比較的ワンキルする主人公とかなりワンキルされるヒロインたち 作:偽馬鹿
『入部してあげれば?』
泣きながら走り去っていく部長を見送っていると、右上の方から声がする。
そちらに視線を向けると、肩を竦めながらふわふわ浮かんでいる小さい美少女がいた。
「理由の半分くらいはお前のせいだよ、ルー」
美少女――ルーから視線を外して帰路に付く。
紙の束であるデッキは既に回収してある。
部長も豪快に負けた割にはちゃんとデッキだけは回収していた。
『あなたが今やってることも少しは楽になるんじゃない? ……まあいいけれど』
ふわりと縦に回転するとそのまま姿を消すルー。
どうして部長の肩を持つのか。
帰り道。
俺は人気のない路地裏を通って帰宅する。
理由はいくつかあるが、単純に人混みが嫌いなのと、ターゲットを探しているからだ。
薄暗い路地裏……近所で有名な私立学校の制服の子供……何も起きないはずはなく……。
「へへへ……こんなところに1人で危ねぇぞ……?」
少し待つだけでやってくる怪しい仮面を被ったおっさん。
そう、こういう奴らのことを探していたのだ。
「ば、バカな……! この俺様が……!?」
一撃で終わった。
先行1T目に《
激しく吹っ飛んだ男を横目に、そいつが使っていたデッキを見る。
敗者は勝者にデッキを差し出す。
そういうアンティルールを強制するのがこいつらのやり口だ。
まあ負けたことはないんだが。
「《身軽な窃盗団》に《クイック・スティール》……。ハンデスバーンデッキか」
攻撃が命中すると手札を捨てさせる《身軽な窃盗団》と手札が捨てられたらHPを削る《クイック・スティール》の組み合わせでじわじわ削るタイプ。
大体こういう男は長期戦をしてくるだろうと当たりをつけて先行ワンキルを仕掛けてみたが、あっさり通った。
拍子抜けである。
「とりあえず……帰るか」
普段ならもう1、2回は狩りに出るのだが、今日はそういう気分じゃなかった。
どうせ根絶できるわけじゃないしな。
そう考えていると、近くから悲鳴。
しかも聞いたことのある声だ。
というか部長の悲鳴だ。
『何かあったみたいですね。急ぎましょう』
「……」
確かに何かがあったのだろう。
しかし、悲鳴の質がちょっとおかしいというか。
「ぎょええええええ!?」
そう、なんというかギャグチックな……。
………。
……。
…。
目の前には。
「な、なななな……!?」
わなわなと指を震わせながらわたわたしている部長と。
「ぐえーっ!!!」
レンガの壁に頭から突っ込んでいる友人の姿があった。
《
ノーマルスペル
コスト:1/正
②の効果は1ターンに1度までしか使用できない。
①自分フィールドに存在する《
そのモンスターの戦闘力を±1する。
②このカードが墓地に存在している場合、コスト2/正を支払うことで発動する。
このカードを手札に加える。
《
モンスター
コスト:2/正
属性:火
戦闘力:2/正
このモンスターのコストは召喚時に消費する。
①の効果はコストを消費しない。
①このカードがフィールドに存在し、《
このモンスターの戦闘力を±2する。
この効果を発動したターンの終了時、お互いのプレイヤーにこのモンスターの攻撃力分のダメージを与え、このモンスターを破壊して墓地に送る。