LOG HORIZON ログ・ホライズン×世界樹の迷宮 〜始まりの翼〜 ※現在更新停止中   作:Fate.Lapin

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投稿遅れてすみません!Fate.Laqinです!最早弁解の余地もございません…。重ねて申し上げます。投稿遅れて本当に申し訳ありませんでした!!今回はこの辺りで本編行きたいと思います…。それではどうぞ…。


CHAPTER3 Discovery to change the world

『オラ!さっさと働け!こんな事も出来ねぇのか!』

狭い部屋に男の粗野な怒号が響く。男の視界に入らない様、体を縮こまらせて作業に従事する少女がいた。名をミノリと言う。初心者救済を騙ったギルド〈ハーメルン〉に騙され、ギルドに無理矢理加入させられてしまったのだ。弟のトウヤも同じ様にギルドに加入させられている。

あの日から何もかもが変わってしまった。ゲームであったはずの世界が現実となり、二人の生活は一変した。

エルダー・テイルを始めたばかりだった二人は、《大災害》に巻き込まれた時のレベルは19。完全な初心者であった二人は、右も左も分からない状態だった為にこの悪徳ギルドに嵌められたのだった。

不安、悲哀、絶望。何度この感情の中をループしただろうか。自分に力がないばかりに、自分から行動を起こさず救いを求めてしまったばかりに。

(自分で自分の事をなんとかしようとしているシロエさんに助けを求める事なんて…出来る訳…ないよ。)

ミノリは幾度となくシロエの姿をアキバの街中で見かけていた。声をかけようともした。しかし彼の周りには、仲間が、友人がいた。今の二人にはない物。それをシロエは勝ち取っていたのだ。それがミノリには輝いて見えた。あまりにも眩しすぎたのだ。

『シロエ兄ぃ、カッコよかったよな。』

過去形で語るトウヤの声が胸に深く突き刺さる。あの日、行動を起こしたかどうか、ただそれだけの理由で二人はシロエとは別の道を歩む事になってしまったのだ。

『よし、それじゃ〈回収〉の時間だ。さっさとブツ持ってこい!ノロノロするなよ!』

今更後悔しても遅い。助けを求める事の出来る仲間もいない。脱力感と絶望に浸りながら、鉛を沈めた様に重たい体を無理矢理持ち上げ、トウヤと共に男の元へ〈ポット〉を持って向かうのだった。

 

 

 

+++

『おいおい、これ本当かよ。』

『この情報がもし本当だとしたら…。』

『間違いなくアキバはお祭り騒ぎになりますね。』

『シロ坊ッ、ホンマにハンパないでぇ!』

『さすがシロエ様、と言ったところですわね。』

5人の声が重なる。ここはギルド〈三日月同盟〉内のギルドホール。そこに6人の冒険者が集結していた。

『さすがやっ、ホンマに怖い子やでシロ坊は!』

小躍りでもしそうな勢いでまくし立てる女性、マリエールという。ふわふわしてはいるが、これでも〈三日月同盟〉のギルドマスターである。

『全くマリエったら!そんなに騒いだらギルドマスターとしての品格に欠けますわ!もう少し落ち着いて、自分がギルドマスターであるという自覚を持って下さいまし!』

マリエールを厳しく嗜める女性。名をヘンリエッタという。

〈三日月同盟〉の会計担当、いわゆるお財布管理を務めている。

『せやかて梅子も本当は嬉しいのやろ?本当の事言ってみ?』

『マリエ!本名では呼ばない約束でしょう!』

マリエールを叱っていても表情の端では笑っているのが良く分かる。ラスティには分かった。

『でもこれで…、やっと味のある料理が食べられるんですね。』

味のある料理、それは現実世界においてごく当たり前の事である。しかしこの異世界において、それらは当たり前では無くなってしまったのだ。見た目こそ湯気の立つハンバーグであったり、肉汁溢れるブロックステーキであってもそれらは全て一様にふやけた煎餅の味しかしないのだ。

飲み物に関しても同じである。ビールや麦茶、コーラやオレンジジュースに見えてもそれらはただ色がついただけの、水道水の味しかしないのだ。この異世界に取り込まれたばかりの冒険者達は、これらの事実に気付かず食べ物を頬張って後悔したという事例が続出していた。

それなら冒険者自ら料理すれば良いのだが、サブ職業が〈料理人〉である冒険者でも、調理を行う事が出来なかった。正確には、行えるが行った後に完成した食べ物が最早食べ物には全く見えない、もしくは例のふやけた煎餅が完成してしまう、そういう事である。調理を終了して、皿の上に鎮座しているのはスライム状の謎の物体か、消し炭になった食品のどちらかであった。サブ職業が〈料理人〉でない冒険者は、言わずもがな調理する事は出来ない。これらの事から冒険者がこの世界で味のある料理を食べる事は出来ない、そう結論づけるしか無いと思われていた。しかしシロエの持ってきた紙束には、これまで不可能と思われていた〈料理〉の仕方が記されていたのだ。これが本当であるならば、アキバに限らず全冒険者にとって、途轍もないブレイクスルーを産み出す事になるだろう。

『で!?で!?一体どうやれば味のある料理が食べられるんだ!?』

食い気味にシドウが問い詰める。セルアもそわそわし始めた。何気に(と言うかかなり)気になっているのだろう。ラスティも驚きを隠せたのは、正直奇跡に近いと自分でも思った。

『今まで料理に失敗してきた冒険者は、皆コマンドから料理を作成していたんだ。』

『で、でもそれはそうしないと料理が作れないから仕方あらへんのとちゃうん?』

シロエにマリエールが反論する。しかし即座にシロエがその意見を切り捨てる。

『それは先入観ですよ、マリ姐。何もこの世界の全てがコマンド入力で回っている訳ではない。だからこその〈手料理〉ですよ。』

『まさかっ。』

『そう、そのまさかです。コマンドを使わず、直接手料理をする。ただそれだけの事です。たったこれだけで味の無いあの生活にサヨナラ出来ます。』

まぁサブ職が料理人の冒険者だけですけどね、とシロエが呟く。

『それでも大発見ですわ、シロエ様。これで食に関する問題が解決されたではありませんか。』

ヘンリエッタが優しく労う。それにラスティが重ねて続ける。

『そうだよシロエ。この発見は冒険者だけじゃなくて〈大地人〉にも、必ずいい方向に作用するはずだよ。』

『そうだといいんだけど…。この事を発見したのは僕じゃなくて僕のギルドの〈班長〉なんだよね。』

『あぁーっ!にゃんた班長やったんか!ホンマにすごいじぇんとるまんやなぁ!今度あったらカツオ節もんやで!』

マリエールがなんだか良く分からないが一人でテンションUPしていた。恐らくその〈班長〉と呼ばれた人が発見したのだろう。ラスティは心の中で感謝した。

『でもこの情報はすぐ開示する訳では無いんですよね?』即座にセルアが質問をぶつける。

『確かにこの情報は簡単に人に教える訳にはいかないよなぁ。少しずつ開示するとか、食料暴動が起きない様に丁寧に市場操作したりとか、色々する事沢山あるぜ?』

シドウが珍しくマトモな意見を挙げる。それもそうである。もしこの情報を下手に開示すれば、力のある冒険者やギルドが食料となるモンスターを狩り尽くしてしまうだろうし、それらの狩場の占拠をされてしまった日には、力の無い初心者冒険者や、大地人に食料品が行き渡らずに不満が溜まってしまい、暴動などの騒ぎに発展してしまうかもしれないのだ。

『その辺は心配しないで大丈夫。ちゃんと統治機構を設けるつもりだし、この情報もそんな簡単に他人に教えたりしないよ。とりあえず僕が言いたかったのは先入観に囚われてはいけない、って事かな?作戦に関してはまた今度別に手紙を出すから、その時に改めて説明させてもらうよ。』

『了解。』『ガッテン承知や!』『承知しましたわ。』『心得ました。』『忘れない様に頑張るぜ!』

五人が口々に述べる。ラスティはこの発見を冒険者と大地人、両方を必ず豊かにしてくれると信じて疑わなかった。

 

 

 

 

+++

ここはアキバから少し距離のある所に位置するダンジョン、〈アルドレイス盆地〉。現実世界における、長野辺りに位置する高レベルダンジョンである。そのダンジョンで二人組が狩りを行っていた。

(レベル85、徘徊する山岳醜鬼《ウォーカーオーク》。それが三体か…。)

自分とのレベル差が6程度しか無い相手を三体も相手取るというのに、何故か冷静に立ち尽くしている。そして大地を蹴りつけ一声吠える。

『ゼキア!援護歌連続投射!HP、MP管理歌中心!!』

『任せろ。〈瞑想のノクターン〉!〈剣速のエチュード〉!』

瞑想のノクターン、これは通常戦闘中には回復しないMPを徐々にだが回復するスキルである。剣速のエチュードは近接攻撃力を底上げし、殲滅速度を上昇させる。どちらも《吟遊詩人》のスキルである。

『はあぁあ!〈クイックアサルト〉!』

クイックアサルトとは、盗剣士《スワッシュバックラー》のスキルだ。攻撃力は低いものの、素早く相手の間合いに潜り込み、そこから《盗剣士》が得意とする素早い連続攻撃へと繋げる事が出来るのだ。しかも今は吟遊詩人の固有スキル〈剣速のエチュード〉により、攻撃力が底上げされている。

『これで決める!オーバースキル、〈煌刃の剣舞〉!!』

そう叫ぶと同時に、盗剣士の手にした二本の剣が激しく煌めく。その煌めきが最大限に達した瞬間、三回分地面に重い物が倒れ伏す音が響いた。山岳醜鬼である。

『ふぅ、やっぱり〈オーバースキル〉は強いねぇ。習得した甲斐があったよ〜。』

『お前はいつも突っ込みすぎなんだ。援護歌の射程範囲ギリギリで戦うなと何度言わせれば分かるんだ、マキナ。』

『えぇ〜、そこはゼキアのオーバースキル〈絶対音域〉でカバーしてよ〜。何の為のスキルか分かってるの?』

全く…、嘆息するゼキアである。

『ところで、〈参謀〉が本格的に動き出したらしいぞ。どうやら奴もオーバースキルを手にしたらしい。どうするんだ?またアキバに戻って様子でも見るのか?』

ゼキアが問う。

『もう見てるだけじゃつまらないよね。そろそろ私達も動くとしようよ。敵はどうやら〈参謀〉だけじゃないみたいだからね。〈共感子〉を集めて、《あれ》を復活させないといけないからさ〜。』

柔らかい口調とは裏腹に、歪んだ笑みを浮かべるマキナ。

その笑みの先に何を考えているのか。一体この二人が何を企み行動しているのか、それはヤマトの誰も知り得ない事であった。

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?いつもより長めに書いてみましたのですが…←罪滅ぼし
中々アイデアが浮かばずに投稿が遅れてしまいました汗
今後もこの様な事が無いとは言えないので、気長に待って頂ければ幸いです。それではお付き合いいただき、ありがとうございました!
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