幼馴染たちが美しく歌う中、俺は哭き叫び狂い堕ちる   作:零城

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えー、物語の都合上しばらく響が主役な回が続きます
ごめんなさい


第七話 シンフォギアとは

――響が二課に連行された翌日。

 

終業のチャイムが鳴り、教室から一気に人が流れ出す。

廊下では部活の掛け声、運動部のシューズ音、吹奏楽のチューニング。夕方の色が机の天板を斜めに撫でていく。

 

「ビッキー!」

 

呼ばれて顔を上げると、友人が駆け寄ってきた。

 

「これから【ふらわー】に行くんだけど行かない?」

 

“ふらわー”。駅前のお好み焼き屋。

――昇がバイトしている店だ。

 

「駅前のお好み焼き屋さんで美味しいって評判があるそうなんですよ」

 

誘いに心が揺れる。けれど、今日は――。

 

「・・・あ〜、今日は用事があって無理かなぁ」

 

「もー、また呼び出し?」

 

苦笑いを返す。ほんとは行きたい。

でも、二課に顔を出さなきゃならない。

 

「あんたって、アニメみたいな生き様をしているわね」

 

「仕方ない、じゃぁまた今度誘ってあげるね」

 

友人はあっさり引き下がり、すぐに身を乗り出した。

 

「でも本当にいいの?【ふらわー】ってビッキーの幼馴染がバイトしている場所でしょ?」

 

「ま、まぁ、昇とは最近テレビ電話しているからいいかなーって」

 

「お、まさか未来っている最高の妻がいるのに不倫ですかー?」

 

「ち、ちょっと!?昇とはまだそんな関係じゃないよ!?」

 

「・・・まだ?」

 

「あ、ち、ちがうから!?昇と未来は私の大切な幼馴染なんだから!!」

 

自分で口火を切ってしまい、さくらんぼ色に頬が熱くなる。

友人は肩をすくめ、別の子が会話に滑り込んできた。

 

「でもぉ・・・昇君って特別イケメンじゃないけどイケる男よねぇ」

 

「そうそう!前なんて大人数で行ったのにテキパキと椅子とか机を整えてたし!!」

 

「主張はせずに影から支えているって感じよね」

 

褒め言葉に、胸の奥がくすぐったくなる。

――行きたい。でも今日は、やることがある。

 

「それに!昇君ってサービス精神もあるよね!」

 

「そうそう!この前、もう一回行った時にツーショットしてもらったんだ!」

 

「どれどれ。お、綺麗に撮れてんじゃん!」

 

友人がスマホを差し出す。画面には、和やかに笑う友人と、困惑しながらも口角を上げる昇。

制服の袖口から覗く前腕は思ったより締まっていて、厨房の熱気がそのまま写真に焼き付いているみたいだった。

 

「おおー、昇君って案外鍛えてんだね」

 

「でしょ!!」

 

「・・・・・・」

 

写真をのぞき込んだ響と未来――二人とも、目に光がなかった。

理由ははっきりしているはずなのに、胸の内側に刺さったのは形のわからない痛み。

“昇を褒められて嬉しい”はずが、鼓動の速さだけが裏切る。

 

「・・・どうしたの?ビッキー?」

 

沈黙に気づいた友人が、心配そうに覗き込む。

 

「・・・それ、消してくれない?」

 

「え、え、どうして?」

 

いつもの向日葵みたいな笑顔は消えて、響の顔から色が抜けていた。

自分でも違和感に気づいたのか、慌てて言葉を継ぐ。

 

「あ、え、えっと・・・こ、今度行った時にちゃんと撮りたいなーって!!」

 

苦しい誤魔化し。それでも、笑顔の形だけは戻す。

 

「・・・そろそろ行こ?」

 

「う、うん」

 

未来が空気を切り替えるように促し、友人たちは教室を出ていく。

扉が閉まる音が遠ざかり、残ったのは響ひとり。

 

「・・・はぁ、私ってやっぱり呪われてるのかな」

 

天板に両手をつき、息を細く吐き出す。

そのとき、教室後方の扉が静かに開いた。青い気配――翼が入ってくる。

翼を見るなら緊張が走る

 

「・・・あなたを重要参考人として二課本部まで同行してもらいます」

 

と、ガチャとまたゴツい手錠をかけられる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それではぁ!先日のメディカルチェックの結果発表!」

 

連れてこられた先には了子がいた

昨日の検査の結果によると響の初めてのシンフォギアの起動による負荷は残っているが異常はないとのことだった

 

「・・・ほぼ異常はない、ですか」

 

「そうよね。まず貴方が聞きたいのは他にあるよね?」

 

「あの力はいったいなんなのですか?」

 

響自身もずっと気になっていたことだった

 

「まず聖遺物について話そう」

 

すると翼が首にかけてあるネックレスを取り出した

ネックレスの先には緋色に輝く宝石のようなものが吊るされていた

 

「天羽々斬。翼が持つ第一号聖遺物だ」

 

「聖遺物?」

 

「聖遺物とは世界各地の伝承に登場する現代は製造不可能な異端技術の結晶よ。多くは遺跡から発掘されるけど経年劣化が激しすぎて破損してるのが多くてかつての力を出せるのは本当に貴重なの」

 

「この天羽々斬は刃の欠片。ごく一部に過ぎないんだ」

 

「欠片にほんの少し残った力を増幅させて解き放つ唯一の鍵が特定新譜の波動・・・つまり【歌】よ」

 

「・・・歌?」

 

「歌の力によって聖遺物は起動するんだ」

 

そういえばと思い出す

先日の初めて聖遺物を起動する時も胸の奥から歌が出てきた

 

そして説明は次々と続けられる

歌の力で活性化した聖遺物をエネルギーにしてから鎧状に纏ったのが【シンフォギア】と言い、聖遺物は誰でも起動できるわけではなく【適合者】というのがあるらしい

 

「あの!全くわかりません!!」

 

「・・・だろうね」

 

後ろにいたスタッフが呆れる

 

「し、しかし私はその聖遺物なんて持ってません」

 

すると部屋のディスプレイにレントゲン写真が出てくる

それは先日、響が撮影したものであり心臓付近に金属のような破片があった

そしてフラッシュバックを起こす。悲鳴をあげ逃げ惑う観客、崩れる会場、助けに来た昇、そして奏の槍の欠片が高速で昇と響に迫り昇を助けようと響が押した瞬間に心臓に刺さる瞬間を

 

「これがなんなのかわかるな?」

 

「は、はい!これは2年前のあの場所で出来たんです!」

 

その言葉に後ろにいた翼が動揺する

 

「・・・手術でも摘出不可能な無数の破片。調査の結果、かつて奏ちゃんが身につけていた第三号聖遺物【ガングニール】と判明したわ」

 

了子が悲しそうに言い翼は絶句し顔を青ざめていく

 

「あの・・・この力のことを誰かに話してはいけないのでしょうか?」

 

「・・・すまないがそれはダメだ。シンフォギアはノイズに人類が対抗できる唯一の手段だ。それ故、各国もシンフォギアの技術を欲しがっている」

 

「・・・言ってしまったらそれを目的に誘拐とか起きてしまうから言ってはダメよ?」

 

それを聞いて響の頭の中に幼馴染の未来と昇の顔が走る

 

「貴方に秘められた力はそれほど貴重で重要なのよ」

 

「俺たちは機密を守りたいのではない。だからこそ、改めて協力を要請したのだ立花響君」

 

「わ、私の力で誰かを助けれるのですよね?」

 

「ああ」

 

「・・・わかりました!」

 

響は決意した

この力があればノイズからみんなを守れるかもしれないと

響の心の中には笑って帰りを待っている未来と・・・昇の顔が出てくる

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの!翼さん!!」

 

その後、響は正式に二課と協力することになった

そのことを翼に報告しようと廊下に出て休暇スペースにいた翼に会いにいく

 

「私、戦います!」

 

響は嬉しそうに、元気よく言う

 

「慣れない腕でありますが頑張ります!一緒に戦えればと思います!」

 

「・・・」

 

と響は右手を差し出し握手をしようとするが翼は顔を逸らし冷たい顔をする

 

「あ、あのぉ・・・」

 

すると施設全体に警報が鳴った

 

『ノイズの出現を確認!』

 

「本件は二課が預かると一課に伝えろ!」

 

司令室では弦十郎が指示を出しスタッフたちは自分の役目を果たそうとしている

 

『発生位置は・・・ここより200mのところです』

 

「・・・近いな」

 

「迎え撃ちます」

 

場所が判明すると翼はすぐさま駆け出す

響もそれに続こうと走り出す

 

「君はまだ!?」

 

「行かせてください!シンフォギアの力がないとノイズは倒せないんですよね!?行かせてください!」

 

響はそれだけ言うとすぐ振り返り翼の後を追った

 

「危険を承知で誰かを助けにいくなんて良い子ですね」

 

「・・・しかし、翼のように幼い頃から戦士として鍛えられたわけではなくこの間まで一般人として過ごしてきた少女だ。誰かを助けになるというだけで命をかけた戦いに赴くことなど歪なことだ」

 

「つまり、あの子も私たちと同じ【こちら側】ってことね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外では避難警報が鳴り響いていた。

住民は避難所へと走り、一部は――不幸にもノイズに捕まり、炭へと変えられていく。

 

「・・・・・・」

 

封鎖された幹線道路。警察の規制線の内側には、翼とノイズだけが残る。

空気は乾き、遠くのサイレンだけが細く伸びている。

 

ノイズは翼を視認すると、合体を始めた。

小さな個体が溶け合い、輪郭が崩れてはまた重なり――やがて巨大な緑色のトカゲへと変貌する。皮膚はガラス質、頭部にはヒレ状の装甲。

 

 

『Imyuteus amenohabakiri tron〜♪』

 

 

翼が歌い出すと、胸元のペンダントが緋色に発光。

光が全身を駆け、瞬き一つの後――白い刃と蒼の装甲【天羽々斬】を纏った風鳴翼がそこに立っていた。

 

グォォォォォォォォ!!

 

トカゲ型ノイズが咆哮。

次の瞬間、頭部のヒレが分割され、ミサイルのように連射される。弾道は低く速い。着弾すれば路面ごと抉られる軌道だ。

 

翼は慌てない。

足首を返して重心を切り替え、鳥のような軽い跳躍で弾道の内側から外へ抜ける。

回避の最中、足部ユニットからブレードが展開――カシン、と短い解錠音。

 

迫る一発目。

翼は踏み込み→ひと薙ぎ。白刃が軌跡を残し、ヒレ弾は空中で二つに割れて霧散する。

 

二発、三発――連続。

翼は横に舞い、縦に断ち、回転で払う。

切断された破片は位相を外れて消滅し、路面には一つの傷も残らない。

 

最後の一射が低く潜る。

翼は踵で跳ね上げるように斬り上げ、そのまま着地。ブレードが小さく鳴り、風だけが後を追った。

 

道路上に立つのは、蒼い装甲の歌姫ただ一人

振り向きざま、翼は刀身を大剣へと展開。そのまま斬り伏せにかかろうとした――が。

 

「たぁぁぁぁぁぁ!!」

 

上空から、【ガングニール】を纏った響が落ちてくる。

ライダーキックの軌道。赤い残光を引き、トカゲ型ノイズの横面へと直撃。

 

「翼さん!!」

 

「ッ!!」

 

呼び声に、翼は即応。

大剣を振りかぶり、踏み込み――

 

【蒼ノ一閃】

 

青の線が一筋、世界を割った。

巨大なトカゲは縦に両断され、遅れて爆散。

合体していた個体も連鎖的に消え、路面には蒼い装甲の翼と、赤い槍の響だけが残る。

 

「翼さん!私、今は足手まといだけど一生懸命頑張ります!だから・・・私と一緒に戦ってください!!」

 

「・・・そうね」

 

ようやく返ってきた言葉に、響の頬がほころぶ。

次の瞬間、翼は構えを切り替えた。白刃の切っ先が、真っ直ぐに響を指す。

 

「・・・貴方と私、戦いましょうか」

 

「・・・へ?」

 

蒼の刃に、響の顔が小さく映る。

風が一度だけ通り過ぎ、静寂が戻った




就活頑張っている作者です

N社良秀が出てきたけどさぁ・・・剣でイサンの弾丸を弾いて広範囲攻撃とかずるいってカッコ良すぎるって(←凶弾イサン未所持)
読者のみんなに聞きたいけど、凶弾イサンの運用方法を教えてほしい

今回も新しいアンケートを取ります
実は前の感想にてロボトミのセフィラ抑制時のセフィラたちも出して欲しいとあって作者自身も良いアイディアだと思ったのですがどう出すか迷うので読者の皆様に投票で選んでもらおうかと思います

あと、5000UA行ってて驚きました。ありがとうございます

セフィラ抑制のやつ、どうしてほしい?

  • ガッツリ出す
  • オマージュ程度で出す
  • 出してほしくない
  • どっちでもいいから就活に専念しろや
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