御屋敷の一室で、お館様と後ろに控えるあまね様と3人で座ってる。
私が個人的な私事で、どうしても話したい事があるとお願いしたからだ。
「それで、どの様なお話かな?」
お館様は優しく尋ねてくれる。
うーん、何処か父ちゃんと重なって、思わず抱きつきたくなるよ。
「実は…」
私は前世の事を、夢で未来の事を体験した風にお館様に話してみた。
無惨の襲撃から始まって、私の鬼化、炭治郎の修行、手鬼の事、沼鬼、浅草、鼓屋敷、那田蜘蛛山、無限列車、遊郭、刀鍛冶、そして産屋敷邸爆破からの無限城へ。
簡潔に、且つ主要人物の動向まで。ネタバレ上等とばかりに話した。
話していて分かるけど、もっと早く言っていれば助かった人がいたかも知れない。
前世の理性的な私は仕方ない、子どもには荷が重いと割り切っているけど、感情的には納得いかない。
何故もう少し行動しなかったのか。涙が溢れて止まらない。
「そうか…。ありがとう禰豆子、打ち明けてくれて」
簡単に動けないお館様に代わり、あまね様が背中を擦ってくれる。
「お疑わしい点もあるかと思います、先ずは最終選別の手鬼を調べて下さい」
「大丈夫、信じるよ禰豆子。と言うより鬼殺隊ではない子供の君が、厳重に隠している刀鍛冶の里や里長の名前まで知っている時点で、疑う余地がないのだよ」
まあ、そこらの子供が重要機密を知っていたら、情報漏洩どころか崩壊の危機だよね。
「ひとまず、その手鬼は確認しよう。優秀な子ども達が無為に亡くなるのは、看過できないからね」
「はい、ありがとうございます。宜しくお願いします」
「ふふふ…。禰豆子がお礼を言う事ではないよ。むしろ、こちらがお礼をしなければならない。ありがとう禰豆子、君のお陰で少なくとも次の世代では無惨を倒す事ができると分かった。後は、少しでも犠牲を減らす様に動くとしようか」
お館様はそう締め括った。
産屋敷邸を出た私は、修行を付けてくれる場所へ移動する事にした。と言っても、場所をまだ教えて貰ってないんだけどね。
「竈門禰豆子様、お館様より伺っております。次の場所へ案内致します」
また別の隠の方が現れた。
何処に行くか聞いたけど、知らされてないとの事。まあ、産屋敷邸から直接行けないよね。
と言う事で隠リレーがスタートしたのでした。
「えっと、ここは…」
な〜んか見た事ある屋敷。屋敷の中から、ドゴーンとか音が聞こえる。
かの有名な炎柱邸ではございませんか?ここ。
「よく来たな!竈門少女!」
「あ、はい、宜しくお願いします」
いつも元気な煉獄杏寿郎さん。今日から私の師匠かぁ…。
「初めまして、禰豆子ちゃん!私、甘露寺蜜璃って言うの!宜しくね!」
あ、この時期はまだ恋柱いたんだ。恋柱じゃないけど、今は。
「はい、宜しくお願いします。甘露寺さん」
「いやね〜!蜜璃って呼んで!禰豆子ちゃんと仲良くしたいわ!」
いや、別に自分の事を陰キャラだとは思ってないけど、このハイパー陽キャラコンビには勝てませんわ。
なんか、来ただけで草臥れた感じがしました…。