キミの支えになりたくて   作:飯即斬

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9話 埋め合わせ2

 

ジャスミンの買い物に付き添った次の日、俺は昔からの知り合いと水族館に来ていた。

 

そいつは俺にとってかけがえのない人物で今の俺があるのもそいつのお陰でもある。

 

2人分のチケットを買いタツノオトシゴやチンアナゴなどがいる小さな水槽を一つ一つゆっくり見ながら進んでいく。

 

見ている途中は特別会話をする訳でもなくただじっと水槽を見つめていた。

 

ふと横を見ると目を僅かに輝かせながら水槽を見ている綺麗な顔が目についた。

 

つい見惚れていると見られていることに気づいてこちらを見てにこっと笑いかけてきた。

 

「っ!//いやこれは、その」

 

俺がおどおどしていると俺の耳元彼女は囁く。

「次に行こう」

 

そう言って俺の腕を引っ張った。

 

敵わないなぁ、そう思い俺も少しばかりにやけてしまう。

 

残りの水槽を見た後、俺達はアトラクションコーナーに来ていた。

 

そこには輪投げや射的などいろんなゲームが開催されていたので2人で勝負をする事にした。

 

コーナーにある殆どのゲームで勝負をした結果1勝4敗で俺の負け、

メチャクチャ悔しかったが楽しそうにしてたので良しとする。

 

10分程休憩した後、俺達はこの水族館で1番大きな水槽の前に来ていた。少し早い時間帯なのか周りに人は居なかった。

 

しばらく眺めていると突然

 

「今日はありがと」

 

そう言ってきた。

 

突然のことで驚いたがすぐに自然と言葉が出てきた。

 

「うん、俺も一緒にいられて楽しかった」

 

嘘偽りの無い思ったことをそのまま伝えた。

 

「なら良かった」

 

その言葉を最後に少し沈黙が続くとふとお互いの手が触れた。

 

迷ったが俺はその手を握った。

 

少し驚いた様子だったがすぐにフッと笑い握り返してきた。

 

「ねぇ、ほんとによかったの?今ならまだ引き返せる」

 

例の事を言いたいのだろう、不安げに聞きてきた。

そんなものとっくの昔に答えは決まっている。

 

「当たり前だろ、今の俺があるのはキミやあの人のお陰なんだ。これは俺にとっての恩返しなんだよ、だから遠慮せず俺を利用してくれ」

そう伝えた。

 

「そっか、安心した。キミがそばにいてくれると上手くいく気がする」

 

「ああ、任せとけ!」

 

にっ!と笑いかけると向こうも笑ってきた。

 

「そうだ、これを今日渡そうと思って買ったんだ。よかったら受け取って欲しい」

 

そう言って俺は赤い菊の花のヘアピンの入った箱を渡した。

 

「着けてもいい?」

 

「もちろん」

 

箱を開けてヘアピンを着けると少し照れながらこちらを見つめてくる

 

「似合ってる?」

 

「うん、すごく似合ってる」

 

喜んでくれたみたいで良かった。

 

ふと彼女の頭を見ると埃が付いているのに気が付いた。

 

その埃を取るとかなり近い距離でお互い目と目が合う

 

 

そして俺達は自然と顔が近づき薄暗い中でキスをしていた。

 





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