魔亜戦記 作:9K33 OSA
荒野と化した平地に砲弾が雨のように降り注ぐ。それは敵味方、生物無生物関係なく全て平等に破壊していく
「くそっ!連中力押しで攻めてくる!」
「撃て!撃ちまくれ!」
「奴ら砲撃が怖くないのか!」
「勢いが止まらないぞ!どうなってる!」
「グリズリー種だ!しこたま弾叩きこめ!」
「亜人共が!」
「魔族の爆撃来るぞ!伏せろぉ!!!」
「痛てぇ!誰か助けてくれェ!」
「救護班!救護班来い!」
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…爆発音が聞こえる。砲兵隊の砲撃か?
「戦線を維持しろ!」
「後退?馬鹿か!隣に友軍が居るんだぞ!」
「もう無理だ!通路に傷病人が溢れて医療品も底を付いた!撤退するしかない!このままでは第7・12軍計8万が包囲殲滅される!」
「貴様それでも誇り高い戦士か!!民の為ここで玉砕し我々の意思を託すのだ!」
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帝暦664年、魔人・亜人連合と人類との戦争が始まって9年が経った。
有史以来、魔人・亜人と人類は互いを蔑視し続けてきた。
片や『我らに力が劣る劣等種』また片方は『知能の無い獣』
魔人・亜人は圧倒的な身体能力を持ち人類はひたすら防戦を強いられた。
だが、ただやられるだけではなかった
魔人や亜人は自らの力を過剰に信じひたすら力押しで攻めた
一方人類は防戦の度に陣地を作り、耐え続けてきた
どちらも多すぎる血が流れたが…まだ戦争は終わらない
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「閣下!このままでは全滅です!」
「指示を!覚悟はできております!」
2人の若い士官が私に言う。
然し私はそれに賛同出来なかった。
「ふむ…諸君。現状を分かっておるかね?アルベルト参謀、済まないがもう一度現状報告を」
「…はい。現在、我ら第12軍と最右翼の第3軍・第7軍が大規模な攻勢を受けております。さらに昨日の時点で左翼第8軍からの交信が途絶えました。偵察隊も帰って来ませんので壊滅したと思われます。我ら第12軍も先日攻勢を受け30%が負傷または戦死、補充は間に合っておりません。医薬品は既に消耗…補給も西武戦線主力の第1・2軍に集中しており…暫くは無いかと」
「ありがとう、参謀。諸君、我ら12軍は既に先の戦闘で軍事的に全滅している。さらに左翼は敵の手に落ち右翼も危うい。よって私は撤退を行うべきと考えている。」
「閣下!!人類軍としての誇りをお忘れですか!」
「ここは残存戦力をもって奴らに抵抗し玉砕!我らの勇姿を友軍に見せ「見せてどうなるというのかね」!?」
司令部内が静まり返る
「見せてどうなると聞いている。ここで第12軍が文字通り全滅したとなってみろ。先に沈んだ盟友連合王国の二の舞だぞ。貴様ソレが分かっているのだろうな」
「し、しかし!」
「もう良い、喋るな」
「は…」
「参謀。右翼第3・7軍に連絡。第12軍は撤退開始。砲兵隊の支援砲撃の煙の中で下がる。貴軍らも撤退するようにと伝えろ。」
「意見具申よろしいでしょうか」
「何だね。言ってみなさい」
「は、奴らは視力、聴力が我々と桁違いです。撤退に気づかれるのでは?」
「あぁ、ソレは問題ない。即席だが時限式の発砲装置を作るんだ。散発的だが発砲があれば少なくとも気付かれたとしてもおいそれと侵攻は出来ん。それに砲兵の弾幕で耳はすぐに役に立たなくなる視覚も着弾の土煙で煙幕は出来る。」
「ハッ!」
「諸君!異論は無いな!」
「「「ハ!!!」」」
「よし!全部隊は撤退準備!下がるぞ!急げ!」