幼馴染たちが美しく歌う中、俺は哭き叫び狂い堕ちる   作:零城

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第二十九話 再びステージへ

「えぇ!? 復帰ステージ!?」

 

屋上に響いたのは、驚きを隠しきれない響の声だった。

思わず身を乗り出し、差し出された紙切れ——チケットを両手で受け取る。

 

「アーティストフェスが十日後に開催されるのだが……そこに、急遽枠を空けてもらえることになった」

 

翼はそう言って、風になびく髪を押さえながら淡々と説明する。

しかし、その言葉の裏にどれほどの決意があるかを、二人は感じ取っていた。

 

「なるほど……」

 

未来はチケットを見つめながら、静かに頷いた。

 

デートの翌日。

リディアン音楽院の屋上には、いつもより少しだけ強い風が吹いていた。

呼び出された響と未来の前に立つ翼、その場にはもう一人——

 

『……てか、大丈夫なんですか?』

 

響のスマートフォンから、通話越しの声が割り込む。

 

『会場って……二年前の、あそこですよね』

 

画面に映るのは昇の顔。

リディアンは女子校のため男子生徒は立ち入り禁止、彼は二課からテレビ電話での参加だった。

 

「……立花にとっても、蒼月にとっても……辛い出来事だったな」

 

翼の言葉に、空気が一瞬、張りつめる。

 

脳裏に蘇るのは、二年前の惨劇。

突如現れたノイズ。

観客が次々と炭へと変えられ、悲鳴が響き渡る会場。

崩れ落ちる瓦礫、逃げ惑う人々——

そして、響の胸に突き刺さったガングニールの破片。

 

誰もが、言葉を失った。

 

「……ありがとうございます、翼さん」

 

沈黙を破ったのは、響だった。

ぎゅっとチケットを握りしめ、まっすぐに翼を見つめる。

 

「……響?」

 

「いくら辛くても、過去は絶対に乗り越えられます!

そうですよね、翼さん!!」

 

あまりにも真っ直ぐな言葉。

迷いも、躊躇もない声音。

 

(過去は……乗り越えられる、か)

 

翼は一瞬、目を伏せる。

なんとも響らしい、と心のどこかで思ってしまう。

 

そしてその言葉は、電話の向こう側にいる少年の胸にも、重く響いていた。

 

(……俺も、乗り越えられるだろうか)

 

助けようと手を伸ばしたのに、目の前で失われた命。

破片が飛んできた瞬間、幼馴染を守れなかった記憶。

自分の中に眠る聖遺物が暴走し、奪ってしまった人々の命——

 

俺は……変われるのか?

 

昇は、二課・了子の研究室の隣にある自室で、ひとり俯いていた。

画面越しの笑顔とは裏腹に、その瞳には深い影が落ちている。

 

「……そうありたいと、私も思っている」

 

翼は、迷いのない眼差しでそう答えた。

 

それは自分自身に言い聞かせるようでもあり、

そして——

電話の向こうで立ち止まっている少年とは、あまりにも対照的だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……リハーサル、いい感じでしたね」

 

リディアンにてチケットを渡した後、翼は本番に備えてリハーサルを行っていた。

舞台裏では、マネージャーでもある緒川が、スケジュールの最終確認をしながら慌ただしく歩いている。

 

そんな中——

 

パチパチ、パチパチ。

 

人気のない会場裏に、静かな拍手の音が響いた。

 

振り返ると、そこに立っていたのは一人の老人だった。

年季の入ったスーツに身を包み、穏やかながらも底知れない眼差しを向けている。

 

「……トニー・グレイザー氏!?メトロミュージアムのスポンサーで、以前、翼さんの海外進出を持ちかけてきた方です」

 

緒川が驚きと警戒を混ぜた声で囁く。

 

「……なかなか首を縦に振っていただけなかったのでね。こうして直接、交渉に来させてもらいました」

 

奏を失った後の精神的な問題。

そして【魔弾の射手】事件で、蒼月 昇の暴走に巻き込まれ、大火傷を負った肉体。

そのすべてが理由となり、翼はこれまで一貫して海外進出を断り続けてきた。

 

「ミスター・グレイザー。その件につきましては、正式に——」

 

緒川が今回も断ろうとした、その時。

 

「……いい」

 

翼が、静かに手を上げて制止した。

 

「……つまり、考えが変わりつつある、ということかい?」

 

老人の問いに、翼は一歩前に出る。

その眼差しは、まるで研ぎ澄まされた刃のように鋭い。

だが、冷たさはなく——そこにあるのは、決意と覚悟だけだった。

 

「……そうですね」

 

短く、しかし確かな声で答える。

 

「今の君が出せる答えがあるのなら、ぜひ聞かせてほしい。

 今夜のライブ、楽しみにしていますよ」

 

そう言い残し、トニー・グレイザーは踵を返した。

 

翼は、最後まで何も言わず、ただその背中を見つめていた。

口には出さない。

だがその沈黙は、準備も覚悟も、すでに整っているという無言の返答だった。

 

 

そして、時間は容赦なく流れ——

ライブ開始時刻が迫っていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……!

 チケットもらったのに、開演に遅れそう……!」

 

ノイズ出現の影響で授業に出席できず、溜まっていたレポート課題を片付けていたせいで、帰りが大幅に遅れてしまった。

 

「すぐ終わると思ったから……未来に先に行ってもらったけど……」

 

やっぱり、手伝ってもらえばよかったかもしれない。

そんな小さな後悔を胸に、響は走る。

 

その時——

 

ピリリピリリ。

 

二課の通信機が震えた。

 

今日、ミーティングの予定はない。

つまり——

 

「……はい、立花響です」

 

『ノイズの出現パターンを検知した。

 風鳴翼にも、これから連絡を入れる』

 

「……師匠!」

 

『どうした!?』

 

一瞬、息を整え、響ははっきりと言葉を選んだ。

 

「……現場対応は、翼さん以外でお願いします。

 今日の翼さんは、自分の戦いに臨んでほしいんです。

 あの会場で、最後まで歌い切ってほしいんです!」

 

一拍の沈黙。

 

そこへ、別の声が割って入る。

 

「……これには、俺も賛成だ」

 

通信越しに聞こえたのは、蒼月 昇の声だった。

 

「先輩には、今回だけは戦いなんて知らずに歌ってほしい。

 歌うことこそが、二年前の惨劇や、失われた人たち……

 そして天羽奏にとっても、きっと救いになる」

 

『……本当に、やれるのか?』

 

「そうじゃなきゃ、そもそも提案なんてしないさ」

 

「できます!!」

 

響は、迷いなく即答した。

 

『……わかった。

 では至急、現場へ向かってくれ』

 

「了解です!」

 

「ありがとうございます!!」

 

通信を切った響は、息を大きく吸い込み、再び地面を蹴った。

 

(今日は……翼さんの歌を、絶対に守る)

 

その決意を胸に、

響はノイズ発生現場へと全力で駆け出していった

 

 

『Balwisyall Nescell gungnir tron〜♪』

 

『諱先?悶→蟇セ髱「縺玲悴譚・繧剃ス懊l縲らスェ縺ィ蜷代″蜷医>閾ェ謌代r遒コ遶九○繧』

 

 

響と昇はそれぞれ違い場所で歌い、現場へと向かった

 

 

 

 

 

「———くそっ!!」

 

ノイズが発生した工場地帯。

そこには、無数のノイズに囲まれながら必死に抗う、イチイバルを纏った雪音クリスの姿があった。

 

ガトリングを唸らせ、弾幕を張る。

雑魚のノイズは次々と炭へと変わっていくが——問題は、前線に陣取る“あいつ”だった。

 

ピラミッドのような形状の頭部。

その頂点には砲台のような開口部があり、重厚な外皮に覆われている。

 

(硬すぎだろ……!)

 

ミサイルを叩き込んでも、ガトリングを集中させても、表面を削るのが精一杯。

クリスは歯噛みしながら引き金を引き続ける。

 

その瞬間——

 

ズドォォォォオン!!

 

「ぐあっ!?」

 

ピラミッド型ノイズの砲撃。

回避には成功したものの、爆風に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

 

立ち上がろうとした、その刹那。

砲口が、倒れたクリスへと向けられた。

 

(——まずっ……!)

 

砲弾が放たれる——その直前。

 

「やぁ!!」

 

空から、赤い閃光が降ってきた。

 

ガングニールを纏った立花響が、空中で砲弾を蹴り砕いたのだ。

 

「な——!?」

 

砲弾は爆散し、火花と衝撃波が空中で霧散する。

 

着地と同時に、響は腕の装甲を変形させ、ノイズの群れへと突っ込んでいく。

拳と脚、そして勢いだけでノイズをなぎ倒していく姿は、まさに突撃兵だった。

 

「……なんか、響の戦い方、司令に似てきてねぇか?」

 

建物の屋上から状況を見下ろしながら、昇がぼそりと呟く。

 

砲弾を弾くならまだしも、蹴って破壊するなど——

かつて魔弾を素手で叩き落とした弦十郎の姿が脳裏をよぎる。

 

(……うん、やっぱ頭おかしいな)

 

昇は内心ドン引きしつつ、【魔弾の射手】の姿で屋上から飛び降り、狙撃銃を構えた。

 

『魔弾 一発目』

 

引き金を引く。

 

放たれた弾丸は、青い軌跡を描き——

ピラミッド型ノイズの二基ある砲台のうち、一つを正確に撃ち抜いた。

 

「昇!」

 

響が振り返り、幼馴染の姿を見て笑顔になる。

 

「さっさと倒すぞ、響。

 ワンチャン、先輩のライブに間に合うかもしれねぇ」

 

「……うん!!」

 

力強く頷いた、その瞬間。

 

破壊された砲台部分が、触手のように伸び——

二人を押し潰そうとした。

 

だが、

 

ダダダダダダッ!!

 

「っせぇ!!」

 

クリスのガトリングがそれを粉砕する。

 

「なにイチャついてんだ、お前ら!!」

 

「い、イチャついてなんかないよ!?」

 

顔を赤くして慌てる響。

 

「……ちっ。だが、これで貸し借りはなしだ!!」

 

そう言い捨てると、クリスは前衛を響に任せ、自分は後方へ跳躍する。

建物から建物へと移動しながら、射線を確保していく。

 

その背中を見て、昇は苦笑した。

 

「……アイツ、全然素直じゃねぇよな」

 

コッキングを済ませ、近づくノイズを銃身で叩き潰す。

一方、響も腕の装甲を引き絞り、チャージを開始する。

 

狙いは——ピラミッド型ノイズ。

 

「たぁぁぁぁぁぁ!!」

 

地面を蹴り、土煙を上げながら突進する響。

周囲のノイズが変形し、襲いかかるが——

 

響は一切迷わない。

ただ、前だけを見る。

 

『魔弾 二発目』

 

背後から、昇の引き金が引かれた。

 

二つの魔法陣が響の周囲に展開され、

二条の青い軌跡が、周囲のノイズを貫き消し飛ばしていく。

 

(——来る)

 

響は、幼馴染が必ず援護してくれると信じていた。

 

拳を振り上げ、渾身の一撃を叩き込む。

 

ズドォォォォン!!

 

腕の装甲が、パイルバンカーのように爆ぜる。

衝撃はノイズの内部へと貫通し、内部構造を破壊——

 

ピラミッド型ノイズは爆散し、炭となって崩れ落ちた。

 

 

一方、その頃——ライブ会場。

 

翼は、最後の一音まで歌い切っていた。

 

満員の会場。

二年前の惨劇など存在しなかったかのように、黄色い歓声が渦を巻く。

 

「……ありがとう、みんな!今日は、思いっきり歌えて……本当に気持ちよかった!!」

 

マイク越しの言葉に、観客はさらに声援で応える。

奏を失ってから、翼を心配し続けてきたファンたちの想いが、ライトとなって揺れていた。

 

「こんな気持ち、久しぶり……忘れていた。でも、思い出した!私は——こんなにも歌が好きだった!」

 

胸に手を当て、続ける。

 

「聞いてくれるみんなの前で歌うのが……大好きなんだ!!」

 

そして、少しだけ息を整え、告白するように語り始めた。

 

「……もう知っている人もいるかもしれない。海の向こうで歌ってみないかって、オファーが来ているの」

 

会場がざわめく。

 

「ずっと迷っていた。自分は、何のために歌うのか……」

 

だが、翼は顔を上げる。

 

「今の私は、もっとたくさんの人に歌を届けたい。言葉が通じなくても、歌で伝えられるなら——世界中の人に、私の歌を聞いてほしい!!」

 

歓声が爆発する。

 

「私は、私の歌が誰かの助けになると信じて歌ってきた。でもこれからは——みんなの中に、自分を加えて歌っていきたい!」

 

涙を滲ませながら、叫ぶ。

 

「だって私は……こんなにも、歌うのが好きなんだから!!——たった一つの我儘だけど……聞いてほしい。許してほしい……」

 

(……許すさ。当たり前だろ?)

 

その瞬間——

翼は、はっと目を見開いた。

 

一瞬だけ、奏の声が聞こえた気がした。

だが、それはすぐに、観客の声援にかき消されていく。

 

「……ありがとう」

 

涙を流す翼に、観客は「頑張れ!」と声を投げかける。

 

その光景を見届け、一人の老人が静かに立ち上がった。

 

「……ミスター・グレイザー!」

 

緒川が呼び止める。

 

「少し早いが、今夜は引き上げさせてもらうよ」

 

振り返り、老人は微笑む。

 

「——これから、忙しくなりそうだからね」

 

「……ッ!!風鳴翼の夢を、どうかよろしくお願いします!!」

 

深々と頭を下げる緒川。

老人は笑みを浮かべたまま、会場を後にした。

 

こうして——

風鳴翼の海外進出は、正式に決まった。

 

 

その頃。

 

ライブ会場の円蓋内、作業用通路。

 

「っはぁ〜……よかったぁ……」

 

座り込んで大きく息を吐く響。

 

ノイズ殲滅後、昇の【道を失った乗客】の力で一気にここまで移動してきたのだ。

最初からは聞けなかったが、最後の歌と告白はしっかりと耳に届いていた。

 

「……間に合ってよかったな、響」

 

隣で、シンフォギアを解除した昇が、安堵したように笑う。

 

「うん!ありがとう、昇!!」

 

満面の笑みを向ける響。

 

昇もそれに微笑み返す——

だが、その胸の奥には、言葉に出来ない重さが残ったままだった。

 

(……やっぱり、響は俺なんかより心が綺麗なんだな)

 

正直に言えば、昇はここに来るべきじゃなかった。

少しでも目を閉じれば、すぐに思い出してしまう。

 

悲鳴と共に炭へと変わっていく人々。

瓦礫に押し潰され、声を上げる暇すらなく消えた命。

そして――胸から血を流し、地面に崩れ落ちた響。

 

顔は笑っている。

平気なふりは、もう癖になっていた。

けれど、手は震えている。

両腕を掴んでいなければ、今にも崩れてしまいそうだった。

 

(……響は、俺と違って……前を向けるんだな)

 

隣では、何も知らない顔で響がキャッキャと笑っている。

それを見て、胸が軋んだ。

 

自分はどうだ?

「響を戦わせたくない」と言いながら、結局一緒に戦っている。

守りたいと言いながら、同じ地獄に引きずり込んでいる。

 

——矛盾だらけじゃないか。

 

(仮に次の現場で、響ちゃんが誰かを守るために“絶唱”に手を伸ばす。でも、彼女を何より大切にする君は止めようとする。…その感情が引き金になって、また力が暴走したら?その時の責任は、誰のもの?)

 

了子の声が、脳裏に蘇る。

 

(……そうだよな。

 なんて、俺はバカだったんだろうな)

 

雑音しか出せない俺の歌。

彼女の隣に立つ資格なんて、最初からなかった。

 

「……どうしたの? 昇?」

 

「あ、いや……なんでもないよ、響」

 

覗き込む響の顔に、慌てて笑顔を作る。

 

(俺と響は……立っている世界が違う)

 

俺は、誰かのために命を投げ出せるほど強くない。

なのに、響は迷わず前に出る。

 

(……ノイズがいるから、響は戦わなきゃいけない)

(こんな世界だから、響は動かされる)

 

歯を噛み締める。

 

二年前の惨劇も。

今も続く悲劇も。

全部――ノイズがいるせいだ。

 

(……ノイズを操る杖を持っていたクリス。その“上”にいる女……フィーネ)

 

拳に力が籠もる。

 

(あいつが“悪”だ)

(人を踏みにじり、世界を壊して、平然としている)

 

——裁かなければならない。

——悪は、滅ぼさなければならない。

 

その瞬間、考えではない“声”が昇の中に湧き上がった。

 

——そうだ。

——あれは黒い怪物だ。

——森を穢す存在。

——私たちは、この森を守るための正義だ。

 

「っ……ごほっ!?」

 

突然、喉が焼けるように痛み、大量の血を吐き出す。

膝が崩れ、地面に倒れ込む。

 

「昇!?」

 

(……これ、また……)

 

——了子の言葉が重なる。

 

(あなたの中の力は、感情に反応して発現する)

 

バキッ

 

骨が軋む音。

内側から体を引き裂かれるような激痛。

 

「ッ!! 響、離れろ!!」

 

意思とは関係なく、体が動き始めている。

最悪の記憶が脳裏をよぎる。

 

——禁断の書庫と一体化し、

——意識を失ったまま“魔弾の射手”となり、

——仲間に銃口を向けた、あの日。

 

昇は咄嗟に響を突き飛ばした。

 

「だ、だめ! 昇!!」

 

「ひ、響……逃げ……」

 

視界が揺れる中、三つの影が見えた。

 

腹部が赤く染まった、小さな白い鳥。

無数の輝く目を持つ、巨大な黒い鳥。

包帯で顔を覆い、天秤を携えた細い鳥。

 

——罰鳥。

罪ある者を“罰する”存在。

 

——大鳥。

森の全てを見守り、光と闇を見逃さぬ“目”。

 

——審判鳥。

善悪を量り、裁きを下す“絶対の天秤”。

 

三羽は言葉を発さない。

ただ、昇の心を覗き込む。

 

——憎しみか。

——正義か。

——それとも、守りたいという歪んだ願いか。

 

昇は、止めようとした。

自害する覚悟すらあった。

 

だが——

 

「……あれ?」

 

意識が、途切れない。

痛みはあるが、暴走していない。

 

(……HEの時より……軽い?)

 

顔を上げると、妙に景色が高い。

 

(……え?)

 

起き上がると、体が異様に軽い。

 

自分の姿を見て、言葉を失った。

 

白い羽毛のような質感のパーカー。

子供用のように小さなズボン。

腹部には、罰鳥を思わせる赤い印。

 

そして何より——

 

「……俺、小さくなってる!?」

 

まるで、時が巻き戻ったかのように。

体は六歳前後の幼さに縮んでいた。

 

「……ま、まぁ……暴走しなかっただけマシか」

 

安堵の息を吐き、顔を上げる。

 

そこには、目を見開いた響がいた。

 

「ひ、響。俺だ。昇だ。今回は……大丈夫だった」

 

「……の、昇なの?」

 

「おう。正真正銘、君の幼馴染だ」

 

「……か」

 

「か?」

 

「可愛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡♡♡!!」

 

夜空に、幼馴染の絶叫が響き渡った。

 

——その背後の主人の影で、

黒い森の三羽は、静かに羽を休めていた。

 

“裁き”は、まだ終わっていない。




今年中に無印は終わらせたいって言ったよなぁ?


アレは嘘だ
多分間に合わぬ

あと新しいアンケートです
割と今後の展開に関係するので答えて欲しいっす
お題は『アブノマの発生イベントの時、一体じゃなくて複数になる時もあっていいか?(最終回まで全部出せるか分からないから)』
ねじれは多分全部出せるけどアブノマの方はわからん

アブノマの発生イベントの時、一体じゃなくて複数になる時もあっていいか?

  • いいよ!
  • 一イベント一体のままにして
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