 兵藤も力強く頷いた。

 

「俺も大丈夫です」

 

 俺も頷く。

 

「問題ない」

 

「なら、次に進むわ」

 

 リアスが資料をめくる。

 

「次は──実際のゲームフィールドと、戦闘開始から終了までの流れについて説明するわ」

 

 全員がリアスへ視線を向ける。

 

 俺も腕を組みながら、その説明に耳を傾ける。

 

 ──レーティングゲーム。

 

 その戦いは、もうすぐ始まる。

 

 レーティングゲーム当日。

 

 俺たちは、リアスの屋敷へ集まっていた。

 

 今日はいよいよ、ライザー・フェニックスとのレーティングゲームが行われる。

 

「みんな、準備はできているわね?」

 

 リアスが全員を見渡す。

 

「はい」

 

 木場が答える。

 

 兵藤も気合いの入った表情で頷いた。

 

「もちろんです!」

 

 朱乃、小猫、アーシアもそれぞれ頷く。

 

 俺たちも準備を終えていた。

 

 咲夜はいつものように落ち着いた様子で立っている。

 

 ラムとレムも問題ない。

 

 モードレッドは、これから始まる戦いを楽しみにしているのか、僅かに笑みを浮かべていた。

 

「それじゃあ、行きましょう」

 

 リアスが立ち上がる。

 

 俺たちもそれに続いた。

 

 屋敷の外へ出ると、すでにレーティングゲーム会場へ向かうための準備が整えられていた。

 

「レーティングゲームの会場までは、専用の転移魔法で移動することになるわ」

 

 リアスが説明する。

 

「今回は観客もいるから、専用の会場が用意されているの」

 

「観客までいるんですか?」

 

 兵藤が驚く。

 

「ええ。レーティングゲームは悪魔社会では大きな娯楽でもあるからね」

 

「なるほど……」

 

 兵藤が周囲を見渡す。

 

「なんか、本当にスポーツの試合みたいですね」

 

「似ている部分はあるわね」

 

 リアスが苦笑する。

 

「ただし、私たちの場合は実際に戦うけれど」

 

「ですよね……」

 

 兵藤が少しだけ表情を引き締める。

 

 そして──。

 

 転移魔法が発動する。

 

 足元に巨大な魔法陣が広がり、俺たち全員を包み込んでいく。

 

「では、参りましょう」

 

 グレイフィアの声が響く。

 

 次の瞬間。

 

 視界が白く染まった。

 

 身体が浮遊するような感覚。

 

 そして──。

 

 数秒後。

 

 俺たちは、レーティングゲームの会場へと到着した。

 

「……ここが」

 

 兵藤が目を見開く。

 

 俺も周囲を見渡す。

 

 そこに広がっていたのは──駒王学園だった。

 

 校舎。

 

 グラウンド。

 

 体育館。

 

 旧校舎。

 

 見慣れた景色が、そこには存在している。

 

 だが、本物ではない。

 

 レーティングゲームのために再現された、異次元空間の駒王学園。

 

「すごい……」

 

 アーシアが周囲を見渡す。

 

「本当に駒王学園と同じです」

 

「当然よ」

 

 リアスが答える。

 

「今回のゲームフィールドは、私たちが普段通っている駒王学園を再現したものだから」

 

「ってことは……」

 

 兵藤が周囲を見渡す。

 

「この中でライザーたちと戦うんですか?」

 

「そうよ」

 

 リアスが頷く。

 

「この学校全体が、今回のゲームフィールドになるわ」

 

 俺は周囲を見渡す。

 

 見慣れた場所。

 

 だが、これからここは戦場になる。

 

 校舎のどこに敵が潜んでいるか分からない。

 

 どこから攻撃されるかも分からない。

 

 そして、最終的に狙うべきなのは相手のキング。

 

「……面白い場所を選んだな」

 

 モードレッドが辺りを見渡す。

 

「確かに」

 

 俺も頷く。

 

 その時だった。

 

「リアス」

 

 声が聞こえた。

 

 俺たちが振り返る。

 

 そこには──。

 

 ライザー・フェニックスと、その眷属たちがいた。

 

「ライザー……」

 

 リアスが彼を見る。

 

 両陣営が、ついに直接顔を合わせる。

 

 そして、その場にグレイフィアが現れた。

 

「それでは、これより双方の陣営を紹介いたします」

 

 グレイフィアが両陣営を見渡す。

 

「まずは、リアス・グレモリー様の陣営から」

 

 リアスが一歩前へ出る。

 

「キング、リアス・グレモリー様」

 

 続いて朱乃。

 

「クイーン、姫島朱乃様」

 

 小猫。

 

「ルーク、塔城小猫様」

 

 木場。

 

「ナイト、木場祐斗様」

 

 そして──。

 

「ポーン、兵藤一誠様、アーシア・アルジェント様」

 

「よろしくお願いします!」

 

 アーシアが頭を下げる。

 

 兵藤も続いて頭を下げた。

 

「よろしくお願いします!」

 

 グレイフィアは続いて、俺たちへ視線を向ける。

 

「そして、今回特別に参加する事になりました」

 

 ライザーたちの視線が俺たちへ集まる。

 

「ルーク役の白鉄練矢様の眷属、ポーン役の十六夜咲夜様、ラム様、レム様、ナイト役のモードレッド様、以上五名の特別メンバーの方々です」

 

 咲夜が優雅に一礼する。

 

「よろしくお願いいたします」

 

 ラムとレムも頭を下げる。

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしくお願いいたします」

 

 モードレッドは腕を組んだまま、軽く頷いた。

 

 そして俺は、ライザーを見る。

 

 ライザーもこちらを見ていた。

 

「……白鉄練矢」

 

 ライザーが俺の名を呼ぶ。

 

「久しぶりだな」

 

「ああ、ライザー」

 

 互いに視線を交わす。

 

 すでに俺たちは互いの情報を把握している。

 

 今回のゲームで、俺たちが特別参加することもライザーは知っている。

 

 だからこそ、ここで余計な説明をする必要はなかった。

 

「それにしても……」

 

 ライザーが俺の後ろにいる五人を見る。

 

「随分と面白い眷属を連れているな、白鉄練矢」

 

「俺にとっては頼りになる仲間だ」

 

「ふっ……そうか」

 

 ライザーが笑う。

 

「ならば、どれほどのものか、このゲームで確かめさせてもらおう」

 

「好きにしろ、ライザー」

 

 俺は淡々と答える。

 

「俺も、お前たちの実力を見せてもらう」

 

 その言葉に、モードレッドが笑う。

 

「話はまとまったみてぇだな」

 

 咲夜も微笑む。

 

「ええ。あとは、戦うだけですね」

 

「そういうことだ」

 

 グレイフィアが両陣営を確認する。

 

「双方の紹介は以上です」

 

 そして、グレイフィアは静かに告げる。

 

「これより、それぞれの本陣へ移動していただきます」

 

 その言葉とともに、転移魔法陣が展開される。

 

「リアス様」

 

「ええ」

 

 リアスが頷く。

 

「みんな、行くわよ」

 

 俺たちはそれぞれの配置につく。

 

 この異次元の駒王学園。

 

 ここが、今日の戦場だ。

 

 俺は静かに周囲を見渡す。

 

 見慣れた学校。

 

 しかし、今からここで行われるのは──。

 

 ただの学校生活ではない。

 

 悪魔同士による、本当の戦いだ。

 

 そして俺たちは、リアス・グレモリー陣営の一員として、この戦いに挑む。

 

「……行くぞ」

 

 俺がそう告げる。

 

 咲夜たちが頷く。

 

 そして──。

 

 俺たちは、本陣へと向かうため転移魔法陣の中へ入った。

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