「初めてお会い致します。珠世と申します」
着物姿の珠世さんは、そう言って頭を下げた。あ、後に愈史郎さんもいる。
「初めまして。鬼殺隊の竈門禰豆子です。お館様の命により、貴方を探しておりました」
「私を…」
「お館様は、貴方と協力して鬼舞辻無惨を退治したい、そうおっしゃっております。その為の施設、環境を整える事ができると」
実際はそこまで言ってないけど、元々が私の未来情報だと思えば、間違いないと思うわ。
「私は…貴方が、私達が見付ける事が出来なかった無惨を探しあて、追い詰めようとしている姿を見ました。貴方なら、もしかしたら無惨本人か、上弦の鬼に接触できるかと…」
その時、愈史郎さんが前へ出て珠世さんを庇う様に立ち塞がった。
「珠世様、鬼狩りを信用してはいけません!隙あれば首を取りに来る連中です!」
「愈史郎!」
「いえ、ご心配するお気持ち、よく分かります。こちらとしては、信用して頂けるまで働きかける事しかできません。ただ、お館様の鬼舞辻無惨への深い怒りと憎しみ、そして悲しみを、分かって頂きたく存じます!」
原作では鬼にされた人を、人間扱いして共感を得たけれど、今回は慎重に行動したので鬼が発生してない。あのトゲトゲ血鬼術は勿体ないけど…他人の人生をもて遊ぶ訳にもいかないし。
ただ、鬼舞辻無惨への怒りだけは分かって欲しい。
「無惨への深い怒りと悲しみ…」
「はい。人を人と思わぬ、あの外道への人としての怒り、そして犠牲になった多くの一般人、鬼殺隊隊員に対する悲しみです」
珠世さんは、深く考えていました。やがて決断した様で、私の方を真っ直ぐ見て言いました。
「…分かりました…何処まで出来るか分かりませんが、協力致します」
「ありがとうございます、珠世さん!それでその、私の師匠で元炎柱の方も此処に呼びたいのですが…」
「おい!危険はないんだろうな!」
「大丈夫です、お館様の命もありますし、時と場合に寄って激情を抑える事ができる方です。危害を加える様な事は行ないません」
こうして珠世さんの協力を取り付け、槇寿郎師匠を呼びに行ったのに。
え?師匠、何で原作に出てきた屋台でうどん食ってるの?
「おお!禰豆子、やはり無事だったか!」
「師匠は、何してるんですか?」
「禰豆子の姿が見えなくなったが、この辺りにいる様な感じがしてな。腹を満たしながら待っておったぞ!」
「…もしかして勘ですか。私の心配はしてなかったみたいですね…。あ、おじさん、かけうどん一杯!師匠、お館様の探していた鬼を見付けました!この後、会いに行きたいのですが!」
「うむ!よくやった禰豆子!親父、もう一杯くれ!美味い!」
うわ、このうどん、本当に美味い!こしのある麺に魚介ベースの出汁が絡んで、絶品だわ!パラパラ入れられたネギの香りが、より食欲を促進しています。
この後珠世さんに会いに戻りましたが、愈史郎さんに何食ってたんだと呆られました…。