柊木side
梅木コーポに着いた俺達はアパートの管理人さんに挨拶を済ませ、幽霊が出たという104号室に向かった
「すいませーん、都市伝説解体センターから来ましたー、谷原さんいらっしゃいますか?」
そう言いながらノックをするとすぐに中からキノコヘアの男が出てきた
「どうも〜待っていましたよ!む!女の子!?もしや予言の女か!?」
あざみを見て言ってるのか?何言ってんだこの人。
「あの、ウチの調査員がなにか?」
「鏡に向かい女の名前を呼ぶ人間の命を奪う」
谷原さんはそう言いながら1枚のカードを取り出した
「柊木さん!あれってイルミナカードでは!?」
「だね、あの谷原さん!そのカードなんですが・・・」
「次の動画はこれで決まりだな、これでまた再生数稼げるぞー」
見せてください、そうお願いしようとしたが全然聞いてくれない
「あの!谷原さん!」
「ああ、こっちの話です。気にしないでください」
どうやら今はカードについて話す気はないらしいな。後で改めて聞いてみるか。
「どうも、改めまして谷原きのこですー。心霊系動画配信者やってます。気軽にきのこさんって呼んでくださいねー」
「いつも拝見してますよ、この前の樹海でコックリさんやってみたの動画とても面白かったですよ」
「さすがセンターの調査員さん!目の付け所がいいですねぇ〜、そういうセンターさんの動画も強いですよね、いつも見てますよー」
「ありがとうございます!」
「今度コラボとかどうです?きっとバズると思うんですよねー」
「それはいい考えですね、センター長に言っておきますよ」
「お願いしますよ〜」
よし、挨拶はこれくらいにしてそろそろ本題に入ろう
「まず、改めて依頼内容を教えて頂けますか?」
「いいですよ〜、今回お願いしたいのは僕自身の目で幽霊の存在を確かめる事と、あの配信がやらせじゃないと証明することですね。あ、昼間は配信やらないんでこの部屋は自由に見ちゃってください」
「分かりました、では早速調査のほうを始めさせて頂きます」
「頑張りましょうね、柊木さん!」
「ああ、とっ、その前にあざみに問題です」
「はい、なんですか?」
「これから何をすればいいと思う?」
「そうですねぇ、まずはなんで幽霊が映ったか、配信の時に何が起こったか、それとイルミナカードについても聞いた方が良さそうですね」
「お!よく出来ました!あざみはもうウチの立派な調査員だね」
「えへへー、そうですかぁ?もう、そんなに褒めないで下さいよ!」
「よし!この調子で調査頑張っていくぞ!」
「はい!任せて下さい!!」
あざみside
まず初めに私達はきのこさんに話を聞く事になった
まずきのこさんのお仕事について。配信歴は結構長くて、心霊系配信者になったのは5年くらい前。企画から配信、編集まで基本的に1人でやっているみたい。
心霊系配信者とか私だったら絶対ムリ!猫系配信者とかならやってもいいけどなぁ。
次に幽霊について。この部屋にカメラを固定しながら鏡の前で幽霊が出るのを待っていたら出たらしい。そして配信のコメントで後ろに何か居ると言われて振り向いたけどそこには何も居なかった、とのこと。
確かに振り向いても鏡と壁しかないし・・・。この付近に居たら目にも留まるよね、この付近には居なかったって事?
この部屋についても聞きてみた。きのこさんはこの部屋では生活してはいないようで撮影の為に借りてるだけらしい。それと動画にでてきた鏡、あれは演出用ではなくこの部屋の備え付けの物だということも分かった。
幽霊の噂がある部屋をわざわざ借りるなんてよくそんな事ができるなぁ、それときのこさんお隣さんがこの話になると目の色変えるから気をつけてって言ったけ?どんな人だろう。
最後にイルミナカードについて。きのこさんはイルミナカードが予言を描いたカードだと知っていてSAMEZIMAやジマーの事も知っていたけど、そのカードの予言が示す人物が自分だとは思って無かったようだった。それを聞いて怖がったりするのかと思いきやむしろ呪われたいとまで言い出した。
「今のところ聞きたい事はきけましたね」
「そうだね。じゃあ次は現場を見てみようか」
「はい!どこから調べましょうか?やっぱりあの鏡ですかね」
「確か備え付けなんだよねあの鏡、一度よく見てみようか」
柊木さんと鏡を見てみるとジャスミンさんが映っていた。
「ジャスミンさんが今いる所の先の玄関まで映るみたいですね」
「だね、ってことは・・・」
そう言いながら柊木さんは部屋の外に出て台所のすりガラスになっている窓を見始めた。
「うーん、何も見えないか。あざみ、メガネで何が見えない?」
「はい!見てみますね・・・ヒィ!」
メガネをかけてから見てみるとちょうど柊木さんが立っている所に影が現れた。
「ひ、柊木さん、影とちょうど被ってます!危ないですよ!」
「げ、ほんとだ、って、ここから部屋の中を見たら鏡と鏡越しにカメラが見えるよ」
柊木さんと横に並んで見てみると確かに見える。じゃあここに幽霊が居たってことなの??もしそうなら本物の幽霊を見えるようになっちゃったのかな!?
「柊木さん、どうしましょう!私、過去の光景だけじゃなくて本物の幽霊まで見えるようになってしまったのかもしれません!どうしたらいいですかぁ〜」
「ちょ、落ち着けって、まだこの影が幽霊だと決まったわけじしゃないでしょ、ほら、深呼吸、深呼吸」
「は、はい、深呼吸、深呼吸っと」
ふぅ、少し落ち着いたかも・・・あれ?この影よく見ると・・・
「柊木さん、この影、ワンピース着ているように見えませんか?しかもなんか凄く怒っているような・・・」
「言われてみれば確かに、それに髪も長いし女性の影かな?」
「かもしれないですね、他の影も見てみましょうか!」
「そうだね、パソコンの前辺りに出ているみたいだから行ってみよう」
「はい!」
柊木side
外の影を調べた後、次は部屋の中の影を調べることにした。
室内いた影はなんと髪の長い影が男に馬乗りになって男を刺しているような影だった。
「これはまた、物騒な影」
「物騒すぎますよ、人に馬乗りになるなんてそんな滅多な事ないですよ!!」
「う、うんそうだね」
「あ!見て下さい!ここだけ畳が新しくなってるみたいですよ」
あざみが指摘した畳を見ると確かに1枚だけ新しくなっていた
「1枚だけ変えるなんてとこするんでしょうか?」
「無いとは言えないけど影のいる場所だから余計気になるよね、でも配信に出た幽霊とはまた違うみたいだし」
「そうなんですよねぇ、なんなんでしょうか」
「もしかして結構前の影って事はないかな?」
「あ、それあると思います!このアパートで何かあったのかも!お隣さんなら何か知っているんじゃないですか?」
「確かに!早速お隣さんに話を聞きに行こうか」
えっと確か外に出てすぐ近くにいたような・・・あ、いた!
「すいません、ちょっとお話しよろしいでしょうか?お隣の104号室の事についてお聞きしたいんですが」
「あらぁ、104号室について知りたいの?私、他の誰よりも知っているわよ。104号室のお隣だから!んっふ」
「は、はぁ。よろしくお願いします」
お隣さん、えーと、たれかみさん・・・じゃなくて垂髪と書いてうないさんは昔からこのアパートに住んでいるらしく色々話を聞くことができた
垂髪さんによれば噂の霊は前に104号室に住んでいた人らしく、喧嘩なのか大声や物が割れる音がするのがしょっちゅうあったとか。事件当時はいつもとは明らかに違う叫び声がしたので玄関から覗いて見ると部屋が血の海だったらしい。
「その時の写真がこれ」
まるで旅先で撮った写真を見せるかのようにその時撮った写真を見せてきた
・・・血の海っていうから部屋中血だらけかと思ったけど真ん中だけ赤くなってる・・・って、あれ?真ん中って確か畳が1枚だけ新品になっていた所と一致するな、後でもう一度調べておこう
幽霊の特徴ついても垂髪さんは細かく知っていた
"長い髪で白いワンピースを着た女性"あざみと見た影と一致するな
よし、とりあえずこんなのもんかな
「垂髪さん、お話、ありがとうございました」
「・・・・・・・」
「あの?垂髪さん?何か?」
「あなた、よく見たらなかなかいい男じゃない?ここに引っ越してこない?また女絡みの面白い事件を見れそうだし、んっふ」
「か、考えておきます」
勘弁してくれ、本気でそう思った
あざみside
柊木さんと一緒に、えーと、お隣さんに話を聞いた後もう一度部屋の中の影を見てみる事にした
「それにしても私が見た幽霊っていったいなんなんでしょうか?」
柊木さんに聞いてみると柊木さんは左手をほっぺに当あてて考え始めた。
「・・・"この部屋の中で男を殺した女性"を見たんじゃないかな」
「なるほど、じゃあ、もしかして男を殺した後にの人は自分自身を・・・」
「多分、そういう事なんだろうね」
「そ、そんなことって・・・」
「ここの新しい畳もその時に血で汚れたから新しくしたんだろうね」
「や、やっぱりそうなんですね〜」
やっぱり私が見たのって本物の幽霊ってこと!?あ、幽霊と言えばきのこさんがやっていた儀式ってなんの儀式なんだろう、ちょっと聞いてみようかな
きのこさんに動画の中でやっていた儀式の事について聞くとあれは霊を呼び出す儀式らしく、深夜2時に暗い部屋で、鏡の中前に立って3回回る、そして鏡に向かってメアリーと3回唱える・・・だけみたい。しかもこの部屋の幽霊が昔男を殺した女の幽霊だと知っていた。
知っているなら早く教えてくれればいいのに、そう呆れていると
「あざみ、一旦ジャスミンも交えて情報の整理といこうか」
そう柊木さんに呼ばれたのでジャスミンさんの居る所に集まった
「はぁージャスミンさんを見ると落ち着きます!」
「アタシ、マイナスイオンでてっからね」
「マイナスイオン・・・」
「ラギッチ、なんか言いたい事でも?」
「いえ、なんでも無いです」
「と、とにかく、もうここの調査はこれくらいが限界みたいなんです」
「ん?いや、よく調べたほうだよ。多分これくらい情報が集まったらそろそろセンター長から連絡が・・・」
ジャスミンさんがそう言うと私の携帯が鳴った。
「どうも、お疲れ様です」
「センター長さん!」
「ずいぶん情報が集まったようですね。そしてきのこさんはイルミナカードの予言を恐れないどころか、危険な目に遭いたいとまでおっしゃていましたがその後どうですか?」
「え・・・」
「イルミナカードが実際にどう機能するのか私自身もまだ未知数なのです。そんな中身近に2人もカードの所有者が現れ3人目も!よろしければ今から・・・」
「センター長!ストップ!ストップ!今は特定が先でしょ!」
「おや、これは失礼」
ナイスです!柊木さん!!
「では、改めまして特定と参りましょうか」
「まず最初に、動画の撮影場所についてお聞きします。あざみさん、噂がただの噂ではなく実際に事件があったことがわかり、霊を呼び出す儀式の舞台となった場所はどこでしたか?」
「今居る104号室です!過去に事件のあったホンモノの事故物件だったんです!」
「great!その通りです」
「次に儀式によって現れた幽霊についてお聞きします。きのこさんの動画で幽霊が映し出された場所はどこですか?」
幽霊が見えたのは鏡越しだったから・・・
「鏡に映っていたのかと思います!」
「その通り。最初に現れたのが鏡の中というのが重要なんです!」
「え?幽霊が現れた場所が重要なのでは?」
「都市伝説というのは人に気づかれ、名前や噂がつけられて初めて存在することになるんです。今回の場合は鏡の中で初めて幽霊を見たことで都市伝説となったのです」
「な、なるほど」
「ところで、今回幽霊は鏡の中だけに存在したわけではなさそうですね。あざみさん、メガネで追った痕跡から幽霊はどこにいたのかわかりますか?」
「きのこさんの部屋の玄関前です!そこに立っている女性の影を柊木さんと一緒に見ました!」
「excellent!そう!カメラには玄関前に立ちすりガラスに映る女性の影が映っていましたね」
「最後の質問です。幽霊を呼び出す呪文としてきのこさんが唱えた文言とは、一体どのようなものだったでしょうか?」
「鏡の前で3回まわって、メアリーと3回唱える、です!」
「brilliant!そうです!この呪文を唱える都市伝説はひとつしかありません!それは・・・」
ー特定ー
「"ブラッディメアリー"です」