LOG HORIZON ログ・ホライズン×世界樹の迷宮 〜始まりの翼〜 ※現在更新停止中 作:Fate.Lapin
一週間振りの投稿ですね笑 バレンタイン特別企画はいかがだったでしょうか?楽しんでいただけましたか?
今回から第三章ということで、マジメに執筆していきますよー!←
それでは本編レッツゴー!!
CHAPTER1 決戦前夜
状況は極めて悪い。狭い洞窟の地下道で、近接職である盗剣士《スワッシュバックラー》に間合いを詰められているのだ。彼らのギルドマスターは暗殺者《アサシン》ではあるものの、《スナイパー》と呼ばれる遠距離攻撃を専門とするビルドの為に、距離を詰められるとなかなか手を出す事が出来ないのだ。それを察知したディンクロンは、背中に嫌な汗が流れるのを感じた。
(どちらにせよこのままあの訳の分からない盗剣士に、ウィリアムを攻撃させっぱなしにさせる訳にはいかないっ。)
『皆!ウィリアムを援護だ!!』
そう叫ぶやいなや、メンバー全員が臨戦態勢に入る。当事者であるディンクロンはその間を駆け抜け様に一声吼える。
『〈アンカーハウルッ〉!!』
〈アンカーハウル〉。守護戦士《ガーディアン》の使用する特技であり、裂帛の気合を用いて敵の注意を引き付ける〈タウンティング〉と呼ばれるタイプの特技である。守護戦士の発する気合を一度でも無視しようものならば、その無防備な背中に強力な一撃を受けることになる。そう、受けるはずなのだ。
『ふん、所詮は非力な挑発特技か。』
ゼキアと呼ばれた男がおもむろに援護歌の詠唱態勢に入る。息を吸い込むと
『〈虚無のラメント〉。』
静かに告げ、歌う、唄う。その瞬間、ゼキアが奏でる悲哀の旋律によって、ディンクロンの〈アンカーハウル〉は効果を打ち消されてしまった。
『なっ…!?』
ディンクロンは驚愕の色を顔に浮かべる。当然だ。絶対防御を誇るはずの守護戦士の挑発特技を打ち消しえる職業など、存在するはずがないからだ。
『ありえないっ。何故だ!』
苛立たしげにディンクロンは叫ぶ。しかし激化する戦場において、その声が届く事はなかった。その間にも浮世が隙を見つけては反応起動回復〈リアクティブヒール〉を、東湖が障壁魔法を、エルテンディスカが強力な一撃をマキナと呼ばれた女に叩き込もうとしている。
『かぁーっ、燃える!燃えるよ!君達の体から滲み出る〈共感子〉に!そんだけ素晴らしい流れの持ち主なのに、邪魔してくるなんてねぇ。実に残念だよ!』
狂気にも似た笑顔を浮かべながらそれでも突剣を振るう手を止める事はしない。熱に浮かされた様なマキナを見て、ウィリアムの様子が一変する。
『…あんま舐めた真似してっとなぁ。』
『ん?何かな?何か言ったかな?』
剣を振るうのに夢中なマキナは、ウィリアムの様子が変わった事に気付けない。
『あんま舐めた真似してっとなぁ、はっとばすぞコラァ!〈アサシネイト〉ッ!!』
そう叫ぶと、矢筒に収めていた愛用の矢、神水晶の鏑矢《クリスタル・コメット》を手に取り、鏃をマキナに打ち据える。思わぬ反撃をされたにも関わらず、それを食らうことなくマキナは後方に回避する。
『ふぅん、強いね。このまま押し切れるかなぁって思ったんだけどね。』
まぁ、いいや。そう呟くと、再び剣を取る。次は一体どんな攻撃をしてくるのか。警戒した〈シルバーソード〉のメンバーは、またも臨戦態勢に入る。
『無駄だよ?君達はもう《闇》に堕ちるんだからさ。とりあえず君達の持っている〈共感子〉…、全部もらうね?』
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そう呟くと、マキナの双剣が眩く輝き始める。その輝きに魅入られる様に、〈シルバーソード〉の面々は身動きが取れなくなる。
『君達は死なない訳なんだけど…、まぁ冥土の土産に教えておいてあげる。私達は、貴方たちとは違う。
〈自動翻訳機能〉でも翻訳されない言葉。それを神妙な声で話すマキナだったが、その間にも剣の輝きは増して行く。そしてその輝きが最大限に達した理解した瞬間、ディンクロン達〈シルバーソード〉の意識は途切れていた。
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ここはアキバ。MMORPG《エルダー・テイル》における、プレイヤータウンの一つである。その街の中に一つのギルドがある。ギルド〈記録の地平線〉だ。その執務室でクタクタに疲れ切って机に突っ伏していたのは、このギルドのマスターである、シロエだ。
『うー…。布石は敷いた…。敷いたけどもさぁ…。敷くまでの過程が疲れたよさすがに…。』
世間では腹黒メガネなどと呼ばれてはいるが、実際はこんな感じに普通なのだ。人並みに疲れ、不平を言い、机に突っ伏す。自分にとってはごく普通の事なのに、他人がこの状況を目にすると驚くのだ。
(明らかに僕に対するバイアスじゃないか?これ。僕って世間じゃ人間扱いされてないって事なのかな…?)
グルグルと巡り始めたシロエの思考を遮るかの様に執務室のドアが開かれた。
『おっじゃましまーす!シロエいるかー?』
『シドウ様…。もう少し礼儀を弁えた行動をとっていただけませんか?』
『ま、まぁまぁ。そんなに角を立てるなって、セルア。お邪魔してるよ、シロエ。』
あ、うん。どうぞ。机に突っ伏しながら気の無い返事を返すシロエ。完全にグダりモードである。その彼の頭上に、音も無く近づく影があった。
『主君?客人が来ているのだぞ?もう少しちゃんとするべきではないか?』
『うわぁ!?あっ、アカツキ!?』
忍び寄っていたのは暗殺者のアカツキだ。音も無く近づく辺り、日頃から行っているのかも知れないとラスティは思ったのだった。
『と、ところで、今日は何の用で俺達を呼びつけたんだ?』
突如乱入して来たアカツキによって、話しかける機会を逸してしまったが、なんとかラスティは滑り込ませる。
『あ、えーっとね。つい先日〈円卓会議〉が無事設立した訳なんだけど…。それと並行して行ってきた作戦があったよね。』
『〈ハーメルン〉の解散…ですね?』
シロエの問いにセルアが答える。
『そう。〈円卓会議〉の設立ももちろんなんだけど、本題はそっちなんだ。そこでラスティ達に解散作戦に参加して欲しいんだ。』
『もち!参加するぜ!!』
ラスティが答えるより早くシドウが返事を返す。もちろんラスティも参加するつもりだったので、異論は無いとシロエに伝える。
『そう言ってくれると助かるよ。じゃあ三人それぞれの配置なんだけど…。まずはシドウ。君は回復職だから前線に出てもらうというよりは、逃げてくる初心者冒険者のサポートをして欲しい。』
『合点承知!任せな、完璧な回復でサポートしてやるぜ!』
力こぶを作りながら力強く宣言する。
『そしてラスティとセルアさん。二人は〈ハーメルン〉に所属してる、この騒動の元凶を叩いて欲しい。出来るだけ血は見ない様にしたいけど、いざとなったら覚悟しておいて欲しい。〈ハーメルン〉内部は戦闘行為を許可しているみたいだからね。』
『分かった。』
『承知しました。』
二人はそれぞれ返事をする。そこにアカツキも手を上げ
『私とバカ直継も同行する。よ、よろしく頼む。』
緊張しているのか、目を背け、顔を赤らめながら挨拶をする。そんなアカツキにラスティは
『うん、よろしくね。アカツキさん。』
『お役に立てる様、頑張ります。よろしくお願いしますね。』
ラスティの挨拶に、セルアも被せて挨拶する。
『よし、それじゃあ作戦の決行は明日の昼だ。彼らが初心者冒険者のレベリングを行うのと同時に攻めるよ。』
『了解!!』
『よし、頑張ろう。』
『腕がなりますね。』
〈ハーメルン〉の解散と初心者冒険者の救出。未だかつてない大掛かりな作戦に、ラスティは胸の高まりを隠せないのだった。
いかがでしたか?ゼキアとマキナの二人の謎に、これから徐々に迫っていきますよ!第三章も楽しんでいってくださいね!ルビ振りの方なんですが、気が向いた時にぽちぽちやっていくので、今回振られてなくても次話では振られてるかもしれません笑 その辺りご承知下さい笑
それでは今回はこの辺で。See you next time!!