【桜羽エマ】裁判:オペラ座館の○人【人形劇】_5
630:桜羽エマ【配信主/弁護人】
その証拠は、これだよ!
631:システム
《シャンデリアの制御装置》
シャンデリアを吊り下げるワイヤーを制御する装置。
検出された指紋はミリアのもののみ。
全てのスポットライトが点灯すると、シャンデリアが落下する仕掛けが施されていた。
632:遠野ハンナ【裁判長】
シャンデリアの制御装置、ですの?
633:遠野ハンナ【裁判長】
装置に仕掛けがあって、明らかに事故ではないというお話は、
いまヒロさんが証明したばかりですけど
634:桜羽エマ【配信主/弁護人】
ううん、仕掛けのことじゃなくて、
見てほしいのは指紋の部分なんだ
635:紫藤アリサ
指紋? どういうことだよ
636:黒部ナノカ
佐伯ミリアの指紋が残っていた、という話ね
それこそ彼女が犯人であるという証拠だと思うけど
637:二階堂ヒロ【検事】
……!
そういう、ことか……!
638:桜羽エマ【配信主/弁護人】
(ヒロちゃんは気づいたみたい)
639:桜羽エマ【配信主/弁護人】
ねぇアンアンちゃん、確認だけど
事件当日にシャンデリアの点検が行われたんだよね
640:夏目アンアン【劇作家】
『そうだが……』
641:桜羽エマ【配信主/弁護人】
なら、そのとき触れたスタッフさんの指紋は、どこにあるのかな
642:夏目アンアン【劇作家】
あ……!
643:遠野ハンナ【裁判長】
シェリーさん!
644:橘シェリー【刑事】
装置からは、ミリアさんの指紋しか検出されていませんね
645:桜羽エマ【配信主/弁護人】
あるはずの指紋がない。
つまり、誰かが意図的に消したってこと。
これは明らかに、犯行のための偽装工作だよ!
646:二階堂ヒロ【検事】
それは、ミリアが……っ!
647:桜羽エマ【配信主/弁護人】
ううんヒロちゃん、それはあり得ないよ。
順番に考えてみよう。
648:桜羽エマ【配信主/弁護人】
事件当日の日中、スタッフさんが点検で装置を触ってる。
そのとき、装置に異常はなかった。
もし異常があったら、その時点で公演は中止になっていたはずだよ。
649:桜羽エマ【配信主/弁護人】
その後犯人が、シャンデリアが落ちるように細工したんだ。
そのときについた指紋を、犯人は拭き取った――
スタッフさんの指紋ごとね。
650:桜羽エマ【配信主/弁護人】
もしミリアちゃんが犯人なら、
指紋を消して証拠を隠滅したあと、
わざわざもう一度触って自分の指紋を残したってことになる。
651:桜羽エマ【配信主/弁護人】
ミリアちゃんが、そんなお間抜けさんだって言いたいの!?
652:二階堂ヒロ【検事】
ミリアはお間抜けさんだろう!
653:佐伯ミリア【被告人】
ガーン!?
654:名無しの傍聴人
特に理由のない暴言がミリアちゃんを襲う――!!
655:名無しの傍聴人
予想外のディスリ……!
656:桜羽エマ【配信主/弁護人】
ヒロちゃん、犯人はミリアちゃんじゃない!
もちろん事故なんかでもない!
真犯人は、別にいるんだ!
657:二階堂ヒロ【検事】
ならそれは誰だと言うんだ!
658:桜羽エマ【配信主/弁護人】
え? さあ……?
659:遠野ハンナ【裁判長】
なんでそこで自信なさげなんですの!
途中まですごく切れ者感でてましたのに!
それじゃあ片手落ちじゃありませんの! もー!
660:桜羽エマ【配信主/弁護人】
(ハンナちゃんひとりで大騒ぎしてる……)
661:夏目アンアン【劇作家】
…………
662:夏目アンアン【劇作家】
レイア、だ
663:桜羽エマ【配信主/弁護人】
え?
664:二階堂ヒロ【検事】
……待てアンアン、君は何を言おうとしている?
665:夏目アンアン【劇作家】
『いまので確信した。
きっとレイアだ。シャンデリアの細工を仕掛けたのは』
666:遠野ハンナ【裁判長】
な、なんですって!?
レイアさんは……【被害者】じゃありませんの!
667:夏目アンアン【劇作家】
『これはレイアによる自作自演だ。
レイアは……自分で、自分を殺したのだ!』
668:名無しの傍聴人
!?
669:遠野ハンナ【裁判長】
な、なんですってえええー!?
670:蓮見レイア【被害者】
そうなのかい!?
671:沢渡ココ
いやなんでレイアっちが驚いてんのさ
672:蓮見レイア【被害者】
いやぁ、【役割】で与えられる知識は限定的だからね
私は何も知らないんだよ
そうか、私は自殺だったのか……
673:名無しの傍聴人
死体が喋っている
674:名無しの傍聴人
頭おかしなるで
675:遠野ハンナ【裁判長】
……驚くべきことですわ
676:遠野ハンナ【裁判長】
動かないと思っていたレイアさんの容疑が、
まさかここにきてひっくり返るなんて!
677:遠野ハンナ【裁判長】
しかも、証人から新たな可能性が出てきました。
被害者は自殺だった……。
ヒロさん、いかがですの?
678:二階堂ヒロ【検事】
……凶器はシャンデリアだからね。
いまのところ、レイアの自殺を否定する証拠は、ない。
679:遠野ハンナ【裁判長】
結構ですわ。
現時点では、【被告人】ミリアさんに判決を下すことはできません。
680:遠野ハンナ【裁判長】
審理を続行します。
証人は、改めて自殺と判断した理由を証言してくださいまし!
681:システム
~レイアの「最高の舞台」~
682:夏目アンアン【劇作家】
『あの夜……レイアは「最高の舞台」を、自分の手で演出したんだ。
あいつは誰よりも、観客の視線を求めていた』
683:夏目アンアン【劇作家】
『照明が一斉に点いたその瞬間、
舞台の中央には、光を浴びて立つレイアの姿があった。
あれは偶然じゃない。すべて計画のうちだったんだ』
684:夏目アンアン【劇作家】
『その直後、シャンデリアが落下……
あれこそ、自分で選んだ「最後の幕引き」だったのであろう』
685:夏目アンアン【劇作家】
『ライブ映像にも、ちゃんと残っている。
光の中で、レイアは自ら命を絶ったんだ。
……観客の記憶に残り、永遠の存在になるために』
686:遠野ハンナ【裁判長】
ヒロさん、ライブ映像は?
687:二階堂ヒロ【検事】
今から流す。
少々刺激の強い映像なので、注意してくれ。
688:システム
(舞台全体を俯瞰する映像だ。
停電で真っ暗だが、舞台中央で大きく身振りをするレイアがかすかに見える。
『鏡よ――我が影を映せ!』
言葉と同時に舞台全体の電気が復旧し、画面が明るくなる。
カッ、と全てのスポットライトが舞台中央のレイアを照らす。
直後、轟音とともにシャンデリアが落下。
観客の悲鳴がこだまし、慌ててカメラ映像が切られる)
689:遠野ハンナ【裁判長】
う……
690:橘シェリー【刑事】
おおー! 衝撃的な映像ですね~!
691:蓮見レイア【被害者】
ああ、このシーンもいいね。良く撮れてる。
特にこの、観客席に向かって右手をかざす角度
692:宝生マーゴ
さすが女優さんね、レイアちゃん。臨場感たっぷりだわ
693:黒部ナノカ
……オーディオコメンタリーが始まってる?
694:紫藤アリサ
殺されてる本人が一番のんきなんだよな……
695:夏目アンアン【劇作家】
『そのライブ映像自体が、自殺の証拠だ。
あいつは自分の最高の演技を後世に残したがっていた。
話題性も抜群だろう』
696:二階堂ヒロ【検事】
そのために、劇中での死を望んだ、ということか……。
697:夏目アンアン【劇作家】
『迷惑な話だ……。
天才というのは理解できん』
698:月代ユキ
驚きました、エマ。
あそこからミリアへの有罪判決を止めるなんて
699:桜羽エマ【配信主/弁護人】
アンアンちゃんの発言がないと終わってたけどね
700:月代ユキ
レイアは本当に自殺なのでしょうか。
701:桜羽エマ【配信主/弁護人】
うーん……いまのところ、目立った矛盾はなさそう。
でも何か違和感があるんだ
702:月代ユキ
それなら、《法廷記録》を見返してみてはどうでしょう。
手持ちの証拠品が、新たな表情を見せるかもしれませんよ。
703:桜羽エマ【配信主/弁護人】
(手持ちの証拠品……。
そういえば、台本は必要なページしか見ていなかったっけ。
今回のライブ映像に関係する部分も読んでおこう)
704:システム
《舞台台本(メモ付き)》の情報を書きかえた
705:システム
《舞台台本(メモ付き)・1》
アンアン脚本の『オペラ座の怪人』台本。
問題の場面はレイアのソロパートであり、
ミリアは台本では登場しない。
706:システム
《舞台台本(メモ付き)・2》
第3幕:〈光に捧ぐ声〉
ファントム(静かに)
「夜が研ぎ澄ます――すべての感覚を」
舞台中央に強いスポットライトが落ち、ファントムの姿を照らす。
ファントム(熱を込めて)
「この声、この芸術こそが私。この声が彼女の心に届くのならば、私は光の中に消えてもいい!」
707:システム
《舞台台本(メモ付き)・3》
第4幕:〈闇に溶ける苦悩〉
暗闇の中、わずかな明かりが舞台端の大鏡を照らす。
ファントムが静かに鏡に歩み寄る。
ファントム(苦く笑う)
「鏡よ……お前は正直だ。母にすら忌み嫌われ、誰もが目を逸らすこの顔を、お前だけは見つめてくれる」
ファントム(突然、声を荒げて)
「だが一度でいい、鏡よ! 我が影を映せ! 私を『彼女の見る幻』として映してくれ! 愛されるべき幻想を、せめて夢を……!」
708:桜羽エマ【配信主/弁護人】
これは……どういうこと?
709:月代ユキ
なにか見つかったようですね
710:桜羽エマ【配信主/弁護人】
……ハンナちゃん!
そのライブ映像、おかしなところがあるよ!
711:遠野ハンナ【裁判長】
おかしなところ、ですか?
まぁシャンデリアが落ちている時点で、
どう見てもおかしいですけど
712:桜羽エマ【配信主/弁護人】
ううん、そうじゃなくて。
おかしいのは、レイアちゃんのセリフと位置なんだ。
この証拠を見てくれるかな。
713:システム
《舞台台本(メモ付き)・3》
第4幕:〈闇に溶ける苦悩〉
暗闇の中、わずかな明かりが舞台端の大鏡を照らす。
ファントムが静かに鏡に歩み寄る。
ファントム(苦く笑う)
「鏡よ……お前は正直だ。母にすら忌み嫌われ、誰もが目を逸らすこの顔を、お前だけは見つめてくれる」
ファントム(突然、声を荒げて)
「だが一度でいい、鏡よ! 我が影を映せ! 私を『彼女の見る幻』として映してくれ! 愛されるべき幻想を、せめて夢を……!」
714:遠野ハンナ【裁判長】
それは……《舞台台本》ですわね。
715:桜羽エマ【配信主/弁護人】
台本では、ファントムは舞台端にある「大鏡」に語りかけてる。
でも、ライブ映像の中のレイアちゃんは……
716:システム
(『鏡よ――我が影を映せ!』)
717:遠野ハンナ【裁判長】
舞台中央にいますわね。
たしかに、台本の指示と違いますわ!
718:桜羽エマ【配信主/弁護人】
これは明らかに矛盾しているよ!
719:夏目アンアン【劇作家】
ぐっ……!
720:二階堂ヒロ【検事】
別に、そこまでおかしなことではないだろう。
もともとレイアはアドリブが多い人物だという事が分かっている。
単純に、立ち位置を変えただけの話だ。
721:桜羽エマ【配信主/弁護人】
鏡に語りかけるシーンなのに、鏡を完全に無視してまで?
「最高の舞台」を演出しようとしているのに……台無しにして?
そんなこと、あるのかな
722:二階堂ヒロ【検事】
……!
723:桜羽エマ【配信主/弁護人】
それにもう1つ、台本とは決定的に違うところがあるよ
724:桜羽エマ【配信主/弁護人】
アンアンちゃん、さっきこう言ったよね?
「光を浴びて立つレイアちゃんの姿があった。
あれは偶然じゃない。すべて計画のうちだったんだ」……って
725:夏目アンアン【劇作家】
『そうだ。レイアは光に照らされながら
最高の瞬間に自ら命を絶つつもりだったのであろう。
あいつらしい、はた迷惑な演出だ』
726:桜羽エマ【配信主/弁護人】
光に照らされるのが計画通り……?
それは、ちょっと違うんじゃないかな
727:桜羽エマ【配信主/弁護人】
鏡に語りかけるシーン、
台本上では「暗闇の中」で行われているよ
728:夏目アンアン【劇作家】
うぐ!
729:桜羽エマ【配信主/弁護人】
本来、あのシーンでスポットライトが
舞台の中央を照らすことなんてなかった。
730:桜羽エマ【配信主/弁護人】
レイアちゃんの死は「自分で演出した自殺」なんかじゃない。
予定外の光に、偶然照らされただけなんだよ!
731:夏目アンアン【劇作家】
ぐぅ……っ!
732:遠野ハンナ【裁判長】
ちょ、ちょっと待ってください、エマさん!
偶然光に照らされただけ……?
あれは、事故だって言いたいんですの!?
733:桜羽エマ【配信主/弁護人】
少なくとも、あの場面でシャンデリアが落ちるのは
予定外だったんじゃないかな
734:二階堂ヒロ【検事】
エマには何か考えがあるようだ。
ならば、それを示す『証拠』を示してもらおうか。
735:桜羽エマ【配信主/弁護人】
いいよ、ヒロちゃん。
あの場面でシャンデリアが落ちたのは『予定外』だった――
それを示す証拠は、これだよ
736:システム
《防犯カメラ映像》
ミリアがシャンデリアの制御装置を触っている姿が映っている。
時刻は19:40。
停電により、これ以後の映像は残っていない。
737:桜羽エマ【配信主/弁護人】
防犯カメラの映像は、19時40分で止まっている。
落雷による停電によって……
738:遠野ハンナ【裁判長】
停電! たしか、シャンデリアが落ちる条件は……
739:二階堂ヒロ【検事】
すべてのスポットライトが点灯することだ。
740:桜羽エマ【配信主/弁護人】
台本には、スポットライトがつくシーンも載っていたよ。
きっとこの場面が、本来の『落下時刻』だったんだ。
741:システム
《舞台台本(メモ付き)・2》
第3幕:〈光に捧ぐ声〉
ファントム(静かに)
「夜が研ぎ澄ます――すべての感覚を」
舞台中央に強いスポットライトが落ち、ファントムの姿を照らす。
ファントム(熱を込めて)
「この声、この芸術こそが私。この声が彼女の心に届くのならば、私は光の中に消えてもいい!」
742:桜羽エマ【配信主/弁護人】
でも、予想もしない停電で、本来のシーンではライトが点かなかった。
そして、電力が復旧した瞬間にスポットライトがつき――
予定外の場面で、シャンデリアが落ちたんだよ。
743:遠野ハンナ【裁判長】
たしかに……もし停電がなかったら、
第3幕でシャンデリアは落ちていたでしょうね。
ファントムのセリフも、なんだかそれっぽいですし
744:桜羽エマ【配信主/弁護人】
立ち位置も、セリフも、照明もちぐはぐ。
自分の人生の最後を、最高の演出で締めようとしていたレイアちゃんが、
こんな状況で死を選ぶかな……?
745:桜羽エマ【配信主/弁護人】
レイアちゃんは自殺なんかじゃない。
誰かに殺されたんだよ!
746:夏目アンアン【劇作家】
なんだと……!?
747:二階堂ヒロ【検事】
レイアは他殺だという点には同意しよう。
問題は、誰が犯人か――ということだ。
748:橘シェリー【刑事】
そうですね。
結局のところ、そこが分からないと振り出しに戻ってしまいますね
749:桜羽エマ【配信主/弁護人】
…………。
750:桜羽エマ【配信主/弁護人】
シャンデリアの落下地点は決まってる。
レイアちゃんを殺すためには、
立ち位置を正確に把握してないといけない
751:遠野ハンナ【裁判長】
まあ、そうですわね
752:桜羽エマ【配信主/弁護人】
ライブ映像を見たときから思ってたんだ。
レイアちゃん、ずっと舞台の中央にいるな、って。
753:桜羽エマ【配信主/弁護人】
いっぱいアドリブを入れるって聞いてたのに、
立ち位置は全然変わってなかった。
754:桜羽エマ【配信主/弁護人】
――それも、台本を無視してまで。
まるで、誰かに「舞台中央から動くな」って命じられたみたいに。
755:名無しの傍聴人
!!
756:城ケ崎ノア
それって……
757:黒部ナノカ
……?
758:遠野ハンナ【裁判長】
エマさん、それは……っ!?
759:桜羽エマ【配信主/弁護人】
…………アンアンちゃん。
760:桜羽エマ【配信主/弁護人】
【洗脳の魔法】でシャンデリアの落下位置に誘導し、
レイアちゃんを殺した犯人は――キミだ!