キミの支えになりたくて   作:飯即斬

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12話 ベットの下の男

 

あざみside

 

4階にある美桜の部屋に向かう途中、私は現場で何をしたらいいのか柊木さんに尋ねた。

 

「最初にするのは都市伝説の"特定"。その為にはまず、当事者達に聞き取り調査。なにを、いつ、どんな風に見た、とかを聞く。次に現場の調査。怪異の痕跡がないかを当事者に聞いた事と照らし合わせながら調べる、そんなとこかな」

 

「なるほど、調べた後はどうすればいいんでしょうか?」

 

「ある程度調べたらセンター長から電話が掛かってくるからそれに従っていくと"特定"完了。どの都市伝説かが分かるってわけ」

 

メモメモっと。

 

「特定さた後も調査を続けて行くと次は都市伝説の"解体"に入る。これは今回の依頼の都市伝説の正体を暴く作業。まあ、そのうち分かるよ」

 

「分かりました!ありがとうございます!」

 

なんか難しそう、でも借金の為に頑張らないと!

 

そうこうしていると美桜の部屋のドアの前に着いたのでチャイムを鳴らすとな中から美桜とSNS調査で見た女の人出てきた。

 

柊木さんがまず挨拶をしてからジャスミンさん、私の順番で紹介をしてくれた。

 

私がまずとやるべきこと。柊木さんから出された課題は美桜から話を聞くことだった。友達同士ならお互いな話しやすいだろうとも言っていたので言われた通りまずは美桜から話を聞くことに。

 

 

「びっくりしたよ、まさか美桜が依頼人だったなんて」

 

「うん、私も驚いたよ。まさかあざみが来るなんて」

 

「実はちょっと訳あってセンターで働くことになったんだ。早速で悪いんだけどなにがあったのか分かる範囲でいいから聞かせてくれるかな」

 

「うん、いいよ」

 

美桜によれば突然誰かが部屋にいたらしく最初に気付いた栄子さんが外に連れ出してくれたらしい。

 

その後、交番に行って部屋を見て貰ったけどどこにも侵入された形跡がなかったらしく警察も引き上げっていき、どうしようかと悩んでいた時に家のポストにセンターのチラシが入っていてダメ元で連絡したらしい

 

「その突然現れたのってなんだったの?」

 

私は恐る恐る美桜に聞いてみた。

 

「私もよくわからないの。以前から視線のような何かを感じていたし、ここ古いアパートだからもしかしたら・・・」

 

「や、やめて!それ以外言わないで〜」

 

もしかして、ゆ、幽霊!違うよね、そうだよね!

 

私が怯えていると美桜がコソコソと耳打ちしてきた。

 

「ねぇ、あざみ。あの男の人ってこないだの人だよね?なんでここにいるの?」

 

「ん?ああ!柊木さんはセンターの調査員なんだ〜私とあそこにいるジャスミンさんの先輩なんだよ!」

 

「そ、そうなんだ、ねぇ、良かったら紹介してくれない?こないだのことでお礼と謝罪をしたいし」

 

「うん!いいよ。おーい柊木さーん」

 

 

柊木side

 

美桜さんの部屋の中を調査しているとあざみに呼ばれた。

 

「どうした?なんかあった?」

 

「あの、美桜がこないだのことで話したいことがあるそうです。ほら、美桜、柊木さんきたよ」

 

そうあざみが促すとあざみの背中から美桜さんが出てきた。

 

「あ、あのこないだはすいませんでした。折角学生証を拾って下さったのにそっけなくしてしまって、改めてありがとうございました」

 

目線はこちらは向いておらず声も弱々しくそう言ってきた。

 

「どういたしまして!別に気にしてないよ、でももう落とさないようにね。」

 

「は、はい」

 

そう言うと美桜さんはあざみの所に戻って行った。

 

さて調査再開しますか。

 

 

あざみside

 

「どう?美桜、ちゃんと言えた?」

 

「うん、思ってたよりいい人で安心した」

 

「でしょー!柊木さんはちゃんと受け止めてくれる人だって思ってたもん!」

 

「ふふ、あざみもしかして好きなの?」

 

「え!ち、違うよ〜、確かにちょっと、ほんの少しだけいいなーっては思うけどってなに言わせるの〜」

 

「ふーん、じゃあ私が狙っても問題ないよね?」

 

「だ、だめだよ!は!!ち、違うよ!その、えーと」

 

「ごめんごめん、頑張ってね」

 

「だから違うって〜」

 

柊木さんに聞こえてないよね?

 

チラッと柊木さんの方を見るとメモ帳を開いて現場をみていた。

 

私もちゃんとしなきゃ、よーし、次は栄子さんに話を聞こう。

 

 

「こんにちは、お話いいですか?」

 

「美桜のお友達ね、いいわよ、なんでも聞いてちょうだい」

 

まず私は栄子さんについて聞いた。

 

清水栄子さん。29歳。人材コンサルタントをされているらしい。しかも犬神大学のOB、つまり私の先輩になる。

 

先輩だと分かると一気に親近感湧くなぁ〜

 

次に美桜との関係性について尋ねた。

 

美桜とは同じ教授に教えを解かれたらしく同じゼミの後輩にあたるらしく美桜のことも人材コンサルタントの関係でその教授から紹介されたらしい。

 

最後に事件について、栄子さん自身が何を見たのか尋ねた。

 

昨日の夜、美桜と話をしていたら遅くなったらしくこの部屋に泊めてもらうことになったそう。それで寝るときになって電気を消した途端になにがが現れたらしい。

 

ちょっと気になったので詳しく聞いてみることに

 

「すいません、そのことよければもっと詳しく教えて貰えませんか?目撃した時間帯とか、そもそも何処から来たのかとか」

 

「詳しく?いいけど突然のことだったからあまり上手く話せないと思うけど」

 

「大丈夫です」

 

「そうねぇ、時間帯は夜中の12時くらいだったかしら、ドアを閉めようとしたら一瞬だけ床から影のような何かが湧き出て見えたの」

 

「床から何かが、ですか」

 

どうやってその影は現れたんだろう??

 

「あの、この影のような化け物が写っている写真はどうやって撮ったんですか?」

 

「ああ、これね怖すぎだよね。外に逃げた後ドアの隙間から撮ったの、

でもしばらくして部屋を見てみるとその影はどこにもいなかったのよ!」

 

 

「え!突然消えたってことですか?」

 

「そう、信じられないことにね」

 

う〜、本当に幽霊なのかな?怖すぎるよ!

 

でも一通り話は聞けたかな?よし、柊木さんとジャスミンさんに相談してみよう!

 

柊木side

 

美桜さんの部屋を一通り調査し終えたタイミングであざみが話しかけてきた。

 

「柊木さん、ジャスミンさん美桜と栄子さんから話を聞いてきました」

 

「ああ、お疲れ。じゃあ情報共有といきましょうか」

 

まず俺が調べて思ったことを言うことになった。

 

まず初めに調べたのは玄関。警察の見た通り侵入された形跡は無く、それはベランダも同じことだった。

 

次に調べたのはユニットバス。特に違和感は感じなかったが念の為写真を撮っていたので2人に見て貰った。

 

「あ、トイレの便座が上がってます!美桜はこうゆうのはちゃんと閉める派なんです!」

 

「それに女性はそもそも便座を上げることは少ないんじゃない?」

 

「確かに、女の子ならではの視点だね」

 

写真撮っておいて良かったな。

 

その後はベット、流石に男に触られるのは嫌だと思ったので美桜さんの許可を取ってベットの下だけ調べたが俺が余裕で入るくらい特に何も無かった。

 

最後にベットの奥にある棚。本も小物を綺麗に整理整頓されていたこと以外は気づくことはなかった。

 

「ラギッチは女子大生の部屋をくまなく調べたみたいだね」

 

「誤解させる言い方はよせよ。ちゃんと許可を得た上で合意の元なんだから。タンスを開けたりとかはもちろんしてないし」

 

「そりゃ良かった。もしそんなことしてたらアタシがぶっ飛ばしてた」

 

「おいおい解体する前に事件を起こそうとするな」

 

「はいはい、でも本当にしたらあざみーも容赦せずにぶっ飛ばしていいから」

 

「はい!分かりました」

 

「分からんでいい!ほら次はあざみが聞いたことを教えてくれ」

 

「はい!」

 

あざみはメモ帳を見ながら美桜さんと栄子さんに聞いたことを俺とジャスミンに話した。

 

「うーん、突然床から影のようなものが現れて後で確認したらそこにはなにもいなかったねぇ」

 

「そうなんです、不思議ですよねぇ」

 

そもそもどこの床から現れたんだ?

 

サイコメトリーでなにか見えるかも。でも一体どこを見れば・・・

そう考えているとジャスミンが投稿された写真にツッコんできた。

 

「つーかこの写真本当によく撮れたな。襲われそうになっているのにドアの隙間から写真を撮ってやろうなんて思うかね。」

 

「!ジャスミンその写真見せて!」

 

俺はジャスミンが見ていたスマホの画面を覗き込んだ

 

「わ!急に何!顔近!」

 

なるほど!影がどこから出たか分かったぞ!よし、サイコメトリーでベットの側を調べてみよう。それからあざみの力も借りた方が良さそうだ。

 

 

あざみside

 

柊木さんから私の力を借りたい、そう頼まれた。

 

力を使うってことはまたアレを見ないといけないのか・・・でも、柊木さんの力になる為に頑張るぞ!私!

 

それにしても柊木さん、さっきジャスミンさんに顔を急に近づけて顔をグイーってされて赤くなってる。自業自得ですよ!柊木さん!

 

柊木さんの指示でベットの側でセンター長から貰ったメガネをかけてると赤い幽霊のような物が見えた。

 

「ひぃ!幽霊!」

 

「あざみ?どうした?」

 

「じ、地縛霊の様な物が見えるんです。柊木さんは何か見えます?」

 

「ああ、人っぽい影で何か被ってる?ここまではっきり見えたの初めてだよ」

 

「このメガネで見える影ってなんなんでしょう」

 

「うーん、センター長によれば過去の光景が見えるのがあざみの能力なんだよね。」

 

ちょっと考えてみよう。私は両手で顔を覆い考える。

 

すると私の脳内でセンター長が話しかけてきた!

 

「まずはこの影が実際に存在していて、人と同じ様に行動する場合を考えてみましょうか」

 

「人と同じ様に行動する、それなら影はどうやって現れたんだろう。それについて考えてみようかな」

 

もしかして・・・

 

「家の中に入る経路があるのかも?うん!きっとそう!」

 

なら侵入出来そうな経路を探してみよう!柊木さんにもこの事伝えなきゃ!

 

「柊木さん!さっき脳内でセンター長と話したんですが影が人と同じ様に行動出来るなら侵入出来る経路があるんじゃないかって気づいたんですけどどう思いますか?」

 

「え?脳内で?あー、まぁ確かにその可能性はあるよね」

 

「はい、でも玄関やベランダ、ユニットバスにも侵入経路や侵入した痕跡もなかったんですよね?」

 

「うん、警察もそう言ったらしいし間違いない」

 

「うーんなんだか分からなくなってきちゃいました」

 

うーんと頭を抱えるとベットが目に付いた。

 

あ!もしかして!と思ったら柊木さんと目が合った。柊木さんも気付いたんだ!

 

「柊木さん!もしかして!」

 

「間違いない、このベットの下から現れているんだ!」

 

「私もそう思います!」

 

ベットの下を確認してみると男の人でも隠れられるくらいのスペースが空いていた。

 

あらかた情報が揃ったので柊木さん、ジャスミンさん達と情報の整理をすることになった。

 

「あざみー、どう?どんな都市伝説か特定できそう?」

 

「いえ、それがそのー」

 

どうしよう、全然分からないよ〜

 

そう私があたふたしていると柊木さんが

 

「それについては大丈夫かな。多分そろそろ・・・」

 

柊木さんがそう口にした瞬間私のスマホが鳴った。

 

「え!は!わ、私の携帯が!」

 

「ほら、あざみー早くとって!」

 

「は、はい!もしもし福来です」

 

震えた声で電話を取るとなんとセンター長からだった。

 

「どうも、廻屋です」

 

「せ、センター長さん!?」

 

「「やっぱりきた」」

 

柊木さんとジャスミンさんにとっては毎度お馴染みらしい。

 

「皆さんのおかげでこの案件の輪郭が見えてきました。そろそろ都市伝説の特定に入っていきましょうか」

 

「あのーすごく今更なんですけど、特定して何か意味があるんですか?」

 

「都市伝説の中では人に付き纏う物も少なくありません。そうした事を防ぐ為にも必要なんです。分かりましたか?」

 

「は、はい分かりました!」

 

「よろしい。それで特定といきましょうか」

 

「それではこれより都市伝説の特定に入ります。あざみさん、皆さんにご協力頂ける様にお伝え下さい。ああ、柊木さんは聞こえてますのでそのつもりで」

 

「分かりました!ってなんで柊木さんには聞こえるんですか!?」

 

「私の力と彼の力の影響とでも言っておきましょう。」

 

「は、はぁ。そうですか」

 

柊木さんをチラッと見ると思ったらこっちにピースをしていた。

 

本当に聞こえてるんだぁ。

 

「さて、まずは今回の事件を整理してみましょう。まずは美桜さんと栄子さんの2人が不審者に遭遇したという事でしたね。その目撃した不審者ですが、まずは本当に実在したのかどうか。そこが一つ目の大事な要素になります。あざみさん、まずは念視によって何を見たか教えて頂けますか?」

 

「はい!人影を見ました!美桜の感じている視線や栄子さんの見たものと同じだと思います。やっぱり何かそこにはいたんです!」

 

「great!その調子ですあざみさん」

 

「2つ目の質問です。その人影は何だったのか。考えてみましょう。

あざみさん、その人影が美桜さんの部屋にいたであろう痕跡がありましたね。それはなんだったでしょうか?」

 

「ユニットバスのトイレの便座が上がっていました。美桜はちゃんと閉める人なんです!」

 

「excellent!いいですよあざみさん。便座が上がってた。それが指し示す性別は男です。家主がそういった事に敏感な人なら特に」

 

「どどど、どういうことですか!?怪異なのにトイレに行ったって事ですか?」

 

「怪異とは様々存在し、人と同じ様に行動する怪異も存在するのです」

 

「そ、そうなんですね」

 

「最後の質問ですあざみさん、怪異を目撃したのは栄子さんでしたね。では彼女はいつどうやって、どこで目撃したのでしょうか」

 

「ベットの側で横になって寝ようとした時なので・・・ベットの下で目撃したんだと思います!」

 

「brilliant!その通りです。栄子さんは"ベットの下"にいる"男"を目撃したのです。この状況から導かれる都市伝説は・・・」

 

 

 

ー特定ー

 

 

「ベットの下の男です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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