鬼滅の刃ではっきりと地名が示されているのに、余り観光資源になってない…かな?昼間来れば違うかも。
私は今、槇寿郎師匠と街の中を歩いています。
前田まさお氏にお願いした新しい隊服が届く前、煉獄親子の間で騒動が勃発しておりました。
「父上!今の炎柱は私なのですから、当然禰豆子は私の継子となるべきです!」
「何を言っとる青二才が!お館様から許可は頂いた!ここは経験を積んだ俺が相応しい!」
ああ、もう、好きにして下さい。
結果的に、お二人が対決して杏寿郎師匠が負け、私は槇寿郎師匠の継子と相成りました。
いや〜お互い透き通る世界を体験しているのですが、透き通って見られている事が前提のフェイントとか、高度なテクニックに杏寿郎師匠は敗れました。
でも槇寿郎師匠、未だ健在と知れて少し嬉しそうな杏寿郎師匠でした。
多分、このフェイントにも対応出来る様になった杏寿郎師匠なら、猗窩座に単独で勝てる様な気がします…。
そして隊服が届いた途端、鎹鴉の指示に従って西へ東へと疾走する毎日です。
とにかく、先ずは経験を積むという方針だそうです。
あっちこっちで鬼の首を跳ね飛ばす、簡単なお仕事です。
そして鎹鴉の指令で、東京浅草にやって来ました。
…いや、この時期って…。
「カァーカァー、煉獄槇寿郎、竈門禰豆子、浅草にて鬼と対峙する鬼を探し協力を仰げ!」
やっぱり…。珠世さんを探さないと…。
「鬼と対峙する鬼!?しかも協力を仰げとは…!」
「師匠、どんな鬼か分かりませんが、ひとまず居場所を探しましょうか?」
「むっそうだな。まずはその鬼を探すか。だが浅草は広い、無闇に動いても…」
そう言いながら、周囲を見渡す。この時期の浅草の夜、きっとあれもいる筈…いた!
「あの、師匠。鬼舞辻無惨がいるんですが」
「…はっ?な、何?ど、何処だ!?」
「向こうの通りを歩いている、夜なのにハットを被った家族連れの男です。私が会ったのは数年前ですが、忘れようがありません」
「む…あれか!此処で会ったが百年目!」
「ちょ、ちょっと待って下さい!人が多過ぎます!ここで暴れたら何人犠牲になるか…」
「ぐっ…。しかし、このままでは…」
「付近の隠の人に尾行を頼みましょう。向こうが覚えているか分かりませんが、私は顔が割れていますし、槇寿郎師匠の髪色は尾行に不向きです」
無惨を追いつつ、隠に指示を出す。槇寿郎師匠も一先ず納得したのか、激情を心の中に抑えてくれました。
普段の格好ではなく、街中で居てもおかしくない姿で現れた隠に、槇寿郎師匠が危険だからなるべく遠くから尾行して欲しい、身分や住居が分かる程度でも充分と指示していました。
それを横で見ていたのですが、ふと不思議な香りを感じ、やがて回りに花の紋様がが生じ…気付いたら花に囲まれた路地で、一人の女性と向き合っていました。
鬼の珠世さんとは、こうして出会いました。