偶然にも幻想入りしてしまった夏目とニャンコ先生。最初に出会ったのは……
夏目「ここはいったいどこなんだろうか?」
夏目とニャンコ先生は周りを警戒しながら見渡した。周りは先程のような木々がなぎ倒された森ではなく、木で囲まれ、所々に岩が散らばっていた小さな場所だった。
夏目「人のいる気配はしないな。」
ニャンコ先生「ああ、私としたことが……おそらくここは妖怪の別世界……私らはどうやら神隠しにあったのやも知れぬ。」
ニャンコ先生はそう言った。その言葉を聞き、夏目は驚いた。
夏目「神隠しだって!?言われてみればそういう気がするな……先生、早くここから抜け出す方法を考えよう。」
ガラガラガラガラ…………
ニャンコ先生「ん?夏目、気をつけろ!何か来るぞ!」
ニャンコ先生が何かの音に気がつき、辺りを警戒する。
夏目「ああ、確かに何か来ているな。」
夏目もその音に気付き、周囲を警戒する。
ガラガラガラガラ………
夏目「あっちか!」
夏目の見ている方向から台車をついている三編みの少女がやって来た。
お燐「あにゃにゃ…お兄さんは死体じゃなかったのか。がっかり」
残念そうな顔を夏目に向ける。
夏目「ん?なんだ君は…妖か?」
夏目が尋ねる。
お燐「そうだよお兄さん♪あたいは火車猫の火焔猫燐。お燐って呼んでね!」
夏目「火車猫?」
ニャンコ先生「葬式や墓場に現れて死体を持ち去っていく妖だな。」
ニャンコ先生が説明する。
夏目「死体を?」
お燐「そういうこと。だからあたいは生きている人は襲わないのさ。死んだあとの会話が面白くなくなるからね♪って、お兄さんのペットも妖怪なのかい?」
お燐が自信満々で話した後、夏目に語りかける。
ニャンコ先生「ふん、誰がペットだ。こいつは私の非常食だ。」
夏目「非常食じゃない!俺は夏目貴志、見ての通り人間さ。こいつは俺の友人で用心棒のニャンコ先生さ。妖だよ。」
夏目はニヤニヤしているニャンコ先生を睨み付け、お燐に説明する。
お燐「夏目ね。ところでお兄さんはどうしてこんなところにいるんだい?」
お燐が尋ねる。
夏目「俺にもわからないんだ。いつの間にかこっちの世界に迷い混んでしまって……」
夏目が困った顔をしながら返事をする。
お燐「この幻想郷の、しかもすごく危険な無縁塚に迷い混んでしまうなんてね。」
あちゃ~とした顔をしながらお燐が言う。
夏目「幻想郷?」
ニャンコ先生「聞いたことがあるな。はるか山奥の地に妖怪や妖精ばかり住んでいる場所があったとか……」
ニャンコ先生が言う。
お燐「そういうこと。ここ幻想郷はあたいたちみたいな妖怪だらけの場所さ。まだ生きているみたいだけれど油断していたら妖怪にぱっくり食べられちゃったり殺されちゃうよ。」
お燐が両手を猫のポーズにし、夏目に対して威嚇した。
夏目「妖怪の世界ね。とんでもないところだな。」
お燐「それにしてもお兄さんはずいぶんと落ち着いているね。普通の人ならパニックになっているのに……」
夏目「ああ、それは普段から妖怪を見慣れているからだと思うよ。俺は普通の人には見えない妖を見ることができるから。」
夏目は自分のもつ能力についてお燐に説明した。
(霊夢や魔理沙たちは当然のように持っているのに外の人間はそうじゃないのね。)
お燐はそう思った。
お燐「へぇ。そんな力が,,,,,,お兄さんたち、もとの世界へ帰りたいのかい?」
夏目「ああ、もちろんだ。何か知っているのかい?」
夏目がお燐に聞く。
お燐「もちろん、知ってるさ♪博麗神社に行けば霊夢が元の世界に返してくれるはずさ。そこにたどり着いたらの話だけどね。」
夏目「博麗神社?霊夢?」
夏目が言う。
お燐「この幻想郷と外の世界の境にある神社さ。霊夢はそこの巫女だよ。」
お燐が返す。
夏目「そうか。ありがとう、そこへ行ってみるよ。」
お燐に博麗神社の場所を聞くと夏目はニャンコ先生と共に向かった。
お燐「途中で死んだらあたいが死体を持って帰ってあげるよ。灼熱地獄跡で怨霊になってからまた話そうね♪」
お燐が笑顔で手を振る。
夏目「そういうつもりは全くありません!」
偶然にも地上で仕事中のお燐ちゃんに遭遇。危険度の低い妖怪であったのはラッキーだったかもしれません。
博麗神社までの道中、まだまだ危険がいっぱい。この先無事でいられるだろうか?