性転換ですが、心は肉体から影響を受けるので要素は少な目です。
僕は死んだ。死んでしまった。
どうやって死んだのか分からないし、残した事も心残りだが、過ぎた事は仕方あるまい。
子供達は皆成人したし、嫁さんと第二の人生を生きたかったが、こればかりはな。
死んだ後、魂?の様な感じでフワフワしていたら、神様と名乗る光の玉に転生特典について聞かれた。
フワフワしながら、格闘ゲームの技が使えたら面白いよね〜とかフワッと応えたら、宜しい!とか言われた気がする。
そこから何かに吸い込まれ、長い長いトンネルを抜けると、そこは真っ暗だった。
えっ!?ここ何処?息?息ができない!?
いや!なんか引っ張られ…イタタタ!痛い、頭が痛い!
うわなんか狭いっ!引っ張るなキツイ痛い眩しい息が、息が〜!
「オギャーオギャー!」
「ほれ、産まれたぞ!可愛い女の子じゃ!」
それが「私」が産まれた瞬間の出来事だった…。
それから、3歳くらいまでの記憶は少ない。
多分、脳に情報が入らなかったのだろう。
数年かけて、少しずつ前世の記憶が定着し、人格が形成されていったんだろうと思う。
気が付けば、数えで4歳の誕生日、正月を迎えていた。
どうやら私は、今世では女の子に生まれてきた様だ。
まあ、性自認はまだ曖昧だが、二次成長時のホルモンバランスに寄ってどうなるか。
自分は男だって思いはあるが、身体に引っ張られる事もあるだろうし、今は気にしても仕方ない。そもそも、前世も家事育児料理好きの序でに女好きで、主婦やってても問題なかったしなぁ。
…浮気はしてないぞ。
この問題は数年後の自分に先延ばししておこう。
正直、今のところ男とくっつくつもりはないが…。
何より、周りを見る限り江戸時代くらいの文明レベル、医療技術が未発達な状態での出産が怖い。命懸けだしな…。
しかし前世、うちの母ちゃんに子供を8人も産ませたからなぁ…。今世は自分の番がきたと言う事か…。
トホホ…。
いや、あれは母ちゃんが魅力的なのが悪い!
ついハッスルして…。
さっきも言った様に、時代背景は前世の令和からかなり昔に遡ってしまった。
本当に江戸時代か?山奥に住んでいるから、よく分からなかった。
そのうち、頭もスッキリして耳もよく聞こえる様になり(赤ちゃんの頃は音が聞き取り難いのだ)父ちゃん母ちゃんの話に耳を傾けると、どうやら今の時代は明治時代らしい。
明治かぁ~。なんか微妙な時代だな。
第二次世界大戦が始まるまで30年くらい?
ああ、この時代なら夏目漱石とか森鴎外とか、会ってみたいな〜とか、ボヤケた頭で考えていた。
しかし、頭がはっきりしてから。
そんな問題ではないと気が付いた。
父ちゃんの名前は竈門炭十郎、母ちゃんは葵枝、1歳上の兄ちゃんは炭治郎、ハイハイしている弟は竹雄、んじゃ今母ちゃんのお腹にいるのは花子かな?
そして私の名前は、竈門禰豆子。
禰豆子、禰豆子かぁ…。
いや、待て待て待てちょっと待て!
鬼滅の刃!?この世界、鬼滅の刃!!
鬼が出て刀振るって敵も味方も死にまくる、あの鬼滅の刃!!!
最早、性転換なんてどうでも良いよ!
原作開始時に初手ラスボスとの会合とか、スーパークソゲー確定じゃねーか!
いや、私自身は鬼になって生き延びるとしても、兄ちゃん以外は全員死亡?
嫌だよ、なんじゃそりゃ!
突然、頭を抱え込んで悩みまくった私を、家族は大変心配したらしいが、こっちはそれ何処ではなく…。
悩んだ末に頭がショートして発熱して、数日間ぶっ倒れた。ばたんきゅう…。