格闘ゲームの必殺技で鬼退治【完結済】   作:アールエー

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その五 必殺技の使い方

格闘ゲームの必殺技が女性キャラ限定と分かった時点で、練習対象を絞る事ができた。

拳法や空手なんかは型や套路を繰り返すが、格闘ゲームの場合はコンボくらいしかない。

と言うより、基本の型はヒノカミ神楽で、必殺技は補助とするべきなのだ。

 

ああ、日輪刀が欲しい…。

 

訓練としてはヒノカミ神楽を練習し、格闘ゲーム技は動作補助や単独に使う牽制技が中心となる。

ヒノカミ神楽、日の呼吸自体が12の型を、乱舞の如く連続して休みなく繰り出すから、一度発動すれば他の技は不要なんだけど…。

 

補助とはいえ、格闘ゲームの必殺技には大きなメリットがある。

 

ある日、森の中で2メートル程の、可愛い熊さんに出会った時の事だ。

 

茂は寝てたんで母ちゃんに任せ、花子は竹雄に見て貰って、父ちゃんと炭治郎と共に薪を取りに山に入っていた。

 

私は薪よりも、大きな袋に山菜を取って入れていた。その時、恐らく風下から来たのだろう、ゴフッという声と共に獣臭を撒き散らして現れた熊は、既に彼我10メートルの距離にいた。

 

「禰豆子!」

 

父ちゃんがこっちに向かっているのは分かったが、熊もまた即座に襲いかかってきた。

逃げるべきだったのだろうが、頭の中でイケる!やれ!Los!Los!Los!と何かの声が響いた!

怖いとか、そう言う気持ちは全て吹き飛んでいた。

 

「アペフチカムイリムセ!」

 

山菜の入った袋を振り回し、華麗に舞う様に突進してくる熊に向かって四撃!

私の必殺技で吹き飛ばされた熊は、そのまま父ちゃんの斧で首を討たれてしまった。

 

この時気付いたのだ。普通に考えて突進してくる熊を袋程度で吹き飛ばすなんて、物理的に不可能なのだ。

しかし現実に起きた。という事は、必殺技は決まれば物理法則まで無視して敵にダメージを与え、吹き飛ばす事すらできる。

これが鬼にまで有効かは不明だが、有効なら強力な鬼への牽制技になるのでは!?

 

というわけで、必殺技の訓練は欠かせないのだ。

 

まあ、中には封印されし必殺技もある。

やれる!と思ったんでやった技は「スピニングバードキック」。

逆立ちする様にひっくり返り、両足を180°開いて竹とんぼの様に回転し、連続キックをする技だ。

ちなみに、私が着ている服は当然の様に着物だ。パンツ?何それ?腰巻きですよ?

ふと横を見ると、呆れた顔の父ちゃんと、真っ赤になった炭治郎と、鬼の様な…いや完全に鬼化した母ちゃんがいた。

 

「禰〜豆〜子ぉぉ!!」

 

ああ、鬼舞辻無惨って、こんな風に生まれたのかな…?

 

そこから記憶がほとんどない。

女の子とは!とか、恥じらいとは!とか、延々と説教された気がする。数時間正座で。

 

封印された物は横に置いて。

更に動作補助としては、素早く相手の懐に飛び込む技が有効だ。

台所からこっそり包丁を持ち出し、移動する必殺技をかける。

 

「アンヌムツベ!」

 

ほとんどしゃがんだ状態で足を切り裂く技や。

 

「レラムツベ!」

 

上空の敵を撃ち落とす技など、多岐に渡る。

待ってろよ、無惨!大自然のおしおきをしてやるぜ!

 

「禰豆子!包丁を何処にやったの!?」

 

やべっ!先に私がおしおきされる!

 

あっと言う間に追い付かれた。母ちゃん、本当に一般人?

 

 

 





「アペフチカムイリムセ」
「アンヌムツベ」
「レラムツベ」
サムライスピリッツに登場するナコルルの必殺技。アンヌムツベは足元を切り裂く様に突進し、レラムツベはアンヌムツベが斜め上に飛ぶ技。
アペフチカムイリムセは真サムライスピリッツより使える秘奥義で、外套を使って連続して相手を叩く。

「スピニングバードキック」
ストリートファイターIIの春麗の技。動作は作中の通り。
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