あざみside
柊木さんの特定の後、私達は次のスポットに着いた。
「はい!こちら7年前にこの場所で起きた殺人事件の現場となっております」
ガイドさんが司会進行している側には花と遺影が置いてあった。
ん?この遺影の写真って!?
「木村さん!この写真!」
「う、うん、私が撮影しちゃった幽霊だね・・」
そんな!なんでこんな所に!
「ええっと、よろしいですかね?こちらの場所ではしばらくの休憩と見学、さらには事件に関わる簡単なクイズを用意しています!」
「いや、事件現場でクイズって」
「ああ?あれって未解決なん?なんとかってオカルト研究家が犯人やったんちゃうの?」
「ちょっ!如月さんが無実だったのは周知の事実でしょう!?」
ガスマスクさんと松田さんの会話に食い気味で藤原さんが入ってきた
藤原さん急にどうしたんだろう?あれ?如月ってどこかで聞いたことある名前のような・・・
「ははは、盛り上がって参りました!まずは少しご休憩いただいてからこちらのスポットを案内させいただきます!」
ガイドさんの合図で各々休憩に入った。私はジャスミンさんと柊木さんと集まっている。
「なんか変な空気になってきたな」
「ジャスミンさん・・・そうですね、みんなどうしたんでしょうか」
「・・・・・・」
「柊木さん?どうしたんですか?」
「ん!?なんでもないよ、ちょっと考え事してただけ、それより今のところ異界ぽくないよね」
「確かに、まだ入り口に立ってないのか、それとも・・・」
「まぁ、俺達の目的はツアーの全容把握と主催者の目的を探ることなわけだし、このまま何もなければそれで良いし」
「そうですね!それなら怖い思いせずに済みます!」
「それと気になるのは他の参加者の様子がおかしいことだな」
「7年前の殺人事件でしたっけ?」
「その話がでてきてからみんな様子がおかしくなった、それに・・」
「それに?なんですか?」
「ねえ、ラギッチはどう思う?」
「・・・・・・」
「ラギッチ!!聞いてんの?」
「・・・!ご、ごめん、なに?どうかした?」
「SNS調査するから手伝ってよ」
「あ、ああ、もちろんだよ、でもその前にちょっとトイレ行ってくる」
そう言い残し柊木さんはトイレの方向に行ってしまった
「やっぱり、ラギッチの様子もおかしいね」
「ですね、どうしたんでしょうか・・・」
「分かんない、単に体調悪いだけかもね」
「それだけならいいんですけど・・・私、ちょっと見てきます!」
「え、ちょっと!あざみー!?」
ジャスミンさんの静止する声を無視して私は柊木さんを走って追いかけた。
少し走ると柊木さんがトイレに入る姿が見えた。
いた!柊木さんだ!中に入るわけにはいかないから入り口で待ってようかな・・・あれ?急に眠たく・・・・
・・・さん、どう・・・て、おいて・・・・で!
うぅぅ、大丈夫ですよ、柊木さんと私がいますよ・・・あれ?私、今誰と話してるんだろう??
「・・・・み、あざみ!あざみってば!」
「ふが!ひ、柊木さん!?私、もしかしてまた寝ちゃってました?!」
「うん、びっくりしたよ、トイレから戻ってきたら入り口の側の壁にもたれかかって寝てるんだもん、てか、なんでここに?」
「柊木さんが心配で追いかけてきたんです。大丈夫ですか?」
「うん、お腹痛かったけどもう落ち着いたよ」
「そうなんですね!良かったです!!」
よかったー!すっかり元気になったみたい!
「心配してくれてありがとうあざみ、良い後輩を持って俺嬉しいよ」
「そうですかぁ〜えへへへー」
もう、褒めすぎですよ!柊木さん!よーし、この調子で頑張るぞ!まずはジャスミンさんの所に戻ってSNS調査しないとね!
ジャスミンさんと合流して7年前ここで起こった事件について調べることに。
ジャスミンさんは7年前の上野のというワードから"上野天誅事件"ではないかと推測。私がなんの事件か聞くとこれも知らないの?と驚かれてしまった。
そんなに有名なのに知らないなんて・・・と、とにかく調べてみよう!
上野天誅事件とは、7年前の9月21日、被害者である"野村健吾"さんが倒れている所の現場近くに"天誅"と書かれた紙が発見されたことからそう呼ばれるようになったらしい。
当時SNS上で犯人として疑われたのはオカルト研究家の"如月努"さんという人だったが、良くも悪くも盛り上がりすぎたせいで如月さんは自殺してしまい、事件は未解決となった・・・そんな事件だったらしい。
そして何より信じられなかったのは犯人だからといって如月さんの家に突撃したり、兄弟や家族も叩いたり、言いたい放題な投稿が数多く存在したことだった。
中でも残酷だったのは如月さんの家に突撃した人達を止めようとした少年を集団でボコボコにしたという投稿、それに賞賛している投稿も沢山あった。酷すぎるよ・・・
「あざみー大丈夫?」
「はい・・・でもいくらなんでもやりすぎですよ!」
「そうだよね、今思えばなんで如月努が犯人だ!って風潮になったんだろう?当時異常なほど叩かれたしね。ラギッチは知ってるよね?」
「・・・うん、物凄く騒がれたからね、あの時のSNSは異常だったよ」
「柊木さんは如月努さんを知っていましたか?」
「うん、あの人の本は好きで読んでたからね、自殺したのは信じられなかったよ」
「そう、ですか・・・」
「それにしてもさ、事件の時亡くなった人、木村ちゃんが撮影した幽霊に似ていない?」
「ですよね!私も思いました!どういうことでしょう?」
「多分だけど今回のスポットを調べたらわかるかもね」
「ですね!そろそろツアーに戻りましょうか!」
柊木side
SNS調査を終えてツアーに合流し、2つ目のスポットの問題を解くことになった。出題された問題は上野天誅事件の由来となった天誅と書かれた紙はどこで発見されたか、この問題を解くと次のスポットが判明するらしい。
「柊木さん、どうしましょうか?」
「とりあえず次のスポットへの地図を探しながら他の参加者に上野天誅事件についてそれとなく聞いた方がよさそう、地図は俺が探すからあざみはみんなに話を聞いてみて、できる?」
「はい!任せてください!」
「頼んだよ!」
コンクリートの道に白線で描かれた人の跡、その側にある遺影と花束、ラッパを吹いている天使の像、その像に描かれた蛇のような絵を調べていき、事件の概要を考えると問題の答えがなんとなくだが分かってきた。
あとはあざみだけど・・・今は木村さんと話しているみたいだな、ちょっと行ってみよう
「あざみ調子はどう?」
「あ!はい!今木村さんから事件の時流行ったTシャツについて教えてもらっていたんです」
「Tシャツ?それって背中に天誅って描かれたやつのこと?」
「え!?背中に描いてあるんですか!?」
「そういう事件だったしね、ですよね?木村さん」
「うん、当時結構流行ったみたいだよ」
「人が亡くなってるのに悪趣味すぎ、遺族の人は相当悔しかったと思うよ、家族の死をネタにされたんだから、ねぇ、木村さん」
「!あ、ええ、そうだね」
「あ!そういえば問題の答えが分かったよ」
「私も分かりました!」
「お!じゃあ同時に言おうか、せーの」
「「遺影の写真の裏に貼り付けられている!」」
どうやら考えが一致したみたいだな、早速調べてみよう
推理どうり遺影の写真の裏を調べてみるがそこには何もなかった
「どういうことでしょう?間違いないと思ったんですけど・・・」
「よく見て!何か貼り付けてた跡がある、きっと誰かが先に見つけて取ったんだ」
「え!一体誰が・・・」
「目星は付いてる、ガスマスクさん、ここの封筒取りましたね?」
「・・・ははは、やっぱりキミにはバレたか、ごめんごめん、隠すつもりはなかったんだけど職業病ってやつかな?見つけた情報は独り占めしたくなるんだ、それと、なんで封筒が遺影の裏にあったか分かる?」
「野村さんの背中から発見されたから、ですよね」
「へぇ、ボクが思った通りなかなかやるじゃん、キミ」
「どうも、それで?封筒の中身は?」
「封筒には2枚の紙が入ってたよ、次のスポットへの地図と上野天誅事件の情報、とりあえずこの封筒はガイドに渡すよ」
ガスマスクさんがガイドさんに封筒を渡すとガイドさんが集合してください!とみんなに声をかけた。全員集まったところでガイドさんが封筒を開けるがその手には次のスポットの場所への地図しか入っていなかった、もう一枚はガスマスクさんが持っていて他の人に見せる気はないらしい、不思議なことに松田さん以外は特に反発しなかった。
「えー、気を取り直しまして!10分の休憩を挟みまして次の場所に移動しましょう!」
休憩中、再びあざみとジャスミンと集まって調査したことを話し合っていた。
「なるほど、木村さんが見た野村健吾の幽霊に野村健吾の同僚の松田さん、天使の台座に描かれた蛇か」
「今のところ、異界の要素は全然無いんですけど・・・」
「油断大敵だそあざみー、今後どうなるかわからんし・・・」
ジャスミンがそう言い終わるとあざみのスマホが鳴った。
「え!センター長さんだ!」
「え!なんで!?まだ解体の段階じゃないっしょ!」
「と、とにかくでますね、もしもし!福来です!」
「どうも、お疲れ様です、調査は順調のようですね」
「はい!でも今のところ解体出来る段階ではないと思うんですけど・・・」
「今回電話を掛けたのは解体をするためではありません、柊木さんにお願いがあり連絡しました」
「センター長、もしかしてまた別の案件に行ってくれって言うんじゃないですよね?」
「great!その通りです、ですのでセンターに戻ってください、待っていますよ、それでは」
はあ、また言うだけで言って切りやがった。でもしょうがないな
「ってことだから俺はセンターに戻るよ」
「柊木さん行っちゃうんですか?」
う、そんなウルウルした目で見るなよ、戻りづらいだろ・・・
「大丈夫だって!さっさと片付けてすぐ戻ってくるからさ!」
「うぅ、絶対ですよ!」
「ああ!絶対だ!ジャスミン、あざみのこと頼んだよ」
「オッケー!任せといて!」
そうして俺は調査を2人に任せてセンターに戻ることになった。