LOG HORIZON ログ・ホライズン×世界樹の迷宮 〜始まりの翼〜 ※現在更新停止中 作:Fate.Lapin
CHAPTER1 現実の終わり
【エルダー・テイル】。MMORPGの一つであり、20年もの人気を誇る、オンラインゲームである。それは、あくまで『ゲーム』のはずだった…。
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『…?』
鮮烈な光、ただその記憶しかない。数刻前までPCの前に座って、エルダー・テイルをプレイしていたはずなのに、今感じているそれは、現実であるはずのない現実であった。
全身を覆う黒色の鎧、巨大な砲剣。いわゆる、中二病をそのまま現実に投影したかのような装備。頬に感じる風、湿り気を帯びた空気、鼻腔をくすぐる草木の香り。都会生まれ、都会暮らしの彼にとって、どれも体験した事のないものばかりである。
『もしかして…。』
彼の頭はこんな事態になっても不思議と澄み渡っていた。
彼の脳内で導き出された答えは一つ。ゲーム世界への転移であった。
『鎧にしても、槍にしても、ゲーム時代に愛用していた物と同じ物だし…、それにこの風景は…。』
彼には見覚えがあった。ここはヤマトサーバー最大のプレイヤータウン、アキバである。【神代】と呼ばれた時代に放棄されたビル群、絡みつくツタ、生い茂る樹木。見れば見る程アキバにしか見えない。
『他のプレイヤーは!?』
エルダー・テイルは日本だけでも10万人がプレイしている。それだけプレイ人口がいるのに、この異常事態が自分にだけ適応されているとは考え辛い。そう考えた彼は、街の中心部に向かって駆け抜けて行った。
『なんなんだよ!一体何が起きたんだよっ!』
街の中心部に向かうに連れて、そんな怒号が耳に入り始めた。この状況に冷静さを失ってしまっているのだろう。一人が叫べば周囲にも苛立ちが波及していく。
『運営!聞いてるのか!なんとかしてくれよ!おい!』
『これからどうすればいいんだよぉ…。クソッ…。』
悲嘆する声も聞こえる。そんな声に耳を塞ぎながら、顔見知りとよく集まっていた中央広場に向かった。
『ラスティ!お前生きてたのか!』
『勝手に殺すなよ…。全く変わらないな、シドウは。』
うしし、とイタズラっぽい笑い声をあげてラスティの肩を叩く少年、名をシドウという。職業は施療神官《クレリック》。生粋の回復職である。
(こんな状況でも陽気に笑い声なんかあげられるんだから、さすがシドウ、だな。)
憎まれ口を叩きながらも、ラスティは心の中では彼を尊敬していた。昔からの仲だから、恥ずかしくて言えやしないが。
『そーゆーお前も、装備全く変わってないのな。天黒の騎士鎧に、雷電砲剣《イカズチ》。現役の頃のまんまじゃねえか。』
ラスティは砲剣士《インペリアル》である。近・中距離の攻撃を得意とし、主に前衛に立って戦闘を進めていく職業である。
『昔話はいいから、とりあえず街を出よう。こんな雰囲気の所にいたら頭がおかしくなりそうだ。』
了解、と、短く返事を寄越したシドウを連れて街の外に出ようとしたその時。
『おいおい、兄ちゃん達ィ?ちょーっと付き合ってもらえるかなぁ?』
新たな災難が彼等を襲うのであった。
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