今年もいっぱい昇を曇らせて行こうかなと思います
「・・・カ・ディンギル、誰も知らない秘密の塔」
「検索しても引っかかるのはゲームの攻略サイトばかり」
川沿いにあるベンチで、響たちはスマホを操作しながらカ・ディンギルについて調べていたが、有益な情報は一向に見つからない。
(・・・カ・ディンギルか。罰鳥たちも何か知らないか?)
聞いたことすらないのか、幻想体たちから返ってくるのは「知らない」という曖昧な感覚だけだった。
塔と呼ばれる以上、巨大な建造物のはずだ。もしこの近辺で活動していたのなら、目立たないはずがない。
「・・・ま、そこらへんは司令たちに任せるしかないだろ」
調査は二課に任せ、自分たちはいつでも出撃できるよう準備しよう――そう言いかけた、その時だった。
ビー!ビー!ビー!
『飛行型ノイズが一度に三体……いえ、さらに三体出現!?』
『湾内方面からさらにもう一体出現!!』
「・・・・・・七体だと?」
街がサイレンに包まれ、遠くから悲鳴が聞こえてくる。
空を悠々と飛ぶマンタのようなノイズは、遠目からでも分かるほど巨大だった。だが今のところ、ただ旋回しているだけのようにも見える。
昇と響は自然と緊張した表情になり、互いに目を合わせて小さく頷いた。
「・・・響、昇」
「平気!私と昇と翼さんで何とかするから!だから未来はリディアンに戻っておいて!」
「リディアンに?」
「いざとなったら地下のシェルターを開けて、この辺の人たちを避難させなきゃいけない。未来にはそれを手伝ってほしいんだ」
「・・・・・・うん、わかった」
「・・・・・・ごめん、未来を巻き込んじゃって」
「ううん、巻き込まれたなんて思ってないよ」
未来は首を横に振り、まっすぐ響を見る。
「私がリディアンに戻るのはね、響がどんなに遠くに行っても、ちゃんと戻って来られるように……響の“帰る場所”を守るためでもあるんだから」
「・・・・・・俺はいいのかよ」
「昇は大丈夫でしょ?『響を絶対に守って、未来のところに一緒に帰る』って決めてるでしょ?」
「・・・正解」
「ふふ♪何年幼馴染をしてると思ってるの♪」
相変わらず、未来はどういうわけか核心を突いてくる。
「だから行って。私も……響と昇みたいに、大切な場所を守れるくらいには強くなりたいから」
それを聞いた響は、嬉しそうに微笑んで未来の手を包み込んだ。
「小日向未来は、私にとっての陽だまりなの!
未来の近くが一番あったかくて、私が絶対に帰ってくる場所!
これまでも、これからもずっと!」
「・・・響」
「へへ、一緒に流れ星を見る約束もまだだしね!!」
二人は手と手を握り合い、笑い合う。
その光景を、昇は少し離れた場所から眺めていた。
――微笑ましい。
そう思ったはずだった。
ズキッ
「・・・・・・?」
胸の奥が、一瞬だけ強く締めつけられた。
なんだ、今の。
理由もなく痛むはずがない。
それなのに、息を吸うのが少しだけ遅れた。
二人が並んで笑っている姿。
それを見て、胸の奥が――冷えたような、ざらついたような感覚になる。
(……俺、ここにいていいんだよな)
守りたいと思っている。
二人が無事に笑っていてくれるなら、それでいいと思っている。
それなのに――
(……なんでだ)
未来と響が寄り添う光景を、祝福しているはずなのに。
その中心から、ほんの少しだけ自分が外れている気がして。
胸の奥に、名前のつかない痛みが残った。
昇はそれを、
「きっと戦闘前の緊張だ」と無理やり片づけて、視線を前に戻した。
――気づくはずもなかった。
それが、誰かを想う気持ちに混じった、ひどく醜くて、ひどく人間らしい感情だということに
「・・・・・・響、そろそろ行くぞ」
「うん!」
昇と響はマンタ型のノイズが向かう方向へと走り出した
響は未来から手を離し昇と一緒に走り出すが未来は名残惜しそうに心配そうに離した手をそのまま伸ばしていた
「・・・安心しろ未来!このおてんば娘は絶対に守るから!」
「そうだよ未来!未来が陽だまりなら昇はどんな道に迷っても行くべき場所を照らしてくれるお月様なんだから!!」
「——うん!気をつけて!!」
『ノイズの侵攻経路に関する最新情報だ』
昇と響は未来と別れた後、現場は走りつつ通信機に耳を当てる
『第41地区に発生したノイズは現在、第33地区を回遊しつつ第28地区へと向かっている。同様に第18地区と第17地区のノイズも第28地区へと向かっている』
走りながら空を見ると野球場並みに巨大なマンタ型のノイズが我が物顔で飛んでいる
どこへ向かっているんだ?と疑問と同時にオペレーターから通信が入る
『司令!それぞれのノイズの進行方向に東京スカイタワーがあります!』
スカイタワー?
なんでそんなところに
「スカイタワーって・・・ここらじゃ遠い」
走っても数十分はかかる
翼もバイクで別方向から向かっていると聞いたがこのままでは翼一人に戦わせることになってしまう
「乗客で行くしかなさそうだな・・・・・・」
バババババババッ!!
昇が口を開けて歌おうとしたら、上空からヘリが降りて来た
『なんとかするのが俺たちの仕事だ』
流石、二課とも言うべきか
響と昇は急いで降りてきたヘリに乗り込み現場へと急行した
「・・・・・・あれが」
ヘリの窓から外を覗いてみると七体のマンタみたいなノイズがゆっくりとスカイタワーを囲むように飛んでいた
(なんでここに?仮にスカイタワーがカ・ディンギルとしても目立ち過ぎて・・・・・・いや、今はいい。先にノイズたちを倒すか)
ヘリのドアを開ける
突風が顔に当たり肌寒く感じてくる。ヘリの真下にはマンタのノイズが悠々と飛び腹部のようなところから次々とノイズを地上へ落としている
「昇!」
「・・・行こう!」
昇と響はヘリから飛び降り、歌った
『Balwisyall Nescell gungnir tron〜♪』
『諱先?悶→蟇セ髱「縺玲悴譚・繧剃ス懊l縲らスェ縺ィ蜷代″蜷医>閾ェ謌代r遒コ遶九○繧』
ヘリから光と天使のような歌声と悲鳴が聞こえる
光が収まると響はガングニールを、昇は魔弾の射手になっていた
ガシャッ
響は腕のアームを引っ張りパイルバンカーのように変形させ腕を前に突き出す
ノイズに当たった瞬間、大きな音ともにノイズの背中から大きな風穴が空いた
空いた風穴から通り落ちるようにして地上へ落下していると
【蒼ノ一閃】
翼も到着したらしく天羽々斬を纏って空を飛んでいるノイズへ斬撃を飛ばすが間にいた飛行型ノイズは倒せても天高く飛んでいるマンタのノイズには届かなかった
「っく、相手に頭上を取られるのがこうも動きにくいとはな!」
「俺は地上から狙撃する。響と先輩はヘリで上からお願い・・・」
ズドォォォォオン!!
しかし、突如二課のヘリが爆発し地上へ落下し爆散した
おそらくあれではパイロットは・・・
「ッ!?アイツら!?」
バキッと残骸を破壊して現れたのは赤い目にランスのようなアームをしたロボットと橙色の芋虫と紫色のスライム・・・黎明たちであった
「あ、あれって前にクリスちゃんたちと一緒にいた時の!?」
「っち!」
緑の黎明がアームを上げ突っ込んで来たが狙撃銃を回していなして横っ腹に蹴りを入れる
【魔弾 一発目】
【魔弾 二発目】
蹴り飛ばした緑の黎明へゼロ距離の狙撃をお見舞いし間髪入れずにコッキングし翼が刀で突き刺した橙色の黎明へ射撃し翼を中心として周りに魔法陣が生まれ二乗の軌跡が周りの黎明たちを消し去った
(・・・あと四発か)
この中で唯一、遠距離攻撃が出来るのは昇だけだ
一体につき一発と言いたかったが四発の弾丸に対してノイズはあと六体
【道を失った乗客】でワープして切ってもいいが敵のサイズが大き過ぎて切ったところで意味はない
瞬間火力があって遠距離攻撃でなければ、あの飛んで次々とノイズを流しているノイズを倒せない
しかも一体は響が倒したが残り六体いるためその分もノイズが投下されていく
「落ちろ!」
【魔弾 三発目】
轟音と共に頭上高くにいたノイズに三つの魔法陣が生まれ三発の魔弾が貫きノイズは爆発した
「・・・あと三発で敵は五体か」
すぐコッキングし狙おうとするが
「ッ!?ノイズたちが!?」
すると突然、地上にいたノイズや黎明たちが一斉に昇の方へと向かい出した
響や翼たちが何体か倒すがそんなこともお構いなしに津波のような密度で昇へと向かう
「ッ!?」
昇は構えるのをやめ、走り出した
後ろからは昇を飲み込もうとノイズたちが合体し大波のような姿となって追いかけてくる。波の中には黎明たちも巻き込まれるような形で迫ってくる
「な、なんで昇ばかりに!?」
明らかに一人に対して量が多すぎる
この中で唯一、マンタのノイズを倒せる可能性があるから先に倒すというのはまだ分かるが過剰すぎる。まるで『ここで絶対に殺す』とでも言うくらいにだ
「邪魔だ!!」
昇も走りながら狙撃銃を構えようとするが撃たせる隙を与えないほどビルを突き破ったら地面から飛び出してまで昇へと襲いかかる
「くそ!」
トリガーに指をかけ一瞬躊躇うが引き金を引く
【魔弾 四発目】
横一列に展開された四つの魔法陣から四つの閃光が津波を貫いた。コッキングをしようとしたが
「昇!?上!!」
「っな!?」
なんと昇の上にマンタのノイズが二体も飛んでおり大量のノイズを昇のいるところへ集中的に落とし始めた
しかも、中には黎明が混ざっており殺意が他のよりも明らかに高すぎる
レバーを引き狙撃銃を上に上げようとするが緑の黎明のランスの方が速く、槍先がすでに目の前まで迫っていた
ズドドドドドドドドドド!!
しかし、その雨を防ぐように別の銃弾の嵐が暴れて昇を守った
「え!?」
「・・・お前!?」
銃弾の発射先を辿ってみるとそこにいたのはイチイバルを纏ったクリスだった
手には自分達と同じ通信機が握られていた
「・・・コイツがピーチクパーチク鬱陶しいからちょっと出張っただけ。それに勘違いするなよ!お前たちの助っ人になる気はねぇ!!」
『助っ人だ。少々到着に遅れが出てしまったがな』
「助っ人?」
『そうだ、第二号聖遺物イチイバルのシンフォギアを纏う戦士・・・雪音クリスだ!!』
「クリスちゃーーーーん!!ありがとーー!絶対に分かり合えるって信じてたよーーー!」
「って、このバカ!?私の話を聞いてなねぇのかよ!?」
クリスに抱きつきほおを擦る響
クリスも引き剥がそうとするが顔を赤くしている
【魔弾 五発目】
「いいから今はノイズを倒すのに専念してくれ!!」
頭上にいたマンタのノイズへ引き金を引き跡形もないほど貫き破壊する
「勝手にやらせてもらう!邪魔だけはするなよ!!」
「え、えぇ!?」
クリスの腕部のアームが変形しクロスボウのようになり空は引き金を引く
槍状になった鳥型のノイズたちを次々に撃ち落としていく
「空中のノイズはあの子と蒼月に任せて、私たちは地上のノイズを!」
「は、はい!」
響と翼は少しでもクリスたちが空へ専念できるよう地上のノイズを殲滅していく
「・・・さっきはありがとうな」
「は、はぁ!?な、なに勘違いしてやがる!?あ、あれは単にノイズがいっぱいいたから倒してお前を助けたのは偶々だ!!」
残った昇はクリスへ礼を言う
「偶々でも感謝はするもんだ。当たり前だろ?」
「っは、お前、いつから偉そうになったんだよ。私の親でもあるまいし」
「・・・クリスみたいなじゃじゃ馬娘は嫌だな」
「あぁ!?ぶっ飛ばすぞお前!?」
などと言っていると再びノイズたちが一斉に昇へと向かい始めた
「・・・なんかさっきからノイズたちが俺ばっか狙ってくるんだよな」
「人気者でいいじゃねぇか」
「嫌に決まってんだろ阿呆」
「それで?お前、あと何発撃てる?」
「・・・一発だ。だけど威力は折り紙つきだ」
「なんだよ、弾数に限りあんのかよ」
「七発目も撃てるけど俺が死ぬぞ?」
「・・・お前、本当に完全聖遺物適合者なのか?」
「うるさ、俺が聞きたいわ」
完全聖遺物なら弾数に気にせずにバンバン撃てるのに、なんで制限があるんだ?とクリスは訝しんだ
「ま、次撃ったら、俺はアイツらの囮になる。空は任せたぜ、助っ人さん」
「っち、さっさと行けよ!」
「はい・・・はいっと!!」
【魔弾 六発目】
引き金を引くと空を飛んでいた二体のマンタのノイズを囲むようにして魔法陣が生成される
そして、五発目の時より強いヒカリと音が周囲を包みこみ二体のノイズは撃ち落とされた
「弾切れだ・・・あとは頼む」
ッバと黒い炎が散ると両肩から紫色の刃が生えた怪物、【道を失った乗客】へと変わると空間を切り裂きノイズたちを誘き寄せながらワープしていった
「・・・っへ、全部落としてやらぁ!!」
ガトリングを乱射しながら空にいる小型の鳥型のノイズたちを撃ち落としていく・・・が
ゴン
「な!?何しやがる!?引っ込んでな!!」
「貴方こそいい加減にして、一人で戦っているつもり?」
戦闘の最中、空しか見ていないクリスと地上のノイズを倒すことに専念していた翼とで背中からぶつかってしまった
無理もない、前まで敵同士で殺し合うような戦いをしていたのにいきなり共闘など息が合わないのだ
「私はいつだって一人だ!こちとら仲間として釣り合うかなどこれっぽちもねぇ!!」
ノイズを倒さないといけないのに二人は口喧嘩を始めてしまう
「確かにあたし達は戦い合う理由なんてないかもしれない。だからって、争わない理由なんてあるのかよ。この間までやり合ってたんだぞ?そんな簡単に人と人が・・・」
しかし二人の間に響が割って入り、優しくクリスの手を握った
「出来るよ!誰とでも仲良くできる!」
響は開いたもう片方の手で翼の手を握り二人の架け橋のようになった
「なんだ私はアームドギアがないんだろうってずっと考えてた。いつまでも半人前はやだなぁって。でも、今は思わない。何もこの手に握ってないから、二人とこうして手を握り合える!仲良くなれるからね!」
まるで太陽が微笑んでいるかのように心が暖かくなるような満面の笑みであった
「・・・立花」
翼は何か決意すると刀を地面に刺し、手をクリスへと差し伸べる
クリスも手を伸ばそうとするが止まってしまう。しかし、翼の目は真っ直ぐと氷のように冷たくはなく誠実な目であった
紛争地域にいたときのような汚い目をした大人の目やフィーネのような冷酷な目ではない、本当に真っ直ぐな目にクリスはそっと手を繋ごうとしたが翼の方から手を掴んできた
「ちょ!?この馬鹿に当てがえられたか!?」
「・・・そうだと思う。そして、貴方もきっと」
「じょ、冗談だろ」
否定しているが顔は赤く握った手も振り解こうとはしなかった
ヒュォォォォォォ・・・
その三人の頭上をマンタのノイズが飛び現実へと戻される
あと二体。速く倒さないといけない
「親元を倒さないとキリがない・・・」
「だーったら、あたしに考えがある。あたしじゃなきゃ出来ないことだ」
ふふんと胸を張って言う
「イチイバルの特性は長射程広域攻撃。派手にぶっ放してやる!」
「まはか・・・絶唱を!?」
「バーカ、あたしの命は安物じゃねぇ!!」
「ならば、どうやって?」
「ギアの出力を上げつつも放出を抑え、行き場を失ったエネルギーを臨界まで引き上げ溜め込み一気に解き放ってやる!」
「・・・だがチャージ中は丸裸も同然。蒼月のほうへ向かっているノイズがほとんどとはいえ危険すぎる」
「そうですね。だけど私たちでクリスちゃんを守ればいいこと!」
二人は頷き合うとノイズの集団の方は向かい出した
(・・・頼まれてもないことを。私も引き下がれないじゃないか!!)
いつもなら悪態つくだろうに今のクリスは笑っていた
そして目を閉じて歌を歌いフォニックゲインを上げていく
(誰にでも繋がり繋がる手を持っている。私の戦いは誰かの手になること!)
(砕いて壊すも、束ねて繋ぐのも・・・立花らしいアームドギアだ)
二人は貯めているクリスに近づかせないようノイズたちを引き寄せ倒していく
・・・そして
ガシャン!!
「「きた!!」」
クリスのイチイバルが形を変え、足にはアンカーを地面に打ち、腰はミサイルポッドに肩には巨大なミサイル四発が現れた
【MEGA DETH QUARTET】
それらが一斉に放たれた
ガトリングも連射しマンタのノイズを守ろうと割り込んだ鳥型ノイズを撃ち落としていき、ミサイル達はマンタのノイズへと飛んでいき——残った二体を同時に倒した
ノイズたちは炭になりながら墜落していく
「やった・・・のか?」
「あったりめぇだ!!」
地上の方も翼と響の活躍もあり・・・スカイタワー周辺のすべてのノイズは殲滅された
「やったー!やったやったー!!」
「やめろ馬鹿!?何しやがるんだ!」
響は喜びのあまりクリスに抱きつくがすぐ引き剥がれてしまう
三人が光るとシンフォギアは解除され普段の姿に戻った
「勝てたのはクリスちゃんのおかげだよ!」
「だからやめろって言ってんだろ!?い、いいか!わたしはお前たちの味方になった気はない!私はただフィーネとの決着をつけてやっと見つけた本当の夢を果たしたいだけだ!!」
「夢!?クリスちゃんの!?どんな夢!?聞かせて!!」
「う、うるさいバカぁ!!お前、本当に馬鹿!!」
戦闘の後なのに三人の顔には笑いがあった
その三人の後ろの空間に突然切れ目が現れ・・・昇が現れた
「っはぁぁぁぁぁぁ!疲れたぁぁぁぁぁ!!」
ガラスが割れるような音と共に昇も元の姿に戻っていく
「蒼月!?無事だったのか!?」
「勝手に殺さんで欲しいですねぇ!!」
本気で疲れた
ワープしてはさすらいの狐になって傘をぶっさして、また道を失った乗客になって逃げてっていう戦法をしてようやく殲滅できた
「クリス、助かった。ありがとな」
「……別に。借りを返しただけだ」
そっけない返事。
だが、さっきまでの殺気はもうない。
「なあ、クリス」
昇は軽く笑って、何でもないことのように言った。
「この際だからさ。本当に味方になれよ。どうせ一人なんだろ?」
「……は?」
クリスの目つきが一気に険しくなる。
「なんだそれ。説教か?それとも――」
一歩、踏み出して昇を睨む。
「自分の母親にでもなったつもりか?」
昇は一瞬きょとんとする。
「……は?」
「へっ。どうせ綺麗事並べるんだろ。『一人じゃない』とか『帰る場所がある』とかよ」
唇を歪めて、吐き捨てるように言った。
「……お前の“母親”の顔、見てみてぇよ」
その瞬間――
昇の表情から、ほんの一瞬だけ、力が抜けた。
「……ああ」
そして、静かに言う。
「俺、親いないんだ」
「……」
空気が、止まる。
クリスの瞳が揺れた。
怒りでも皮肉でもない、戸惑いの色。
「……は?」
「子供の頃の事故で両方とも目の前でな」
昇は肩をすくめる。
沈黙。
クリスは視線を逸らし、拳を強く握った。
「……じゃあ、お前も……」
同じだ。
その言葉を、クリスは口にしなかった。
「……なのに」
クリスが、ぽつりと零す。
「なんで……そんな、平気そうなんだよ」
怒鳴るでもなく、責めるでもなく。
純粋な疑問だった。
昇は少し考えてから、空を見上げた。
「平気ってわけじゃないよ」
そして、柔らかく笑う。
「たださ。俺には……響たちがいた」
胸の奥に、温かいものを思い出すように。
「一緒に笑って、怒って、泣いて。守りたいって思える奴らがいてくれたから」
少しだけ、声が優しくなる。
「だから今の俺がいるんだと思う」
「……」
クリスは何も言えず、黙り込む。
昇は一歩近づき、軽く背中を押した。
「今からでも遅くない」
驚いて振り向くクリスに、昇は言う。
「響と、友達になっとけ」
「な――!?」
「面倒見いいし、真っ直ぐだし、放っといたら勝手に距離詰めてくるぞ」
冗談めかして笑う。
「……お前、何様だよ」
「通りすがりの、お節介な月様さ」
肩をすくめる昇。
クリスは、しばらく黙っていたが――
やがて、ふいっとそっぽを向いた。
「……考えとく」
それだけ言って、背を向ける
昇はその背中を見送りながら、そっと息を吐いた。
(……了子さん)
脳裏に、あの言葉が蘇る。
――“あなたは、彼女たちのそばにいるべき存在じゃない”
胸の奥が、じくりと痛む。
(……俺は、本当に)
(響と、一緒にいていいのか?)
笑顔のまま、昇はその問いを胸の奥に押し込めた。
空には、まだ月が淡く残っていた。
ピリリピリリ
すると通信機から音が鳴った
「はい、立花で——」
『響!?リディアンが!?ノイズに襲われて——』
どうも九章をクリアした作者です
尊さが致死量に達して泣きそうです
おかしいですよね?良秀村が焼かれるのを覚悟していたらグレおじ村とシンクレア村が焼かれたんですけど?
以下、九章全体の感想なのでネタバレしたくない人はブラウザバックしてください(かなり汚い言葉で書くのと行き詰まった人は通ってください)
上編
・え、今回の舞台ってリンバス本社なん?え、襲撃されてますやん
・てか、ヴァルとまぁまぁやり合ってる親指すげぇな
・強!?え、道を失った乗客と女王と妖精ってこんなに強かったかっけ!?
・お、ウアジェドがようやく来たか。マジで金だけはアホみたいにあんだな。てか、エセローランクソ強くてワロタ
・うわ、なんこの派手な鎧を着た子。てか、出血が鬱陶しい!?小指の子はマッチがエグいけどコッチは殴ったら面倒くせぇ!?
・ハァ・・・ハァ・・・な、なんとか初見で倒せた・・・ん?なんだ?薬指の子の鎧が外れて・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
エッッッッッッッ!!(エチチッボ!!)
でもこの子、薬指なんだなぁ(突然の冷静化)
中編
・あーら、このメガネの子、かわよー♡あ、新入社員か。気の毒だなー、まぁ、都市の企業なんてクソなところがほとんどか
・うわ、派手でキモい奴が歩いてんだけど。絶対、上編の薬指のお偉いさんやん。・・・あれ、これ結構やばくない?
・あら、可愛い子じゃん。どこから来たの?(恐怖)。え、パパ?え、なんか豪快な中指が廊下で暴れてんやけど
・衝撃ムカデ戦 くそ!死ねよ!?さっさ死ねよクソが!?(シンプル暴言)、何度耐えるんだよクソが!?
・紅炎蛾戦 マッチが!?マッチが高すぎて勝てん!?火傷痛い!?割と運ゲー!?
・ハァ・・・ハァ・・・に、二度と出てくんじゃねえぞクソ蝶。俺はソラちゃんのアワアワを見て癒され・・・え、人差し指?(絶望)しかもE.G.O持ち!?。おい、プロムン!?増援は!?あ、俺たちだけでやれと?(混乱)
・だからぁ!?ピピ様ってなんだよぉ!?あと、ダンテが新しい力に目覚めたけどなにこれ
・(戦闘中)おう!?なんの光!?え、なんこのイケメンメガネ?うわ強!?
・あ、シーン変わった。まだかくれんぼしてんの?見つかったら死ぬだろこれ
・うわ、赤い方の花をくれないやつじゃん。おいおい、死んだわアイツ
・パパ来た!?一撃で綿花潰した!?
・あ、真珠だ!二撃で死んだ!?
・メガネくん間に合ったー。あ、特色なの?そりゃ、強いわ
・良秀ママなにこれ!?切り傷みたいなのが痛いんだけど!?うわ、全滅した!?
・(編成をレイホンムルソー、ウアジェドウーティス、赤目良秀に変えた)強ぇ!?レイホンムルソー強ぇ!?
・子供を金庫の中に隠したのか・・・・・・あれいなくね?中の引っ掻き傷えぐくね?
下編
・へー、ここが蜘蛛の巣かー、テンション上がるなー
・お、出たなアルビナちゃん。打撃が弱いのはわかってるからな。速攻で終わらsエッッッッッッッ!!(エチチッボ!!) ⦅色欲完全共鳴⦆
・アリサさん!?自爆しないでよ!?しないでよ!?(念押し) え!?ちょ、ま、止まれ!?あぁぁぁぁぁ!?
・お、次は中指のか。っはー、やっぱ親方の方はメガネくんに任せてコッチは子供の方をやるしかないか。・・・なんか、メガネくんだけでよくね?俺たちいらなくね?
・あ、エセローラン!あ、なんかスルーされて良秀ママ戦になった・・・
・親指戦 戦う前から酒飲んでるよこの人(回想閲覧後)うーん、それなりに愛着?はあったんだな。それはそれとして子分にはDVしてたんかよ
・・・・・・え、グレおじ・・・・・・・・・なに、その腕?
・(場面は薬指戦へ)アリサさんが!?死んじゃう!?マートンと同じになっちゃう!?あ、ホーエンハイムさん!?ま、まさか大鳥E.G.Oを暴走させる気か!?・・・屈折!?をぉ!!マエストロの頭にぃ!?決めたぁぁぁぁぁ!!
・シンちゃ!?なんか大きくなってる!?うわ、クソ強!?抽出コインってなに!?広範囲破壊不能コインを打ち消した!?。
あとなんか攻撃の最後にベヨネチチって言っているキガス!!
・あらあらまぁまぁ!?ヒヨコみたいな子が鷲みたいに立派になるのはおじさん大好きだなぁ!!・・・・・・・・・ん?なんか結構不穏なこと言ったな
・中指戦 こ、コイツ!?自分の娘ごどやりやがった!?中指の教えはどうなってんだよ教えは!?
・(パッシブとかに書かれている文を読んだ)なんなん?なんかリカルドが良いやつに見えてくんだけど?
・グ、グレおじ?な、なんだよその姿?
・と、とりあえず戦うか・・・ヴェルがマッチ負けした!?!?!?!?
ちなみに作者はゴキブリ王戦がガチでわからず4回ほどコンティニューして諦めてふて寝して攻略した(抽出コインは囚人でマッチすることと狐雨ヒースが本当に役にたった)
・は、はぁ、はぁ・・・や、やばいだろ。ヴェルを本気にしつつ600シールドを剥がすとか。翼の決戦兵器?なんつうもんを作ってんのあのババァ!?
・・・え、良秀ママって・・・・・・アラヤちゃんなの?
・(回想閲覧後)ッッッッッッッすーーーーーー、だハァァァァァァァ!?
・なんでアラヤとヨシヒデに救いがないんですか?(電話をかける現場ネコ)
・良秀!?え、鎖を切るって・・・
・つんよ!?子とはいえソラとサムライみたいなやつを蹂躙した!?あと、切った時に音も切れている感じがあってめっちゃスコ
・(9-49クリア後)・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・ッッッッッッッ!!(特大の泣き声)
・もうさぁ・・・演出が神すぎるんよ
・よぉ、エセローラン。けりをつけようじゃないか。あ、furioso!?え、ちょ、助けt
・(戦闘後)・・・・・・そうか、お前もお前で愛そうとしたのか。でもよぉ、もうちょっとこう・・・やっぱ、指令ってクソだわ
エピローグ
・おパウ?え、なんか、めっちゃ侮蔑されてない?
・おーう、鞘が黒から白になってまぁ
・リアン、女装未亡人おじさんのバッドエンドの最後やらなくてええやん
感想
神っす
はい、それだけです。毎回、プロムンは前の章を超えてくるな
それはそれとして誰か『アラヤとヨシヒデが都市のどこかで仲良く暮らしているストーリー』を誰か書いてくれないかなー?塩見ヨルは超ツンデレおばあちゃん枠として出して欲しい(願望)
母親のヨシヒデには嫌味とか言いまくるけど孫のアラヤにはこっそりお菓子あげてたらしているおばあちゃん枠で出して欲しいなー?