ようやくこの小説におけるレイコの設定を明らかにできました。これで夏目が幻想郷の妖怪に立ち打ちできたかわかるはずです。
そして、ここで夏目の幻想入り一日目がようやく終わりました。
紫「それにしても…あなた……」
紫が夏目の顔をじっと見つめる。
紫「どこかで見たことがあるわね。いつだったかしら……」
顔を見つめ、考える。
夏目「俺をですか?」
夏目が口に出す。夏目は紫に会うのは初めてだったので今まで見たことがなかった。しかし、あることが浮かび上がったので紫に語りかけた。
夏目「もしかしたら俺ではなく、夏目レイコという女性ではないでしょうか?」
紫「女性………夏目…レイコ……」
紫が頭を抱えながら呟いた。少ししてから納得がいった顔をした。
紫「それだわ!夏目レイコ!!あなた、その女性とどういう関係なのかしら?」
夏目「レイコさんは俺の祖母です。」
紫の質問に夏目が答える。
紫「祖母……あんた、レイコの孫って訳かい。もうそんな年月が過ぎていたわけね。レイコは今も生きているのかい?」
紫は懐かしむような表情で語りかけた。
夏目「……いえ、レイコさんはもうだいぶ前……俺が生まれる前に亡くなっています。」
夏目が小さな声で言った。
紫「あら……そうか……もう亡くなっていたのか……。悪いことを聞いたわね。」
紫が申し訳なさそうな顔をして言った。
夏目「いいんです。気にしないでください。それより、どうしてレイコさんのことを知っているたのですか?」
紫がレイコさんのことを何か知っていると知って夏目が話し出した。
夏目「俺はレイコさんや両親といった自分の家族についてあまり知らないんです。レイコさんについては妖たちからも有名だったのですがそれでもどういう人だったのかというのがはっきりわからないんです。」
夏目が自分の家族について語り、紫にレイコとの関係を尋ねた。
紫「わかったわ、教えてあげる。」
紫が語りだした。
紫「今からおよそ50年程前に、私は夏目レイコと出会った。そしてレイコをここ、幻想郷に連れてきたんだよ。」
夏目・霊夢「「えっ!!」」
ニャンコ先生「何!?」
紫の発言に夏目と霊夢が驚いた。傍でメモをとっていた文も黙りこくってしまった。
文「げ、幻想郷に連れてきたってどうしてですか!!それも妖怪じゃないただの人間をだなんて!」
霊夢「そうよ、何で連れてきたのさ。」
文と霊夢が紫に言った。紫はまあ落ち着いてと両手を構えて話を続けた。
紫「あの子が外の世界の妖怪に次々と勝負を挑んで退治しているのを見ていたらさ、どうしても誘いたくなっちゃったのよ。」
夏目がなんとなくわかったような顔をした。だが、その次の紫の発言に夏目はおろか、そこにいた全員が目を丸くした。
紫「当時の博麗神社の巫女になってもらおうかと思って。」
霊夢「博麗神社の………巫女………だって……」
射命丸「あやややや………」
霊夢と文がこれまでにないくらい驚き、夏目とニャンコ先生は完全に黙りこくってしまった。
紫「あら、そんなに驚くことかしら?博麗神社の巫女は代々当時の巫女とその他で決める指名制なんだし、別に外から有力な人材を発掘してきたっていいじゃない。」
紫は何か悪いことしたかしらといった感じで語る。
霊夢「確かにそうだったけれど、本人はどうだったわけよ。」
紫「ええ、とても喜んでいたわよ。当時の巫女、霊夢の四代前にあたる巫女もにもたいそう気に入ってもらっていたんだけどね。」
紫が懐かしむような感じ語る。
夏目「だけどどうしたんですか?」
夏目が尋ねる。
紫「結局あの子はこの幻想郷に留まることはなかったわ。」
紫が応える。
夏目「レイコさんにそんな過去があったなんて………紫さん、ありがとうございます。」
紫「お礼なんて要らないわよ。」
紫が照れくさそうな素振りをした。
霊夢「あぁ~でもレイコって人が巫女になっていたら今よりずっと生活が楽だったのかもしれないわ。」
霊夢はそう言うと縁側に寝転んだ。
紫「でもけっこうあの子はがさつなことろがあったから結局あんたが貧乏腋巫女だったことに変わりはなかったわ。そもそもあなたが巫女でなくなっていたのかもしれないわね。」
紫が言う。
霊夢「ちょっと、それはひどくない。もしそうだったとしても指名制なんだから私の実力でどうにかなっているわよ。」
霊夢が余裕そうな素振りをみせる。
射命丸「普段努力はしない霊夢さんがね~」
霊「文!」
文が皮肉を言い、霊夢が睨み付ける。
紫「そういえば夏目、レイコが持っていた友人なんとかっていうもの……もしかしてあなたが持っているのかい?」
紫が夏目に聞く。
夏目「えっ!友人帳のことですか?」
夏目が驚く。
紫「そうそう。その友人帳っていう物。あなたが引き継いでいたのね。」
ニャンコ先生「なんだ、お前もこれが欲しいのか。残念だが、これは私がこいつの死後にもらう約束になっているんだ。お前に譲る気はない。」
ニャンコ先生が話す。
紫「あら、私はそんな気なんて全くないわよ。まだ妖怪と勝負して手下にしているのかなと思ってさ。」
霊夢「手下?どういうことよ。」
霊夢が尋ねる。
夏目「ああ、説明するよ。」
そう言うと、夏目は鞄から友人帳と取り出して語る。
夏目「この友人帳はレイコさんが妖怪に勝負を挑んで打ち負かした妖の名が書いてあるんだ。 そしてこの紙に名前がある妖怪は友人帳の持ち主に名を呼ばれると命令に逆らえなくなる。そういうものさ。」
霊夢「じゃあこれを手にすれば多くの妖を従えることが出来るわけなのね。」
霊夢が言う。友人帳の力に驚きを隠せないようだ。
夏目「でも、これを集めたのはレイコさんだから俺には妖怪をどうこうすることはできない。それに、俺はここに載っている妖怪たちに名前を返し続けているんだ。」
夏目が言う。
霊夢「えっ?どうしてなの?せっかくこんなに集まっているのに……」
夏目「ああ。俺は妖怪を無理矢理従えたりするのはできないから。それに俺に頼ってきた妖怪たちに何かしてやりたいと思うからさ。」
夏目が言う。
霊夢「あなた、随分と優しいのね。私だったら幻想郷中の妖怪の名前を集めて散々こき使っちゃったりしているかも。」
射命丸「霊夢さんらしいですね。さて、それではそろそろ……」
そう言うと文は立ち上がった。
射命丸「そろそろ夏目さん、あなたの記事を書かなくてはいけませんね。明日には幻想郷中に配らなくてはいけませんし。」
そう言うと妖怪の山へ飛んでいった。
紫「あんたは面白そうね。元の世界に戻る前に幻想郷にいる名前を奪われた妖怪たちにも返してあげられるかもね。」
夏目「えっ?ここでもレイコさんが名前を奪った妖怪が!?」
紫「ええ。よろしくね。」
そう言うと紫はスキマを使って帰っていった。
霊夢「あなた、うちに留まっていきなさい。いろいろ手伝ってくれるならだけどね。」
霊夢が言う。
夏目「あ、ありがとうございます。」
霊夢「暫く忙しくなりそうだね。」
夏目レイコは紫が選んだ博麗神社の巫女候補者でした。本人はどう感じていたのでしょうかね。仮に巫女になってしまっていたら博麗レイコになっていたのかもしれません。
翌日こんな新聞が幻想郷中にばらまかれりことになりました。
文々。新聞号外
『外の世界からやって来た人間が妖怪や妖精を次々と退治。その正体はなんと博麗神社の先々々代候補であった人物の孫だった!』
これを見た幻想郷の住民たちがどんな行動に出るのかしら………