柊木side
調査が終わったある日の夜更け、俺とあざみは横に並んで歩いていた。
「ネットで盛り上がってますね。SAMEZIMAの件」
「みたいだね、ほとんどの人はただの冗談だと思っているみたいだけどね」
「本当なんですかね?官房長官に爆破テロを仕掛けたのはジマーだとかあのカウントダウンは爆破予告だとか言われてますけど」
「ジマーの仕業か分からないけどニュースにはなっている。"謎の集団による爆破テロで3名死亡"だって。公安のテロ対策本部から注意喚起も出ているみたいだし、無視はでき・・ん?」
背後に不穏な気配を感じ振り返るが誰も居なかった。
たしかに人の気配がしたんだけど・・・気のせいか?
「ど、どうしたんですか?」
「・・・いや、なんでもない」
その後も背後を警戒していたが先程の気配を感じることは無かった。
後日 センター屋内
俺とあざみはセンター長と例のカウントダウンについて話していた
「カウントダウンが何かの予告ではないか・・・と」
「怖いです。0になったとき、いったい何が起こるんですか?そもそも彼らはなぜこんなことを」
「カウントダウンが0になったとき、彼は戦争や災害、パンデミックの発生を信じている。それが起きれば自分は変われると信じているようですよ」
「そんなチャンスありうるんですか?」
「あると信じたいんだろうね、きっと」
「そうですね。でも私は楽しみです、愚か者たちの全てが晒され、審判が下るその日が」
「え?どういうことです?」
「それはそうとセンター長、今回の依頼について教えてください」
「おっと、そうでした。今回の依頼は参加者が行方不明者になると噂のミステリーツアーの主催者の招待と目的を明らかにする事です。ちなみに依頼人は匿名でした」
「匿名って、何から何まで怪しいじゃないですか」
「注意してください。我々の正体がバレるとツアーが中止になる可能性があるとのことです」
「え、バレたらダメって、私と柊木さんにツアーへ潜り込んでこいってことですか!?」
「そうです。頼みましたよ」
あざみside
センター長さんから今回の案件の説明を受けたあと、いつも通りジャスミンさんの運転で現場向かっていた。
「上野オカルト&ダークねぇ、参加者が行方不明になる主催者不明の謎ツアー。本当にこんなのあるんだ」
「しかも当選者しか参加できないらしいね。今回の依頼はその当選者からの依頼ってところかな」
「あの、覆面とか被った方がいいんでしょうか?」
「被ってどうなる。ガチガチの潜入調査ってわけではないんだし、当選権を譲り受けたって事さえバレなきゃ問題なし」
「ま、あざみがセンターから来ました!なんて言わなきゃ大丈夫でしょ」
「あー、あざみー言っちゃいそう。気をつけなよ」
「うぅぅぅ、気をつけます・・・・」
どうしよう、言ってしまいそうな気がする。と、取り敢えずツアーについてSNSで調査してみよう!
上野オカルト&ダーク、このツアーは完全招待制となっていて開催日や集合場所などは当選者のみDMで送られてくる仕様のようだった。そして今回調査するツアーの内容は、「不忍池の怪異」「上野公園未解決事件の真相」「上野に眠る秘密の地下施設と東京を守護する結界」とあった。
当選者についても調べてみた。当選と言っても応募するのではなく、いきなり当選招待のDMが届くらしく、過去に参加した人も満足度は高そうだった。今回参加する人の投稿もあり"山田ガスマスク"というネットのライターとして有名な人も参加するみたい。
「こんなもんですかね」
「うん、結構参加したって人も居たね」
「このツアーで行方不明者が出てるって事ですよね?やっぱりこの調査は危ないんじゃないですか?」
「とにかく、主催者や他の参加者にはバレないように参加、集合場所についたらうまく参加者に紛れ込んでこっそり情報収集!OK?」
「お、おーけーですぅぅ」
大丈夫かな私、大丈夫・・・だよね?
SNS調査を終えしばらくするとツアーの集合場所である不忍池に着いた。空はすっかり暗くなっている。
「お!あそこですかね?人が集まっています!」
スワンボートの船着場に人が集まっていたのでそこに向かい1番手前に居た女性に声をかけた。
「あの集合場所ってここですか?」
「え?え?多分違うと思いますけどぉ・・・」
あれ?おかしいなぁ
「上野オカルト&ダークっていうミステリーツアーで集合場所がここだって書いてあったんですけど・・・」
ツアーの名前を出すと奥から顔を半分仮面で隠したタキシード姿の男の人が出てきた
「参加者の方?でしょうか・・・招待DMを拝見いたします」
「はい!これですね!!」
「確かに、こちらでしばらくお待ちください」
「はい!」
潜入成功!やったね!後ろに居る柊木さんとジャスミンさんにピースをしているとさっきの女の人が話しかけてきた
「さっきはごめんなさい。まさか3人で参加なんておもってもみなくて!でも女の子来てくれてよかったぁ!」
「よろしくお願いしますね!」
「え?3人?そんなんOKなん?」
「同伴が許可されているという事は初耳ですな」
ガタイのいい男の人とオタク風の人は私達の事を疑問に思っているみたいだった。
しばらくするとタキシード姿の人が集合してください、と皆を集め出した。
「参加者全員揃ったところで・・・上野オカルト&ダーク、スタートとさせて頂きます!ようこそ!摩訶不思議な世界へ!」
あ!いよいよ始まるみたい!いったい何が待ち受けているのかな?