比較的ワンキルする主人公とかなりワンキルされるヒロインたち 作:偽馬鹿
主人公の名前を決めた途端動き始めた……。
甚だ不本意ではあるが、俺の周りには性別的に女性が多い。
その内の半分ほど普通の人間には見えていないが、それを加味しても多いらしい。
「僕は正直羨ましいとは思っていないけれど。思っていないけれど、正直どうかなとは思っているよ」
《
ついでにわらわら沸いていた低戦力のモンスターも押し流す。
「そう言われても困る。というか三下ゲスゲスボイスとか言われてる天空と部長以外に誰かいたかという」
破壊枚数が目標値に達したので《
あとは《
「2人いれば十分だと思う。少なくとも僕は」
スナイパーを見抜いていたのか《
しかし追撃するだけのリソースはない様子。
そのままこちらにターンが回ってくる。
「そういうものなのか」
「そういうものだよ。あ、こら。《
「ハーツギアギアハーツギアギア」
「あ゛ー!!」
決着であった。
「で、しがない幽霊部員である僕を捕まえて何がしたいんだい?」
悲しみを背負いながら机に突っ伏しているのが、俺の比較的少ない友人の1人である
癖のない黒髪短髪黒縁眼鏡。
デッキタイプは相手の猛攻を受け止めて反撃するタイプ。
性質上モンスターで速攻を仕掛けてくる相手に強いが、バーンやコンボの妨害は苦手。
なので今回はループコンボで仕留めたわけだ。
「……いつも思うんだけど。道はデッキの勝ち筋が多過ぎる。なんで破綻してないの?」
先程までの疑問はどこへ行ったのか。
俺のデッキがどうなっているかを知りたいらしい。
仕方ない。
俺は基本的に一度戦った相手に負けることはないのだ。
その秘密を知りたいと思うのも無理はない。
「相手によってデッキを変えてる」
「……………は?」
カシャカシャデッキをシャッフルして並べなおす。
プレイヤーは1人1本CC棒……正式名称カリキュレイト・コンソールを持っている。
これにデッキをセットして起動すると、自分のデッキの立体映像が出て来るのだ。
こちら側に向かってカードの表面が向いていて、相手は覗くことができない。
立体映像をタッチすれば半自動的にカードの処理をしてくれる。
とはいえ毎回毎回それをやっていると疲れる。
そして狭い場所だと立体映像が展開できないので、そういう場合は手作業だ。
手でデッキを混ぜて、デッキの上から5枚を引いて手札にする。
そうして相手とエンゲージ。
バトルの開始である。
「お前のデッキはバーンに弱いから、バーンループに繋がるデッキを使ってる。部長はスペルでフィールドコントロールして最後に大技決めるタイプだから、準備が終わる前に潰す。天空は割と万能だけど狙ってるコンボが分かりやすすぎる。そこを潰してHP計算してべちん、だ。あとは……」
「うん。分かった。ちょっと待て」
「……?」
説明をしていると、遊里は頭を抱えて唸っていた。
どうしたというのか。
「もしかしてお前……1人1人に対してデッキパターン用意してるのか……?」
何か絞り出すような声と共に、遊里がこちらをじとーっと見てくる。
その通りなので頷いて返すと、遊里はがっくりと肩を落とした。
「CC棒に機能を入れてるわけじゃないのか……? 自前の記憶力だけでやってるってことか……」
睨まれている。
別に難しい話じゃあない。
汎用デッキは組んであるので、そこから派生を生やしているだけだ。
大抵の相手は汎用で片付くけど、部長や天空、そして遊里は汎用だと倒し切れない可能性があるので、デッキの一部を変えているだけだ。
「……」
「なんだ?」
「……なんで
簡単に言えばデッキそのものに人格があるという考えから、デッキは自分の理想的な構築をしてもらえるとプレイヤーに好意的になる、という思想から生まれた用語が
さて、俺のデッキが
それはとても単純なことであった。
「こいつはぜぇえええええったいに負けたくないんだとさ」
まあつまるところ。
負けるくらいなら手段は選ばない。
どれだけ弄ってもいいから勝てとのお申しつけなのである。
『―――――まあ、私の宿主が負けるのは、嫌よね?』
「……何か言った?」
「何も」
ハーツギアギアハーツギアギア
下の2枚のカードを使ったループである。
適当なスペルを添えるだけで、コストが残っている限り手札が増え続ける。
《
ノーマルスペル
コスト:3/負
①このカードはコストを支払いフィールドに出した後、墓地には送らずフィールドに残る。
②フィールドにこのカードが存在する時にコスト:1/負を支払うことで発動できる。
墓地に存在する《
それらを好きな順番でデッキの一番下に戻し、デッキから1枚カードをドローする。
《
ノーマルスペル
コスト:1/負
①デッキから《