踏み台になりたい転生者のお話   作:一 八重

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サブタイトルを見ても分かりにくいと指摘を受けたので随時変更していきます。

あとサブタイトルのシェパードのこと誰だよって思った人は遊戯王GXアニメ再放送を観よう!(ダイマ)

※鮫島校長の英語名を間違えていた(ジャンはナポレオン教頭の英語名)ため適時修正しています。直っていない箇所があれば脳内変換してください。


vs シェパード(1/4)

 全ての1回戦の結果が出揃い、2回戦の組み合わせが決まった。

 私の次の対戦相手はカーク・ディクソンのそっくりさん*1に勝ったシェパードという青年だ。

 

 彼は初代遊戯王の続編、遊戯王GXに登場するキャラクターだ。誰のことか分からない人に説明すると鮫島校長(青年期の姿)である。禿げてないし痩せているから見た目に鮫島校長要素はない。

 

 

「よろしくお願いします」

 

「こちらこそ。そういえばチャンピオンはキースさんの姪なんだって?」

 

「はい。叔父と面識があるんですか?」

 

「去年の全米選手権の後に偶然ね。奥さんと一緒だったよ」

 

「奥さん!?」

 

「うん、銀髪の可愛らしい女性だったよ」

 

 

 叔父さんが結婚していたという話は聞いたことがない。つまり相手は失踪してから出会った女性なのだろう。気になる。めちゃくちゃ気になる。ここまで精神を掻き乱されたトラッシュトークは決勝トーナメント1回戦以来久しぶりだ。

 

 

「私の先攻ですね。ドロー、スタンバイ、メインフェイズ。モンスターをセット。カードを2枚セットしてターンエンドです」

 

「ドローからスタンバイ。メインフェイズまでには発動するカードはあるかな?」

 

「ありません」

 

「ならメインフェイズ開始時に手札から《大寒波》を発動するよ。チェーンはあるかな?」

 

「ありません」

 

 

 《大寒波》は次の自分のターンのドローフェイズまでお互いのプレイヤーの魔法と罠の効果の発動や使用のみならずセットすら封じる効果を持った通常魔法だ。

 

 3期環境のカードプールではモンスター効果のみでワンショットを狙うのは難しかったため評価はイマイチだったが、シンクロが隆盛し始めた頃からワンキルのお供として評価を高めていった。もちろん禁止カードに指定された。

 

 

「《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚。《サイバー・ドラゴン》を生け贄に《氷帝メビウス》を生け贄召喚。《氷帝メビウス》の効果でセットカード2枚を破壊するよ」

 

「チェーンはありません。破壊されたのは《月の書》と《サンダー・ブレイク》です」

 

「バトルフェイズに入るよ。《氷帝メビウス》でセットモンスターに攻撃」

 

「《異次元の女戦士》です。戦闘破壊確定後に効果を発動します」

 

「チェーンはないよ。《氷帝メビウス》は除外されます。バトルフェイズを終了してターンエンド」

 

 

 【サイバー・ドラゴン】ではなく【スタンダード】に近いデッキのようだ。また《大寒波》が入っているということは魔法・罠の採用枚数はかなり減らしているだろう。

 

 

「ドロー、スタンバイ、メインフェイズ」

 

 

 この時期の【サイバー・ドラゴン】はサポートカードが少なかったことを私は知っている。前世で言うところの4期中盤頃までのカードプールで《サイバー・ドラゴン》を採用していたデッキと言えば【サイカリバー】や【アサイバー】が印象に残っている。

 

 ちなみに前者は【グッドスタッフ】後者は【次元斬】に《サイバー・ドラゴン》を採用したデッキのことだ。

 

 5期に入れば【未来オーバー】が組めるようになり【エアゴーズ】と鎬を削るようにな──

 

 

「《冥府の使者ゴーズ》?」

 

「っ」

 

 

 5期に《冥府の使者ゴーズ》が登場した頃、私はショップの非公認大会で【サイゴーズ】と呼ばれる《サイバー・ドラゴン》と《冥府の使者ゴーズ》を採用したデッキと対戦したことがある。対戦相手が凄い服装だった*2をした女性だったから印象に残ってる。*3

 

 ここでモンスターを出して直接攻撃したところで勝てはしないのだからモンスターをセットしてターンを返すべきだろうか。いいや、ダメだ。それでは《サイバー・ドラゴン》の特殊召喚条件を満たしてしまう。

 

 

「……ターンエンドです」

 

「まさか、何もしないとは……凄い胆力だ。ドローからスタンバイ、メインフェイズまでに何か発動するカードはあるかな?」

 

「ありません」

 

「ではメインフェイズ。手札から《増援》を発動します。《DDアサイラント》を手札に加えます。《DDアサイラント》を召喚。バトルフェイズに移ります。《DDアサイラント》でダイレクトアタック」

 

「受けます。残りライフは2300です」

 

「メインフェイズ2にカードを1枚セットしてターンエンドです」

 

 

 《DDアサイラント》を《増援》でサーチしたということは《異次元の女戦士》も含めてフル投入されていると考えていい。シェパードのデッキには【アサイバー】の要素が組み込まれているということは「ガジェット」モンスターが採用されてる可能性は低いと考えていいはずだ。

 

 

「ドロー、スタンバイ、メインフェイズ。何かありますか?」

 

「ありません」

 

「モンスターをセット。カードを2枚セットしてターンエンドです」

 

 

 セットしたのは《黒蠍-棘のミーネ》《死のデッキ破壊ウイルス》と《月の書》の3枚。《氷帝メビウス》は制限カードに指定されているため回収されなければ2枚目は出されない。もし生け贄(アドバンス)召喚で出されるとしたら同じく制限カードに指定されている《人造人間サイコショッカー》だ。

 

 

「ドローからスタンバイ。メインフェイズまでに発動するカードは何かありますか?」

 

「ありません」

 

「《ミスティック・ソードマンLv2》を召喚します。召喚に成功した時に発動するカードはありますか?」

 

「ありません」

 

 

 《ミスティック・ソードマンLv2》は裏側守備モンスターに攻撃した時、その裏側守備モンスターを破壊する誘発効果を持ったモンスターだ。この時代でなリバースモンスター対策として採用されることが多く、私もメインデッキに1枚だけ入れている。

 

 

「バトルフェイズに入ります。何か発動するカードはありますか?」

 

「バトルフェイズ開始時に《月の書》を発動します。対象は《ミスティック・ソードマンLv2》です」

 

「チェーンはありません。メインフェイズ2に入ります。《DDアサイラント》を守備表示に変更。何か発動するカードはありますか?」

 

「ありません」

 

「ではターンエンドです」

 

 

 これは私のセットモンスターが《黒蠍-棘のミーネ》だとバレていると考えていいだろう。《黒蠍-棘のミーネ》は《死のデッキ破壊ウイルス》のコストになるだけでなく、相手に戦闘ダメージを与えた時に「黒蠍」モンスターをサーチまたは墓地からサルベージする効果を持っている。守備力が1800あるため、この時代なら最低限の壁役にもなる優秀なモンスターだ。

 

 シェパードが《DDアサイラント》を守備表示にしたのは装備魔法による強化を警戒してのことだろうか。《キラートマト》の自爆特攻や《強制転移》によるコントロール奪取を警戒したという線もある。

 

 今更だがシェパードの駆け引きは大会勢のそれだ。原作で勝敗よりも対戦内容を重視していた鮫島校長とは別人物と考えるべきだろう。

 

 

「ドロー、スタンバイ、メインフェイズ。何かありますか?」

 

「ありません」

 

「《黒蠍-棘のミーネ》を反転召喚。《黒蠍-罠はずしのクリフ》を召喚。バトルフェイズに入ります。ここまで何かありますか?」

 

「ありません」

 

「《黒蠍-棘のミーネ》でセットモンスターに攻撃します」

 

「《ミスティック・ソードマンLv2》は戦闘破壊されます」

 

「《黒蠍-棘のミーネ》を生け贄に《死のデッキ破壊ウイルス》を発動します。チェーンはありますか?」

 

「ありません。フィールドの《DDアサイラント》と手札は《サイバー・ドラゴン》《冥府の使者ゴーズ》が破壊されるね」

 

 

 シェパードの手札は《サイバー・ドラゴン》《冥府の使者》《増援》だった。おそらく私の《死のデッキ破壊ウイルス》を警戒して2枚目の《増援》を温存していたんだろう。

 

 

「《黒蠍-罠はずしのクリフ》でダイレクトアタック」

 

「《月の書》を発動。対象は《黒蠍-罠はずしのクリフ》だ」

 

「チェーンはありません。メインフェイズ2にカードを1枚セットしてターンエンドです」

 

「ドローフェイズ。ドローしたのは《人造人間サイコショッカー》でした。攻撃力1500以上なので墓地に捨てます。スタンバイフェイズ。メインフェイズまでに何か発動するカードはありますか?」

 

「ありません」

 

「では《増援》を発動します。チェーンはありますか?」

 

「ありません」

 

「《DDアサイラント》を手札に加えます。そのまま召喚」

 

「何もありません」

 

「バトルフェイズ。《DDアサイラント》で《黒蠍-罠はずしのクリフ》に攻撃します」

 

「何もありません」

 

「ターンエンドです」

 

「ドロー、スタンバイ、メインフェイズ。《地砕き》を発動します」

 

「チェーンはありません」

 

「手札から《クリッター》を召喚。《リビングデッドの呼び声》で墓地の《黒蠍-棘のミーネ》を特殊召喚。バトルフェイズ。2体でダイレクトアタック。《黒蠍-棘のミーネ》で戦闘ダメージを与えたとき、デッキから《黒蠍-棘のミーネ》を手札に加えます。ターンエンドです」

 

「ドローフェイズ。ドローしたのは《冥府の使者ゴーズ》でした。攻撃力1500以上なので墓地に捨てます。このセットは私の負けですね。サレンダーします」

 

「ありがとうございました。グッドゲームです」

 

「ありがとうございました。2セット目は負けませんよ?」

 

 

 こうして全米選手権二回戦の1セット目は私に軍配が上がった。しかし、私は2セット目でシェパード(鮫島校長)が『肝心な時にいない男』と呼ばれた所以を思い知らされることになる。

*1
本人です

*2
オベリスクブルーのコスプレ

*3
経験談。目のやり場に困った。




全米選手権ラスボス
「シーダー・ミールの【ティラメンツ】が負けただと!? ふざけるな、ふざけるなよ。私は奴を倒さねばならないのだ! こうなったら──」

シーダー・ミール
遊戯王Rで闇遊戯の前に立ち塞がったはずが、ページを捲ったら《オシリスの天空竜》にダイレクトアタックされて負けていた男。尺の都合で対戦内容が全てカットされ、その名前も最終巻のオマケページで初めて出てくるなどの不遇っぷり。の使用カードが一切不明だったため本作では【純正ティラメンツ】で決勝トーナメントに参加したもののマークの【深淵ワンキル】に惜敗した。

カーク・ディクソン
令和の【マシンナーズ】(エクストラなし)で決勝トーナメントに参加したカード・プロフェッサー。ジャンの《キメラティック・フォートレス・ドラゴン》の存在によって戦略が崩壊しストレート負けを喫した。
仲間の元に合流したら「偽物、俺は偽物……」とうわ言を呟く瞳のハイライトがオフになったウィラー・メットとそれを慰める北森玲子がいた。なんだコレ。

シェパード
遊戯王の続編にあたる遊戯王GXに登場する鮫島校長のアラサーの姿。まだ髪はフサフサで太ってもいないためか20歳前後の青年に見える。キース・ハワードから「勝つ気がねぇなら壁とやってろ」「リスペクトするのが目的になっている今のお前はデュエリストですらねぇ」と辛辣な言葉を浴びせられ、それ以降は勝ち負けにも拘るようになった。
キースに同行していたレイン恵を奥さんだと誤解している。
この全米選手権の後、デュエル・モンスターズを布教するため日本に渡って帰化し名前を鮫島に改める。

マーク
【深淵ワンキル】で【純正ティアラメンツ】に勝ってしまった本作のバグ。これに関しては「1d100で1が出たらマークの勝ちってことにしよう」とか言ってダイスを振った筆者が悪い。見なかったことにして振り直した2回目も1だったので諦めた。誰かコイツを止めてくれ。

キースside(vsイリアステル編)の話は──

  • 要る。
  • 要らない。
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