霊夢と夏目、そしてニャンコ先生は人間の里へと向かっていた。
夏目「それにしても人間の里っていうことはそこ以外は妖怪に支配されているのか?」
夏目が言う。
霊夢「支配されているというよりは元々そこが妖怪にとってのすみかだからね。人間には人間の暮らすところ、妖怪には妖怪の暮らすところというところかしら。でも、物好きな人は人間の里以外に住んでたりするけれど。」
霊夢が返す。
夏目「妖怪の暮らすところか。俺のいるところだとほとんどみんな妖怪を見ることができないからそういう区分けなんかなかったな。そもそも妖怪のすみかなんて知らない人ばかりで人はどこにでも住んでいた。すぐ近くに妖怪がいることなんか知らずに……」
夏目が語る。
霊夢「そう。外の世界はそんなことになっているのね。人間の里は人間ばかり住んでいるけれど妖怪もよく買い物等に来るわ。あなたのいるところと違ってみんな妖怪を見ることができるからね。」
ニャンコ先生「酒は!酒は売っているんだろうな!!おい!」
ニャンコ先生は眼を輝かせながら言う。
夏目「先生は酒ばっかりだな。それにしても人間の里が妖怪に襲われたりしないのか?」
霊夢「それはないわ。何の為に私がいると思っているのよ。妖怪退治は私の仕事よ!それに人間の里は妖怪の賢者達によって保護されているのよ。だから襲われることはないわ。」
夏目「妖怪が人間の里を保護!?」
夏目は驚いた。妖怪が人間を守っているとは思いもしなかったからだ。
霊夢「実際この幻想郷は妖怪の方が数も強さも上だから人間なんかすぐに消えてしまう。でも人間が滅んでしまうと妖怪側にも困ることがあるから保護しているわけ。とは言ってもその役目ほとんど私に丸投げされているんだけどね」
夏目「人間がいなくなると妖怪が困るってか……」
霊夢「まあ妖怪にもいろいろあるのよ。妖怪がいなくなっても困るわ。私の仕事がなくなっちゃうわけだし。だから人間と妖怪のバランスが大事になってくるの。」
夏目「人間と妖怪のバランス……」
(妖は不穏で不確かな不安や影を人の心に落とす存在でその心や命を脅かすもの、祓って当然の行為です)
夏目がふと的場の言葉を思い出す。
夏目「バランスということは霊夢さんはむやみに妖怪を祓ったりはしないのかな?」
霊夢「それは勿論徹底して祓っているわよ。」
夏目「えっ、でもバランスがどうこうって……」
予想外の返答に驚きながら言う。
霊夢「まあ面倒だからあんまり祓ってないけれどね。向こうから仕掛けてきたら全力で相手してやってるけど……」
夏目「ちゃんと考えて行動しているのかどうかわからないな。」
霊夢「ほらっ、もう着いたわよ。」
話し合っているうちに人間の里についた。
人間の里は賑わっていた。
多くの人が街中を歩いていた。だが、俺が住む世界とは少し異なっていた。町並みや人々の格好はさながら江戸時代のようであった。非舗装の道路に着物の人々。電気も通っていない。車はおろか、自転車すら見えなかった。
そして何より、少なからず妖怪が普通に町を歩き、買い物をしていた。
霊夢「あら、固まっちゃってどうしたの?少し驚いたかしら?」
その場に突っ立っていた夏目に語る。
夏目「ああ、なんだか俺の世界と違う、なんだか昔の場所のように感じてしまって……」
夏目が言う。
霊夢「昔の場所……大体あっているかもね。この幻想郷では外の世界で忘れ去られたり少なくなったものが多く存在するからね。じゃあ、買い物に付き合ってくれるかしら?」
夏目「ああ、いいとも」
ニャンコ先生「まずは酒だ!酒を買ってこい!!」