LOG HORIZON ログ・ホライズン×世界樹の迷宮 〜始まりの翼〜 ※現在更新停止中   作:Fate.Lapin

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どうも皆さんこんにちは!Fate.Lapinです!!えー、はい。本当にお久しぶりになってしまい申し訳ありませんっ!!日が開き過ぎて感覚が鈍ってしまって汗 本編お楽しみ頂けるかあまり自信がございません…汗
とりあえずは本編です!お読みくださいませ!Let's Go!


CHAPTER2 救出、そして出逢い

夜闇の中、少女は床に横たえさせた体を起こす。雑魚寝である為、体の疲れは全く取れない。それでも彼女たちにはここしか居場所が無いのだ。

(でも…それも今日で終わるかも…。ううん、終わるんだ。シロエさんなら、きっと…。)

『ミノリちゃん、肩に力入りすぎ。そんなに気張らなくても、私達は脱出に集中すれば良いんでしょ?』

ひそひそ声ではあるが、しかし力強い声でミノリに耳打つのは吟遊詩人〈バード〉の五十鈴だ。それに重ねる様に話しかけるのは

『そうだよ、ミノリ。きっとシロエ兄なら上手くやってくれるって。だから、俺達は脱出に集中しようぜ?』

ミノリの弟であるトウヤだった(ちなみにトウヤはミノリを妹としてみている)。

『うん、そうだよね。シロエさんならきっと…。』

ミノリは信じる。〈エルダー・テイル〉のイロハを教えてくれた、尊敬するシロエなら必ず助けてくれると。そうして、彼女達の夜は明けようとしていた。

 

 

 

 

+++

陽は昇り、青空が見え始めた頃、アキバの街にあるギルド会館前に、冒険者が集結していた。

『さて、メンバーの確認も済んだし…。あとは彼らが出てくるのを待つだけだね。』

冒険者達の先頭に立ち、指揮を執るのは《腹黒メガネ》として名高い《記録の地平線》のシロエだ。

『なんだか緊張してきました…。』

ややすぼみ気味な声でポツリと呟くのは忍者《シノビ》のセルアだ。

『なんだぁ?セルアビビってんのか?』

煽る様にセルアを挑発(?)するのは施療神官《クレリック》のシドウだ。その言葉にカチンときたのだろう、即座にセルアが反応する。

『今回シドウ様は前線に出ませんからね。だからそんなに余裕なのでしょう?前線に出るとなるとそんなに気丈に振る舞う事など出来なくなるハズです。』

必死に弁解するセルアを援護するかのように、ラスティも続ける。

『まぁ今回は場合が場合だからね。無理はないよ。緊張してるのは多分、セルアだけじゃないと思うし…。』

周囲を見渡すと、《記録の地平線》所属、暗殺者《アサシン》のアカツキの姿が見えた。引きつった様な顔をしているのは気のせいではないだろうと、ラスティは感じた。

『そうだぜ。なんたっていつも冷静沈着(笑)なちみっこが緊張してるんだ。誰だって緊張しても仕方ない祭りだぜ?』

軽い調子で皆を鼓舞しつつアカツキを煽る(?)のは、同じく《記録の地平線》所属の守護戦士《ガーディアン》の直継だった。

『…バカ直継。今私の事をバカにしなかったか?』

『いんや?別にぃ?』

そんな二人のやりとりを見ていると、ラスティ達一行は、緊張が自然と解けていくのを感じた。視線を移すと、 シロエが誰かと念話をしていた。

『皆、聞いてくれる?そろそろ彼らが訓練に出るらしい。立ち回りはこの前話した通りにお願いするよ。僕とシドウさんはエントランスにいるから、ギルドホールに逃げ込んでくる初心者冒険者の子達を、4人で援護してあげるんだ。出来るよね?』

『当然です。』

『任せてくれ。』

『御意だ。』

『やってやるぜ祭り!』

各々が決意の言葉を述べ、作戦成功に向けた意思表示を済ませる。そしてシロエが眼鏡を煌めかせ、呟く。

『アキバの大掃除…開始だ。』

 

 

 

 

+++

『おら!ちゃっちゃとしろ!チンタラしてんじゃねえよ!』

粗雑な怒鳴り声を背中に受けながら、ミノリ達は立ち上がり訓練に出る準備を始める。

(さっき念話でシロエさんに連絡したし…。この事は皆にも既に話してあるから、あとは隙をついて出れば大丈夫…。落ち着け、私。)

ミノリは、心のうちで何度も何度も唱えながら自らを落ち着けようとする。そんな妹を見ながら、トウヤ自身も作戦を成功させる為に努力を惜しむつもりは欠片も無かった。

『よし、それじゃあ出発だ。俺の後についてこい。』

そう言って、その冒険者は先に《ハーメルン》の応接室を後にする。しかしその後に続く者は誰一人としていなかった。その代わり慌ただしく出立の準備をする。装備が外れぬ様調整する者もいれば、荷物をまとめようとするもの。それを見てまとめるほどの荷物などないだろうと、置いていこうとする者もいた。その中でミノリが立ち上がり、声を張り上げる。

『皆さん、聞いてください。これから、前々から計画していた脱出作戦を実行します。とにかく、ギルド会館のエントランスに向かって走ってください。途中で援護人員の方々が助けてくれる予定ですが、どうなるかは分かりません。皆さん、油断しないでください。』

ミノリの静かな、だがしかし力強いその声に、周りの仲間達は勇気付けられる。そんなミノリを見て、五十鈴は憧憬の眼差しを向けていた。

(…凄い、ミノリちゃん。あれだけ慌ててた皆を一言でまとめ上げちゃうなんて…。私よりも年下なのにしっかりしてて…。)

『殿は俺が務めても良いか?ミノリ。』

職業が武士《サムライ》であるトウヤが最後尾に名乗りを上げ、一行はギルド会館のエントランスへと向かう。しかし現実は非情だった。なかなか出てこないメンバー達に痺れを切らし、先に出たはずの冒険者が戻ってきたのだ。ミノリ、トウヤ以外の全員は脱出した後だったが、その二人は見つかってしまう。

『お前ら一体何して…ッ!』

その言葉は途中で遮られる。トウヤが武士(サムライ)の固有スキル、百舌の早贄〈ラニアスキャプチャー〉を使用したのだ。対象の声帯を潰し、一時的に魔法の詠唱などを妨害する事が出来るのだ。この場合、魔法詠唱をしようとしていた訳では無いが、牽制としては十分すぎる威力を発揮した。

『ミノリっ!早く逃げろ!』

『でっ、でも!トウヤはどうするの!?』

『俺の事は良いから…ッ!とにかく逃げろ!追っ手が来るだろ!!』

そう叫ぶ間にも、トウヤのHPはみるみる削られていく。声帯を潰したからと言って、体術系スキルの使い手には大した効果は期待出来ないのだ。それに加え大き過ぎるレベル差も原因だった。トウヤとその冒険者との間には20レベル以上の差があった。その間にも追っ手が増え、いつの間に3対1の混戦になっていた。そして新たに駆けつけた〈ハーメルン〉のギルドマスターである召喚術師《サモナー》が、一声叫ぶ。

『《デッドリィストーム 》!』

黒虫の群れがトウヤめがけ襲いかかろうとしたその時、ミノリの障壁呪文がそれを阻む。しかしやはり開き過ぎたレベル差の前に、水色の鏡は即座に弾け飛ぶ。それでも時間を稼いだその隙に、ギルド会館へと繋がるドアに体当たりするかの如く、二人は飛び込んでいったのだった。

 

 

 

 

+++

エントランスには、続々と初心者冒険者達が転がり込んできていた。シドウや〈三日月〉小竜が介抱するのを脇目に、シロエはまだ人数が足りない事に気付いていた。

『アカツキ、直継、ラスティ、セルアさん、少しいいかな。』

『人数が足りないのだな、主君。』

『可愛い女の子なんだろ?助けに行かなきゃだろ!』

『私達にお任せください、シロエ様。』

『一体何人なんだ?』

『…さすがだね、皆。うん、助けて欲しいのは二人。トウヤとミノリという二人なんだけど。頼めるよね?』

その言葉に四人全員が無言で頷く。そしてアカツキとセルアは自慢の高速移動で姿を消し、ラスティと直継は全速で走り抜けていく。その姿を見て、あの四人なら大丈夫だろうとシロエは思うのだった。

 

 

 

 

+++

なんとか〈ハーメルン〉のメンバー達の暴力から逃げる事に成功したトウヤとミノリは、ギルド会館のエントランスに続く廊下を、必死に走り続けていた。

『ハッ…ハッ…、ミノリ、大丈夫か?』

『うん、私は大丈夫だけど…ッ。ト、トウヤこそ大丈夫なの?』

『ミノリの回復呪文のお陰でなんとか大丈夫だぜ。ありがとうな。』

二人で支え合いながら廊下を疾走し続け、そこでトウヤが新たな冒険者を見つける。

『ミノリ、下がって。』

『う、うん。でも、あれって…。』

暗がりから姿を現したのは一人の守護戦士(ガーディアン)だった。

『お、トウヤにミノリ…だな。おーい、ラスティー。二人見つけたぞー。ちみっこコンビに連絡してくれー。』

『ちみっこって…、またそんな事言って…。アカツキさんに怒られるよ?トウヤ君にミノリちゃんだね?大丈夫、俺達は君達の味方だ。シロエに頼まれて君達を助けに来たって訳なんだけど…、残りの初心者冒険者は君達二人だけかな?』

その質問に二人は首を縦に振る。それを見て直継とラスティは明らかに安堵の表情を浮かべて破顔する。

『よし、じゃあエントランスに行こう。追っ手がいるんだろう?無駄な戦闘はしたくないからね。』

『おう、そうだな。俺も人対人は好きじゃねぇからなぁ。とにかく急ごうぜ祭りだな。』

そう言って四人は歩みを進めようとする。しかしその時

『貴様ら…!ナメた真似しやがって…!百回以上殺してやるから覚悟しやがれ!』

《盗賊》の声を皮切りに次々と冒険者が姿を現す。その数十五。

『はぁ…。やっぱこうなるのかぁ…。直継、二人を任せられる?』

『了解。やりすぎるなよな?』

分かってる、短く返すと背に回した武器を引き抜く。秘宝級の砲剣、雷電砲剣〈イカズチ〉である。腰だめに構えると、一気に距離を詰める。重厚な鎧を身に付けていながらのその速度に、〈ハーメルン〉のメンバーは反応が一瞬遅れる。その隙を突いてラスティが吼え猛る。

『《イグニッション》からの…《オーバードライブ》!! 』

その瞬間、〈イカズチ〉の剣先から膨大な魔力のエネルギーが溢れ出す。暴力的なまでのその威力に、周囲にいた冒険者は一瞬にして蒸発する。予想だにしないその威力に、周りにいた冒険者達は驚愕の色を隠せずにいた。しかしそれでも立ち向かってくる。

『テメェら!ビビってんじゃねぇ!暗殺者(アサシン)盗剣士(スワッシュ)!!こいつを叩き潰せ!!』

リーダーの鶴の一声により、メンバー達が一斉に襲いかかろうとしたその瞬間

『遅いな。』

『まだまだですね。』

飛燕の如き黒い影と、銀の旋風が戦場に舞い降りる。

『アカツキさん!セルア!』

『何をぼやぼやしているのだ、ラスティ殿。もっと頑張らなくてはダメではないか。』

『もっと倒してるかと思ったのですが…。そうもいかないみたいですね。』

(俺が使う特技は一発一発の再使用規制時間(リキャストタイム)が長いのに…。それ知ってて言ってるだろあの二人。)

心の中でぼやきながらも、二人の参戦に感謝するラスティであった。

『それじゃ、あとは任せても構わない?二人の方が俺よりも早く終わらせられるでしょ?』

『ええ、私は構いませんが…。』

『任せてくれて良いぞ、ラスティ殿。』

『それじゃよろしく。俺は先に戻ってるからね。』

そう告げて、ラスティはエントランスに続く道へと走っていった。

『どいつもこいつもナメやがって…!たった二人に何が出来る!?やっちまえ!お前ら!』

圧倒的な物量をぶつけてくる相手に、アカツキとセルアは溜息を吐く。

『じゃああの作戦で良いな?』

『了解です、アカツキ様。』

そして二人はバラけるように別々の方向へ走り出す。敵陣の中央にセルアが陣取り、二つのスキルを発動させる。

『〈忍術・分身〉。〈剣忍術・千斬の舞〉。』

次の瞬間、セルアの左右にセルアが出現する。そしてその分身を用いて相手を一気に殲滅する。〈剣忍術・千斬の舞〉は、単発での攻撃回数が多ければ多い程に威力が上昇する、いわば『フィニッシャー』と呼ばれる類の特技である。しかも分身によって更に威力が上昇している今、決め技として使用せずとも、十分過ぎる程のダメージを弾き出す。取り巻きの冒険者を一瞬で神殿送りにしてしまったのだ(レベル差があるとはいえ、だ)。

『ひっ…ひぃっ。』

その様子を見て、リーダー格である《盗賊》が情けない声をあげる。そしてその背後には

『…何故へたり込む?お前達がミノリ達にしてきた事は、これ以上の事だったろう?当然の報いだ。』

振り返った時にはもう遅い。既に飛燕の少女が、スキルの発動態勢に入っていた。

『〈フェイタルアンブッシュ〉。』

使用規制時間(キャストタイム)の長い攻撃故に、火力は高い。その一撃は、60レベルの装備をやすやすと斬り裂いた。

『が…ッ。』

溜まった息を無理やり吐き出させられた様な声を上げ、その《盗賊》は吹き飛ばされた。そして壁に体を派手にぶつけ、動かなくなった。

『主君、最後のブラックリストだ。名前はGo→Out。うむ、よろしく頼む。』

先程まで壁際で伸びていた冒険者が次に見やると姿を消していた。

『ふむ、登録が済むとゾーンの外に排出される訳だな。とりあえずこれで任務完了だ。残りの冒険者の名前も、前もって主君に伝えておいたから大丈夫だぞ。そ、その…。』

『?どうなされたんですか?アカツキ様。』

『そ、そのぅ…。今日は、その、感謝する…。』

『えぇ、私からも感謝させて頂きます。ありがとうございました、アカツキ様。』

そうしてどちらからともなく笑いあうのだった。

 

 

 

 

 

+++

その後、シロエによってブラックリストに登録された冒険者達は、ギルド会館への入館が不能になり、ギルドを解散せざるを得なくなった。事実上の〈ハーメルン〉の解散であった。〈ハーメルン〉を退会した初心者冒険者達の殆どが〈三日月同盟〉への入会を希望していた。どうやら小竜が救出作戦の際に、漢気を見せ過ぎたとの事らしい。それでも何人かは〈三日月〉ではない、別のギルドへの入会を希望したのだった。

『シロエさん!』

『シロエ兄ちゃん!』

『私達を』

『俺達を』

『『ギルドに入れて下さい!!』』

一つのギルドの終わりは、新たな仲間との出逢いの始まりであった。

 

 




いかがでしたか?お楽しみ頂ける内容になっていましたでしょうか?極力投稿日を空けないように努力しますので、どうか見捨てないで頂ければ幸いです。よろしくお願いします。それでは今回はこの辺りで。See you next time!
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