比較的ワンキルする主人公とかなりワンキルされるヒロインたち 作:偽馬鹿
「……話をまとめると」
目の前で正座をして沙汰を待っている部長と、その横でふんぞり返っている半透明の幼女。
そして腕を組みながら地面と真っすぐ水平に並んでいる我が友人がいる。
さっさと降りろ。
「そこで横になっている
『「せんぱぁい、アタシと一緒に帰りましょうよぉ。楽しませますからさぁ」とか言っている輩が善良であるものか』
「善良なんだわこれが」
御堂坂下 天空……名前はごついが見た目はキュート。
ちょっと短めな薄緑色のツインテール、そして琥珀色の瞳を携えた可愛い系の美少女だ。
凹凸は全体的に普通。
身長が低いのでボディラインが目立つが、その辺りにコンプレックスはないらしい。
しかし、この御堂坂下 天空は言動が駄目。
なんというか……悪役というか三下というか。
とにかく善良なそれには見えない。
見えないのだが……彼女の性質は間違いなく善だ。
困っている人を見たら手を貸す。
迷っている人がいたら手を差し伸べる。
疲れている人がいたら力を貸すし。
段ボールに子猫がいたら拾って帰る。
この間家族が12匹になったとか言っていた。
「とにかく、君が敵視する必要はない」
『……ふん』
「名前を教えてくれないと話しづらい」
『教えるものか』
どうやら納得がいっていない様子。
目の前の精霊の口を割らせるのは時間がかかりそうだ。
すると、俺の背後からルーが出てくる。
やれやれといった様子だが、その姿を見た精霊が目を見開いていた。
まるで有名人に偶然出会ったかのような、そんな感じだ。
『ル……ルーファス様!?』
『ルーと呼んでください』
『ルー様!!』
出て来ただけで状況は一転。
妖精はアイドルに声をかけられたファンのような顔をしている。
完全に隙だらけだ。
『あなたの名前は?』
『グラスローズと申します!』
『
『《
俺は必要なかったかもしれない。
ちなみに字名というのは
つまり、グラスローズは《
とんとん拍子で話が進んでいく。
特に口をはさむこともないので、俺は天空を引っ張り出していた。
「うへぇ……助かったよぉ兄貴ぃ」
「兄貴はやめろ」
「じゃあ姉貴?」
「そうじゃない」
俺は生まれ変わったところで男である。
それはともかく。
俺は状況を理解していない様子の部長の方を見る。
「入部します」
「……え?」
「CC部に入部します」
既に名前を記入しておいた入部届を手渡す。
部長は呆けているようで、手渡された入部届と俺の顔を見ていた。
これは
精霊憑きが
……まあ既に何か起きていると言えば起きているのだが。
「や……」
「?」
暫く待つと、ぷるぷると部長が震え始める。
何か問題があったのだろうか。
ぎっちり握り潰されている入部届を確認しようとしたが、無理だった。
というか読めなくなるだろ。
「やりましたわー!!」
「ぐえ」
そして歓喜の叫びと同時にガッツポーズ。
部長のことを覗き込んでいた天空の顔面に拳がヒットした。
先程の部長とは違う震え方をしている天空は弾き飛ばされて地面に転がる。
かなり頑丈なはずなんだが、部長は体格いいからな……。
何かがおかしい気もするが。
「というわけで……」
「?」
思考を天空に向けていたら、部長がこちらを指さしていた。
行儀が悪いですよ部長。
「
「……」
一瞬驚かされたが、まあ部長が許可を出さなければ入部もできないか。
こっちがずっと逃げていたから忘れていたが。
それはともかく。
どうやらこれで一件落着のようだ。
特に何か問題がありそうなことはない。
ただ天空が殴られ損というだけだ。
「これで心置きなく勝負できますわね!」
「……」
そうして俺はCC部に入部することになり。
同級生先輩部長全員を叩きのめしてヒエラルキートップに躍り出たのだった。
「あの……《
「……?」
まあ禁止の状態でも勝ったけども。
《
ノーマルスペル
コスト:3/負
このカードの①の効果は1ラウンドに1度しか発動できず、同名カードをこのターンの間発動できない。
①《
フィールド及び墓地に存在しない《