キミの支えになりたくて   作:飯即斬

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21話 その日まで

 

柊木side

 

あざみが公園で足を掴まれた翌日、今日も調査のため梅木コーポに向かっていた

 

「あざみー昨日は大変だったね」

 

「そうなんですよ〜、でも柊木さんがいてくれたお陰で命拾いしましたよ!まぁ、ちょっと足首が痛いんですけど、えへへ」

 

「でもさ、あざみー、その傷ヤバくない?」

 

「や、やっぱりヤバいですかね?」

 

「わからん、とりあえず今日の調査でその傷のことも調べたら?」

 

「それがいいかも、アパートを調べた後に昨日の公園に行ってみようか」

 

「ですね!」

 

「あ、もうきのこのアパートに着くわ。アタシは車を公園のじじいに文句言われないよう裏に停めておくから調査よろしく」

 

 

 

梅木コーポに着いてきのこさんの部屋に入る前にあざみの足首の傷を見せてもらった。

 

 

「やっぱりただの傷じゃないよね?」

 

「ブラッディメアリーの引っ掻き傷、ですよね。柊木さん、ジャスミンさん、私、死ぬんでしょうか・・・」

 

「現状、なんか体調に変化ある?」

 

「いまのとこは特に問題はないですけど・・・」

 

「ごめんあざみ、俺、完全に油断してた。もっと警戒しておくべきだった」

 

「そんな!柊木さんのせいじゃないです!それに襲われた時ずっと側にいてくれたじゃないですか、私嬉しかったですよ!」

 

「そう言ってくれると少し気が楽になるよ」

 

「でもあざみーの傷が本当にブラッディメアリーの呪いなら解かないとマズいでしょ」

 

「うぅ、そうですよね・・・」

 

「でもなんでこれまで玄関に現れていたメアリーが公園に現れたんだ?ラギッチはどう思う?」

 

「今のところは分かんない。でもその理由はメアリーの原理や呪いの解き方に関係してきそうなんよね」

 

「なるほどね、よし!アタシの知り合いのツテを頼ってみるわ」

 

「ああ、頼んだ」

 

「ジャスミンさん、ありがとうございます」

 

「よし!俺とあざみは今日も調査といきますか!早くあざみの不安も取り除かないとね!」

 

「はい!よろしくお願いします!柊木さん!」

 

 

今日調べることは、玄関に出ていた幽霊、四谷みわ子が今までは玄関に出ていたのに何故いきなり公園に出たのか、あざみが襲われた理由、この部屋と前の住人について、かな。とりあえずきのこさんに昨日のことについて話をしておこう

 

きのこさんに昨日の事について話を聞くと、きのこさんもなぜ幽霊が公園に出たのかを気にしていた。

 

なぜ違う場所に幽霊は出たのか、きのこさんはブラッディメアリーの意識に変化があったから、霊的な存在は自分はここにいると気づかせたいんだと言っていた、確かに十分にありえる。つまりブラッディメアリーは誰かに自分の存在を気づかせるために動いているってことになる。あの時メアリーの存在に気づけたのは・・・

 

"念視の力を持つあざみがターゲットになった"ってこと?でもそれなら俺もサイコメトリーで視えるし・・・あざみの念視の方がより視えるから?それしかないよな

 

まいったな、あざみになんて説明したらいいんだよ。

 

「ねぇ、あざみ、メアリーが公園に出た理由なんだけどさ・・・」

 

「うぅぅ、柊木さーん、私もうダメかもですぅ」

 

「え?」

 

あざみも脳内センター長と一緒に同じ結論に至ったそうだ。本当にあざみに取り憑こうとしているのなら急いだ方がよさそう、きのこさんに相談してみるか

 

 

きのこさんに相談すると除霊の儀式をするには霊的媒介が必要になるらしい

 

ちなみに霊的媒介とは除霊する幽霊と強い結びつきがある物のこと。いつかのセンター長の長話の中にそんな話があった

 

その霊的媒介を今晩ここで儀式をするのでそれまでに見つけて欲しいときのこさんは言った。ブラッディメアリー、四谷みわ子に関係のある物・・・この部屋に残ってたりないかな?きのこさんに聞いてみよう

 

「きのこさん、内見の時や引っ越して来たあとにこの部屋に鏡以外に残っていた物はありませんでしたか?」

 

「え?そんなのあればとっくに動画のネタに・・・あ!そういえば内見の時押し入れの奥にビニールテープでぎちぎちに巻かれたダンボールがあったんだった!」

 

「それ!今どこにあるんですか?」

 

「・・・ないんだ、不動産屋がさっさと回収してったよ、だからいまの今まで忘れてたんだ、ねぇ、探してきてよ!」

 

「え!まぁ、できるだけやってみますよ」

 

でも普通に考えてもう処分されてるだろうな、どうしようか

 

「柊木さん、もしかしたらお隣さんが何か知っているかも」

 

「なるほど、あの人ならあり得そう、ナイス!あざみ!」

 

「えへへへー」

 

よし!垂髪さんに話を聞こう。

 

 

 

「こんにちは、垂髪さん」

 

「あら?今度は2人で内見にでも来たのかしら?んっふ」

 

「い、いえ、事件についてもう少し詳しくお聞きしたいなと」

 

「よほど気になっているのね、いいわよ、教えてあげる。んっふ」

 

「ど、どうも」

 

相変わらずだなこの人も。さてと、何を聞こうかな、事件の概要は聞いたし・・・そういえば事件の後の話はまだ聞いてないよな

 

「あの、事件の後ってどうだったんですか?」

 

「それが大変だったのよ!遺体よ!遺体!女の方は遺族が引き取ったんでしょうけど、男の方は誰も遺族がいなかったの。そのせいでオーナー苦労したみたいよ」

 

「そうだったんですか」

 

「柊木さん、思ったんですけど、なぜ四谷みわ子さんは今アパートに出て来るんでしょうか?」

 

「ん?確かにそうだね」

 

何か理由があるはず・・・そう考えていると垂髪さんが変な事を言い出した

 

「ねぇ、その四谷みわ子って名前本当にあってる?」

 

「え?あっていると思いますよ」

 

「ふぅん、別にいいけど」

 

どうしたんだ急に、四谷みわ子であっているよな?一応メモしておこうかな・・・よし、次は104号室の荷物について聞こう

 

 

「あの、きのこさんが内見したのときにビニールテープで巻かれた箱があったらしいんですが何か知りませんか?」

 

「あぁ、それならオーナーが警察に渡したわよ」

 

「はぁ、そうですよね」

 

「まぁ、普通は事件のあった部屋の物なんて手に入らないわよね、普通は、んっふ!」

 

「そうですよね、普通は手に入らないですよね、はぁ、あざみ、一度部屋にもど・・・え!?あるんですか!?」

 

「んっふふふふふふふふぅ!み、た、い?」

 

「見たいです!見たいです!」

 

「いいわよー、特別だからね、とってくるわ」

 

マジか、渡りに船とはこのことだな!

 

 

 

垂髪さんが持ってきた箱を開けてみると中から包丁が出てきた。

 

「垂髪さん、もしかしてこの包丁って・・・」

 

「そうよ、その、包丁よ」

 

とんでもない物を隠し持ってんなこの人!警察から遺族のフリして受け取ったて言ってたし、色んな意味で1番ヤバいのこの人では?

 

とにかくきのこさんに見てもらおう

 

 

「きのこさん!見つけましたよ!これですよね?」

 

「そうそう!それだよ!それで?中身は?」

 

「犯行に使われた包丁が入ってました」

 

「やばいじゃん!これ写真撮ってもいいかな?絶対バスるよ!」

 

「いいですけど、これで除霊ができるんですよね」

 

「もちろんさ!とりあえず包丁は借りるよ」

 

ふぅ、よかった、なんとかなりそう

 

「あざみ、よかったかな、これで幽霊とはオサラバだ!」

 

「はぃぃぃ!よかったですぅぅぅ!」

 

泣いて喜んでいる、そりゃそうだよな、ん?パソコンの電源が入ってるな・・・ちょっと失礼してっと

 

パソコンを見てみると動画の書き出し中のようだった。これって昨日の俺とあざみか?なんでまた、きのこさんは・・・除霊の儀式の準備で忙しいみたいだし、先に公園を調べに行くか

 

「あざみ、そろそろ公園にも行ってみようか」

 

「そうですね、あれ?ジャスミンさんは?」

 

「また?いったいどこに・・・電話?ジャスミンからだ、まさか、もしもし?どうした?」

 

「あのジジイ、アパート裏まで見にきやがった。ちょっとどっかに駐めてくるわ、公園の方は頼んだ」

 

「ああ、分かった。しょうがない、先に公園に行っておこうか」

 

「ですね!」

 

 

あざみside

 

アパートを調べ終えた私と柊木さんは目の前の公園にやってきた

 

「柊木さん、私、昨日ここで引っかき傷をつけられたんですよね。いったいどうなっちゃうんでしょうか、怖いです」

 

思い出したら震えが止まらなくなってきた、どうしよう・・・

 

「あざみ、手、出して」

 

そう言われて差し出した手を柊木さんは両手で握りしめてきた

 

「昨日も言ったけど大丈夫!俺がついてる、昨日は不覚をとったけど今度はそうはさせない!あざみは俺が全力で守る!だから元気だせ!な?」

 

柊木さん・・・嬉しくてつい空いている方の手を柊木さんの手の上に乗せた。

 

「ぐすっ、はい!ありがとうございます!もう大丈夫です!」

 

「よし!よく言った!気を取り直して頑張るぞ!」

 

「はい!!」

 

そうだよね、クヨクヨしてる場合じゃないよね!よーしまずは管理人のおじいさんに話を聞こう!

 

 

「こんにちは、すいません今、車は移動させてますから」

 

「いやいや、また面倒かけてすまんね」

 

「あの、実は昨日ここで女の幽霊に足を掴まれて・・・管理人さんもなにか見ませんでした?」

 

「なにぃ!?女の幽霊?!・・・あんたは勘違いをしとる、幽霊なぞいるわけあるまいよ」

 

「え?でも・・・」

 

「んむむ、この公園は裏に病院があっての、そこから患者が夜抜け出してここでタバコを吸ったりしとるような所でな、それとあんたは見間違えた!わかったな!」

 

「わ、わかりました?」

 

突然どうしたんだろう?今はもうこれ以上話を聞ける雰囲気じゃないしあそこにいるヒナタさんに話を聞こうかな

 

「こんにちは、ヒナタさん!」

 

挨拶をするとヒナタさんは柊木さんに詰め寄ってきた

 

「こんにちは、よかった、こんなにすぐに会えるなんて」

 

「え?ああ、そうですね、あの、昨日ここで女の幽霊見ませんでしたか?あざみが昨日足を掴まれてって近いですよ!」

 

「あ!ごめんなさい、つい・・・」

 

本当にどうしたんだろう?昨日はそんな感じじゃなかったし、柊木さんも困惑しているみたいだし。

 

 

「コホン、アパートに居るのは見た事はあるけど、この公園では見た事ないわね」

 

「そうですか、ヒナタさんも気をつけてくださいね」

 

「そうね、そうそう、あの配信者さんもあんな部屋から引っ越ししたらいいのに」

 

「きのこさんの事知っているんですね!」

 

「ええ、たまたま動画を見てねビックリしたのよ、あの鏡も映り込んでいたし。あなた達も引っ越すように言ってあげて」

 

「そ、そうですね、でもブラッディメアリーがいる限り難しいでしょうね」

 

「ブラッディメアリー?何かしらそれ」

 

「鏡の前に立ってメアリーって3回女の名前を唱えると出てくると言われている幽霊のことです」

 

「鏡・・・マリ・・・」

 

「どうかしました?」

 

「え?い、いいえ、なんでもないわ。あ、ごめんなさい、私そろそろ行かないと」

 

「は、はい、ありがとうございました」

 

 

「ヒナタさん、そそくさと行っちゃいましたね。どうしましょう」

 

「とりあえず、現場を調べてみる?昨日の影とか残っているかもしれないし」

 

「ですね、それじゃあ、メガネかけますね」

 

昨日襲われた場所を見てみると3つの影が残っていた

 

「この2人の影は私と柊木さんだ、ひぃ!茂みから手が伸びてる?!」

 

「茂みから手が伸びているってことは・・・見て!あざみ!ここ枝が折れてる、誰かがここに居たんだ」

 

「本当ですね、右奥に向かって枝が折れているみたいです、これって移動した跡って事ですかね?」

 

「だろうね、多分あっちの影はその時のかも」

 

「早速調べましょう!」

 

最後の影をよく見てみると茂みを掻き分けてどこかに向かって逃げているように見えた。奥の林の方に向かっている?調べてみよう

 

「奥まで来ましたけど木と草がすごいですね、この先に進む人はあんまりいなさそうです」

 

「だね、でもよく見てここ、枝の葉っぱがここだけはげちゃってる」

 

「ホントですね、幽霊がここを通っていったんですかね?」

 

「ちょっと、奥に行ってくるから待ってて」

 

「え!ちょ、ちょっと!柊木さん!・・・行っちゃった」

 

それからほんの数分で柊木さんは戻ってきた

 

「ぶはっ!全身に葉っぱが!取るの手伝って!」

 

「は、はい!あの奥はどうなってました?」

 

「病院に続いているみたいだけどそこに繋がる門は封鎖されてたよ、多分あの管理人さんがやったんじゃないかな」

 

「そうだったんですね」

 

「ところでさっきの影のときも思ったけどなんか人間ぽい動きだよね」

 

「私も思いました、どういうことでしょう」

 

「あざみの足に引っ掻き傷をつけたのはメアリーじゃなくて人間の可能性もでてきたって事じゃないかな」

 

「本当ですか!やったぁ!!」

 

「でも、油断は禁物、最後まで気を引き締めていこうか」

 

「はい!」

 

調査した事をまとめていると辺りは暗くなっていった

 

うぅ、柊木さんは私を襲ったのは人間かもしれない、って言ってたけどまだそうと決まったわけじゃないし・・・本物だったら・・・

 

「あざみ?どうした?怖くなってきた?」

 

「へ!?い、いえ!大丈夫です・・・ウワッ!なんだ電話か、ってセンター長さん!?」

 

「このタイミングで?珍しいな」

 

「もしもし、センター長さん!あざみです!柊木さんも居ます!」

 

「千里眼で見てますから分かってますよ、これから行われる除霊の儀式楽しみですね、ブラッディメアリーに有効だと良いのですが」

 

「そんなことを言う為に電話してきたんですか!?私死ぬかもしれないんですよ!」

 

「大丈夫、あざみさんは死にませんよ。その日まで、私と柊木さんが守ってみせますから」

 

「え?その日まで?どういう・・・」

 

「事件はまだ続きますよ、頑張ってください」

 

そう言ってセンター長さんは電話を切った。さっきのどういう意味だろう。柊木さんなら分かるかな?

 

「あの、柊木さん、さっきのセンター長さんの言葉ですけど・・・」

 

「それより、そろそろきのこさんの部屋に戻ろうか、儀式の準備できてるかも」

 

「え?は、はい!」

 

 

柊木side

 

公園の調査を終えて儀式の為にアパートに戻ってきた。

 

「きのこさーん?儀式の準備できました?あれ?いない?」

 

変だな、どこ行ったんだろう?・・・・

 

「あざみ、俺の側から離れないように」

 

「はい、バッチリ袖掴んでます!」

 

「・・・準備オッケーてわけね、よし、入るよ」

 

ゆっくり奥へ進み鏡の前まで来た。

 

「きのこさん、どこにいったんでしょうか?」

 

「ほんとにね、いったい何やって・・・あざみ!うしろ!」

 

「え?きゃぁぁぁぁぁっ!」

 

「あざみ!こっちに来て!」

 

あざみの盾になるように前にでた

 

「ひ、柊木さん!!」

 

「大丈夫、そこに居て」

 

「はい!」

 

あざみは両手を前にやり、強く握りしめている。クソ!どうする?戦うか?ダメだ、今あざみの側を離れるのは危険すぎる、そう思っていると

 

 

「ちぇすとーーー」

 

「ふべぁ!!」

 

「ラギッチ!取り押さえて!」

 

「ジャスミン!ナイスタイミング!」

 

ジャスミンが奴にドロップキックをお見舞いした。倒れた隙に俺が取り押さえてる。って、きのこさん!?なんで?

 

「え?きのこさん?何しているんですか?」

 

「わわわわ!やばいやばい!バレちゃう!配信止めなきゃ!ストップストップ!」

 

「おいきのこ、これどういうこと?もしかしてこれ、あんたの仕業?」

 

「・・・・」

 

うーわ、ジャスミンガチギレしてる。

 

「じゃあ、公園であざみーを襲ったのもあんたのヤラセだな。お前ふざけんなよ。おい。こっちにこ来い」

 

終わったな。ナンマンダブ、ナンマンダブ

 

「ジャスミンさん!暴力はダメですよ!」

 

「今回の件に関しては調子に乗りすぎ、ねぇ、ラギッチ」

 

「ああ、さすがに擁護できない。どうしてやろうか」

 

「ちょ、ちょっと柊木さん!顔怖いですよ!」

 

おっと、危ない危ない。つい手がでそうになった

 

「きのこさん、話を聞かせてもらいますよ」

 

「帰って!もう、帰ってよ!」

 

「わ、分かりました!帰りましょう、柊木さん、ジャスミンさん、帰りましょう」

 

「え?ちょっと、あざみ!?」

 

あざみに背中をぐいぐい押されて今日の調査は終了した。

 

 

 

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