LOG HORIZON ログ・ホライズン×世界樹の迷宮 〜始まりの翼〜 ※現在更新停止中   作:Fate.Lapin

9 / 21
こんにちは!Fate.Lapinです!今年も残り少なくなりましたね〜。皆様はいかがお過ごしでしょうか?私は家でのんべんだらりと堕落した日々を送っております笑
皆様は私の様な時間の無駄使いはやめましょうね←
それでは本編に参ります!どうぞ!!


CHAPTER4 光明の訪れ

脳裏に鈴の音が響く。エルダー・テイル内におけるボイスチャット機能、念話の通知音だ。自分に念話をしてくる相手などいただろうか。今は夜も遅い。部屋の中に監視の目はなく、念話を取るのに苦労はしなかった。

『…はい。』

『もしもし、ミノリ?大丈夫?』

あっ、声を上げそうになり、すんでのところで息を止める。それもそうだ。あのシロエからの念話なのだから。

『…。』

あんなに話したい事があったのに。沢山相談したい事もあったのに。実際に話すとなると、話したかった全てが一気に飛んでしまった。代わりに涙が滂沱として溢れる。これまで抑えていた感情が一気に溢れてしまったのだった。

『ミノリ、君がハーメルンに加入している事は僕らも知ってる。恐らく監視もついてるだろうし、これからする僕の質問に対して返事はいらない。代わりにイエスなら咳を一回、ノーなら咳を二回、分からなければ咳を三回してくれれば良い。』

(そんな事言われたって…。こんな…だって…。)

未だ感情の整理がつかないミノリに、シロエが質問を始める。

『まずハーメルンに捕らえられている初心者冒険者は10人以上いる?』

決壊しそうな感情を抑えながらミノリは咳をコホン、と一回する。

『…じゃあ次。ミノリ達はハーメルンの連中に、EXPポットを回収されてる?』

もう一度コホン、咳を一回する。

『じゃあ最後の質問。ミノリ達はハーメルンを抜けたい?』

一瞬ミノリには、シロエが何を言っているのか理解する事が出来なかった。

(侵入制限のかけられたこのギルドから抜ける?そんなの…、さすがのシロエさんでも無理があるんじゃ…。)

ミノリはそう思わざるをえなかった。

『もう一度聞くよ、ミノリ。君はハーメルンを抜けて自由になりたい?』

それでも、自分にエルダー・テイルの基礎を教え込んでくれた〈先生〉だから。それを信じないなんて、ミノリには出来なかった。迷った末に咳を一度する。

『分かった。ありがとう、ミノリ。とりあえず今日はこれくらいにしておくね。それじゃ、頑張って。また念話するから。』

そういってシロエとの念話が切れる。ミノリは嬉しさと驚きがないまぜになった感情に涙が止まらなかった。しかしその涙は、少女の淀みきっていた心に、一筋の光明が訪れた事を示す物に他ならなかった。

 

 

 

+++

『ラスティー、シロエからなんか手紙届いてるぞー。』

ここは、ギルド〈始まりの翼〉のギルドホールである。さして広くはないそのギルドホールに、シドウの声が響く。

『あー、それならあとで読むから机の上にでも置いておいてくれー。』

ラスティも読むとは言ったが、内容には大体察しがついていた。恐らく以前〈三日月〉で話していた、《別件》についてだろう。あの集まりからそう日が経っていないのに手紙を寄越す辺り、さすがシロエといったところだろう。

『シロエ様の考えは、やはり常人の一歩先を行っている様な気がします。』

セルアが意見を述べてくる。確かにそれはそうだ。まず固定観念に囚われない自由な発想、そしてそれを実践する行動力、料理に関してもそうだがアキバの自治機構の設立案については語るに及ばずであろう。ラスティも彼の発想・行動力には舌を巻いていた。

『でもよぉ?自治機構の設立って言っても、最終的な目標は〈ハーメルン〉の壊滅だろ?』

『それに加えて搾取の被害にあっている初心者冒険者の救出ですね。』

『ギルド一つ潰すのだって一苦労なのに、それに加えて初心者冒険者の救出も並行して行うなんて、正気の沙汰とは思えないな…。』

でも、シロエならなんとかしちゃうんじゃねぇかって思わせてくれるんだよなぁ、シドウがからからと笑いながら言う。

『とりあえず手紙を読みましょう?ラスティ様。恥ずかしながら、内容が気になって仕方がありません…。』

『それもそうだね。シドウ、さっきの手紙どこにやった?』

『あー、それなら今持ってるから読んじまおうか?』

頼むよ、ラスティが言う。セルアが途端にそわそわし出す。

『それじゃ読むぞー。えー、なになに?貴殿らのギルド〈始まりの翼〉をアキバの自治機構《円卓会議》のギルド間顔合わせ会に招待します。つきましては来週の月曜日、午前11時にギルド会館16階会議室に来て頂きたく存じます。記録の地平線代表・シロエ…だ、そうだ。』

堅苦しい文章だなぁ…、自分で読んでいてムズムズしていたらしいシドウが独り言ちる。

『恐らくは他の大手にも同じ文書を送ったんだと思うよ?腰が低くなっちゃうのも仕方ないんじゃないか?』

ラスティが冷静に分析する。セルアも首を縦に振って同意を示している。

『なるほどなぁ。やっぱり礼儀を重んじる辺り、さすが日本人ってとこなのかもなっ。』

シドウがそう締めくくる。

『まぁとりあえず、来週の月曜日の集合を忘れない様にしないとな。二人にも付いてきてもらうからよろしく頼むよ。』

了解、承知しました、二人の声が重なる。いよいよアキバが変わる時が近付いてきたな、と 肌で感じ始めたラスティ達一行であった。

 

 

 

+++

ここはギルド〈記録の地平線〉。そのギルドマスター、シロエが難しそうな顔をして紙面を睨みながら首を捻っていた。

『どうしたんだにゃ、シロエチ。そんなに難しそうな顔をしてては、幸せが逃げてしまいますにゃ〜。』

そこに一人…いや、一匹の猫の身体をした背の高い男性(?)、にゃんたが現れた。種族は〈猫人族〉。その為猫人間の様な容姿になっているのである。職業は盗剣士だ。

『…ん?あぁ、にゃんた班長。いや、実は今度の円卓会議についての書類を作ってたんだけど…。』

『考えがまとまらないんですかにゃ?』

『そうなんだ。質疑応答に抜け穴を指摘された時に論破する為の台本、色々準備する事がありすぎてね…。』

『そんな時はこれを飲むといいにゃ。』

『これは…ハーブティー?班長が入れてくれたの?』

『この程度の労苦、シロエチが背負っている物に比べたらちっぽけですにゃ。これを飲んで一息ついてから作業に戻っても、遅くはないんじゃないですかにゃ?』

『さすが班長、敵わないな。』

頭の後ろを掻きながらティーカップを受け取る。今ではスッカリ当たり前の様に飲食を行えているが、それを可能にしたのが誰あろうにゃんたなのだ。彼のサブ職業は当然ながら〈料理人〉である。

『ありがとう、班長。ちょっとスッキリしたよ。』

『それは良かったですにゃ。あとは甘い物でも食べれば完璧ですにゃあ。』

『それもそうだね。あまり根を詰めすぎてもかえって逆効果だろうし、ここらで休憩にするよ。ありがとう、班長。』

『おーい、シロー!なんか食べに行こうぜー!』

シロエが席を立とうとしたそのタイミングで、階下から直継の声が響いてきた。

『分かったー!アカツキと班長も誘ってリフレッシュするとしよう!』

平和な時間を過ごしていても、シロエの頭の片隅からミノリとトウヤ、他の初心者冒険者の事が離れる事は片時も無いのだった。

 

 

 

+++

日は流れ、シロエに指定された会議の日時…より1時間遅れている。

『はぁっ、はぁっ。どうしたら集合の時間を間違えて読めるんだよっ。』

ラスティの叱責が飛ぶ。しかし彼らの走る速度が速いあまりにその声は一瞬で後方に置き去りにされた。

『しっ…仕方ないだろ!読み間違えちまったもんは仕方ないんだっ。』

ラスティの叱責にシドウが苦し紛れの反論をする。その脇で、セルアが息一つ荒らげずにシドウの事を冷たい目で見つめている。その視線の意味する所は『やっぱりやらかしましたねシドウ様…。』と言った所だろう。

『ちょっ、セルアまでそんな目で見るなっ。頼むから何か言ってくれよ。はぁっ、視線だけじゃさすがにっ…応えるモノがあるからよっ…。』

息の限界があるだろうに必死に弁解するシドウ。最早討論する気も失せたのだろう、セルアは〈忍者〉のスキル〈体忍術・地疾〉を発動させる。その速度は三人の中でも群を抜いて速く、二人はあっという間に置いていかれた。

『ちっくしょ…。シドウに手紙読ませたのがっ…そもそもの…間違いだったんだぁーっ!』

ラスティは後悔に責め苛まれながらギルド会館最上階を目指すのだった。

 

 

 

+++

『〈共感子〉の集まりはどー?ゼキアー。』

『マキナ、お前はいい加減に自分の足で行動するという事を覚えろ。俺がどれだけ苦労しているか分かってるのか?』

『あー、全然聞こえなーい。とにかく共感子収集機関(エンパシオムコレクトエンジン)の様子!確かめてよ!ねぇねぇ!』

まるで人の話を聞かないマキナに嘆息しながら、ゼキアが状況を確認する。

『これまでに集まった〈共感子〉は158200ゲリル。《奴》を目覚めさせる為に必要な残りの量は9841800ゲリルだ。絶望的な量だぞ。』

うっひゃーどーしよー、あまりに現状を把握していない様な声を上げるマキナに、ゼキアは最早苛立ちすら感じなくなっていた。

『ま、ようはあれだよね。とにかく消せばいいんだよね?一つでも多くの魂を〈闇〉に堕とせば良いって事だよね。』

ゼキアですらゾッとする様な酷笑を浮かべるマキナ。

『ゼキア、私はね?戦いたいの。戦う事で《彼》を呼び出す事が出来るなんてサイコーでしょ?サイコーなんだよ!私にとって戦いの無い世界なんて必要ないの。だからね』

…アキバを潰さなきゃいけなくなるかもね?

『笑えない冗談かましてくるんじゃない、マキナ。』

ゼキアがコツンとマキナの額を小突くと、まるで別人の様な笑顔を浮かべてゼキアを見上げる。

何故彼らは戦いを望むのか、そしてアキバを狙う理由とは。それはゼキアとマキナ、二人にしか知る由は無いのだった。

 




いかがだったでしょうか?今回の話を持って今年の投稿を終わりにしたいと思います!このサイトに出会えて自分の好きなログ・ホライズンの自作小説を執筆する事が出来るなんて思ってもみませんでした!こんな駄文でも、楽しみにしてた、読んでて面白い、と言って下さる方がいらしたらとても嬉しいですし、励みになります!
来年の復帰はいつになるか分かりませんが、のんびりまったりお待ち頂ければ幸いです笑
それではこの辺で!皆様、良いお年をお過ごし下さい!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。