格闘ゲームの必殺技で鬼退治【完結済】   作:アールエー

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原作では逝った人達が炭治郎を助ける感動的なシーンですが、禰豆子ちゃんが奮闘した結果、亡くなった人が少なくこんな結末に…。


その五十五 無惨の最後

何やら、肉?の床の上に立っていた。

 

気持ち悪い。

 

ズブズブと肉の中に沈もうとしている。

これは、死の間際の心情風景?と言う事は…。

 

「竈門禰豆子。お前は死んだ。ふんだんに毒を入れられてな」

 

右手に巻き付いた肉から、目が出てきた。キモい。

肉には目しか付いてないのに、何か喋ってる。

いや、鬼っておかしいよな、頭だけになっても喋っているし。普通、肺とか呼吸器官があって空気が通って初めて喉から音が発生するのでは?

 

「何やら変な事を考えている様だが、どうでも良い。お前は私の意志を継ぐ者。最早お前は死んでいる。今頃鬼となり、多くの鬼殺隊の狂人共を殺しているだろう」

 

腹を刺された瞬間を思い出す。毒と分かった瞬間に、間違いなく爆血していた。朝日の中だったから瞬間しか効いてない可能性はあるが…。

それがなくても珠世さんの解毒剤があるし、例え暴れても、しのぶさんは容赦なく日輪刀で俺に藤の花の毒の代わりに、解毒剤を注入する筈だ。注射器にしては少々デカいけどな。

 

「無意味な考えはよせ。私の最後の血を全て注いだのだ。解毒剤如きでどうにも出来ない」

 

どうにでもなるさ。貴様如きの血で、この娘の人生を狂わせる事は許さん。

 

「…?…お前は…竈門禰豆子…なのか?」

 

禰豆子さ。この娘の奥底にある、前世の記憶の残滓と言う奴だが、禰豆子本人でもある。最早この娘に取っての、古い記憶になりつつあるモノだがな。

それより、貴様に言いたい事がある。

 

そろそろ死んではどうだ?鬼舞辻無惨。

もう充分に生きただろう?

 

「黙れ。竈門禰豆子は最後に痣を発症させている。鬼にならなければ数年の内に死ぬのだぞ?痣の代償を払わねばならぬ。竈門禰豆子は陽の光をも克服し、最強の鬼の王となるのだ」

 

それは無理だ。もうすぐ禰豆子は目覚め、俺は残滓すら無くなり只の古い記憶に成り下がるとしても分かる。禰豆子は鬼にならない。貴様の後も継がない。

そもそも、何故此処に来たのだ?無惨、それが貴様の人生最後にして、最大のミスだ。

 

『ラキキラキ!自ら魂を捧げに来るとは、殊勝なことよ』

 

『全くね…そんなに退屈な人生だったのかしら?』

 

『ニャハハ!活躍出来なかったから、ここでボッコボコにするよ〜!』

 

『鬼の王ね…。星に嫌われている分際で、許されると思っているの?』

 

「な…なんだ…?お前らは…!?」

 

寄りによって、何よりも怖い連中がいる場所に自ら来るとは。阿呆の極みか。

 

『…保護者さん、ご苦労さま』

 

『この保護者のお陰で、魂が歪んで完全に支配出来なかったのよね…』

 

それは申し訳ない。本来の運命が過酷だったからな。魂に影響が出ても、俺の記憶を入れたかったんだろ?神様か何かが。

 

『多分、幼い頃から記憶が入っていったから、この娘の性格、元のよりも随分はっちゃけてない?もしかして…』

 

…う~む…ん?もう時間切れだな?

 

『あ、逃げたわ』

 

「…え?あれ?ここは…あ!み、皆さんお揃いで…ええ!?」

 

『あら、目が覚めた?ここが何処か、貴女がよく知っているんじゃなくて?…ま、いいわ。この鬼の王(笑)とやらは処分しとくから、貴女は行きなさい。ほら、皆が呼んでるわよ』

 

確かに、上には藤の花が咲き乱れ、そこから私を呼ぶ声が聞こえ、伸ばしてくる暖かい手が見えます。

 

「禰豆子待て!!待ってくれ頼む!!私の意思を思いを継いでくれお前が!!」

 

『うるさいわね…。貴方の出番は終わったの。これからは悪夢の中で、じっくり遊んであげる…』

 

「禰豆子、禰豆子行くな!!私を置いて行くなアアアア!!」

 

私は四方から小突かれる、何故かとても切実に懇願する無惨を見ながら、上から伸びる手を取り、引き上げられて…。

 

 

「目を覚ましました?禰豆子さん」

 

「しのぶ…さん?」

 

目が覚めると、シーツの上で寝ていました。しのぶさんがテキパキと治療を施しています。

回りを見ると、お兄ちゃんが、杏寿郎師匠が、蜜璃お姉ちゃんが、伊之助君が善逸君が、心配そうに見てました。

 

「ね、禰豆子…禰豆子、無事なのか?良かった、良かった…」

 

「お兄ちゃん…。無惨は、どうなったの?」

 

「うむ!禰豆子の最後の投げ技で地面に叩き付けられて、見事に灰になったぞ!よくやった禰豆子!!」

 

「そうよ、禰豆子ちゃん!あんな巨体を投げるなんて、ものっすごかったんだから!」

 

「無事で良かったよ禰豆子ちゃぁんん!」

 

次々に声をかけられ、起き上がろうとするとしのぶさんに止められました。

でも、解毒さえすれば、腹の傷はそんなに大きくない様です。私はお兄ちゃんに手を貸して貰い、何とか立ち上がると皆と一緒に広場へ行きました。

 

そこでは、生き残った鬼殺隊の皆が、手を取り合って喜んでいるのが見えました。

ああ、本当に終わったんだ…。ふっと安心すると、何かに呼ばれる様にお兄ちゃん達と離れ、近くの建物の中に入ってしまいました。

 

そこには、六つ目の鬼が待ち構えていました。




色々意見はあると思いますが、本作では元々の禰豆子ちゃんの魂に、男の記憶を持つ他の魂の残滓(必殺技アプリをインストール済)が混ざった設定となっております。
本当の意味での性転換ではないかも知れませんが、真っさらな禰豆子ちゃんの魂からすれば性転換です。

全員生還を目指しているのに、禰豆子ちゃんの魂を追い出すのは本末転倒と考え、こんなややこしい事に…。我儘で申し訳ない。
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