LOG HORIZON ログ・ホライズン×世界樹の迷宮 〜始まりの翼〜 ※現在更新停止中 作:Fate.Lapin
詰め込みに詰め込んだ結果、とんでもなく長くなってしまいました(´・ω・`;)
楽しんでもらえれば嬉しいです!それでは本編です!どうぞ!!
これは、シロエがアキバのギルドに円卓会議設立における招集をかけるより、幾日か前の話である。
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ここは、ギルド〈記録の地平線〉のギルドホール。そこに五人の冒険者が集まっていた。〈記録の地平線〉のマスター、シロエ。メンバーの直継、にゃん太。そして〈三日月同盟〉のマスター、マリエールと、メンバーのヘンリエッタである。
『それじゃ皆揃ったから始めるね。まずは今日は集まってくれてありがとう。マリ姐、ヘンリエッタさん。』
『ぜぇ〜んぜんっ、構へんよっ。いつもシロ坊には世話になっとるしな!』
『私達で何か役に立てる事があるのでしたら、微力ながらお力添えさせて頂きますわ、シロエ様。』
マリエールとヘンリエッタが口を開く。そんな二人の様子を見て、シロエの事を信用しているんだなぁ、と直継は思ったのだった。
『今日集まってもらったのは他でもない。前に話をした、500万枚の金貨の事なんだけど…。その資金の調達を、マリ姐達〈三日月同盟〉にお願いしたいんだ。』
シロエの口から出た言葉は耳を疑うものであった。そもそも〈三日月同盟〉は相互の互助を図る、サポート系中小ギルドである。お世辞にも大きいとは言えない〈三日月〉に、500万枚もの金貨を無心するのはさすがに酷ではないかと直継は思った。
『…シロ坊?さすがに…全部は…。ウチはそこまで大きないギルドやし…、前にも言ったやん?集められても100万が限界やねん。』
『確かに500万枚全部は厳しいですわ、シロエ様。』
〈三日月〉のお財布担当のヘンリエッタが言うのだから、確かなのだろう。現にマリエールの青ざめた表情がそれを雄弁に語っていた。
『シロエチ、まさか全額マリエールさん達にもたせるわけでは、ないですにゃ?』
にゃん太が落ち着いた声でシロエに問いかける。
『そうだぞシロ。マリエさん達に全部用意させるなんて、そんなの全く紳士じゃないぜ祭りだ!何とか出来ないのかよシロ!』
直継も重ねて問う。シロエは気圧された様な表情を浮かべながら、話を続ける。
『ちょっ、待ってよ皆。まだ話は終わってないって。僕だってマリ姐達に全額持たせるなんてそんな事しないよ!』
シロエが必死に弁解する。そしてズレたメガネの位置を直しながら、口を開いた。
『だから、マリ姐達に稼いで欲しいのは金貨50万枚分だけで良いんだ。』
『…シロ?お前、《だけ》って言うけどよぉ…。俺らみたいにやりこんでても良いトコ5万枚前後しか金貨無いんだぜ?それをマリエさん達に稼いでもらうって、一体どういう事なんだ?』
そこで直継が質問を挟む。それに待ってましたと言わんばかりにシロエが切り返す。
『そこで役立つのが…これだ。』
それは一同見覚えのある書物だった。
『これは…《料理》の方法が書いてあるやつやんね?』
『うん、これに書いてある料理の作り方を使ってマリ姐達にお金を集めてもらいたいんだ。』
『?どういう事なんだ?シロ。』
『ようするに、シロエチはこの方法を使って何らかの飲食店を立ち上げようとしているんだにゃ。アキバの皆は味のある料理を食べた事が無いから、凄い勢いで売れると思いますにゃ。』
にゃん太がシロエの説明に補足を入れる。
『では、シロエ様は私達のギルドにいる〈料理人〉の子達を使って資金調達を計画している、という事ですわね?』
『そういう事になりますね。』
(マリ姐の無意識の笑顔は…、人を惹きつけるにはもってこいの天性の才だから…ね。)
シロエは心の中で独り言ちる。
『でもでもっ!材料とかはどうするん?てか何作るか決めてあるのん?』
マリエールの疑問はもっともだった。そもそも何を作るかも分からないのに資金を調達してくれなんて、即座に首を縦に振れるものでもないのだろう。ヘンリエッタも難しい顔をして、マリエールと同じ事を考えているようだった。
『計画しているのは…軽食。いわゆる片手で手軽に食べられて、なおかつ僕達に馴染み深いもの。ハンバーガー、なんていうのは、どうかなって思ってるんだけど…。』
『それ賛成っ!むっちゃ賛成祭り!!』
直継が即座に反応する。ハンバーガーと聞いてテンションが上がってしまったのだろう。そんな直継の様子を見てマリエールも
『ほんなら、ポテトとかもつけなあかんね!サイコーやんか、ハンバーガー!元の世界の物で商売できるんや、皆喜ぶでぇ!』
と、ご満悦の様子である。
『確かに…それなら皆も手軽に食べられますし、下手に気取った料理を作るよりずっと良いかもしれませんわね。さすが真っ黒クロエ様、ですわね。』
ヘンリエッタが揶揄する様に賞賛(?)する。
『それなら材料を仕入れなければいけないですにゃ。とりあえず、アキバにある大手生産系ギルドの方々に、声をかけるところから始めましょうにゃ。』
『盛り上がった雰囲気の中でも、冷静に指摘をいれてくるっ。さすがにゃん太班長だぜ!!』
そんな事ありませんにゃ、と否定するにゃん太である。
『とにかく班長の言う通り、材料の調達もしなきゃいけないからね。その交渉もマリ姐達に頼んでいいかな?』
『えぇっ。ウチらが交渉っ!?ウチ、そんな事した事あらへんよ?やり方もわからへんし…。』
『マリ姐は笑ってて。とにかく、笑顔を忘れないでくれればそれで構わないから。実務はヘンリエッタさんにお任せして構いませんよね?』
『リアルでは会計士ですからね。付け焼き刃程度の知識しかない私ですが、マリエよりかは幾分マシに出来ると思いますわ。お任せくださいクロエ様。貴方の真っ黒な計画に、不肖ヘンリエッタも参戦させていただきます。』
イタズラっぽく笑うヘンリエッタに、シロエは頭が痛かったが、不思議と悪い気はしなかったのも事実である。
『それじゃそっちはよろしく頼むよ、マリ姐。』
『任しときっ。失敗せえへんように頑張るでぇ!』
元気良く返事を返してくれるマリエールに安心しながら、その日の集まりは解散となった。
『なぁシロー。そういやちみっこはどこに行ったんだ?』
『アカツキならハーメルンのメンバー達の動向を探る為に斥候を担当してくれてるよ。サブ職〈追跡者〉だしね。隠密行動には、現状アカツキが一番向いてるんだよ。』
『ふーん。あいつ、ちみっこなのに頑張るよなっ。ああやって頑張ってるちみっこ見ると応援したくなるぜ祭り!』
『あのさ…あんまりアカツキの事ちみっこちみっこ言うのは良くないんじゃ…。』
『なんでだよ。別にちみっこはちみっこなんだからちみっこちみっこ言っても構わない…。』
直継が全部を言い切る直前に、シロエの真横を一陣の黒風が駆け抜けて行く。それは迷いなく真っ直ぐ直継の方に突撃していき
『ちみっこちみっことお前は何度私の事を愚弄すれば気が済むのだバカ直継!!!』
一声叫ぶと共に鮮やかな飛び膝蹴り。恐らく直前まで〈クイックアサルト〉を発動させていたのだろう。その勢いを殺さぬままに直継に蹴りを食らわせたのだ。直継の痛みは計り知れない。武器を出したまま飛び膝蹴りを食らわせていたら衛士が来ただろうが、アカツキは小器用に蹴りのヒットする直前に武器をしまっていた為、衛士の防衛システムに引っかからなかったのだろう。
(…まぁ、直継が散々アカツキの事言ったのが、そもそもの原因なんだけど…。)
シロエとしては、同情すべきなのかどうか、非常に複雑な心境なのだった。
『おまっ、なんで武器出してたんだよ!ここ戦闘禁止区域だろうが!なんで衛士来ないんだよ!ちみっこ!牢屋行け牢屋!』
『お前こそ牢屋に行くべきだバカ直継。日頃から公衆の面前で恥ずかしい言葉をペラペラと…。挙句私の事を愚弄しているんだ。極刑に値する!牢屋行きはお前だ直継!!』
ギャーギャー言い合う二人を横目に、シロエは
(あぁ…。なんか僕空気だな…。)
などと、少し切ない気持ちになるのであった。
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口喧嘩する二人をなんとか諌めて、ギルドに戻ったシロエはアカツキと情報交換した後に、マリエール達に依頼した店舗の立地場所、店の規模、店舗名、どの様な商品を販売するか、そしてその商品名、値段などの相談をしていた。
『とりあえず店舗名だよね。これが無いと始まらないし、顧客が覚えやすい店舗名の方が良いと思うんだ。それと店舗の規模。立地場所に販売する商品の名前と値段に…って挙げるとキリが無いけどね。』
『店の名前はマリエさんとこのギルド名とかを取れば良いんじゃねえの?』
『意外とマトモな意見するのだな、バカ直継。』
意外は余計だっ、何を言うかっ、また小競り合いが始まりそうな雰囲気になりかけたので、シロエが話を続ける。
『そっ、それでね。マリ姐達のギルド名から取るっていうのは考えてるんだ。でも〈三日月同盟〉だとそのまんますぎるから…。』
『そのまんますぎるから…?どうするのだ?主君。』
直継を蹴り一撃で沈黙させたアカツキが問いかけてくる。
『だからね。ギルド名を英訳した物にしようかな、と思ってね。』
『なるほど。それなら見栄えもするし響きも良さそうだな。』
『…ぞれならいいんじゃないが?』
鼻を抑えながら直継が参戦してくる。余程ハデに蹴られたんだろう。顔の中心が赤くなっている。
『まぁベタだけど、三日月を英訳して〈軽食販売クレセントムーン〉なんてどうだろう?』
『『…。』』
しばしの沈黙の後
『良いんじゃねえか?』
『うむ。私は賛成だ、主君。』
『ふぅ…、良かった。二人が太鼓判を押してくれた事だし、ヘンリエッタさんにも伝えてくるよ。』
それじゃ、そう言い残すとシロエは執務室を後にする。
『…。』
アカツキはだんまりを決め込んでしまった。先程の散々な言われ様を根に持っているのだろう。
『…おい、黙り込んでないで何か話でもしようぜ、ちみっこ。』
雰囲気を変えようとした直継はつい禁句を口にしてしまった。この後直継がどうなったかは想像するに易いだろう。
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『はい、はい。なるほど。では店舗名は〈軽食販売クレセントムーン〉という事で…。はい、分かりましたわ。店舗の立地場所はどうなりまし…。』
ガシャン、ガシャン、ドッゴーン!!!
『!!!』
『ちょっと二人とも!!頼むから僕の部屋で暴れないでくれ!!くっ…、書類がぁ…!せっかくまとめた書類がバラバラになっちゃったじゃないかぁ!!!』
『バカ直継がいけないのだ、主君!私の事をまたもちみっこと揶揄したのだからな!!』
『だからってお前…、ちょっ、危ねえ!回し蹴りまでサービスしなくても良いだろっ!』
『自業自得だっ!天誅の前におとなしく裁かれろバカ直継!!!』
『痛え!マジで痛いからやめろって!!』
『…シロエ様?大丈夫ですか?何やら大変そうな感じですが…。』
『すみません、ヘンリエッタさん。後ほど追って連絡するので、少しお時間を下さい…。』
『は、はぁ…。』
それから数分後…。
『本当にすみませんでした…。』
『いえいえ、お気になさらないで下さいませ、シロエ様。別に私は何も聞いてませんからね。』
『お気遣い、痛み入ります。』
『ところで…あのお二人は?』
『手荒い様ですが、一時的にギルド内の戦闘行為を許可に変更して、僕の〈アストラルバインド〉で二人を別々の部屋に縛ってあります。』
〈アストラルバインド〉。《付与術師》が有する補助魔法の一つで、目標にした敵を拘束し移動を制限する、行動阻害魔法である。普通、冒険者を対象にして使用する魔法では無いのだが、状況に応じて柔軟な対応が求められるのが《付与術師》の、《参謀》としてのシロエの矜恃だった。
『あまりひどくしないであげてくださいね?』
『大丈夫ですよ。所詮行動阻害のみしか効果はありませんからね。二人を隔離するにはもってこいなんですよ。』
本当、二人には困ったものです。クスッと笑いながらシロエは言う。困るとは言いながらも、二人を大事に思っているのが良く分かる、そうヘンリエッタは感じた。
『では先程の話の続きといきましょう?クロエ様?』
『…ヘンリエッタさん?その呼び方、もしかして気に入っちゃってるんですか?』
『さて?どうですかね?』
ヘンリエッタはシロエの反応を楽しみながら、資金の調達ルートの計画、クレセントムーンの販売戦略などを、シロエと共に企てて行くのだった。
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シロエとヘンリエッタによる、(真っ黒)計画立案会議の数日後、マリエールとヘンリエッタの二人はあるゾーンの一室にいた。今日はここに客人が来るのだ。
『なぁ、ヘンリエッタ。ウチ、この交渉上手に終わらせる自信無いねんけど…。』
マリエールが不安気な声でヘンリエッタに話す。そんなマリエールを励ます様に、ヘンリエッタは言葉を重ねる。
『大丈夫ですわ、マリエ。貴方は笑っていてくれれば良いと、シロエ様も仰ってたでしょう?』
マリエールは良く分かっていない様だったが、ヘンリエッタにはシロエの言葉の真意が分かっていた。彼女のヒマワリの様な笑顔は周りを自然とリラックスさせるのだ。相手を警戒させずに事を進めるのに、もってこいの才能なのである。本人は自覚が全く無いようだが。
(貴方のその笑顔で…今回の交渉の成否が決まるのですわ、マリエ…。)
そんな事を考えていると
『?どないしたん、ヘンリエッタ?』
『きゃっ!…ゴホンッ。何でもないですわ。とにかく!今日は一日笑顔で!それだけ忘れないでくださいませ、マリエ?』
そう言うと、二人は押し黙る。ヘンリエッタは口ではマリエールにああ言ってはいるが、自身もかなり緊張していた。しかしそれは、決して嫌な感覚ではなく、どちらかと言えば良い感じであった。
(こんな私でも、アキバの為に役に立てる…。手腕を振るう事が出来るなんて…。こんなに素晴らしい事はありませんわ!)
『すみませーん、〈第8商店街〉のマスター、カラシンです。』
『同じく〈海洋機構〉のミチタカだ。』
『〈ロデリック研究会〉のロデリックです。』
『…はい、どうぞ。お入りください。』
そうして、息を吸い込むマリエールとヘンリエッタ。二人の戦いは、これから始まるのだ。
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『つ…つ…疲れたで〜…。』
『ふふっ、本当にお疲れ様ですわ。マリエ。』
結果として二人の交渉は成功した。ハンバーガーやフライドポテトに使う材料や、500万枚必要な金貨の内、450万枚分を大手ギルドから引き出す事に成功したのだった。その報酬として料理の方法を記した紙を作戦成功の暁に譲渡する、という条件付きでだが。
(まぁ先方が〈作戦〉の意味を、大規模クエストと勘違いしてくれて助かりましたわ…。)
『何はともあれ成功したんや!梅子!今日はシロ坊達呼んでお祭りしよ!な?な?』
『はいはい、お祭りですわね。というか、本名で呼ばないでと言ってるじゃありませんか。』
作戦が成功したからだろう、いつもなら本名で呼ばれたら怒鳴るヘンリエッタも、幾分物腰が柔らかい。
『さて、それでは残りの50万枚を私達で集めましょう。そうすれば晴れて任務達成ですわ!』
『そやね!頑張って残りの金貨集めよ!ウチらもシロ坊の役に立ちたいからね!』
そうして二人は〈皆の待つ家〉に戻るのだった。
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マリエールとヘンリエッタが金策を立ててから数日後、シロエから店舗設立のメドがたったとの連絡が入った。
『…はい、はい。あ、了解ですわ。はい、それでは。』
『ヘンリエッター?どないしたん?』
『シロエ様からですわ。店舗の建設が終了。販売用の制服も〈裁縫師〉の皆様の突貫作業のお陰で完成。メニュー表も、予備の材料も、必要な物は全て揃いましたわ。』
『そこでウチらの出番っちゅー訳やな!』
『その通りですわ。なんでも私達の《女子力》に賭けているとかなんとか…。』
『ふぅん。シロ坊も面白い事言うんやね!』
カラカラと笑いながらマリエールが言う。そんな事を話している折、シロエからの念話を知らせる鈴の音が脳裏に響く。
『はい、シロエ様。はい、はい。では、手はず通りにという事で…、はい。マリエは大通りに面した1番販売所ですね。はい、分かりました。では。』
『シロ坊、なんて?』
『マリエはアキバの中央通りのそばにある店舗担当だそうです。早く行かないと開店に間に合わない…とも、仰ってましたね。』
『何やて!?そんなら早よ行かんと〜!!ここからだと全力で走らんと間に合わへんよ〜!』
泣きそうになるマリエールを励ましながら、大通りに向かってヘンリエッタは走る。大通りまでマリエールを送り届けた後、売り上げ情報管理などを一手に担う為、ヘンリエッタに出来る事に全力を尽くす為にギルドへと戻ったのだった。
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『それじゃ、〈クレセントムーン〉の絶賛大繁盛を祝して、乾杯や〜!!』
マリエールの音頭と共に、祝勝会が始められた。ヘンリエッタがギルドへと戻ったあの後、〈軽食販売クレセントムーン〉は味付き料理の衝撃をアキバ中に与え、最後まで大盛況のまま惜しまれつつその幕を下ろしたのだった。たった四日間の開店だったが、なんと目標の50万枚の金貨を集めるという目的を、達成する事に成功したのだった。
『今日は無礼講やっ。皆、ドンチャン騒いでってなー!』
(目的の額も達成出来ましたし、これで憂いなくハーメルンへの制裁に全力を注げますわね。)
マリエールの笑顔を横目に見ながら、ヘンリエッタは思慮に浸っていた。シロエが稼いだ多額の金貨をどの様にして使うのかは、ヘンリエッタの想像の及ぶ所では無い。
(まぁでも、あのクロエ様の事ですわ。きっととんでもない使い方をしてくれるのでしょう。それまで、私達の出る幕はありませんわね。)
アキバの夜はまだ深い。それでも、彼女達〈三日月〉がアキバに惜しみなく提供した〈料理〉は、街の人々の心に確実に輝く何かをもたらしたのだった。
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『…主君?マリエールさん達の所に行かなくて良いのか?』
『うん。僕の出る幕でも無いしね。アカツキこそ、行かなくて良いの?』
『あそこには…、ヘンリエッタさんが…。』
(あぁ、そうか。ヘンリエッタさんの事、苦手なんだっけ。)
可愛い物に目が無いヘンリエッタは、アカツキもその対象として認識したらしい。初対面の時から、物凄いベタベタ度であったところからも明らかだった。
『ところで、集めた金貨は何に使うのだ?主君。』
『んー、詳しいところまでは言えないけど…。まぁしいていうなら、多かれ少なかれアキバのギルドに影響のある使い方になると思うよ。ハーメルンだけじゃなくて…ね。』
月夜に照らされたシロエの顔は青白く光っていたが、彼の中に静かに燃える使命感の様な物を、アカツキは確かに感じ取っていた。
(私は…、主君の忍。主君の影なのだ。主君の進む道が光に満ちた物になる様に、私も全力で主君を支えるから…。それがどんな結果になったとしても…。)
小さな少女もまた、自らの心に言い聞かせる様に決意を固める。こうして、各々のアキバの夜は更けていったのだった。
いかがでしたか?楽しんでいただけましたか?
クレセントムーンの話を入れ忘れたから急に時系列ずらしてぶち込んだとか口が裂けても言えないのであります←
私としては早くてとらを出したいんですが、この速度だとまだまだ先になりそうです笑
マリエールの関西弁も、読者様で関西弁に詳しい方がいらっしゃったらアドバイスお願いします!
それでは次回会いましょう!