キミの支えになりたくて   作:飯即斬

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5話 調査2日目

一夜明け、俺達は朝食を済ませた後、宿舎の外で今日の調査の計画を立てることにした。

 

「で、今日はどうすんの?」

 

「とりあえず被害者に話を聞く。それから海山さんやこの村のことをもう少し調べておきたい」

 

「調べるってどうやって?」

 

「SNS調査。昨日とは違うワードで調べてみようか」

 

「へいへいりょーかいでーす」

 

顔にモロにだるーってかいてまっせジャスミンさんや。

 

ジャスミンのスマホで調査をしていくうちにある記事に辿り着いた。

 

「なになに、"地方議員が強行して土地開発を!"ちょっとラギッチ!この地方議員の写真見て!」

 

ジャスミンがそう言いながらスマホの画面を見せてくる。

 

「!これ海山さん!?あの人地方議員だったのか」

 

これは思わぬ情報だな。でもあの人なんでそれを俺達に言わなかったんだろう?

 

「どうやら話を聞いた方がいいみたいだね」

 

「海山さんならさっき防波堤の方へ向かったみたい」

 

「よし、防波堤に行こう!」

 

防波堤に行くと海山さんが海の方を見ながら電話をしていた。

「ああ、もう・・・で・・かい・・・は無事に」

 

ここからじゃうまく聞こえてないなぁ、あ、終わったみたいだな。

 

「海山さーん。ちょっとお話しいいですか?」

 

「ああ、これはこれは柊木さんにジャスミンさん話とはなんですかな?」

 

少し体をビクつかせながら笑顔でこちらを向いてきた。

 

「いえ、失礼ですが海山さんはもしかして地方議員の方ではありませんか?」

 

「え!いえいえ違いますよ、私はしがないただの釣り人ですよ」

 

ハハハと明らかに誤魔化したな、あの記事を見せてみるか。

 

「この記事の写真、あなたですよね?」

 

「そ、その記事は!くっ、もう嘘はつけませんね、そうです私は議員を担っております」

 

「なぜ最初から教えてくれなかったのですか?俺達にはあまり関係ない事かと思うんですが」

 

そう、センターに依頼してきたのはこの人だ、怪奇現象を調べるだけなら別に隠す必要もない。

 

わざわざ言う必要も無いかもしれないがそれならさっき議員かどうか聞いた時に言わなかっただけとでも言えばいい。

 

「それは、その、色々と面倒なとこになりそうだったので・・・」

 

め、面倒ときたか。うーん今の時点ではこれ以上聞いても無駄そうだな。別の人に話を聞きたいし今はこの辺で止めておこう。

 

「そうですか。あの、被害に遭われた方にも話を聞きたいのですが何処にいらっしゃるか分かりますか」

 

「た、多分村の食堂で休憩でもしているかと思いますよ」

 

「ありがとうございます。ちょっと行ってみます」

 

そうして俺達は海山さんに教えてもらった食堂に着いた。そういえば腹減ったな、ついでになんか食って行くか。

 

「ジャスミン、ここで昼飯も済ませちゃわない?奢るからさ」

 

「マジ?あざーす」

 

昼食を食べ終えた後、被害に遭った人や食堂の店員さんに話を聞いて回った。やはり皆例の女の歌声の様な音を聞いたらしい。

襲われた時間も午前2時頃で間違いないようだ。

そして店員さんの口からは海山さんと村長の名前が出てきた。

 

どうやら例の土地開発の件ですごく揉めたらしい。しかも工事を強行しようと動いた矢先村長の娘さんが亡くなったとか。これは村長にも話を聞いた方がいいな。

 

食堂を出て俺達は早速村長に話を聞きに行くことにした、そういえばちゃんと話すの初めてだな。

 

「村長、ちょっとお話しよろしいですか?」

 

「実は、その、村長と海山さんが色々揉めたと伺ったのですが・・・」

 

「ええ、あの男が勝手に土地開発を進めようとしたから言ってやったんです。あの土地は絶対に譲らんって」

 

「!あの防波堤は村長が所有されてたのですか!?」

 

「いえ、所有権はわしの娘が持っております」

 

「え、でも娘さんは確かお亡くなりに・・・」

 

「2年前に。警察によれば事故死だとか土地の所有権も娘が管理していたはずなのですが詳しくは・・・」

 

「そうですか。ちなみに土地開発はどうなったのですか?」

 

「ワシにも分からんのです。娘もあの男にそう易々と渡さないはずなんですがいつの間にか話が進んでおりまして」

 

それがあの記事というわけか・・・よし、とりあえず聞きたい事は聞けたな次は海山さんの所に向かおう。

 

村長にお礼を言い海山さんのいる防波堤に移動しようと歩き始めたとき配達員さんとすれ違った。軽く挨拶をして進もうとすると突然後ろからあー、あー、あー、っと不思議な音が聞こえてきた。

 

「ラギッチ!この音って」

 

「ああ、多分被害に遭った人達が言っていた音だ」

 

どういう事だ?話では夜中の2時頃に聞こえるはずじゃないのか?

とりあえずあの配達員さんに話を聞いてみよう。

 

配達員さんに話を聞いてみるとどうやらさっきの音は自分のカッターを地面に落としたときの音でこの土地と潮風の影響で金属製の物が地面に擦れるとあの様な音が鳴るときがあるらしい。配達員さんはまだ仕事がある様なので行ってしまった。

 

「ねぇ、ジャスミン、さっきの話偶然かな?」

 

「分からん。でも無関係とはいえないんじゃね?」

 

「やっぱりそうだよね。うーん」

 

仮に歌声ではなく金属が擦れる音だとしてなんの意味があるんだ?

現場に行ってみれば分かるかも。

 

「とりあえず防波堤に向かおう」

 

俺達は海山さんにもう一度話を聞く為に防波堤に来た。

海山さんはいたがこちらを見つけると一瞬げっ!とした顔をしたがすぐ笑顔で話しかけてきた。

 

「まだ何かが用ですか?」

 

「ええ、実は土地開発について詳しくお聞きしたいなと先ほど面倒だとおっしゃったのはこの件に余り触れられたくなかったからですね」

 

「うっ、そうです、今度の計画はかなりシビヤなんですよ。」

 

「では何故センターに電話してきたんですか?」

 

「変な噂が立てば簡単に土地が手に入ると思ったからですよ!まさか土地開発の邪魔をするきですか?」

 

「ご心配には及びません。俺達はあくまで都市伝説の調査に来ているんです。土地開発どうのこうなんて関係ありませんよ」

 

「ならさっさと調査して貰いたいものですね」

 

そう悪態をつきながら海山さんは何処かに行ってしまった。

 

「なにあれ、ムカつくんですけど」

 

「まぁ、この仕事してると時々あるよこんなことも。それはそうと結構色んな話を聞けたね」

 

「じゃあそろそろセンター長から電話かかってくるんじゃね?」

 

ジャスミンがそう言ったのも束の間俺のスマホが鳴った。

 

「うわ、本当にかかってきた!」

 

分かるよその気持ち。

 

「はい、もしもし」

 

「お疲れ様です柊木さん」

 

「センター長!もしかしてあれの時間ですか?」

 

「ええ、"解体"といきましょう」

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