比較的ワンキルする主人公とかなりワンキルされるヒロインたち   作:偽馬鹿

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今回は主人公がカードを使っていないので紹介コーナーはお休みです。


名を借りる刀を借りる

先鋒は問題なく勝利。

次は中堅戦だ。

 

天空の方を見る。

いつも通り腰が低い。

問題なさそうだ。

 

「というか兄貴ぃ。聞きたいことがあるんですけどぉ」

「兄貴はやめろ」

「じゃあおにい。聞きたいことがあるんですよぉ」

「……まあいいか。なんだ」

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 

腰は低いまま。

しかし自分が手を抜かなければ勝てる。

そう分かっているような言い方であった。

 

「7:3で勝て。お前は7だ」

「あいあいぃ」

 

そうして天空はバトルフィールドへと向かう。

いつも通り、三下の気配を出しながら。

 

 

 

「「エンゲージ!」」

 

バトルフィールドの横で天空のバトルの様子を見る。

部長は落ち着かない様子で謎の棒をくるくる回転させている。

それ部長の精神状態とシンクロしてるんですか?

 

「それじゃあアタシのターンっすねぇー」

 

部長を観察していると既に試合が始まっていた。

先行は天空のようだ。

 

「アタシはコスト:4/正 を支払って《片名貸しの獅子(ブレイドレント・レオン)》を召喚しますぅ」

 

天空は浮かんでいる立体映像のカードをポンと触ってモンスターを召喚した。

天空のHPが+10から+6に変化した。

出て来たのは獅子を刻み込んだ肉厚の剣だった。

それが地面に突き刺さっている。

 

「更にコスト:2/正 を支払って《片名貸しの獅子(ブレイドレント・レオン)》の②番の効果を使いますよぉ。《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》を可能な限りデッキ、手札からフィールドに呼び出しますぅ」

 

そしてHPを+4にまで削り、天空はフィールドに3体の《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》を呼び出した。

片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》はわしゃわしゃと動いて《片名貸しの獅子(ブレイドネレント・レオン)》の近くに溜まっていた。

 

「コスト:2/負 を支払ってぇ《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》の効果②を起動しますよぉ。

片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》は次のアタシのターン開始時まで《片名貸しの獅子(ブレイドレント・レオン)》と同じ戦闘力を得ますぅ。

これを3体分繰り返す感じですねぇ」

 

HPは+10まで戻り、フィールドには《片名貸しの獅子(ブレイドレント・レオン)》と、その戦闘力をコピーした《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》が3体並んだ。

片名貸しの獅子(ブレイドレント・レオン)》の戦闘力は6/正 で、コスト帯で見ると戦闘力が高い。

しかし、こいつは自分から行動ができない。

置物だからこの高い戦闘力が許されている。

 

ここで《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》だ。

こいつは《片名貸し(ブレイドレント)》モンスターの戦闘力をコピーするモンスターだ。

効果はコピーしない。

つまり置物になる効果はコピーせず、自分から行動できるということだ。

 

「まあ先行1ターン目は攻撃できないんでぇ、ただのHP調整ですねぇー」

 

そう言ってターンの終了を宣言する天空。

 

手札の消費は1、フィールドには4体のモンスター。

HPは初期値だ。

後攻ならこのまま戦闘力6の《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》3体で殴りかかる。

布陣として強力だ。

 

対策としてはコピー元になる《片名貸しの獅子(ブレイドレント・レオン)》を先に撃破する、もしくは弱体化させると戦術が破綻する。

とはいえピンポイントに対策できるカードを採用しているか、という問題がある。

今回の相手はそれができない様子だ。

 

フィールドにモンスターを展開して攻撃に移りたいが、戦闘力6のモンスターが3体と置物が1体。

攻めあぐねているようだ。

 

 

 

そして相手は天空にターンを渡してきた。

コピー効果が切れたところを狙うつもりだろうか。

 

「んふふー。アタシのターンになりましたねぇー」

 

デッキからカードを1枚ドローしたところで、天空のフィールドの《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》が戦闘力6から戦闘力1になる。

ここで、相手プレイヤーが戦闘力参照の破壊を行うクイックスペルを使う。

 

クイックスペルとは、自分のターンではないタイミングでも使用できるスペルのことだ。

大体ノーマルスペルよりもコストが重かったり効果が弱めだったりする。

 

今回のクイックスペルは戦闘力合計4以下になるようにモンスターを選び、破壊するカードだった。

コスト:3/正 なので、優秀なカードだ。

 

しかし。

まあ天空の方が1枚上手だった。

 

「クイックスペル《片名貸しの虎屏風(ブレイドレント・ピクトタイガー)》を発動しますねぇー。

フィールド上の《片名借り(ブレイドネーム)》モンスターに対する破壊する効果を含むスペル、モンスターの効果を1度だけ無効にしますぅー。

……あ、コストは5/負 ですねぇ」

 

破壊効果を凌ぎ、HPを+15にした。

そこから《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》の効果を使い、3体の《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》を戦闘力6にした。

HPは+9だ。

 

「というわけで、何もなければ決着ですよぉー」

 

宣言通り、3体の《片名借りの虫(ブレイドネーム・ワーム)》の攻撃が通り、相手プレイヤーは撃破された。

 

 

 

「んふふー勝ちましたよぉー」

 

 

 

そうして俺たちは躓くことなく、第一試合をものにしたのだった。

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