人里で楽しく買い物中
霊夢と夏目、そしてニャンコ先生は人間の里で買い物をしていた。
霊夢「荷物持ちお願いね~」
霊夢は随分と機嫌が良さそうだった。
霊夢「あと、あれとこれと、それから……」
夏目「随分と買うんだな」
俺の両手は既に塞がっていた。俺の世界と違ってスーパーのレジ袋なんてないから持ち歩くのが意外と大変だ。
霊夢「昨日のお賽銭のおかげで珍しく余裕ができたからね。足りないものがたくさんあったけれどようやく買えるわ」
夏目「それ、元々は俺のお金だから……」
昨日のお賽銭とは俺のお金とあと紫さんがそっと入れていたものだった。いつの間に入れていたのだろうか。
話していると目の前の店から誰かが出てきた。
まいどあり~
店から出てきたのは人ではなく妖だった。二つにとんがった帽子を被り、たくさんの狐の尻尾を生やしていた。そして、その片手には何かが詰まった袋を手にしていた。
霊夢「あら、あんた紫とこの式神じゃない」
霊夢はどうやらこの妖を知っているようだ。
藍「ん?なんだ。赤かったり白かったりで目出度い人間か。こんなところで何用だ」
霊夢の呼び掛けにその妖怪が反応した。
霊夢「初めて会ったときのような言われ方ね。ただの見回りと買い物だけど。主人はまだ寝ているのかい?」
藍「紫様なら今は就寝の時間だ」
霊夢「昼間だっていうのに…相変わらず一日のほとんどを寝て過ごしているのね」
夏目「話を割って悪いのだが、その妖は誰なんだ?」
俺は気になって話に割り込んだ。
霊夢「ああ、こいつは八雲藍って言って昨日のあのスキマ妖怪の式だよ」
藍「おい、あのスキマ妖怪とはなんだ。紫様と言え」
藍が指摘する。
夏目「昨日のあの妖怪の……ってか妖怪も妖怪を式にできるのか」
藍「ん?そうか、お前は紫様が言ってた人間か」
藍が俺に話しかけてきた。
夏目「俺のことか?」
藍「ああそうだ。レイコとかいう博麗神社の巫女候補の孫とはお前のことだか?」
夏目「それなら間違いなく俺だ。」
藍「やはりか。私は八雲藍。紫様が眠っているときは代わりに結界のチェック等をチェックしておる。先日の結界の弛みに気づいて紫様に直してもらったのだがまさか外の人間が迷い混んでいたとは思わなかった。すぐに帰れるよう手配しておくからそれまで待っていてくれ」
さっきまでの威張った口調から急に穏やかな口調になった。この妖の本来の性格なのだろう。
夏目「ああ、わかった。できるだけ早く頼む。」
藍「承知した。全く、面倒なことを……(とんだバ●アだぜ(ボソッ))」
夏目「面倒なこと?」
藍「ああ、何でもない。ただの独り言だ」
(今とんだバ●アって聞こえたのだが気のせいかな……)
藍「それにしてもレイコによく似ているの」
夏目「レイコさんに?」
突然レイコさんのことを口に出され、俺は少し驚いた。
藍「ああ。性格は違っておるが容姿はそっくりだ」
夏目「そうか。俺はあまり祖母のことを知らなくて……」
藍「霊香がいればきっと喜んだろうに……」
藍が小さな声で言った。
夏目「霊香?(そういえば夢で見たのも確か……)」
藍「ああ、レイコがこっちに来た…いた、連れてきたときの博麗の巫女さ。もうとっくになくなっているがな」
藍が淡々と話した。
夏目「そうか、ありがとう」
霊夢「あんた、また油揚げ買いに来たのね」
すっかり蚊帳の外にいた霊夢が言う。
藍「なんだ、盗みに来たわけではないから別にいいではないか」
袋を見せつけて言う。まさかあれ全部油揚げだとは……
霊夢「問題は買う量よ。どれだけ買っていくつもりなのよ」
呆れ気味であった。
藍「売ってあるだけに決まっておる」
ドヤ顔で言った。
夏目「買いすぎだろ。腐ってしまうぞ。」
藍「大丈夫だ。一日で食べきるから。」
霊夢「食べ過ぎでしょ。」
藍「うう……」
霊夢「全く……」
藍「では私はこれで、まだ買わねばならないものがあるので……」
霊夢「何?まだ油揚げ足りないの?」
藍「いや、マタタビを買いに行く。」
またドヤ顔をした。
霊夢「マタタビって……またあの化け猫に盛るのか……」
藍「橙のことをあの化け猫って言うな。最近会ってなくてだな……ではこれで……」
そう言うと藍は去っていった。
夏目「随分と変わった妖怪だな……」
ニャンコ先生「九尾の狐の割りには随分と威厳がないのう」
夏目「威厳?」
ニャンコ先生「九尾の狐には数々の伝説があって普通なら最上位に位置する力を持つ強力な妖怪なのじゃ。あれを式にするとなると昨日の紫という奴はかなりの実力者であろう」
ニャンコ先生が言う。
夏目「そうなのか」
霊夢「全く、面倒なんだから。さて、行きましょう」
夏目「まだ買うものがあるって言ってたな」
霊夢「それもあるけれど、ちょっと見回りをね」
夏目「見回り?」
霊夢「ええ、鈴奈庵ってところをね」
次回鈴奈庵へ
作中にでてくる霊香はオリジナルキャラです
一応設定を
博麗霊香(ハクレイ レイカ)
霊夢から見て四代前の博麗神社の巫女
スペルカードルールのなかった当時の巫女としては優秀な方だったがそのことを覚えているものはほとんどいない
紫が連れてきた夏目レイコという少女を気に入っていた
記憶を操る程度の能力をもつ