ありがとうございます!!
あとあれから感想に来た戦法をやってみたけどめっちゃ簡単で草
奥歯イシュと蝶イサンが強すぎ
昇が姿を消してから数日。二課は「最優先で昇を保護する」方針を固めた――が、日本政府は別の指示を強いた。
「……以上より、直近のノイズ多発は“最奥部の【デュランダル】強奪”を目的とした攪乱。政府はそう結論づけたわ」
了子のタップに合わせ、スクリーンへ一本の剣が映し出される。完全聖遺物【デュランダル】。日本政府は、通称“記憶の遺跡”への輸送を決定したのだ。
「……すまないな、響君。彼を取り逃がしたばかりだというのに」
「い、いえ! 大丈夫です!!」
響は苦笑でごまかし、姿勢を正す。
ブリーフィングルームには、オペレーターや自衛隊員までが揃い、紙の擦れる音だけが短く走った。
「しかし司令、よろしいのですか。デュランダルも重要ですが、彼の保護を――」
「そうしたいのは山々だが、我々は木っ端役人。お上の意向には逆らえんのさ」
弦十郎の苦い冗談に、空気がわずかに重くなる。
「作戦は明朝〇五〇〇。響ちゃんも護衛チームに入ってもらうから、段取りは今のうちに頭へ叩き込んでね」
「おそらく、広木防衛大臣殺害チームなどの妨害が来る可能性がある。デュランダルの方を優先する、心にしておけ!!」
「「「「「「了解!!」」」」」」
――会議は解散した。
◇
「……はぁ~~~~~~」
休憩室。紙コップのココアをテーブルへ置いて、響は天井を仰いだ。
作戦の内容は理解した。それでも耳の奥では、あの夜の言葉が反響する。
『もう二度とその姿にならないでくれ』
私が傷つくのを見たくない。私を悲しませたくない――だから、昇は背を向けた。
「……じゃあ、誰が昇を守るの」
目を閉じる。今もどこかで一人きりで戦う幼馴染の影が、瞼の裏に焼き付いて離れない。
「未来に、なんて言えばいいの……」
心配しているのは自分だけじゃない。未来も同じだ。
三人で流れ星を見に行くはずだった夜――昇が変わってしまったあの夜――未来は一人で空を見上げ、すぐ帰ってきた。それ以来、電話をかけ続け、【ふらわー】にも足を運んで昇を探している。
(本当は“どうなっているか”知ってるのに……)
二課の機密があるから――だけじゃない。幼馴染だからこそ、言葉が喉で詰まる。打ち明ければ、未来はきっと壊れてしまう。
でも、解決しようにも昇の居場所すら分からない。
「でも……どうすれば。昇がどこにいるか、わからないし……」
深いため息。そこへ、スライドドアが開いた。
「ひーびきちゃん。どうしたのー? そんな暗い顔して?」
白衣の了子が、片手にタブレットをぶら下げて入ってきた。
響は慌てて背筋を伸ばす――けれど、ココアの表面はまだ微かに震えていた
「……了子さん」
「……やっぱり、彼が心配なの?」
「…………はい」
響は視線を落とし、膝の上で指をもぞもぞと絡めた。
「私、ずっと“大切な人を守るため”に戦ってきたのに、当の相手から『戦ってほしくない』って言われて……どうすればいいでしょうか」
「つらいわよね。『その人のため』で走ってきたのに、本人は“ほんとは嫌だ”、って」
了子はタブレットを起動しながら、ちらと優しい目を向ける。
「で、響ちゃんはさ――どうしたい?」
「……昇と、ゆっくり話がしたいです。あのままだと、消えてしまいそうで」
「ほんっと昇くんって子は身勝手ねぇ。『響を戦わせないため』って大義名分はあるけど、言うだけ言って勝手にいなくなるんだもの」
ぷりぷりと肩を揺らし、了子は小さく憤慨してみせる。
「昇、怒っちゃったかな……」
力のない声で漏らす響。
了子はふっとトーンを落とし、しかし口元だけはいたずらっぽい。
「……響ちゃんてさ、昇くんのこと――大好きでしょ?」
「………………は、はぁいっ!?」
唐突な直球に脳の処理が追いつかない。ついさっきまで曇っていた頬が、みるみる林檎みたいに紅潮していく。口はぱくぱく、言葉にならない。
「あ、い、わ、わ、私はっ!? べ、別に昇のことは――」
「ふふ、青春ねぇ。じゃあ“好きじゃない”と仮定して――昇くんのこと、どう思ってる?」
「え、えっと……」
視線が泳ぎ、指先が忙しなく動く。言葉が出ない。
「ほら、言えないじゃない。嫌いなら、すぐ言えるでしょ?」
否定したいのに喉が詰まる。
思い返せば、心当たりは山ほどある。物心つく前から、響と昇はほとんどセットだった。近所の人に『片方を見たら、もう片方もいる』と本気で思われているくらいに。
――なのに、最近は胸の奥に妙な感情が渦を巻く。
それは、友人が昇と楽しそうに話していた時だ。理由は分からない。ただ、底冷えするような嫌な気持ちが、心の底からじわっと滲み上がった。
(昇は――私のだ)
そう思ってしまった自分に、びくりとする。
独り占めしたい。触れてほしくない。笑ってほしくない。
口に出せば、たぶん“わがまま”で“子どもっぽい”。でも、消えてくれない。
了子は、そんな響の頬の紅と揺れる視線を、まるっと受け止めて微笑んだ。
「ね。答え、出てるじゃない。守りたいだけじゃなくて、手をつなぎたいんでしょ?」
「…………」
「だったら、まずは“話す”。逃げられても、“追いかける”。それが、立花響でしょ?」
「……はい」
小さく、でもはっきりと。
響は胸の前で拳をぎゅっと握り、ゆっくり顔を上げた。涙の代わりに、いつもの火が瞳に灯る
「で、でもどうしたら――」
「簡単よ。捕まえたら、さっさと自分色に染めて仕舞えばいいの」
「え、えぇ……」
あまりに直球で、思わず引く。
「ああいう奥手な男は自分から動けないの。だったら押し倒して抱きついて、好きって伝える。はい落ちる――多分!」
了子は親指をぐっと立ててウインク。方法としてどうなんだ、と響は内心つっこみつつ、ほかに妙案も浮かばない。
「それとね……多分だけど、今回のデュランダル輸送、彼も来ると思うわ」
「な、なんでですか?」
「これと言った根拠はないけど――女の勘よ」
「了子さんも誰か、好きになったことがあるんですか?」
「……とても昔に、ね。――さ、作戦の要は君。休めるときに休んでおいて⭐︎」
「……はい」
「安心して。デュランダル優先で大がかりな増援は出せないけど、お手伝いくらいは出来るから♡」
⸻
朝 05:00
作戦名『天下の往来大作戦♡』(命名:了子)は予定通り開始。
中央の了子車(デュランダル搭載)を、黒の護衛車列が箱形に囲み疾走する。響は助手席で窓を半開にし、風切り音の中、視線を左右へ忙しく走らせた。
封鎖された幹線道路は他車ゼロ。静かすぎる舗装の上を、エンジンと無線だけが切り裂く。
――ミシ……
ガシャアアアアアン!
「了子さん、前!」
右側路肩が崩落。響の声に即座反応、了子はハンドルを切り抜けるが、外輪の一台が陥没に呑まれる。
「しっかり掴まってて! 私のドラテクは凶暴よ!!」
上空から無線が割り込む。
『敵襲だ! おそらくノイズ!!』
弦十郎の声。言葉と同時に――
ボンッ!
マンホールが吹き飛び、下からの衝撃で護衛車が一台横転。
『下水道だ! ノイズが下水管から侵入、マンホールを叩き上げてきている!』
地下を濁流のように走る反応。護衛車は回避を続けるが、また一台が直撃し炎上。
「弦十郎くん? これ、ちょっとヤバいんじゃない? この先、薬品工場よ。そこで爆発でも起きたら!」
『把握している! 護衛車だけを的確に潰して誘導している。目的地に行かせないための制御だ! 工場地帯に押し込み、こちらの火力を封じる意図だろう!!』
「勝算は!?」
『思いつきは数字で数えるものではない!!』
護衛車列は、とうとう残り一台。
バァン!
地面のマンホールが噴き上がり、噴水のようにノイズが群れを成して飛び出す。瞬く間に護衛車へ貼りつき、操舵不能。乗員は転げ出るが、車両は防音壁に激突して火球となった。
ガンッ!
「きゃっ!?」
了子の先導車が何かを踏み越えバランスを失う。車体は横転、スピン――それでも二人は割れたドアから転がり出ることに成功した。だが次の瞬間、周囲は緑のビームで穿たれ、そこからノイズが次々と生成される。響は必死に手を伸ばし、デュランダルのケースを車内から引きずり出す。
「デュランダルを置いて逃げる……なんて、ダメよねぇ」
見上げれば、薬品タンクの頂にネフシュタンを纏ったクリス。薄笑いのまま二人を見下ろしている。
(――あの子!)
あの夜、昇との死闘の末に逃げ去った装者。息つく間もなく、ノイズが形を槍状に変え、突入してきた。
ズドォォォォン!
二人は身を投げて回避。しかし了子の車にノイズの群槍が突き立ち、大爆発。衝撃波が二人をさらい、響は抱えていたケースを取り落とす。
「危ない!」
クリスがソロモンの杖を振り下ろし、追い討ちの光束が降る――その刹那、了子が一歩前へ。
彼女の前に紫の六角シールドが展開し、ノイズの雨を受け止め弾いた。
「了子……さん?」
「あーあ、本当は昇くんを捕まえる奥の手に取っておきたかったんだけど……仕方ないわよね。響ちゃん! あなたは、あなたのやりたい方をしなさい!!」
「は、はい!」
胸に湧く疑問は、今は拳で答えるしかない。
『Balwisyall Nescell gungnir tron〜♪』
眩い光に包まれ、ガングニールが響の身へ。
響は拳を構え、深呼吸。弦十郎の教えを胸中で反芻する。
(――稲妻を呑み、雷を掴むように)
ハイヒールを踏み砕き、低く腰を据える。
中国拳法めいた縮地から放つ一撃――拳が触れた瞬間、爆ぜる雷鳴。迫るノイズは破裂し、次のノイズへと最短の線で踏み込み、最小の動きで屠っていく。
「コイツ、戦えるようになったのか!?」
タンク上から見下ろすクリスの目が見開く。数日前までのへっぴり腰は、もうどこにもない。そこにいるのは、一人の戦士。
ピッ…ピピ…
プシュー
了子の背後――転がっていたケースが独りでにロックを解除する。
「この反応……まさか響ちゃんの歌に!?」
了子が息を呑む間にも、響は触手の連撃をステップのみで捌き、懐へ滑り込んでは爆砕を重ねる。
「今日こそものにしてやる!!」
紫の鞭が唸り、響は跳んでかわす。が、空中のクリスの飛び蹴りまでは見切れず、脇腹に直撃――地面を転がる。
(私はまだ、この子みたいに使いこなせてない! どうすれば――アームドギアを!)
脳裏を掠める、昇の声。
『響を悲しませたくない』――何度でも反響する。
(私だって……昇に戦ってほしくないのに!)
バァン!
叫びに呼応するかのように、ケースから剣光が噴き上がった。
「起動した!?」
完全聖遺物が自律起動――了子でさえ見たことのない事態。天上へと浮かぶ純白の刃、デュランダル
「コイツがデュランダルか!」
狙い澄ましたクリスが跳ぶ。伸びる指先――しかし、
「っぐ!?」
響が体当たりで軌道を砕き、己の腕をさらに伸ばす。
「渡す……ものかぁぁぁぁ!!」
掴み取ったのは――響。
運命の刃は、彼女の掌に収まった。
「なっ!?」
その瞬間、世界の色が反転した。空気が裏返るような耳鳴り――
「う、うあああああああああっ!?」
デュランダルから奔る白金の閃光。響の瞳が赤く灼け、ガングニールの出力など比較にならない圧が四肢を軋ませる。掲げた剣はきらめきながら黄金の刃へ形態変化し、そのまま意志ごと響を呑む。
「コイツ……なにを……?」
クリスが一瞬だけ了子を見る。だが了子は、神話を初めて目撃した学者のように息を呑むばかりだった。
「くそ!」
クリスはソロモンの杖を振り、次々とノイズを呼び出して響へけしかける。
「うあああああああああッ!!」
響は獣の咆哮をあげ、縦一文字に振り下ろした。
超巨大な光帯が地表を薙ぎ、ノイズの群れも、建屋もまとめて裂く。クリスはかろうじて身を翻すも、余波は工場群まで届き、連鎖爆発が夜気を吹き飛ばした。
「はぁっ……連発は――」
言い切る前に、響は横薙ぎ。同じ完全聖遺物でも、ポテンシャルか適合率か。ネフシュタンの鞭は光刃に押し負け、奔流がそのままクリスを呑みこもうしたが
『諱先?悶→蟇セ髱「縺玲悴譚・繧剃ス懊l縲らスェ縺ィ蜷代″蜷医>閾ェ謌代r遒コ遶九○繧』
「は、え?」
「あっぶねぇ……下水でバカみたいなノイズの群れ見つけて尾けてきたら、これだよ」
魔弾の射手――昇が、クリスを抱えたまま横合いに滑り込み、その身を光刃の軌道からさらう。
「おい、お前。響がああなったの、お前のせいか?」
「はぁ!? んなわけあるか!」
昇は抱えたまま銃口をクリスへ――だが即座に下ろす。
「……ちっ。まあいい。手を貸せ」
「嫌に決まってんだろ!」
「うるせぇ。響を止めるには、お前でも使うぞ、阿呆」
「阿呆ってなんだよ!?」
(――さて。原因は剣だな)
青白い炎の瞳で、暴走した響を正面から睨む。赤い双眸が獣の警戒で返す。
初めてUNKNOWNに呑まれかけた自分の影が、そこにいた。
昇はゆっくりと狙撃銃を構え、幼馴染に――銃口を向けた。
内定貰えたぜうぇぇぇぇぇぇぇぇいい!!!
なんてことが昨日あってそのことを報告とかしにいくのでリアルで忙しくなるので来週は一話しか出さないかも
あと新しいアンケートを出します
おまけ的なのを書こうと思うけど何がいい?
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昇や響たちの日常
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昇と幻想体との初邂逅や会話
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その他(感想にて提案して)