「お初にお目にかかる、元炎柱の煉獄槇寿郎と申す。お館様の命により、貴女に協力を仰ぎに参った」
何時になく緊張した面持ちで、師匠が挨拶をします。まあ鬼狩りが鬼に挨拶なんて、普通しないからね。
しかし数々の経験を積んできた元柱、亡くなっていった人を見てきた数も違うのに、冷静に対処している…。
こういう所は今の若い柱にはない、かっこいい所だなって思うわ。
お互い緊張しながらも、話は進んでいく。
なるべく、事情を知ってる私が間に入らないと。
話していくうちに、槇寿郎師匠も知らない鬼の事情が明らかに。私も初めて知った風に聞いていく。
鬼を作れるのは鬼舞辻無惨だけ、無惨を倒せば他の鬼も消えていく。鬼に対しても有効な毒薬の開発に、鬼から人に戻る事ができる薬の発明。
どれ一つ取っても重要なんだけど!
「…お館様が協力を仰げとおっしゃる訳だ…」
槇寿郎師匠も脂汗を流す程、驚いている。
話は進み、研究施設に必要な場所、道具を揃える事、なるべく下弦以上、できれば上弦の鬼の血が欲しい事を確認しました。
「この前の上弦の陸討伐、ちょっと勿体無かったですね」
「うむ、だがまだ機会はあるだろう!」
「…上弦の鬼を…討ち取ったのですか!?」
珠世さんが驚愕、といった顔でこちらを見ました。
お館様も、鬼の血が必要だと分かっていたと思うけど、犠牲者の多さに討伐優先したのかな…。
次の機会は、無限列車か…。
「それでは、連絡には猫の茶々丸を寄越します」
「分かりました、珠世さん。師匠も良かったで…?どうしました?」
話も終わる頃、槇寿郎師匠が刀を持ち厳しい顔をしていた。
「…禰豆子、構えろ!来るぞ!」
え?来る?あ、そう言えば、珠世さんと会った時に、矢琶羽と朱紗丸に襲われたんだったわ!
私も構えた途端、鞠が高速で部屋に飛び込んできた!
「炎の呼吸壱ノ型、不知火!」
師匠の一閃は全く遅れる事なく鞠を切り裂いた!流石です、師匠!
確か矢印の血鬼術で動いていた鞠だけど、それも切り裂いたのかピクリとも動かない。
「キャハハッ、矢琶羽の言う通りじゃ。何も無かった場所に建物が現れたぞ」
「巧妙に物を隠す血鬼術が使われていたようだな」
建物の外に二鬼、原作通り矢琶羽と朱紗丸!
「愈史郎さんの血鬼術で、鬼の接近に気付かなかった?師匠、良く分かりましたね」
「うむ!鬼が近付くとな、どんなに巧妙に隠れても首の後ろがチリチリするものだ!それより禰豆子、女鬼の方へ行け!男は俺がやろう!」
槇寿郎師匠が矢琶羽を相手してくれるなら、朱紗丸に集中できます!
「但し、今回は全集中の呼吸のみを使え!お前の言う必殺技はなしだ!」
「分かりました、師匠!」
多分、剣士として経験を積め、と言う事でしょう。逆を言えば、まだ余裕がある相手と言う事です。
禰豆子、行きます!!