キミの支えになりたくて   作:飯即斬

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6話 調査員としての役割

センター長の命令で海山さんと村長、そして人魚の被害に遭った人達をジャスミンにお願いして集まってもらった。

 

「センター長、皆さん集まりましたよ」

 

「ありがとうございます。まずはここまでの調査ご苦労様でした柊木調査員、ジャスミン調査員。お陰で材料が揃いました。早速解体といきましょう。全てを見極めよ 天眼錠(アイ・オープナー)!」

 

センター長がそう唱えると俺のあたまの中にダイヤル錠が現れる。

これは千里眼やサイコメトリーの様な何かを見通す力を持つ者のみ見えるらしい。

 

「さて、今回の案件にもいくつかの疑問があります。これらを紐解いていければ無事解体となるでしょう」

 

「まず最初の質問です。何故釣り人は襲わられなければならなかったのか、人魚とは本来男性を誘惑し海に引き摺り込むと言われていますがそれには該当しないように思われます。かと言って襲われて大きな怪我をした人もいません。人魚が襲った理由。何だと思いますか?」

 

釣り人を襲った理由か・・・おそらくそれは、

 

「恐怖を与える為だと思います。実際皆さん怖がって夜中は出歩かず、釣り人も減少したみたいですから」

そう言うとダイヤル錠の左端が回る。正解みたいだな。

 

「では次の質問です。夜中に聞こえてくる歌声の正体についてですが被害者の方々からの証言では襲われた後とほぼ同じ時間帯に聞こたそうですね。その原因と理由はなんでしょか」

 

聞こえた原因はなんとなく分かるが理由か・・・もしかして

 

「えっとまず原因ですが現場の地面をナイフかなんかで傷を付けたからだと思います。傷を付けた理由はおそらくより恐怖を与える為かと」

二つ目のダイヤルが回る。

 

「三つ目の質問です。それらの出来事は人魚の仕業で間違いないでしょう。では何故そんな事をしてどんなメリットがあったのでしょうか」

 

人魚のメリット、恐怖を与えたことによって発生する状況を考えて

 

「噂が広まって人が寄り付かなくなる、でしょうか」

三つ目のダイヤルが回り次の質問に入る。

 

「では四つめです。恐怖を与えて噂が広がって人が寄り付かない様にすると損する人間が出て来ますね、どなたでしょうか」

 

「海山さんです。変な噂が立つと土地開発を無事終えたとしても噂が付いてきて利益に影響がでるでしょうから。」

最後のダイヤルが回る。人魚の正体、ようやく分かったな。

 

「そう。損する人間がいると言うことは逆に得する人間も出てきますね。その人物こそ今回の件怪異を引き起こしたいわゆる真犯人ということになります。柊木さん、その真犯人とは一体どなただと思いますか?」

 

「村長・・・さんです」

 

「fabulous!よくぞ成し遂げましたさすがは柊木さん。そして全てが解き明かされる」

そう言うとセンター長が両手で両手の親指と人差し指で逆三角形を作りそのまま普通の三角形にした後、両手で合掌し左右の掌を上下にずらす

 

   体ー

ー解

 

「人魚。その伝説は世界中に知られています。故に人々がイメージしやすい。そして実際に海の側で人魚がでたなどと噂が経てばあっという間に広まる。我々が特定しなくても初めから人魚の仕業だと噂を広めていくつもりだったのでしょう」

 

「し、しかし得をするという点は海山さんも同じでは?」

 

村の人がそう聞いてきた。俺も初めはそう思っていたがよくよく考えてみると海山さんがわざわざそんな事をする必要はあんまりない。彼はあくまで噂に便乗しただけに過ぎない、そう皆に伝えた。

 

「柊木さんの言う通りです。海山さんは噂を利用し土地の権利を手に入れようとした。まぁそれも犯人の狙い通りだったみたいですが」

「ど、どういうことだ!このジジイに踊らされてたとでも言いたいのか!」

 

海山さんが見た事無いくらいに荒れている。あれが彼の本性なのだろう。とりあえず宥めよとしたとき村長が口を開いた、

 

「ふふふ、そうその顔が見たかった。どんな気分じゃ?自分が下に見ていた人間からいい様に使われていた気分は?」

 

「そ、村長?本当に貴方がこの一連の出来事を?」

 

村人達が信じられないといった顔で問いかけるも村長は満足気に答えた。

 

「そうじゃ、この男のせいで娘は死んだ。この村をより良くする為にと嘘を付いて土地の権利書を奪おうとたんじゃ、しかし直前になって嘘だと気づいた娘が権利書を渡すのを拒否するとこの男は娘を殺したんじゃ!じわじわと苦しめてから殺すつもりだったが変な奴らのせいで計画が狂ったわい」

 

こちらをギロッと見つめながらそう言ってきた。すると突然ナイフを取り出し海山さんに向かって行った。

 

や、やばい!そう思った次の瞬間、はぁ!とジャスミンが村長を取り押さえた。ナイフが村長の手から溢れ落ちたので俺は咄嗟にナイフを回収する。海山さんは腰が抜けて立てないみたいだ。

 

「ジャスミン!大丈夫か?怪我は!?」

 

「ん?大丈夫大丈夫何も問題なしとにかく警察呼んで」

 

そのやりとりを聞いていた村の人が呼んでくれたのか数分で警察が到着し、村長と海山さんを連れて行った。

 

 

警察から色々聞かれた後俺達は帰りの車の中で今回の件について話をしていた。

 

「なんか変な感じで終わったけどいつもこんな感じなん?」

 

「まぁ、少なくはないね」

 

「結局さ、村長の娘さんが亡くなった原因って本当に海山さんに殺されたからなんかな?」

 

「さぁ?それは俺達の仕事じゃなくて警察の仕事だからね」

 

「そうゆうもんなん?まぁ確かにこれ以上知りようがないか」

 

「そ、そうそうジャスミン、センターの公式チャンネル開いてみて。多分そろそろ始まるから」

 

「公式チャンネル!?そんなのあんの?って何か始まるって?」

 

「いいから、TKCチャンネルででくるから。」

 

ジャスミンが自分のスマホで検索するとフリーメイソンの様な仮面を被ったセンター長がでてきた。

 

「げっ、何これ趣味ワル〜」

 

そんなこと言いつつも興味はあるようだ。

 

動画は今回俺達が調査した件について虚言を交えて語った内容で数分で終わった。

 

「なんかアタシ達が調査したのと違わね?」

 

「その方が都合がいいからね。今回関わった人も世間的にも」

 

「そっか」

 

あんま納得してないみたいだな。しょうがないけど。

 

「それはそうとジャスミン、この後予定ある?」

 

「え?ないけどなんで?」

 

「いや、ジャスミンの入社祝いと初仕事を無事終えたお祝いにご飯でもどうかと思ってさ」

 

「マジ!?行く行く!アタシ焼肉がいい!この近くにいいお店があるんよねー」

 

「よっしゃ、そこでお祝いと行きますか!」

 

「りょうかーい!アタシナビするわ」

 

そうして俺達はジャスミンオススメのお店で腹一杯になるまで食べた。

 

「会計するから先車に乗ってて」

 

「分かった」

 

ジャスミンを先に車に向かわせ、会計の為に財布を取り出す。

 

「お会計、15万円になります」

 

え?じゅ15万!?一桁間違えてない?合ってるか、まじ?

 

「か、カードで、あと領収書お願いします」

 

経費降りっかなこれ・・・

 

「ラギッチ今日はご馳走様!また来週なー」

 

「ああ、お疲れさん」

 

ジャスミンの指定する所まで送った後センター長に今日の報告をする為にセンターに戻った。

 

「お疲れ様でした。柊木さん。今回もお見事でしたよ」

 

「センター長、今回も初めから全部分かってたのでは?」

 

「そんな事ありませんよ。それより例の物は?」

 

「ああ、ここにありますよ」

 

そう言ってポケットからは昨日現場で拾った指輪の様な物。実は村の人達に持ち主を聞いて回ったのだから誰も知らなかったのでセンター長の指示で誰にも言わずに持って帰ってきたのだ。

 

「結局なんなんですかそれ、誰の物でもなかったし」

 

「いえいえ貴方の力が発動した事が重要なんですよ」

 

「またそれですか。いい加減どういう事が説明してくださいよ」

 

「いずれ分かりますよ。」

 

「はいはいそーですか」

 

教える気なんて無いだろこの人。

 

「それはそうとある人から伝言を預かってますよ」

 

「え?ある人ってだれで・・・」

 

 

 

「そっか、いよいよ動き出すんだね」

 

 

「大丈夫だって、俺も覚悟は出来てるって」

 

 

 

「ああ、おやすみ」

 

 

 




「あのーセンター長これなんですけど・・・」

「ああ、焼肉の経費なら降りませんよ」

「え!どうしてですか!?」

「都市伝説とは関係ありませんからね。当然です」

「そ、そうですか」

・・・しばらくもやし生活しないとなぁ
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