幼馴染たちが美しく歌う中、俺は哭き叫び狂い堕ちる   作:零城

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なんかXでメガシンカスターミーサイズのfly,my,wingの星のやつが溢れたんだけどアレどこから湧いたんだ?
あ、あとUA40,000人ありがとうございます


第二十二話 戦闘後

「…目立った外傷はなし。深刻な損傷も見当たらないわ。よかった」

 

クリスとの交戦後、響と昇は救急隊に搬送され、初療と検査を受けた。

響はクリスを庇った際の衝撃こそあったものの、レントゲンにも異常はない。

 

「つまり、もう平気ってことですよね?」

 

「常軌を逸したエネルギー消費による――いわゆる過労ね。少し休めば、いつも通りの生活に戻れるわ」

 

タブレットをスクロールしながら、了子が簡潔に告げる。

 

「…ったく、あの時アイツ(クリス)を庇って倒れた時は、見てるこっちが冷や汗かいたぞ」

 

文句を口にしつつも、昇の顔には安堵が滲む。

彼の右肩は紫の黎明の自爆で黒く変色し、ひび割れのような損傷が走っていたため、包帯でぐるぐる巻きだ。

 

「ヒヤヒヤしたのはこっちよ。あれ、最悪だと右腕切除も視野に入る負傷だったからね?」

 

「の、昇? 大丈夫?」

 

「おう。さすがに肩を回すと痛ぇけど、動かせる」

 

検査室の椅子で、包帯越しにそっと肩を回して見せる。

 

「うーん、相変わらずUNKNOWNは“理屈外”ねぇ。普通なら手術室一直線の怪我が、包帯と鎮痛剤で日常生活レベルまで戻るなんて、他の聖遺物じゃ見たことないわ」

 

了子は苦笑し、画面にメモを打ち込む。昇の元々の頑丈さか、UNKNOWNの特異性か――判別はつかない。

 

「で、了子さん。結局、俺の聖遺物って体内のどこにもなかったのですか?」

 

「・・・残念だけど昇君は響ちゃんみたいに現物が体内のどこにもなかったの」

 

やっぱりそうか——

俺の聖遺物、UNKNOWN。まぁ、このクソッタレなバケモンが住んでいるコレ

響は心臓にガングニールの破片があり摘出は不可能だが俺の体にはシンフォギアを纏うための聖遺物がどこにもないそうだ

 

「・・・マジなんで使えるんすかね?」

 

星遺物の現物がなければシンフォギアを纏えない。だが、どこにもない

 

「・・・うーん、これは私の仮説だけど多分、昇君の体全部がUNKNOWNとなった可能性があるわね」

 

「・・・はぁー?」

 

冗談であって欲しい

生きている間、ずっとアイツらのお世話をしないといけないのか

 

「ま、まぁ、乗っ取るとかじゃなくて起動しない限り活性化はしないから生活に支障はないはずよ?」

 

「そりゃぁ、そうすけど・・・・・・」

 

苦虫を噛み潰したような顔をする

すると頭の中に花火が打ち上がったかと思えるほどうるさい雑音が聞こえてくる

 

ギチ…ギチ…ギャリィィィン

ブゥゥゥン

キィィィィン‼

 

(またコレかよ・・・)

 

なんか勝手に居座った【さすらいの狐】の力が使えるようになってからまた頭痛と幻聴のような音が聞こえてきた

・・・これ、頭痛薬飲んだら治るか?

 

「じゃあ、昇も普通に生活――」

 

「おっと」

 

ふらついた響の身体を、昇が左肩でやわらかく受け止める。

 

「もう。だから休息が必要だって」

 

「私、呪われてるのかも…」

 

「気になるの? お友だちのこと?」

 

「………はい」

 

「大丈夫よ。緒川くんたちが事情説明を進めてるわ。機密保持の手続きが済んだら、すぐ解放される」

 

了子の声は努めて明るい。だが、響の返事は小さく、昇は視線を落として黙り込んだ。

響は肩を預けるように、昇の隣へ腰を下ろす。

 

「…未来になんて言おうか」

 

「…うん」

 

幼馴染ふたりは、同じ一点に引っかかっていた。嘘を、どう償うのか。

 

「未来…怒ってるよね」

 

「…まぁ、そりゃそうだ。響が隠れて命張ってたなんて、俺だって最初は正直ショックだったさ」

 

ぽす、と響の頭が昇の左肩に落ちる。体温がそっと伝わり、消毒液の匂いの中で呼吸だけが重なる。

 

「…私、未来に嫌われちゃったかな?」

 

「――まあ、謝るしかないさ。誠心誠意、な」

 

言い訳は盾にならない。真正面から頭を下げる、それしかない。

 

「俺だって“無事で病院にいる”なんて嘘をついた。ビンタされても文句は言えない所業だ」

 

乾いた苦笑が短くこぼれ、すぐにため息に変わる。

 

「…私、未来に謝ってくる」

 

「そうするしか…ないよな」

 

昇は天井を仰ぐ。黎明との戦闘の直後、泣き顔で駆け寄ってきた未来の表情が、まぶたの裏に焼き付いて離れない。

 

「俺は…さすがにリディアンへは勝手に行けない。司令に許可を取ってから謝りに行くよ。…最悪なタイミングだ。幼馴染に頭下げたいだけなのに、外じゃ俺を狙ってる連中がうろついてる」

 

響は小さくうなずき、肩に預けた重みをほんの少しだけ増やした。二人の間に、静かな決意だけが残る。

 

                   

 

司令室では、冷たいモニター光と機器の低い唸りの中、ネフシュタンの少女――クリスを中心としたブリーフィングが続いていた。

 

「数年前のNGO活動で両親が殺されて捕虜にされ救出されたがその後行方不明になったあの子が・・・」

 

壁面のディスプレイには事件年表と顔写真、紐づく作戦ログが並ぶ。

【イチイバル】――本来は二課が保有していた第二号聖遺物。数年前の紛失以降、候補者として選定されていた雪音クリスの名も記録の奥で凍ったままだ。その彼女が、いまは敵としてこちらの前に立ちはだかっている。

 

「これで聖遺物を力に変えて戦う技術において、我々の優位性は完全に失われてしまいましたね」

 

「『フィーネ』・・・目的は一体?」

 

各卓のオペレーターが手を止め、眉間に皺を寄せる。仮説は出るが決定打がない――そんな重さが空気に沈殿していく。

 

「深刻になるのはわかるけど、装者2人は健在で1人は少し経てば復活するから頭を抱えるにはまだ早すぎるよ!」

 

緊張に楔を打ち込むように、明るい声が場を切り替える。

 

「翼!全く、お前は・・・いきなり病室を飛び出したと聞いた時は肝が冷えたぞ」

 

「申し訳ございません。ですが仲間の危機に伏せているなど出来ませんでした」

 

その真っ直ぐな言葉に、響の視線が思わず翼へ吸い寄せられる。

 

「立花は未熟な戦士です。半人前でありますが戦士に相違ないと確信しています」

 

初対面のぎこちなさは跡形もない。二人の距離は、実戦で確かに縮まっていた。

 

「完璧には程遠いが立花の援護くらいなら可能だ」

 

「うむ、響君と翼君のメディカルチェックも気になるところだが——」

 

「大丈夫です!ご飯を食べてぐっすり寝れば元気回復です!!」

 

(この幼馴染・・・本当に過労なのか?)

 

場の緊張がわずかに和らぎ、苦笑がいくつか漏れる。

 

(そう——暖かいところに眠れれば——)

 

口では元気を装いながら、響はふっと目線を落とした。暖かい場所――すなわち未来の隣。けれど、許されるだろうかという不安が胸の底に残る。

 

「・・・ふーん?」

 

モニュモニュ

 

「いやぁぁぁぁ!?なんてことをぉぉぉぉぉぉ!?」

 

唐突に了子が接近し、医学的(?)検分を開始。司令室に響の悲鳴が反響する。場の空気が一瞬にして日常へ引き戻された。

 

「どうやら、響の中にあるガングニールの破片が前より体組織と融合しているみたいなの。驚異的な回復力もそのせいかもね」

 

「あ、響が元から元気すぎるからそのせいってわけじゃないんか」

 

「ふふーん!まぁ、昇のご飯が美味しいからそのおかげでもあるけどね!!」

 

「てか、融合って・・・それ、俺みたいになる可能性があるってことですか?」

 

問いが落ちると、モニターの駆動音だけが一瞬際立った。戦力、医療、そして心のケア――積み上がる課題に、司令室の視線が再び前を向く

司令室。生体波形と音響スペクトラムが二枚の大型モニタに並ぶ。左は響、右は昇。

左の譜面は滑らかな弧を描き、右は無数の棘が重なり合っていた。

 

「——結論から言うわね」

 

了子がタブレットを掲げた

 

「響ちゃんの融合は“馴染み”。体内の欠片が筋繊維や結合組織と同期して、フォニックゲインに従って穏やかに増幅するタイプ。だから歌えば素直にギアが立ち上がる」

 

「はいっ。歌うと胸の奥が温かくなって、体がついて来てくれます」響が胸に手を当てる。

 

「対して昇君は——“再構成”。UNKNOWNは一個の完全聖遺物としては振る舞っていない。寄せ木細工みたいに《小さな聖遺物の群れ》が束になってる可能性が高いの」

 

了子が昇側のスペクトラムを拡大する

 

「見ての通り、基音が同時に二十以上鳴ってる。普通は有り得ない重なり方」

 

弦十郎が腕を組む

 

「要するに、バラバラな連中を束ねる“指揮者”が要る、と」

 

「そう。だからこそ《歌》が必要なの。完全聖遺物なのに歌う理由は“合奏を始めるため”。歌わなければ群れ同士が喧嘩して、器である身体を更に作り替えようとする」

 

翼が静かに問う

 

「だが、彼の《歌》は……あの音は、歌と呼べるの?」

 

了子は別の波形を出す。重なり合う声紋は悲鳴の山脈のようだ

 

「解析上は“歌声”のカテゴリに入るけど、実体はね……『悲鳴、祈り、吠え』が層になってる。言語同定は不能。複数の発声器官が時間差で鳴ってるみたいに聞こえる」

 

響が小さく震える

 

「あの時も……昇の歌、言葉がわからなくて、でも苦しそうで」

 

「……俺は歌ってるつもり、ないんだよ」

 

昇が視線を落とす

 

「喉が勝手に開いて、誰かが息を押し込んでくる。止めると、骨の内側が軋む」

 

「だから、止めるな」

 

翼が短く言う

 

「必要ならば歌え。制御不能に陥るよりはましだ」

 

「制御について現状の結論を」

 

了子が淡々と続ける

 

「調律も摘出も不可。薬理鎮静で群れは黙らないし、今の技術体系では改善は不可能——“付き合う”しかない」

 

「……俺の中の連中を、俺が指揮するしかないってことか」

 

「指揮というより、せいぜい“手を放さない”くらいね」

 

了子が苦笑する

 

「UNKNOWNは合体体(コンポジット)。群れは状況で主旋律を取り合う。魔弾、乗客、——みんな同じ楽団の別パート。あなたの歌は、それを一列に並べるための非常ベルよ」

 

残響のように不快な音を残すアイツらを指揮しないといけないのかとゲンナリする

 

「——確か今回、“さすらいの狐”が急に出てきたのよね?」

了子がタブレットを指で弾きながら、軽い調子で切り出す。

 

「はい。『道を失った乗客』から、文字通り一瞬で切り替わりました」

昇はこめかみを押さえ、乾いた笑いをひとつ。

 

「……うーん、昇君? その“切り替わる”瞬間、詳しく説明してくれないかしら」

 

「毎回です。変わる直前に、耳障りなモスキート音みたいなのが鳴って……頭の奥を針でつつかれるみたいな頭痛と、断片的な“声”。視界の端もパチパチする。吐き気やパラノイアは前ほどじゃないですけど」

 

「よ、よく平気で立っていられるわね。保護した当初はそんな兆候、出てなかったのに」

 

「……なんですかね、本当に。ペスト医師に会って、生き返って——あの辺りは何ともなかったんですけど」

 

「“ペスト医師”ねぇ」

 

了子がふっと近づき、昇の顔との距離を詰める。香水ではない、消毒薬めいた清潔な匂いが一瞬だけ鼻を掠めた。

 

「不思議な存在よ、幻想体って。昇君の言い方だと、どれも“身勝手”に見えるらしいじゃない?」

 

「ペスト医師はその中でも良心的で俺に寄り添ってくれたんですよ。まぁ、他のやつが身勝手すぎて……俺は幼馴染を撃ち殺しかけたわけですし」

 

自嘲の苦笑。目は笑っていない。

 

「もう、昇ったら」

 

小さな足音。たた、と背に温かい重みがのしかかる。

響が後ろから腕を回して、きゅっと抱きしめた。

 

「私は怒ってなんかないよ。昇が無事で、それが嬉しいの」

 

「……ありがと、響」

 

(——痛っ)

 

爪先が、布越しにほんのわずか食い込む。痛みは瞬間、すぐに緩む。

抱きしめる強さは呼吸に合わせて絶妙に調整され、外から見ればただの甘えた抱擁にしか見えない。

 

「ん〜♡ その場で堂々といちゃつくなんて、お熱いねぇ〜」

了子が肩を竦め、面白がるように笑う。

隣で翼は、呆れ半分の溜息。

 

「……いちゃつくって。別に、俺と響はそういう関係じゃありませんよ」

 

「あら? その距離感で? すっごく仲がいいから、てっきりね」

 

「……俺、イケメンでもないし優男でもないし。響には、響にふさわしい相手と——」

 

ゾワッ。

 

言葉が喉で途切れる。

背中に回った響の指が、一拍だけ固く締まった。

笑っている。天使みたいに、いつも通りに。

けれど、横顔の光の入らない瞬きを、昇だけが見た。

 

「——どうしたの? 昇?」

 

響が首だけ傾け、無垢な声色で覗き込む。

頬が触れるか触れないかの距離。耳朶をくすぐる息が、やけに熱い。

 

「い、いや。なんでもない」

 

「そうだよ、なんでもないよ」

 

囁きは昇にだけ届く音量で、砂糖菓子のように甘い。

 

「だって昇は、私の“お月様”なんだから。——ずっと」

 

最後の二文字だけ、息を飲み込むように消えた。

抱擁の圧は、第三者の目に触れれば“可愛い甘え”にしか見えない微差で強まる。

胸元に置かれた指先が、律動と同じテンポでとん、とん、と心拍を数える。

 

「……えへへ。離れたく、ないな」

 

響はようやく腕をほどき、何事もなかったかのように一歩下がる。

彼女の笑顔に、翳はどこにもない。どこにも——他人の目には。

 

「じゃ、打ち合わせに戻るわよ。さすらいの狐の件、ログを基に追加検証——ね?」

 

了子が場を締め、翼が短く頷く。

 

昇は一拍遅れて「了解」とだけ答えた。

背に残る、爪痕にもならない浅い圧痕が、体温と一緒にゆっくりと消えていく。

 

(気のせいだ。——気のせい、でいい)

 

自分に言い聞かせるその声だけが、さっき聞いたモスキート音と同じ高さで、薄く軋んだ。




アンケート結果見たけど、流石にまずかったか
全アブノマを出す手段としていいかなって思ったが…

仕方ない、昇、君の体に入れることにした。死んでくれ

昇「!?」

またアンケートをします
ん?アンケート取りすぎでは?って?
気にすんな

【虚無の道化師】の危険度はどれくらいと思う?

  • WAW(最上位くらい)
  • ALEPH(下位から中位くらい)
  • ALEPH(終末鳥や白夜レベル)
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