刀鍛冶の里から無事帰還し、お館様の御屋敷へ槇寿郎師匠と共に招かれました。
「槇寿郎と禰豆子には、とても感謝しているよ。今回も里を襲う上弦を、よく撃退してくれた」
「いえ、他の柱と協力してこその成果。我らだけがお館様からお声をかけて頂くなど…」
「もちろん、他の子達にも感謝しているよ、槇寿郎。しかし、陰から里長達を護ってくれた槇寿郎、同時に襲ってきた鬼を1人で引き受け、柱達を支援した禰豆子。どちらも感謝しきれない程の手柄なんだよ」
そう褒められると、こそばゆい限りです。
お館様の御顔を拝見すると、病と言うか呪いは顔の上半分を覆っていました。目はもう見えず、間もなく口まで覆われそうです。
原作では半年後、顔は全て包帯が巻かれ、無惨と話が出来ていましたが、余命幾日もない状態でした。
…でも、今なら間に合うのではないか?そう思います。
「なんと?柱稽古を行い、隊員全体の力を向上させると?」
「そうだよ槇寿郎。今、鬼は全く活動を停止している。禰豆子の話の通り、恐らく無限城に集めて強化していると思うのだよ。その間に、こちらも全体の強化をして、決戦に備えたいと思う」
なるほど。やっぱり柱稽古をするのですね。よし、ここで私も強化を…!
「ここで懸念されるのが禰豆子だ」
え?私?
「私の勘では、無惨は禰豆子を諦めていない。が、正直禰豆子は強過ぎるのだよ。必殺技だけでなく、無惨の天敵とも言える日の呼吸の使い手でもある。上弦をぶつけても撃退される。なのでもしかしたら、私すら無視して禰豆子一人に集中して攻撃してくる可能性がある」
ウヒ〜!モテ過ぎでしょ!?鬼にモテても、何んにも嬉しくないわ!ピラニアの池に放り込まれる様なものじゃない!
「なので、禰豆子には雲隠れして欲しいのだよ。そして然るべき日に、この屋敷に来て貰う。私と禰豆子、二人が揃っていると判れば、無惨も無視はできないだろうね」
「そ、それはお館様が自ら囮になると…!危険過ぎますぞ!」
「槇寿郎、この事は皆には内緒にしておくれ。他の子達は、まだ若い。反対してくるだろうね」
「…分かり申した!しかし、せめて柱の一人でも護衛に付けて頂きたい!」
「駄目だよ槇寿郎。貴重な柱を私の護衛などに使っては…」
「ならば!引退した柱の私でしたら問題ありませんな!丁度、継子が雲隠れするので暇になるのです!是非、この槇寿郎にご命じ下さい!」
あらら。師匠が有無を言わせず捲し立てて、お館様がちょっとびっくり顔してるわ。こういう時の勢いって大切よね〜。
「お館様は鬼殺隊の長とはいえ、弱冠23歳の若造でございます。ここは、こちらの年寄りの言う事を素直に聞くべきかと…」
そう、私の前世の記憶が、漸く仕事を覚えて1人で働き出したくらいの年齢じゃないか、と囁くのです。
「こら禰豆子!誰が若造で誰が年寄りだ!失礼だぞ!!」
「…まあ、年長者の話を聞いておく事も、年長者の矜持を保ち、やる気を引き起こすものでございます」
お館様は少し間を置いて、クスッと笑ってあまね様に声をかけました。あまね様は煉獄様のお部屋を用意しますね、とお返事されました。
「…そうか、私は若造か…。うん、それでは頼むよ槇寿郎」
「はっ!お任せ下さい!」
「そして禰豆子、今回の隠れ家を用意しておいた。禰豆子の夢の話では、これから鳴女の使い魔が周辺を探る事になるのだろう?昼間の鎹鴉以外の連絡方法は禁じるよ。時期が来れば、連絡を入れるよ」
「はい!」
隠れ家が何処か分からないけど、決戦前にそこで最後の調整をしてみよう!
お館様に頼んでおいた武器もできた様だし、気合いを入れるぞ〜!!