LOG HORIZON ログ・ホライズン×世界樹の迷宮 〜始まりの翼〜 ※現在更新停止中 作:Fate.Lapin
今回は前回のあとがきに書いた通り、バレンタイン番外編となっております!ストーリーに直接関係あるわけではないので、飛ばしていただいても大丈夫です笑
出来るだけキャラを出したかったのでまだ救出の終わってないミノリも出演させちゃいました笑
原作知らない方にとってはちょーっとネタバレ含んでるかも…?笑 ネタバレ御免!な方はブラウザバックよろしくお願いしますね笑
それでは本編です!どうぞ!
CHAPTER0 バレンタイン番外編!アキバのバレンタイン大騒動!
『突然だが主君。』
『本当に突然だね、アカツキ。』
『今日は何の日か分かるか?』
『…?どういうこと?』
『だっ、だから。今日は何の日か分かるかと聞いているのだ!』
『あ、そっか。そういえば今日はロデリックさんと定例の情報交換をするって約束してたんだ。すっかり忘れてたよ…。あれ?そういえば何でアカツキがその事を知ってるの?』
『〜〜〜!!』
アカツキが顔を赤くしてシロエを睨む。その視線に凄まれたシロエは
『ちょっ、なんで怒ってるのさ!』
訳を説明する様に頼んだが逆効果である。
『もういい!見損なったぞ主君!』
アカツキは〈陰行術〉(ハイドシャドウ)を発動させシロエの前から姿を消す。
『なんだったんだ…?僕、何か怒らせる様な事したのかなぁ…。』
アカツキに一方的に怒られたシロエは、困惑顔になるばかりである。その時、誰かが執務室のドアをノックする。どうぞ、と客人を通すとそれは
『あ、なんだ。班長だったの。』
『シロエチが昨日の夜からずーっと執務室にこもりきりと聞きましてにゃ。我輩、ゴロゴロのススメをしに来たのでありますにゃ。』
長身痩躯の猫顔の男性、名をにゃん太という。にゃん太に言われて窓の外を見やると、もう既に外は白みはじめていた。
『もう朝かぁ。全く時間が経つのは早いな。』
『シロエチ、それは我輩の様な年寄りが使うフレーズですにゃ。まだシロエチには早いですにゃ。』
フフッ、どちらからともなく笑い合う二人である。会話に一段落ついた所で、シロエは先のアカツキの様子をにゃん太に話す。
『さっき今日は何の日かって突然聞いてきてさ…。僕はただ今日の予定を話しただけなのに、それを聞いた途端怒ってどこかに行っちゃったんだよね…。何の事か分かる?班長。』
『それは…、そうですにゃ。しいて言えば、女性にとって一年で一番勇気のいる日…と言ったところですかにゃあ。』
『…?』
(ダメですにゃ。完全に何の事か分かってないみたいですにゃ。これではアカツキさんが報われないですにゃ。とにかくそれとなく察せさせる方向でやってみますかにゃあ。)
『時にシロエチ。』
『何?』
『今日は何日か分かっていますかにゃ?』
『2月14日でしょ?それくらい分かるよ。』
笑顔を浮かべながらシロエは答える。
(何でそこまで分かってて分からないんですかにゃ!普通はそこまで知っているなら気づきそうなものなのににゃ…。とりあえず今は彼女達の為に、一猫皮脱ぎますかにゃあ。)
『?どうしたの?班長。難しい顔して。』
『なんでもないですにゃ。ごめんにゃ、シロエチ。ちょっとヤボ用を思い出したのでここらで失礼させてもらうにゃ。』
『ん。分かったー。』
書類とにらめっこしながら返事をするシロエを残し、にゃん太は部屋を後にする。
『…ああも鈍感だと、逆にこれまで何があったのか気になりますにゃ…。まぁ、とりあえずお二人の為に我輩も頑張らねばですにゃ!』
そう言って、にゃん太はパタパタと走り去って行った。
+++
『全く!主君は鈍感にも程があるぞ!主君があの様子では渡すのも馬鹿らしいではないか…。』
頬を染めながらプンスカ怒っているのはアカツキである。
(なんで主君の事を考えると、こんなにも胸がモヤモヤするのだろうか…。)
判然としない感情に惑わされながら街を歩くアカツキに、〈冒険者〉の商人が声をかけてくる。店先に掛かっている幟から見るに、恐らく〈第8商店街〉のメンバーだろうとアカツキは察した。
『お!そこの冒険者殿!あなたにピッタリの商品がありますよ!』
『?ピッタリとはどういう意味だ?』
『今日は何の日か分かりますよね?そうです!バレンタインデーです!そこで…。』
〈冒険者〉商人が取り出したのは、一株の花鉢だ。アカツキはそれに見覚えがあった。
『それは…、あぁ。〈リナリアの引き粉〉か。』
〈リナリアの引き粉〉。空間に散布する事で麻痺・睡眠・幻惑・放心のいずれかの内から、ランダムに軽度の状態異常を発動させる低レベル状態異常アイテムだ。
『でもどうしてこれが私にピッタリなのだ?』
『このアイテムですねぇ。バレンタインデー限定の効果があるんですよ!ほら…良く読んでみてくださいな!』
アカツキが〈リナリアの引き粉〉に意識を集中させると、それのフレーバーテキストが表示される。
〈リナリアの引き粉:このアイテムを料理に使えば、大切な人を魅了出来るかも?(バレンタインデー限定効果)〉
なるほどそういうことか、アカツキは納得した。
(確かに女性なら欲しがりそうなアイテムだな。だから私に声をかけたという訳か…。)
しかしアカツキは疑問があった。
『でも、このアイテムを使う位なら〈ココニアの実〉があるではないか。それではダメなのか?』
『〈ココニアの実〉は好きな◯◯が分かるだけでありますが…。こちらの〈リナリアの引き粉〉と併用する事で、想い人の気持ちを一気に引き寄せる事が出来るかもなのです!』
『なっ、なんだとぉ!?』
それを聞いた途端に、アカツキは衝撃から全身に電流が流れる様な感覚を味わった。
『買う!』
即決であった。
+++
『…というわけで。』
『我輩の出番という訳ですにゃ。』
『済まない、老師。お願い出来るだろうか?』
『我輩で良ければ力になりますにゃあ。それで、何を作るのにゃ?』
『ちょ…ちょこぶらうにーという物をだな…。』
『なるほど、バレンタインに渡す物ですかにゃ。』
『断じて違うッ。主君への日頃の労いだっ。』
(まだ誰にあげるのかは聞いてないですにゃ…。)
思いがけずアカツキの渡したい人を聞き出してしまったにゃん太は、自分に出来る事をしてあげようと思うのだった。
『あ、あとこのアイテムも使って欲しいのだが…。』
『…ほう。〈リナリアの引き粉〉ですかにゃ。』
『それとこれもお願いしたいのだ。』
『〈ココニアの実〉?二つとも使うのですかにゃ?』
『そ、そうなのだ!二つ使わないと意味がないのだ!』
何やら企んでいる様な気を感じたにゃん太だったが、敢えてツッコミをいれるのはやめた。そこに姿を現したのは
『にゃん太さーん。良かったらお料理教えてくださー…い?』
〈神祇官〉のミノリである。
『あれ…?アカツキさん、何を作ってるんですか?』
『べっ、別にミノリには関係なかろう!』
ミノリから発せられる冷たい不安感と、アカツキから発せられる、ミノリに見られた事による恥辱感を肌でビシビシと感じられる様な気がしたにゃん太である。その場にいる彼にしてみては冷や汗ものである。
(…まっ、マズいですにゃ。女性の色恋沙汰は、さすがの私もいかんともしがたいですにゃ…。あ、そうにゃ。この方法ならなんとかなるかもですにゃ。)
『お二人とも、ちょっと良いですかにゃ?』
『何でしょう?』
『何だ?』
二人の冷えた視線に射抜かれながらも、にゃん太は先ほど考えた自案を説明する。
『二人で協力して一つのお菓子を作るんですにゃ。そしてそれをシロエチにあげれば良いんですにゃ。』
二人はしばらく見つめあって
『まぁ、良いだろう。』
『分かりました。よろしくお願いします、にゃん太さん!』
どうやら納得してくれた様子の二人を見て、胸を撫で下ろすにゃん太である。
『それでは作っていきますかにゃぁ。アカツキさんは材料を、ミノリさんは調理器具をよろしくお願いしますにゃ。』
+++
ここはアキバの中央通りに位置する、出店通り。
『ふぃ〜。なんとか〈リナリアの引き粉〉を引き取ってもらえたぁ…。』
彼は先程、アカツキに〈リナリアの引き粉〉を販売した冒険者商人である。
『あ、そういえば…。〈リナリア〉の効果の発動条件、話してなかったなぁ。』
そうして眉間にシワを寄せると、アイテムメニューを展開する。そして図鑑を開き、〈リナリアの引き粉〉のページを開く。
『〈リナリアの引き粉〉:〈ココニアの実〉併用時の効果発動条件…使用後、最初に声をかけたプレイヤーに使用者が惹きつけられる。使い方を誤らない様、注意されたし!(バレンタイン限定効果)〉
『…これって、使い方間違えたら…。』
嫌な予感に、店主は一人体を震わせるのであった。
+++
『でっ、でっ…。』
『出来ましたぁ!』
『お二人とも、良く頑張りましたにゃあ。』
プロのパティシエの作るそれに比べれば、遠く及ばない完成度であろうが、素人が作ったにしては中々上手に作ることが出来たと、内心満足するにゃん太であった。
『え、えっとにゃん太さん?これを…シロエさんにあげてきても良いですか?』
『待てミノリ。私も一緒に渡すぞ。私だって作ったのだからな。』
二人の間にまたも火花が散り始めたのを察したにゃん太は早急に渡しに行くよう説得する。
『取り込み中失礼しますにゃ。早く渡さにゃいと、シロエチがまた会議やらでギルドを出てしまうにゃよ?』
『それはダメだ!』
『それはダメです!』
そう言うと、二人は弾かれた様にシロエの待つ執務室に向かう。にゃん太もゆったりとした、それでいて遅すぎないペースで二人を追いかけるのだった。
+++
『主君!』
『シロエさん!』
二人が執務室に向かうより早く、シロエはギルドの共同スペースで休憩をとっていた。
『あれ?二人ともどうしたの?そんなに息急き切って。』
『これを!』
『シロエさんに!』
『食べて!』
『欲しいんです!』
二人のあまりの剣幕に押され気味になりながらも、手渡された菓子を見つめる。
『随分綺麗に作ったね?どうやったの?』
『老師に〈新妻のエプロンドレス〉を拝借したのだ。』
〈新妻のエプロンドレス〉。サブ職業が〈料理人〉でなくとも、中レベル程度の料理ならこなせる様になるアイテムだ。
『なるほどね。それにしたって上手に仕上がってるよ?』
『べ、別に褒めても何も出ないぞ主君。』
『感想を聞かせてください!シロエさん!』
待ちきれないと言わんばかりに、ミノリがシロエを急かす。
『ん、分かったよ。』
ミノリからフォークを受け取り、シロエが二人の作ったチョコレートブラウニーに口をつける。
(これで…主君の気持ちを…。)
アカツキの焦慮を他所に、シロエは次々口に運んで行く。そして全てを食べきった所で変化が訪れる。
『んっ!?』
突如苦しみ始めたシロエに、ミノリが慌てる。
『どっ、どうしたんですか!?シロエさん!?大丈夫ですか!?』
『〜〜〜!!』
桃色と藍色に明滅を繰り返すシロエを見て、さしものアカツキも慌てる。
『一体どうしたというのだ、主君!?』
(こんな現象が起きるなんて、あの店の店主は言ってなかったぞ!?)
『〈リナリアの引き粉〉と〈ココニアの実〉…。この二つを使わなくては意味が無いとはそういう事だったのにゃあ。』
落ち着いた調子で皆のいる部屋に入って来たのはにゃん太であった。
『に、にゃん太老師っ。これは一体何事なのだっ。』
『恐らく先の二つのアイテムの併用時効果ですにゃ。一時的なものと思われるので、そんなに慌てなくても大丈夫にゃあ。』
『一時的なものなのか?』
『なら良かったです…。』
シロエに起きている状態異常が一時的なものと知り、二人は一様に安堵した表情になる。三人がその話をしていると、シロエの体の明滅が止まっていた。
────良かった、主君。元に戻ったのだな!
そう言おうとしたその時、力強くドアが開かれた。
『よーっす、シロー!帰ったぜー!』
声の主は直継だった。
『な…おつ…ぐ?』
『おぉ、そうだぜ?いつでも元気な直継祭りだぜ!!』
爽やかな笑顔を浮かべる直継だったが、シロエの様子がおかしい事に気付いたらしい。
『おいシロ。顔赤いけど大丈夫か?風邪でも引いたのか?』
『僕はっ…!』
『『『『?』』』』
その場にいた全員が、次のシロエの言葉を待つ。その口から飛び出たセリフは、とんでもないものであった。
『僕は、直継が大好きだぁあぁあぁぁぁぁあ!!!』
『はぁあぁぁあああぁああ!!??』
『なっ、主君!?何を言っているのだ!?』
『えぇー!?シロエさん…!?そんな趣味が…!?』
三者三様の反応を示したのも束の間、即座にシロエが直継に抱き着く。それを引き剥がそうと必死になる直継。どうにも手の出し様がなく困惑するアカツキ、放心状態に陥ってしまったミノリと、ギルド内は混沌とした状態になってしまう。そんな中にゃん太は
『バレンタイン…、女性が一年で一番勇気を必要とするその日に、こんなドタバタになってしまうなんてにゃあ。さて、我輩もシロエチの目を覚まさせる手伝いをしなくてはですにゃ。』
そう言い放ち、混沌を現実化したようにてんてこ舞い状態になってしまっている四人の元に向かうのだった。
バレンタイン番外編!アキバのバレンタイン大騒動! 完
いかがでしたか?楽しんで頂けたでしょうか?私もアカツキちゃんや、ミノリちゃんの様な女性にチョコを貰えたらもう死んでも良いかもしれない←
まぁ茶番はこの程度で笑 今回は完全な番外編ということで、ギャグオンリーで攻めてみました!シロエはきっとホモじゃないよ!!
それでは次回お会いしましょう。ついに第三章、ゼキアとマキナの二人の謎も少しずつ解けていくかもです!
それではまた!ありがとうございました!!