柊木side
眉崎さんの家でコトリバコの調査をした翌日、箱を触ってしまい体調を崩したジャスミンの家にあざみと訪ねた。
「ジャスミン、どう?体調の方は」
「だ、大丈夫だって。足にあの箱の模様みたいな蛇?が巻きついて視えるくらいだからさ」
息も荒く、汗もかいていてなんなら昨日よりも具合悪そうに見える。
「全然大丈夫じゃねぇじゃん。無理すんなって」
「いや、1人で居るとさらに不安になるからさ、一緒に居させてよ」
「ったく、分かったよ!その代わり大人しくしてること!」
「分かってるって、それに何かあったら労災効くでしょ?」
「それはセンター長に聞いてくれ」
とりあえず軽く冗談を言える余裕はあるようだ
「あ、そうだラギッチ、お願いがあるんだけどいい?」
ジャスミンからお願いされたこと、それは調査に行く前に何か食べる物を作って欲しいとのことだった。なんでも昨日はリナさんからお土産に貰ったお菓子しか食べれていないらしい。
二つ返事で要望に答えて、簡単に食べれるうどんを作ってやった。
うどんを作っている間あざみにはコトリバコの前の持ち主である西谷さんについてSNS調査をお願いした
あざみside
ジャスミンさんからのお願いで柊木さんは調査に行っている前にジャスミンさんが無理せずに食べられるようにうどんを作っている。
その間にコトリバコの前の持ち主についてSNS調査をするように柊木さんから頼まれた
今回調べないといけないのは西谷さんについての情報と箱の呪いについてかな?
よーし!やるぞ!
SNSで西谷さんについて検索すると"お宝ハンター西ちゃん"の名前でリサイクルショップのような商売をしているアカウントに辿りついた。
西ちゃんの投稿を追っていくと例のコトリバコを入手した時の写真が出できた。その投稿にはとある村のお屋敷から入手したとしか書いてなくてどこの村かまでは分からなかった。
さらに西ちゃんの投稿を追っていくと体調不良の為しばらく出張買取は受付中止すると投稿がされていた。その後の投稿には幾何学模様の蛇が部屋の壁に見えるとあったが写真には何も映っておらず、念のためジャスミンさんにも見てもらったがジャスミンさんにも視えていないみたいだった。
写真越しには視えないのかな?
そしてその投稿を最後に、西ちゃんは音信不通となっていた・・・・
柊木side
ジャスミンを後部座席で休ませ、あざみがSNS調査で集めた情報を運転しながら共有し、西谷さんの家に向かった。
SNSでは音沙汰無いけど居るかな?半信半疑でインターフォンを鳴らす。
「すいませーん!西谷さんいらっしゃいますか?都市伝説解体センターの者です!」
何回かインターフォンを鳴らし、強目にノックもするも、何も反応は無かった。
「なんの反応もありませんね。もしかして死んでしまっているんじゃあ・・・」
あざみが警察を呼ぼうとスマホを取り出すと扉がゆっくりと開き、チェーンロックでできた隙間からげっそりと痩せた男性が出できた。
「だ、誰だ!!」
「こんにちは、西谷さんですね?都市伝説解体センターから来ました柊木と申します。今日は呪いの箱の件でお伺いしたい事がありまして、お話しよろしいでしょうか?」
「・・・・も、もちろんです。どうぞ中に」
「ありがとうございます。西谷さん」
「ひ、ひひひ。神様もそう仰ってますから、当然です」
西谷さんだいぶ弱っているみたいだな、早いとこ村の場所を聞き出して呪いの原因を見つけないとジャスミンとリナさんもああなってしまうかもしれない、急がないと、まずは西谷さんに話を聞こう。
あざみside
西谷さんの部屋の中に入り辺りを見渡す、呪いのせいか、元からなのかゴミやお酒の瓶が転がっていてとても綺麗とは言えない状態だった。
とりあえず柊木さんと一緒に西谷さんに話を聞こうかな
「西谷さん、例の箱について知りたいんですけどいいですか?」
柊木さんがそう訊ねると西谷さんは笑いながら答えた
「ひひひ、あの箱は神聖な物なんだぁ、あの模様は神様を表しているんだぁ、みんな呪いの箱だっていうけどあれは呪いじゃなくて"祝福"なんだぁー、ひひひは」
「祝福?眉崎さんを呪うために渡したんじゃないんですか?」
「そうだぁ!俺にとっては憎いビューティーを呪うための祝福の箱なんだぁ!ねぇ!アイツどうなった?触った?へへ、ザマァみろぉ!神様がくださった本に書いてあった通りだ」
え?神様?本?どんな本だろう?部屋の奥に本棚が見えるけどあそこにあるのかな?調べてみよう
西谷さんに部屋を調べても良いか柊木さんが確認すると神様が良いと言っているからと言って了承してくれた。
最初に調べたのはさっき気になっていた本棚。殆ど漫画ばかりだったが1冊だけジャンルの違う本が置いてあった。その本を手に取った瞬間頭がクラクラして倒れそうになるもなんとか踏ん張ることができた。とりあえず柊木さんに見てもらおう
「柊木さん見て下さい!1冊だけ他とは違う本があります!」
「ん?ああ、"完全呪いマニュアル・上巻"じゃん、しかもサイン入り」
「え?柊木さんこの本知っているんですか?」
「俺も持ってるよ。それに著者を見てみて、知った名前だから」
「著者ですか?・・・あ!」
著者の所を見てみるとそこには"如月努"と書いてあった
また如月努さんだ・・・そうだ!如月さんてオカルトに詳しいんだよね!この本に何かヒントが書いてあるかも、柊木さんに確認してみよう!
「柊木さん!この本なら呪いのことが分かりそうなんですけどどう思いますか?」
「確かに呪いについて書いてあるよ、呪いを解く方法ってページと呪いの種類ってページが役に立つかも」
「ふむふむ、あ!ありました!」
柊木さんに言われたページを読んでみる。まずは呪いを解く方法から、えーと、なになに・・・
ーー呪いの元が"人から生み出された恨み"であった場合は"元を断つことは出来ませんーー
い、いきなり絶望的だ・・・
次は呪いの種類について、何か必要な情報があると良いんだけど・・・
ーー呪いには大きく分けて3つの症状が存在します。即死する呪い、進行する呪い、一時的な呪い、これらの症状を見分けて適切な処置をしましょうーー
うーん、これ以上は欲しい情報は書いてないなぁ、ジャスミンさんやリナさんの呪いはおそらく進行する呪いだよね、早くなんとかしないと!
本を閉じて棚に戻すと柊木さんが本について訪ねてきた
「どう?良い情報は得られた?」
「それがかなり絶望的でして・・・」
「絶望?むしろ希望が見えてきたんじゃないかな」
「え!?どうしてですか?だってあの箱は西谷さんが眉崎さんに恨みを込めて送ったんですよ!本にも書いてありました!"呪いが人から生み出された恨みなら元を断つことは出来ない"って!」
「確かにそうだね、でも読み方によっては違う意味に聞こえるはずだよ」
「違う読み方・・・・」
一度落ち着いて考えてみよう。頬に両手を当てて考える。
希望が見出せるような読み方・・・もしかして!
"呪いの原因が人の恨みでなければ解く事が出来る“かも!うん!きっとそう!
そうとなればあの箱がどこでどういう理由で作られたのか調べなきゃ!
「どうやら分かったみたいだね!」
「はい!そのためにはまず、どこの村か聞き出さないとですね」
「うん、とりあえず他の場所を調べてから改めて西谷さんに話を聞こうか」
「はい!」
呪いが解ける希望が出て来て少し気持ちが楽になり次に調べたのはコトリバコが置いてあったであろう机。その机には四角形の埃が溜まっていてその周りには虫の死骸がやたらと落ちていた。柊木さん曰く死んでそんなに日数は経っていないらしい。
眼鏡をかけてみると巻物やコトリバコとは違う小さい箱を抱えた西谷さんの影が出現した。どうやら部屋の1番奥の棚に直したようなので調べてみることに
棚は2つあり手前の方から調べると独特な匂いがする古着がダンボールに詰めてあった。
この匂い・・・お茶かな?最近どこかで嗅いだような・・・あ!リナさんが出してくれたお茶の匂いに似てるんだ!もしかして同じ村から仕入れたのかな?
さらに調べると桐の箱にしまってある掛け軸を見つけた。掛け軸の広げてみるとコトリバコのような模様が描かれていた。
絶対同じ村から持ってきたよね・・・
奥の棚には先程眼鏡で見た西谷さんの影が持っていた小さな箱が置いてあった。箱を開けてみるが中には何も入っておらず蓋の裏には"茶碗"と書いてあった。
茶碗はどこに行ったのかな?掛け軸のことも含めて西谷さんにもう一度話を聞こう!
柊木side
あざみと西谷さんの部屋を調べると例の村から持って来たであろう掛け軸と茶碗が入っていたであろう小さな箱を見つけたので西谷さんにもう一度話を聞くことに
「西谷さん、この掛け軸はどこにあったんですか?」
「・・・・・」
呪いのせいか単に無視しているのか西谷さんはずっと黙ったままだった。
「・・・神様も話してと言っているようですよ」
「!!あ、そ、そうだった。か、掛け軸は箱と一緒に屋敷の蔵にあったんだよぉ!」
「やっぱりこの掛け軸も村にあったんですね」
「あの屋敷の庄屋はアレに殺されたんだぁ、ひひ!先先代も、先代も!但馬家はアレに呪い殺されたんだよ!この掛け軸は警告だったんだよなぁ」
なるほど、だからこの掛け軸はコトリバコと同じ模様が描かれているのか。という事は呪いは西谷さんの手に渡る前から存在したことになるよな。
よし、小さな箱についても聞こう。
「あの、この箱に入ってた茶碗はどこにありますか?」
「茶碗?ぁぁあ!屋敷にあった村のカレンダーを包装紙代わりにして持って来たアレかぁぁ!高値で売れたから早く送らないとなぁぁぁ」
ふむ、送らないと、か、まだこの部屋にあるってことだよな、探してみるか。まだ探していないのはゴミ箱だけどあるかな?
大量にあるお酒の缶をどかしながらゴミ箱を漁るとカレンダーに包まれた物を見つけた。はいでみると中から小さな茶碗が出できた。
「茶碗は見つかりましたけど、村の場所に繋がる情報はありませんね」
「うーん、何か見落としてる気がするんだよなぁ」
「ですよね、私も考えているんですけど・・・」
あざみはむむむーと言いながら俺の後ろをウロウロし始めた。
一度落ち着いて考えてみよう。頬を片手で押さえて考えているとなぜかセンター長が語りかけてきた。
「おやおや、柊木さんならとっくに辿り着いてると思いましたがまだのようですねぇ」
「センター長・・・心配しなくても今ちょうど辿り着いたところですよ」
「よろしい、ではお聞きしましょうか。今まで見つけた物の中で村の手掛かりになるのはどれでしょうか?」
「茶碗を梱包しているカレンダーです。西谷さんには茶碗を持ち帰るために村のカレンダーを使ったと言ってましたから」
「great!私の出る幕ではありませんでしたね」
脳内のセンター長が居なくなったのを確認してカレンダーを見てみたら。どうやら村の酒屋さんが発行しているカレンダーらしい。
えーと村の名前は・・・あった!蛭塚村!ここに間違いない!
スマホで蛭塚村を調べているとあざみが西谷さんになぜ箱を持ってきてしまったか訪ねていた
「なんであんな危険な箱を持って帰ってきちゃったんですか!」
「ひ、ひひひ!高値で売れそうだったしぃ!それにあの方、神様がそう仰ったからぁ!うっ!!」
西谷さんは急に胸を押さえ倒れてしまった。
急いで救急車を呼び、西谷さんは運ばれていった。レスキューの人によると心筋梗塞らしい。呪いの影響ではないといいんだけど、
レスキューの人が部屋を出ていくのを見届けて俺たちは一度車に戻った。ジャスミンは後部座席で寝ていたので起こさないように運転席に座ると俺のスマホにセンター長から電話が掛かってきた
「もしもし、柊木です」
「どうも、お疲れ様です。大変でしたね」
「ええ、なにぶん突然のことだったので。とりあえず俺たちは今から蛭塚村に向かいます」
「ええ、ですが眉崎さんが箱を開けないように監視するものが必要です」
「それなら適任がいますよ。俺に任せて下さい」
「なるほど、その手で行くのですね。分かりました」
「ではその人に連絡した後俺達は蛭塚村に向かいますね」
「ええ、お願いします」
電話を切り、俺はある人に連絡を取った。状況を説明すると快く対応してくれた。
「柊木さん、一体誰に眉崎さんの監視を頼んだんですか?」
「ん?リナさんだよ。彼女ならずっと眉毛さんの側に居ることができるしね」
「な、なるほど。・・・いつの間に連絡先交換していたんですか?」
「そんなジト目で見るなよ。呪いについて相談したい事があるからって業務上の一貫で交換したんだよ」
「そ、そうだったんですね!すいません!変な事聞いて」
「別にいいよ、さぁ、気を取り直して蛭塚村に向かおう!」
「はい!」