残酷な描写が含まれています。
久しぶりにデュエル描写/Zeroです。
本話から試験的に投稿時刻を0:00から7:00に変更しました。
マジック&ウィザーズ最後の全米選手権となった大会から1年。俺はキースを悪し様に言う噂に腹を立て、その噂を出所を探るべくペガサスが
「おい、ペガサス。あの噂はどういことだ!」
「マーク!? そ、それについては私のせいではありまセーン! あと不法侵入デース!」
「バレなきゃ犯罪にはならねぇんだ。つまりはお前が黙っていれば合法。OK?」
「Oh……即退場する予定の無個性モブだったマークは何処にいったのでしょう*1」
ラスベガスのホテルにペガサスを軟禁したのはインダストリアル・イリュージョン社だ。どうやら去年のコイツのやらかしに相当ご立腹らしい。自社の名誉会長を軟禁なんて普通じゃ考えられないが、ペガサスはキースとのエキシビションマッチと去年の全米選手権の2度やらかしているからな。これも自業自得だろう。
「……噂の出所はインダストリアル・イリュージョン社か?」
「おそらくはそうデショウ。私が引き取って養育していた子たちも協力しているようデース」
「マリアが言っていたペガサスミニオンとかいう狂信者集団か。そいつらの目的は?」
「インダストリアル・イリュージョン社の目的は分かりませんが、ミニオンの目的は予想がつきマース。おそらくは復讐デース」
「復讐?」
「彼らからすればマリア・ハワードは私の不敗神話を、不可侵性を破壊した怨敵だということデス。もちろん以前お伝えしたように、それらを成し遂げたのは彼女ではなくキース・ハワード。あのデュエルは私のルール違反がなくとも私の負けデシタ」
「キースは失踪したまま行方知らずだから、お前を公式戦で打ち破ったマリアを標的にしているってことか?」
「ミニオンからすれば彼女が私に代わってデュエルの世界のトップに君臨することが許さないのでショウ。私が負けた後、彼らは彼女が愛用していたカードの多くを規制するようインダストリアル・イリュージョン社に要請していました」
「そこまでするかよ。規制に介入したってことはインダストリアル・イリュージョン社もグルか?」
「カードの規制に関してはデュエル・モンスターズが長期的に多くの人に遊んでもらうための工夫デース。ワンターンキルを抑制し、お互いが理不尽を押し付け合い、そこに駆け引きの生まれるデュエルを目指していマース。もっともインダストリアル・イリュージョン社にとってCM出演や商業誌の取材を拒否し続けているマリア・ハワードがチャンピオンであり続けるより、それらに協力的な別の誰かがチャンピオンである方が好ましいのも事実デス。おそらくミニオンとは相互に利用し合う関係なのでショウ」
「規制に関してはタイミングが悪かっただけってことか。マリアの連覇を阻止したいのは俺たちも同じだが、どうせなら息のかかった奴を優勝させたいんだろ。どんな手は打ってるか知ってるか?」
「インダストリアル・イリュージョン社は彼女を倒すため、カード・プロフェッサーと呼ばれる賞金稼ぎのプロゲーミングチームのスポンサーになったそうデース」
「いくらプロゲーマーでも今からルールを覚えるのは難しいだろ」
いくらプロゲーマーでもマジック&ウィザーズは──デュエル・モンスターズは一朝一夕で勝てるようになるゲームじゃない。ルールは複雑そうに見えて、それ以上に複雑だ。国によってカードの裁定が違うなんてこともありやがる。*2
それにデッキだって簡単に用意できるものじゃない。俺たちのような上位層のプレイヤーのデッキは1つで相当な資産価値がある。
「デッキに関しては私が彼女のために創造したカードたちを使う気デス」
「なんだって?」
「下手をすれば初心者であってもトッププレイヤーに勝てるほどのパワーを秘めたカードたちデス。時が来ればマリア・ハワードに渡す予定でしたが、ミニオンたちはそれを待ち出し、インダストリアル・イリュージョン社を通じて賞金稼ぎに貸し与えたようです」
ペガサスによると狂信者集団が奪ったデッキは【ティアラメンツ】【征龍】【魔導書】【烙印】【ビーステッド】【シャドール】【ライトロード】【剣闘獣】【影霊衣】など、その効果やコンセプトを聞く限り、間違いなく時代を変える劇物ばかりだ。さすがに無警戒では勝ち目はないに等しいだろう。
「奪われたカードの情報は仲間内で共有させてもらうぞ」
「構いませんが、彼女にだけは教えない方がいいでしょう」
「は? なんでだ?」
「彼女がこれを知れば決勝トーナメント開始前に自重を捨ててしまいマス。そうなれば去年の焼き回し──いえ、もっと酷いことになりマス。それだけは避けなければなりまセーン」
まるで未来を知っているからのような言い草だが、それを指摘したところでペガサスははぐらかすだろう。俺も目に見えた地雷原に飛び込む気はない。
「……分かった。俺はペガサス・J・クロフォードのことは殺してやりたいくらい嫌いだが、天馬太陽には感謝してるんだ。とはいえ、これで貸し借りはチャラだからな」
「ありがとうございマース」
俺はペガサスが軟禁されているホテルを抜け出し、決勝トーナメント進出を決めたアメリカ各地の好敵手たちにこのことを伝えて回った。決勝トーナメント前には去年の集会にも参加したメンバーを集めて対策会議なんかもした。
「プロゲーマーだかなんだか知らねぇが、強いカードを手に入れただけで勝てるほどデュエルの世界は甘くないって教えてやらなくちゃな!」
「でもなんでペガサスはこんなイかれたカードたちをデザインしたんだ?」
「そんなもの混沌帝龍やマキュラをデザインした時点で今更だろう」
「おっと、現世と冥界の逆転の悪口はそれまでだ」
「苦渋の選択やラストバトルも忘れちゃいけないぜ!」
「「HAHAHAHAHA」」
実際、俺たちは決勝トーナメント1回戦で対戦したカード・プロフェッサーやペガサスミニオンだと思われる予選免除者に勝利した。奴らのうち、勝ち残っているのは天馬夜行とマリエ・カトウだけだ。
俺の2回戦の相手は《スキルドレイン》や《突然変異》を採用した【征龍】デッキを使う天馬夜行だ。相手にとって不足はない。
「2回戦、わざと負けてくれないかしら。もちろんタダ働きさせる気はないわよ。報酬として優勝賞金と同額……いえ、2倍は出すわ」
(はは、情けねぇ奴らだ。あれだけの強力なカードを手に入れておいて勝つ自信がねぇのかよ)
インダストリアル・イリュージョン社の社員を名乗る女から、次の2回戦で故意に負けるよう八百長を持ち掛けられた。女は優勝賞金よりも高い報酬を出せば引き受けると本気で思っているようだ。俺たちデュエリストという人種に対して不勉強が過ぎる。
「断る。例え100倍出されても全米チャンピオンという肩書きには換えられないんでね」
「そう。残念だわ」
その場を立ち去ろうとした俺は女に背後から銃弾を浴びせられ、万が一にも2回戦に出場できなくするためなのか、半身とも言えるデッキを奪われた。
(悪りぃな。再戦の約束、果たせそうにねぇわ)
俺はペガサスミニオンや賞金稼ぎが全米チャンピオンの座を穢す心配はしていない。実力行使に頼らなくてはならない連中に俺たちのチャンピオンが負けるはずがないと
マーク
キースの厄介ファン。キースを悪し様に言う噂の出所を探るためにペガサスの軟禁場所を探り当て潜入したヤベー奴。元ネタは1900年代アメリカを舞台にした某コズミックホラーTRPGの自キャラ。
芸術(カードゲーム)98という技能を有している。
アイカワ
マークと同じく八百長を持ち掛けられ断ったら撃たれた。
オリキャラではなくタッグフォースのキャラクターが元ネタ
実は1回戦で天馬月光(【魔導書】)を破っている。
それはそうとデッキ奪った奴は社会的に殺したい。
ペガサス
神のカードなど余計なカードを作る/考案することに定評のある男。神のカードは
こっそり自分のデッキも強化している。
天馬夜行&月行
暴走中のミニオン。この世界でも夜行はラフ・ダイヤモンドだし、月光はパーフェクト。インダストリアル・イリュージョン社とはお互いに利用し合う関係。
ちなみにパーフェクトな月光は1回戦でアイカワを相手に4セット目までもつれ込み惜敗している。
インダストリアル・イリュージョン社
本話にもあるようにマリア個人を攻撃する目的でカードを規制したわけではない。カードゲームとしての寿命や敷居の高さを考えた際、強力過ぎるカードは規制しなければならないと結論付けただけである。ただマリアが規制レベルのカード使いすぎてただけ。
とはいえメディア出演NGにしているマリアとの間に軋轢や溝は存在している。彼女に代わるデュエル・モンスターズの顔役とも言えるデュエリストを求め、ペガサスミニオンやカード・プロフェッサーを使って正面から倒そうと画策している。参加者の買収や襲撃は指示していないと主張している。
エージェント
インダストリアル・イリュージョン社の正規社員。
相応の報いを受けることが確定した。
秘密結社ドーマの構成員でもある。要するに工作員。
某秘密結社D
I2社の思惑、ペガサスミニオンの思惑を把握し、デュエル・モンスターズの発展に繋がるならばと陰ながらお手伝い()している。襲撃とデッキ強奪はスパイ工作のために送り込んだエージェントの独断。処断を決定。
天馬太陽が使用したデッキは?
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【トゥーン】
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【サクリファイス】
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マリアのコピーデッキ