幼馴染たちが美しく歌う中、俺は哭き叫び狂い堕ちる   作:零城

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アクナイコラボが25日ですね
みなさん、チケットと狂気はありますか?作者はチケットなし、狂気3000ほどで死にそうです。助けてください


第六話 帰宅

ノイズ排除後、響は私立リディアン音楽院へ連れて来られていた。

 

「なんで・・・学院に?」

 

暗い廊下。重たい手錠をつけられたまま、教員に挟まれて中央棟を進む。

エレベーターの扉が閉まると、天井から補助用の取っ手がにゅっと現れた。

 

「さ、危ないから捕まってください」

 

「え、危ないって・・・」

 

 

ガコン

 

 

「ギャァァァァァァァァァァ!?」

 

鈍い落下音とともに、箱は急降下。胃が浮き、視界がぶれる。

やがて制動がかかり、扉が開いた先には――学院の地下とは思えない広大な空間が口を開けていた。

降り立った瞬間、耳をつんざくような音。

 

 

パンパカパーン!!

 

 

「ようこそ!人類守護を掲げる特異災害対策機動部二課へ!!」

 

クラッカーと拍手。部屋の奥には【熱烈歓迎!立花響さま⭐︎】の横断幕。

司令官らしき男は黒のシルクハットにステッキという、完全に“歓迎パーティ”の出で立ちで待ち構えていた。

 

「・・・へ?」

 

あまりの展開に口が閉じない響。隣で翼は眉間を押さえ、やれやれと肩を落とす。

 

「さぁ!笑って笑って!」

 

了子がスマホを構え、響とツーショットを決めにくる。

 

「ち、ちょっと!?手錠したままなんて悲しい思い出残っちゃいます!そ、それになんで皆さんは私の名前とか知っているんですか?」

 

「我々、二課の前身は大戦時に作られた特務機関なのでね。調査もお手のものなのさ」

 

ステッキをくるりと回した男――風鳴弦十郎が、花に変える手品まで披露する。その横で了子が、見覚えのあるバッグを持ってきた。

 

「あぁ!?私のカバン!?」

 

「ごめんね〜?可憐な少女の鞄の中を探るのは少し罪悪感があったけど許してね♡」

 

ほどなく手錠は外され、響はソファへ通される。

ここが“特異災害対策機動部二課”――学院地下に秘匿された本部だと説明がはじまった。

 

「まず俺の名前は風鳴弦十郎!ここの責任者をしている!!」

 

「そしてぇ?私がぁ?出来る女と評判の桜井了子。よろしくね」

 

改めて対面する二人。

赤いスーツ越しでも分かる屈強な体躯、背も高い――それが弦十郎。

白衣に赤縁のメガネ、茶髪をまとめた理知的な雰囲気――それが了子。

歓迎ムードは派手だが、空気の奥には“実戦部署”の緊張が確かに漂っていた。

 

「あ、こちらこそよろしくお願いします」

 

「君をここに呼んだのは他でもない協力を要請したいからだ」

 

「協力?・・・あ!」

 

すると響の脳内に走る先ほどの光景

自身の心臓が光り、その後に謎の鎧を身体に纏ってノイズを偶然とはいえ倒した瞬間

 

「教えてください!あれは一体なんなのですか?」

 

「あなたの質問に答えるためにも二つばかりお願い事があるの。最初の一つは今日のことは誰にも言わないこと。そしてもうは一つは・・・」

 

と了子がいうと響を抱き寄せる

 

「とりあえず脱いでもらいましょうか♡」

 

「だ、だからぁ・・・なんでェェェェェェ!?」

 

響、本日3回目の悲鳴をあげたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ただいまぁ」

 

その後、響は解放され未来のいる部屋に帰ってきた

あの後、検査やらなんやらで脱がされたまま身体中をペタペタ触られたりと今日は色々なことがありすぎて疲れたのであった

 

「響!?こんな時間までどこに行ってたの!?」

 

奥から部屋着姿の未来が出てくる

 

「・・・ごめん」

 

と制服のままうつ伏せで部屋の中で倒れる響

 

「昇も何か言ってよ」

 

「・・・え、昇?」

 

と顔を上げた響の目線の先には未来のスマホがあり、そこにはテレビ電話でつながっている昇の顔があった

 

『よっほー響!こんな時間までどこ行ったんだよバーカ』

 

「え、の、昇!?」

 

響は慌てて起き上がり身だしなみを整える

 

『ったくよ、なに未来を一人にさせてんだよ』

 

「あ、や、こ、これには理由があって・・・」

 

『まーた、人助けか?』

 

「あ、え、えっと・・・」

 

画面の向こうではやれやれと呆れる昇

ふと今日あったことを話そうとしたが

 

【今日あったことは誰にも内緒よ】

 

了子の言葉を思い出し思いとどまった

 

「な、なんでもない・・・」

 

『?そうか?』

 

「・・・私はなんでもなくない」

 

ポツリと未来が言い出す

 

「響の帰りが遅いから・・・本当に心配したんだよ?」

 

「ごめん・・・でもありがとう」

 

『・・・本当に心配してたんだぞ未来は。今日、近くでノイズが発生したってニュースで出てたからな』

 

「・・・ちゃんと心配してくれるの未来と昇だけだよ」

 

響は未来に抱きつき一緒にスマホを覗き込む

 

「私にとって未来は陽だまりなの。未来の側が一番暖かくて私が絶対に帰ってくる場所なんだから。これからもずっと・・・」

 

『・・・・・・』

 

いや、夫婦かよっとツッコミたかった昇だが微笑んだまま胸の奥へしまうことにした

 

「・・・もう、響ったら」

 

『・・・お熱いなぁ、お二人さん』

 

と笑う昇だが少し胸が痛む

 

「・・・それに!未来が陽だまりなら昇はお月様!」

 

『つ、月?』

 

「うん!どんなに暗いとこでも必ず来て道を照らしてくれるから!」

 

『・・・まぁ、別にいいか』

 

頭をかく昇だが満更でもなさそうだった

 

「・・・あ、そういえば昇」

 

『どうした響?』

 

「・・・2年前のあの事件のことまだ覚えている?」

 

『・・・忘れるわけないだろ』

 

「・・・そっか」

 

『なんで今更、あの時のことを?』

 

「え、えっと・・・なんとなく・・・」

 

『・・・そうか。ま、なんかあったらいつでも助けを呼べよ?地球の裏からでも助けに行ってやる!!』

 

「・・・ありがとう昇」

 

えへへっと笑う響を最後にテレビ電話を終了した

 

 

________________________________________________

 

 

「・・・さてと」

 

その頃の昇は――とある山に来ていた。

べつに誰かを殺して死体を埋めに来たわけではない。ただの運動だ。

 

「まずは走るか」

 

リュックの胸・腰ベルトを締め、駆け出す。

中身は錘。およそ六十キロ――人ひとり分に近い重量が、背中にのしかかる。

 

土の香り。丸太の段差。息を上げるたび、肩へ食い込むベルトが皮膚を焼く。

登って、下って、また登る。足裏の土が崩れ、脛に泥が跳ねた。

痛みはある。だが、止まらない。

 

なぜ、ここまでやるのか。理由は単純だ。

――『響を泣かせないため』。

 

二年前の映像は、いまも脳裏で勝手に再生される。

押し潰される人。炭になって崩れる影。

そして、響の胸に突き立つ欠片。膝から落ちていく身体。指先が届かない距離。

 

「ふぅ!ふぅ!ふぅ!」

 

吸って、吐く。数えて、また走る。

【体を鍛えて、何が起きても生き残れる体になる。そして、絶対に響を助ける】――

事件のあと、昇が自分に刻んだ信念だ。

 

それからの時間配分は単純になった。

響と未来に会う時間と、学校の用件。残りはすべて鍛錬に振り分ける。

効率を上げるために、自衛隊式の体力づくりの動画や資料を片端から見て、反復。

「普通は無理」「不可能」――そんな言葉は、最初の一週間で捨てた。なら、俺の答えは『()()()()()()()()()()()()()()()

できるまでやる。できるようになるまで、回数を足す。

 

荷重走。坂ダッシュ。休まずスクワット。

息が荒れて視界が狭まっても、足だけは勝手に前へ出る。

背中の六十キロは重い。だが、“届かなかった手”に比べれば、軽い。

 

木陰の風が少しだけ汗を冷やす。

呼吸を整え、また一歩。

今日の目的はただ一つ――次に来る“もしも”を、力ずくでひっくり返すために。

 

「っかはぁ!!」

 

タスクをひとつ終えるや、間を置かずに腕立てへ移行する。

背中にはまだ荷重走の余韻が残っていて、肩がじんじんと鳴っていた。

 

こんな頭のおかしい練習を積み重ねた結果、昇の体は目に見えて変わった。

身長は一七五センチを越え、筋肉も――特殊部隊ほどではないにせよ――一般人と比べれば明らかに「持っている」側へ。

体幹が利き、手首の返しひとつで地面の弾みが伝わってくる。

 

「・・・ふぅ」

 

規定回数を終え、ようやく水筒の蓋を開ける。喉へ水が落ちる音が、やけに大きい。

飲み干してから荷物をまとめ、息を整えつつ遠くを見た。

 

「・・・俺にもあの力があればな」

 

脳裏に浮かぶのは、二年前に見た“謎の鎧”。

それがあったからこそ、奏と翼は炭にならず、ノイズを打ち倒せた。

あれは何だったのか。幻か、夢か――答えは出ない。

 

「・・・幻想でもなんでもいい。二度とあんな事を起きても対応できる力がほしい!」

 

ノイズに恨みがあるかと聞かれたら、『ない』とは言えない。

だが、憎んでも意味はない。意思疎通が通じない相手なら、感情を注いだところで空回りするだけだ。

それでも、あの二人は違っていた。“不可能”だと思っていた相手を、確かに倒す力。

時間を作って図書館とネットを漁ったが、手がかりは出てこない。落ち込む夜もあった。

それでも、どこかに可能性はある――そう信じて、歩く

 

「・・・しかし、月っかぁ」

 

ザックのベルトを締め直し、山道を下りはじめる。

ふと見上げた空には、よく研がれた刃みたいな満月が浮かんでいた

 

「別に嫌じゃないけどさ・・・俺なんかが響の道を照らされるわけないだろ」

 

先ほどのテレビ電話で出てきた昇は響にとってのお月様だという発現

 

「・・・笑えるな。俺の方が照らしてもらっているのにな」

 

少しだけ昇の顔が曇る

全ては【立花響を普通の学生として、普通の女の子の人生を送ってもらう】ためにやっているのにさっきの電話の時の響の顔が妙に気になる

響は隠し事が得意ではない

少しでも詰めたらすぐにポロッと言ってしまうほどまっすぐな性格だ

 

「・・・」

 

何故だろう。すごく心が落ち着かない

なんか響が遠くに行ってしまいそうだ

 

「・・・もし、この世界に本当に神様がいたらとしたら・・・俺がどうなってもいいから響を幸せにしてほしいものだ」

 

 

________________________________

 

 

 

 

一方の特異災害機動部二課

響が帰った後は後片付けをし、いつもの部屋に戻っていた

部屋の中央には弦十郎と了子と数名のスタッフが何か話し合っている

 

「・・・了解した。広木防衛大臣の来訪に備えて準備もしておく」

 

弦十郎は響を迎えた時のフレンドリーな感じではなく指揮官らしく色々と仕事をしていた

 

「・・・しかし、我々は広木防衛大臣のお陰で我々の要望や政府から守ってもらっていたりとしていたが・・・やはり、別々にするべきだったじゃないか?」

 

「あら?U()N()K()N()O()W()N()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことがそんなに心配?」

 

2年前のあの事件の前に二課にデュランダルと共に輸送された完全聖遺物【UNKNOWN】。少しでも情報を集めようと二課以外の研究機関にも回してみたが同じように不明で終わってしまったのである

 

「・・・あぁ、警備の数も通常より倍になっているとはいえ心配だ」

 

「ふふ、大丈夫よ。それに、UNKNOWNは完全聖遺物にしてはフォニックゲインが少なすぎるから、狙うような輩はいないわよ。実は完全聖遺物じゃなくて天羽々斬と同じような欠片ではないかっていうのが私たちの見解だからね。・・・・・・・・・まぁ、例え本当に普通の聖遺物だとしても出力が弱すぎるけどね」

 

「・・・だが、念には念を出す。周囲の監視カメラの整備と何かあった時用の即応部隊も編成しておこう」

 

と着々と進む計画。しかし、その裏では様々な野望が渦巻いていたのだ

 

 

 

 

 

 

そして、この輸送計画がUNKNOWNと昇の最悪の出会いをするとは夢にも思わなかった




Xに黒獣シンクレアに卵を産ませるとかいう調律された方がいい気がする概念を見てしまった作者です

やっぱ、魔弾の射手とか絶望の騎士のようなビジュアルが良すぎる幻想体は強いなやっぱ
アンケートは今回で締め切りとさせていただきます。投票、ありがとうございます

主人公が最初になる幻想体はー?(制御出来ていないとする)

  • 魔弾の射手
  • 道を失った乗客
  • 死んだ蝶の葬儀
  • さすらいの狐
  • 赤ずきんの傭兵
  • 歌う機械
  • 絶望の騎士
  • オズシリーズ(ランダムで出す)
  • 黒い森の3羽(ランダムで出す)
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