神様転生させられたオリ主がセカイで自分の想いを見つける話   作:多重次元世界の研究者(自称)

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 勢いだけで書きました。 見切り発射とも言う。

 自分の逃げ道を塞ぐためだけに投稿しました。 定期投稿に向かない性格をしている(自己分析)ので不定期投稿とさせていただきたく。
 エタらないといいね(他人事)







プロローグ

 

 

 

 

 

 全略、なんやかんやあって死んだ。

 

「・・・なんて?」

 

 聞こえなかなったか? なんやかんやあって、俺は死んだ。

 

「聞こえてるわアホンダラ。 全略すんな導入サボるな人の思考に干渉して語り部やらせるなちゃんと説明しろ」

 

 おいあんまメタいこと言いながら捲し立てるなよ俺。 仕方ないだろ考えんの面倒なんだから。

 ほぉら、そんなことより目の前にいかにも神様って感じのヤツが光と共に現れたぞ。

 

「おい待てまだ話は終わってな───」

 

「・・・ずいぶんと賑やかですね、死者」

 

 全身から悪寒を感じた。 その一言から放たれる"圧"で本能的に理解する。 目の前にいるのは紛れもなく神である、矮小な人間の遥か天上に位置する上位存在であると。

 思わず跪き、平伏する。

 

「も、申し訳ありません・・・! なにぶんこのようなこと始めてでありますので───」

 

「誰が喋っていいと言いました? 魂のみの脆弱な存在が私の許しもなく口を開かぬように」

 

 体が言うことを聞かなくなる。 震えが止まらない。 俺はこの神様の機嫌を損ねた瞬間に殺される。

 

「・・・ふぅ、顔を上げていいですよ」

 

 そう言われて顔を上げると、生前流行っていた単行本を両手で持って少し恥ずかしそうに口元を隠す神様の姿があった。

 

「すみません、人間界で流行してるまんが?とやらを読んでから一度やってみたかったのです」

 

 そう言いながらパラパラとページを捲って該当のシーンをこちらに見せてくる。

 

「パワハラ会議の場面じゃん。 ホントに怖かったんですけど」

 

「・・・はい、見ればわかります。 茶番に付き合わせて申し訳ないです・・・」

 

 もしかして、神様って案外気さくなの?

 

「えぇまぁ、他の神々に比べると人間界の娯楽やノリに寛容であるとよく言われますね」

 

 思考が読めるのか・・・? マズい・・・!

 

「・・・あなたも結構ノリがいいですね。 そういう人間、私は好きですよ」

 

 そう言うと神様は真面目な表情にし、"さて"と一言置いて話し始める。

 

「本題に入りますと、あなたにはこれからとある世界に転生してもらいます。 転生先にはあなたが知る世界をチョイスしましたので、きっと楽しめるかと。 それから、こちらができる範囲内で願いを一つほど叶えましょう」

 

「・・・なんというか、至れり尽くせりですね」

 

「まぁ、神々(われわれ)が勝手に作り出しておきながら放置している現状に思うところがあるので・・・。 私個人・・・じゃなくて、私個神としては、できうる限り生を謳歌してほしいんですよ。 よく異端と言われます。 あとさっきの茶番の負い目もありますので・・・」

 

 そう言って溜め息をつく神様からは、どことなく心労を感じる。 おそらくこういう人間らしい神は希少なのだろう、そしてそれゆえに───

 

「ま、私のことはどうでもいいのですよ。 転生先の情報は脳内に直接送信しました、では願いを聞きましょう。 ・・・時間なら幾らでもありますから、どうぞごゆっくり考えて下さいね」

 

 その言葉を聞きながら脳内に浮かぶ情報を確認する。 なるほど、転生先はプロジェクトセカイ、確かによく知る世界だ。

 そして主要となる人物と関われるよう、同年代かつ近い場所にある家庭に転生できると。

 

 ・・・・・・なら、願いは───

 

「・・・ふむ、なるほど? 珍しいですね、そのような願いを望むとは」

 

「可能ですか?」

 

「愚問です、が・・・これは人間界では禁忌に近いこと。 あなたはちゃんと自分を保てますか?」

 

「・・・多分」

 

「あのですねぇ・・・。 はぁ、仕方ないか、叶えるって言いましたからね。 あなたの魂に精神保護の祝福をかけておきます、ちょっとしたサービスです」

 

「あはは、世話をかけますね・・・」

 

「ホントですよまったく。 簡単なおまじないみたいなものなので、あまり効果を過信しないでくださいね?」

 

 神様がそう言うと、目映い後光が差してきて思わず目をつむる。

 目を開けると、神様の後ろに絢爛な装飾がされた扉が佇んでいた。

 

「さ、これから第二の人生です。 あの扉を開いたら、もう私はあなたに一切の干渉ができません。 あぁそうそう、もし死んでも次があるだなどということは考えないように。 私だって黄泉路を逝く数多の魂から一つを狙って拾い上げられるワケではありませんから」

 

「肝に銘じておきます」

 

「よろしい。 ・・・それでは、いってらっしゃい。 どうか、楽しんで下さいね」

 

 そう言いながら神様は少し横に移動して扉までの道を空けてくれた。

 迷いのない足取りで扉を開き、その先に足を踏み入れた瞬間、視界が全て白で染まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「・・・ウ。 ・・・き・・・ウ!」

 

 う~ん、なにか聞こえる。 勘弁してくれよこっちは何故かこの世界に生まれる寸前のことが夢に出てきたってのに。

 

「起きて! ユウ!」

 

 混濁する意識がその声で無理矢理引き上げられる。 何事かとそっちを見ると、一人の少女がなにやら切羽詰まった表情であたふたとしていた。

 

「ふわぁ~ぁ、どったのメイ? そんな慌てて」

 

 視界に映る少女の名は夜帳(よとばり) 冥衣(めい)。 胸元まである濁った血のような赤黒い髪と、美しい瑠璃色の瞳が特徴的な俺の双子の妹である。

 

「はぁ、やっと起きたわね。 ユウ、ずいぶんとぐっすりだったからさ? 起こすのも申し訳ないな~って放っといたんだけど、そろそろ時間マズいかなって起こしにきたの。 さっさと支度しなきゃ間に合わなくなるわよ?」

 

「え」

 

 ジト目でこっちを見るメイを横目に時計を確認すると、なるほど確かに急がなきゃマズい時間であると認識する。

 

「オッケ助かったメイ、俺はこれから無断欠席者予備軍として学生生活を送ることになりそうだ」

 

「諦めるのはやくない???」

 

 そんなことを言って早々に諦めつつ、急がない理由はないので全速力で支度を済ませて足早に家を出───

 

「あ、待ってユウ。 いつもの」

 

「・・・あー、はいはい」

 

 ───ようとしたら玄関前でメイに呼び止められた。 毎朝のルーティーンをたまに忘れるとこうして呼び止められる。

 

「他人の不幸は?」 「蜜の味」

 

「曇り空は?」 「晴れることはない」

 

「希望なんて?」 「ただのまやかし」

 

「美しい感情は?」 「悲哀も激情も絶望も含めた"全て"」

 

「ワタシ達の目的は?」 「その"全て"を見届けること」

 

「・・・うん、今日もいつものワタシ達ね。 いってらっしゃい、ユウ」

 

 そうして毎朝の問答を済ませると、今度こそ足早に家を出る。

 

 さて、遅れたが自己紹介をしよう。 俺の名前は夜帳(よとばり) 幽雨(ゆう)。 神山高校に通う一年生、前世の記憶を持っていることを除けばおおよそ一般的な高校生である。

 現在は遅刻者という不名誉なレッテルを貼られてしまうのを避けるため早歩きで登校している。

 

 走ることはしない。 だって疲れるし、バテたら余計に時間がかかる。 それにもし遅刻したとしても、なるようになるさと。

 そもそも二度目の人生なんて、人生におけるEXTRAステージ、"おまけ"みたいなものだろう? ・・・それが、前世で虚構(フィクション)として楽しんでいた世界での生ならばなおのこと。

 

(・・・それにしても)

 

「遅っそいな~、"Untitled"。 司からもうすぐ咲希が退院するって聞いたし類も転校してきてたから、そろそろセカイが生まれる頃合いだと思うんだけど。 もしかして、みんなと関わりを持てるってだけで根幹となる部分には触れられないとか?」

 

 う~ん、もしそうなら残酷だと思わない? ねぇ女神様や、こういうのの醍醐味って登場人物達と同じ目線でそのセカイを謳歌することじゃないの?

 なんて、今朝あんな夢を見たからかそんなことを思ってしまう。

 

「と、もうそろそろか。 さって時間は~っと」

 

 目の前の曲がり角を越えれば目的地に辿り着く。 歩きながら時間を確認するためにスマホを見ると、どうやらギリギリ間に合いそうだ。 まぁ、面倒事がなければの話だが。

 ・・・いやホント。

 

「お前もそう思うよなぁ? 杏」

 

「幽雨~? 遅刻寸前だけど何か申し開きはある?」

 

「はははっ、こーんな時間ギリギリまで検問か? ご苦労なこった」

 

「ただの持ち物検査だよ。 どこかの誰かさんがいつまで経っても来ないせいでこんな時間までいる羽目になったんだけどね」

 

 そう言いながらこっちにジト目を向けてくるコイツは白石 杏。 風紀委員をやってるクラスメイトである。

 ところでもうダッシュしないと予鈴に間に合わないんだよね、どうしよ。 なるようになるとは言ったが何もないに越したことはないからさぁ。

 

「そういうわけだからバッグの中身見せて。 私だって幽雨を遅刻させたいワケじゃないからさ」

 

「へいへい、んじゃよろ~♪」

 

 ・・・大人しく従うフリをしてバッグのファスナーを開け、杏に預ける。

 そして杏の視線と意識がバッグに向いたタイミングで音を立てずに横を走り抜ける。

 

「ふむふむ、特に問題ありそうなものはないかな。 うん、協力ありがとう幽雨・・・っていない!?」

 

 後方で杏の叫びが聞こえたのを認識し、走りながら振り返ると声が届くよう張り上げる。

 

「悪りぃ杏、その荷物頼んだ! ここはお前に任せて先に行く!」

 

「えっちょ、待ちなさい幽雨!」

 

 その声を無視して校舎に駆け込み、"廊下を走るな"という貼り紙を全力で無視し、アクロバットに壁キックを決めつつ教室の扉の隙間に足を差し込んで蹴り飛ばし教室に滑り込む。

 

「よっし滑り込みセーフ! 危うく無断欠席者予備軍になるとこだったぜ」

 

 教室中から何やってんだコイツという意思のこもった呆れたような視線を向けられる。

 

「ゆ~う~!」

 

「お、いらっしゃい杏。 間に合ったみたいでなによりだぜ」

 

 俺が着席した数秒後、怒りに満ちた表情の杏が俺のバッグ片手に教室に入ると同時に予鈴が鳴った。

 別にあんな雑な押し付けられ方したんだから置いてきてもよかったのにわざわざ持ってくるあたり、律儀というかなんというか・・・。

 

「な~にが"なによりだぜ"よ! そもそもアンタが遅刻しかけなきゃこうはならなかったはずなんだけど?」

 

「はははっ、小言なら後で聞くからさ。 とりあえずバッグ頂戴な。 予鈴鳴ったから着席しないとだろ~?」

 

「ほんっと、覚えときなさいよ・・・!」

 

「おぉ、怖い怖い」

 

 そんな軽口を叩きながらバッグを受けとると、杏は自身の席へ向かって行く。

 

(こりゃ、後が大変だな)

 

 後でみっちりお説教を受けることを予感しながら、HRの始まりを待つ。

 これが俺の日常である。 いや別に遅刻寸前常習犯とかいうワケじゃないよ? いつもはちゃんとしてるから。

 あ、もしかして信じてないな? これでも俺は学校に来た時は真面目にやってい

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 放課後である。 なんか今朝は発言を無理矢理カットされたような感覚がするが、過ぎたことを気にしても仕方がないので切り替えることにする。

 

 さて、帰る前に杏からみっちりお説教を貰った俺は特にやることもなくシブヤ名物スクランブル交差点まで訪れていた。

 用などもなく、ただの気まぐれである。

 

(・・・うん? あれは・・・)

 

 人混みの中、懐かしい人影を遠くから視認する。 流れている初音ミクのMVを物憂げに眺める少女の名は星乃 一歌、宮益坂女子学園に通う一年生であり、小学校時代までずっと一緒だった幼馴染である。

 それにしてもなんだか既視感のある光景だな? ・・・ほむ。

 

 ・・・あ、思い出したレオニのプロローグだ。 ということは近くに志歩もいるはず───お、いたいた。

 じゃ、バレる前に撤退するか。 とりあえずフードを目深に被って、ついでにサングラスもしてと。

 

「・・・幽雨───」

 

 帰り際、ちょっとした好奇心から一歌とすれ違った時に聞こえた呟きは、きっとこれから面白くなると俺に確信させるに足るものだった。

 チュートリアルの描写から察するに、セカイが生まれたのはほとんど同時期であると推察できる。 さて、俺はどんなセカイに行くことになるのか。

 

「ふふっ、楽しみだね」

 

 

 

 

 






 はい、プロローグです。 プロローグなのにUntitledの存在すら示唆されてません。 なんか思ってたより神様のお話が長くなっちゃって。

 あ、ちなみに幽雨君は前世でGルートを周回してたタイプです。
 曰くPルートは一回やって感動してそれで終わり。 だけどGルートは何回やっても楽しいじゃん? とかなんとか。
 ・・・何の話してましたっけ?
 えーっと? あぁそうそう、幽雨君と冥衣ちゃんについて少し。

 本編で描写した通り幽雨君は神山高校、一方でこの日は学校をサボったらしい冥衣ちゃんは宮益坂女子学園に通ってます。
 双子なんで二人とも一年生、二人とも意味なく人を傷つけることが大好きです。 じわじわと苦しめてくタイプのやり方が好みなんだとか。

 レオニなのは作者の趣味です。 夜空は雨雲で簡単に覆えるんだよ、な~んて。

 次回があるならいっちゃん側・・・をやれたらいいなぁ。 あぁでもその前に幽雨君のセカイを出さなきゃか。
 まぁ、気長に待って下さいな。 一週間後か、一ヶ月後か、はたまた一年二年経っても音沙汰無しの失踪だってありえちゃうんで・・・。

 では。




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